AFTER DEAD「最後の帰路」

ハンドアイランド

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合わさるピースと、欠けるピース

黒い影

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血が、谷風の足元に広がっている。


ーーただ死に場所を探していただけだろう?

違うと、言いたかったが反論できなかった。


「まあ、でもさ」

「君の言う通りかもしれないね」

ナイフを指で遊びながら言う。

「ヒーローとは理解できない存在だ」

くすっと笑う。

「自分の腹を裂いて死ぬなんて、絶対できないもんな~」

自分が指示をしたのに、それを忘れたかのように言う。


谷風が無理やり、顔を上げる。

「、、、約束通り、、、」

「その子を、、、離せ、、、、」

男は何も言わず、谷風を見つめている。


「谷風くん」

「君がヒーローなら」

「僕は悪役だよね」

口元が、歪む。

「ヒーローと同じように、悪役も理解できない存在なんだ」

不吉な笑み。

「君との約束は守らず、この子は殺す」


「君がヒーローを貫いたように、僕も悪役を貫くよ」


谷風の歯が、きしむ。


「谷風、、、、」

「お前は正直すぎる。
  この男が約束なんて、守るわけないだろう、、、!」

小野川が吐き捨てるように言った。


ゴホッーー。

谷風の体が大きく揺れた。

ドバッ、、、!

大量の血が、谷風の口から吐き出された。

「はあ……っ……はあ……っ……」


膝をつき、前かがみになっていた谷風が、横に傾く。


ドサッ……。

谷風の体は、地面に倒れた。


「やっと逝ったか」

「意外と、すぐには死なないみたいだね」

まるで、興味深い発見をしたように言う男。


コツ……コツ……

少女の首にナイフを添えたまま、ゆっくりと歩き出す。

そして、谷風の前で立ち止まる。

男は、谷風の顔を足で軽く蹴った。
まるで物を確認するように。

谷風の顔が、横を向く。

目は、半開きで光はない。

「ちゃんと死んでるね」

満足そうに頷いた。

全員の表情に怒りが浮かんでいた。


「これで二人目だ」

二人目。

林と谷風のことだ。


男は少女の頬を、ナイフの側面でペチペチと叩いた。

「次は君だよ」

少女の体が震える。


俺はただ、少女を見ていることしか出来なかった。

助けに行けば、撃たれる。
何もできない。


男はそんな俺達の様子を見て、ただ笑った。

「では、三人目の処刑を始めようか」

「まあ君たちもすぐ、後を追わせてあげるからね」

ナイフを持った手で、俺達を順に指す。

そして再び、少女の首元に戻す。

刃の向きが、少女の首を向いている。

あと少し、力を入れれば終わってしまう。

だが、誰も動けない。


「じゃあね~」

男がナイフを持つ手に力を入れる。


その時ーー、

男の背後に、黒い影が立ち上がった。

その異様に大きい影が、男に覆いかぶさった。
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