王女様は聖女様?いいえ、実は女神です(こっそり)~転生王女は可愛いもふもふと愛するドラゴンを守るため最強の仲間と一緒に冒険の旅に出る~

しましまにゃんこ

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第3章 おてんば姫の冒険録

6 兄の想い

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 ◇◇◇

「ティアラがアリステア王国へ?どうして今そんな話が出たんだ?」

 執務室でカミールはティアラたち一行と向き合っていた。報告を受けて飛んできたアデルもまた、厳しい表情でたたずんでいる。

「エリック、ジャイル、ミハエル……これはお前たちの差し金か?お前たちの国の争いにティアラを巻き込もうというのか?そのつもりなら私はお前たちを許さない」

 カミールが三人に向けた厳しい言葉に、ティアラは慌てて首を振った。

「違うっ!アリステア王国に行きたいって言ったのは私なの」

「ティアラが?」

 カミールに見つめられてティアラは再びフィリップと自分について語り始めた。自分が大賢者アリシアの生まれ変わりであること。女神アリステアと大賢者アリシアと同じ創世の魔法が使えること。パートナーのドラゴンであるフィリップをずっと探し続けていたこと。そしてもしそのドラゴンが闇落ちしたのであれば、救えるのは自分だけだと。

「もしアリステア王国がドラゴンの力を利用しようとしているなら……私が止めなきゃいけないの」

 カミールもアデルも愛する妹の突然の告白に言葉を失っていた。

「ティアラが大賢者アリシアの生まれ変わり……それは、ティアラにはアリシア様の記憶があるということかい?」

「ええ。前世の記憶を思い出したのは8歳のころだけど。少しずつ記憶がよみがえって、今ではほとんど思い出していると思うわ」

「創世の魔法使い……そうか……そんなことが、本当にあるんだな」

 カミールがポツリと漏らした言葉にアデルもまた大きなため息をついた。

「ティアラが特別な存在であることは分かっていた。見たこともない虹色の魔力と膨大な力を見たときから。だが、大賢者様の生まれ変わりだったとはな。ドラゴンを鎮めるのにティアラのもつ特別な魔力が必要だと言うんだな?」

 ティアラがこくりと頷くとカミールとアデルもまた顔を見合わせ、頷き合った。

「俺たちが止めても、ティアラは行くんだろう?」

 アデルの言葉にティアラは決意を浮かべた顔で頷く。

「心配かけてごめんなさい。でも、いくわ」

「ティアラは言い出したら聞かないからな……」

 カミールのやるせなさそうなつぶやきに胸が痛む。

「もしどうしても行かねばならないなら、私もお前の助けになりたい。だが、私が今国を離れるわけにはいかない」

 いつ大国同士の戦争が始まるか分からず、国の一大事の今、国の中心人物であるカミールが自国を離れることができないのは誰もが分かっていた。悲痛な表情を浮かべるカミールにセバスが胸を叩いて見せる。

「カミール様、ご安心召され。このじいが命に代えても姫様をお守りします!」

「じいや……」

「私たちは、ティアラのパーティーの一員として全力でティアラを護ります」

 エリックの言葉にジャイルとミハエルも大きく頷いて見せる。

「しかし、エリックは戦争を起こそうとしているアリステア王国の第二王子、ジャイルとミハエルも標的となっているノイエ王国の後継候補だ。三人とも難しい立場だろう?」

「まだ戦争は始まっていません。私達は戦争回避のためにも速やかに行動する必要があると考えています」

 エリックの言葉にカミールが苦悩しているのが分かる。

「俺はついていくぜ?いいだろ、兄貴」

 アデルがゆらりと体を起こすとティアラをしっかりと見つめる。

「もし俺に何かあってもこの国にはカミールがいる。俺は、カミールの憂いを晴らすためにも、持てる全力でお前を護る」

「アデルお兄様……」

 アデルの言葉にカミールも覚悟を決めた。

「行ってくれるか、アデル」

「ああ。兄貴の分までしっかりやるよ。アリシア王国のことは任せた」

「すまないな……」

「そうと決まれば出発だな。通常アリステア王国には船で向かうことが多いが……少人数だから飛竜で行ってもいいな」

「飛竜で!?」

 目を丸くする一堂にアデルはにやりと笑った。
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