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第4章【プロへの道】
第31話【分析せよ。次の対戦相手】
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俺がプロテストへの準備をしている最中、予想通り、次の対戦相手が決まった。
今年、日本ライト級ランキング10位に入った破竹の勢いの新人王・獅童(しどう)甲斐(かい)である。
今回は甲斐選手の試合のDVDを参考に対策が練られる。
「いきなり、ランキング5位の宗成君に挑もうとしているだけはあるね?
いや、この闘い方は君に似たファイトスタイルだと思うのだけど、どうだろう?」
「ええ。カウンター狙いのアウトボクサー・・・確かに自分に似ているスタイルだとは思います」
鈴木さんと坂田さんはテレビ画面に映る甲斐選手の姿を分析し、甲斐選手がカウンターの右ストレートでKOするまでを見詰める。
「映像からするにインファイターよりのアウトボクサーだ。
見る限りは筋は確かに新人王に輝いただけあって悪くはない。だが、既に対応策は幾つか出来た」
坂田さんはそう言うと椅子に座って此方を黙って見ていた会長さんに顔を向ける。
「今回は俺がセコンドに入ります。構わないですよね、会長?」
「坂田さんがセコンド?」
その言葉に俺が目を丸くすると坂田さんは不敵に笑う。
「伊達に三年も燻ってはいないさ。ライセンスは既に習得しているから、俺がセコンドにいても問題はないよ」
そう言って坂田さんがライセンスカードを見せると俺と鈴木さんはお互いを見詰めてから改めて、坂田さんに目を輝かせた。
これからは経験者で優れた洞察力を持つ坂田さんがサポートをしてくれるのだ。
これ以上、頼もしい事はないだろう。
なにより、坂田さんと鈴木さんのコンビネーションが見られる。
まさに鬼に金棒と言うものだ。
「さて、早速だが、獅童甲斐の特徴には幾つか欠点がある。
新人故にまだ粗っぽさがあるのかも知れないが、その内、1つはクロスレンジで打ち合おうとする事だ。
クロスレンジはクロスカウンターなどを打つ際に適しているが、その代わり、足を止めて打ち合う必要がある。
挑発などに乗らず、ミドルレンジからパンチを繰り出していれば、必然的にダメージを蓄積させる事が出来るだろう」
成る程。流石は坂田さんだ。甲斐選手の特徴をもう把握している。
俺と鈴木さんは黙って坂田さんの言葉に耳を傾ける。
「2つ目はインファイトよりであるが為に前傾姿勢になっている事だ。
見た限り、クロスレンジで打ち合う癖があるからか、そのせいでダッシュ力にやや欠けている。
クロスレンジに踏み込んで来るのに合わせて左右からボディーブローを当てる一撃離脱方法も良いだろう」
「成る程。まずは相手の足を奪うんですね?」
「そう言う事さ。獅童甲斐も自信のあるクロスレンジで勝負が来ないと解れば、嫌でも此方のスタイルであるアウトボクサシングについて来るしかない。その時の為に脚力を奪う」
・・・本当に坂田さんが敵でなくて良かったと思う。
ここまで分析し、対応策を編み出すのだから。
もしも、敵に回していたら、自分もこうやって分析されてしまうのかと思うとゾッとする。
「獅童甲斐には宗成君に負けない自信がある。だからこそ、君を指名した訳だ。
そこに少なからず、油断が生じている筈だろう」
「その油断に付け入る訳ですね?」
「そうさ。隙があれば、顎に向かってショートアッパーを叩き込むのもいい。
他にも穴は幾つかあるようだ。今頃はその穴を埋める為に訓練しているだろうから、俺達は更にその上を行く」
そう言うと坂田さんはニヤリと笑って、テレビを消す。
「対応策については以上だ。あとはこれを念頭にトレーニングしよう。
ある程度の動きは俺でも出来る筈だから、スパーリングも大丈夫だろう」
「はい!宜しくお願いします、坂田さん!」
坂田さんと鈴木さんはそんなやり取りをすると対獅童甲斐選手との試合に向けて、トレーニングをはじめる。
「よし!俺も!」
「待ちたまえ」
俺も張り切って二人に続こうとすると会長さんに呼び止められて立ち止まる。
あ。なんか、嫌な予感がする。
「正樹君はプロテストに向けて、勉強に励みたまえ。
糀君の代わりにしばらくは佐藤君が君の教師となるだろうから従うように」
・・・やっぱり、また佐藤さんか。
いや、佐藤さんが嫌いな訳ではないが、どうにも言葉がいまいち信用に欠けるんだよな、あの人。
まあ、会長さんの指示じゃあ、嫌とは言えないし、仕方がない。
どうか、とんちんかんな指示が飛んで来ませんように・・・。
今年、日本ライト級ランキング10位に入った破竹の勢いの新人王・獅童(しどう)甲斐(かい)である。
今回は甲斐選手の試合のDVDを参考に対策が練られる。
「いきなり、ランキング5位の宗成君に挑もうとしているだけはあるね?
いや、この闘い方は君に似たファイトスタイルだと思うのだけど、どうだろう?」
「ええ。カウンター狙いのアウトボクサー・・・確かに自分に似ているスタイルだとは思います」
鈴木さんと坂田さんはテレビ画面に映る甲斐選手の姿を分析し、甲斐選手がカウンターの右ストレートでKOするまでを見詰める。
「映像からするにインファイターよりのアウトボクサーだ。
見る限りは筋は確かに新人王に輝いただけあって悪くはない。だが、既に対応策は幾つか出来た」
坂田さんはそう言うと椅子に座って此方を黙って見ていた会長さんに顔を向ける。
「今回は俺がセコンドに入ります。構わないですよね、会長?」
「坂田さんがセコンド?」
その言葉に俺が目を丸くすると坂田さんは不敵に笑う。
「伊達に三年も燻ってはいないさ。ライセンスは既に習得しているから、俺がセコンドにいても問題はないよ」
そう言って坂田さんがライセンスカードを見せると俺と鈴木さんはお互いを見詰めてから改めて、坂田さんに目を輝かせた。
これからは経験者で優れた洞察力を持つ坂田さんがサポートをしてくれるのだ。
これ以上、頼もしい事はないだろう。
なにより、坂田さんと鈴木さんのコンビネーションが見られる。
まさに鬼に金棒と言うものだ。
「さて、早速だが、獅童甲斐の特徴には幾つか欠点がある。
新人故にまだ粗っぽさがあるのかも知れないが、その内、1つはクロスレンジで打ち合おうとする事だ。
クロスレンジはクロスカウンターなどを打つ際に適しているが、その代わり、足を止めて打ち合う必要がある。
挑発などに乗らず、ミドルレンジからパンチを繰り出していれば、必然的にダメージを蓄積させる事が出来るだろう」
成る程。流石は坂田さんだ。甲斐選手の特徴をもう把握している。
俺と鈴木さんは黙って坂田さんの言葉に耳を傾ける。
「2つ目はインファイトよりであるが為に前傾姿勢になっている事だ。
見た限り、クロスレンジで打ち合う癖があるからか、そのせいでダッシュ力にやや欠けている。
クロスレンジに踏み込んで来るのに合わせて左右からボディーブローを当てる一撃離脱方法も良いだろう」
「成る程。まずは相手の足を奪うんですね?」
「そう言う事さ。獅童甲斐も自信のあるクロスレンジで勝負が来ないと解れば、嫌でも此方のスタイルであるアウトボクサシングについて来るしかない。その時の為に脚力を奪う」
・・・本当に坂田さんが敵でなくて良かったと思う。
ここまで分析し、対応策を編み出すのだから。
もしも、敵に回していたら、自分もこうやって分析されてしまうのかと思うとゾッとする。
「獅童甲斐には宗成君に負けない自信がある。だからこそ、君を指名した訳だ。
そこに少なからず、油断が生じている筈だろう」
「その油断に付け入る訳ですね?」
「そうさ。隙があれば、顎に向かってショートアッパーを叩き込むのもいい。
他にも穴は幾つかあるようだ。今頃はその穴を埋める為に訓練しているだろうから、俺達は更にその上を行く」
そう言うと坂田さんはニヤリと笑って、テレビを消す。
「対応策については以上だ。あとはこれを念頭にトレーニングしよう。
ある程度の動きは俺でも出来る筈だから、スパーリングも大丈夫だろう」
「はい!宜しくお願いします、坂田さん!」
坂田さんと鈴木さんはそんなやり取りをすると対獅童甲斐選手との試合に向けて、トレーニングをはじめる。
「よし!俺も!」
「待ちたまえ」
俺も張り切って二人に続こうとすると会長さんに呼び止められて立ち止まる。
あ。なんか、嫌な予感がする。
「正樹君はプロテストに向けて、勉強に励みたまえ。
糀君の代わりにしばらくは佐藤君が君の教師となるだろうから従うように」
・・・やっぱり、また佐藤さんか。
いや、佐藤さんが嫌いな訳ではないが、どうにも言葉がいまいち信用に欠けるんだよな、あの人。
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