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第3章 おてんば姫の冒険録
46 守る力
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♢♢♢
「急いで結界を張るけど、街全体に張るには時間がかかるわ。皆お願い。この魔石を手分けして街中に置いてきて欲しいの」
「分かった」
「私は街の中央に向かう」
「一人で大丈夫なのか」
「魔石を使った結界が完成するまでの間ぐらいなら耐えてみせる!」
「無茶は、するなよ……」
ティアラはジャイルの言葉には答えず、にっこり微笑んでみせる。パーティーの仲間たちは魔石を持つと一斉に駆け出していった。
♢♢♢
街の中央にある時計台の上に立つと、強固な結界を作るための準備を始める。まずは街全体を覆う薄い結界を張り、それを次々と重ねることでより強固な結界にしていくのだ。
「あの影がどれほどの攻撃力を持つかわからないけど……ドラゴンのブレス並みの威力があれば、街は簡単に壊滅するわ。お願い皆。信じてるわよ……」
ドラゴンのブレスをも防ぐ結界。より、強く、硬く、熱をも通さない結界か。あるいはしなやかで柔らかく、全てのダメージを吸収してしまうような結界か。作りたいと思うイメージによって結界の効果も変わってくる。
(ううん。どっちかじゃ駄目。いくつもの効果を何層にも重ねる。物理攻撃にも魔法攻撃にも耐えうるように!)
そのとき、上空で不気味に蠢いていたドラゴンの影から、次々と衝撃波が放たれる。慌てて張った二層の結界のうち、硬い結界が壊れ、柔らかい結界が吸収する。
(イケる!このまま重ねるっ!)
前世と変わらぬ魔力量になったとしても、所詮人の身。人ならざる女神の器とは比べるべくもない。魔力を十分に取り込むことの叶わない環境で膨大な魔力を使い続ければ、やがて空になる。
それを、補うための魔石。これが、今回ティアラにとってただひとつの切り札だ。
だが……神竜は違う。その強靭な体には、女神と同等の神力が宿る。無尽蔵とも言える神力。神力は、魔力の素となる凝縮したエネルギーそのもの。いまのフィリップにどれほどの神力が宿るのかは分からない。まして、あの影にどのくらいの魔力が注がれているのかも。
(けれど、あの影に意志はない。与えられたエネルギーを使って、ただただ、破壊を繰り返すだけだとしたら、魔力が尽きるまで耐えるしかないっ!)
意志のないエネルギー体である以上、下手に手を出すと大爆発を引き起こす可能性がある。防御一択を選ぶと、体に宿るありったけの魔力を、結界に注ぎ込む。
(お願い。足りて!)
「ティアラっ!大丈夫かっ!」
「ジャイル?魔石はっ!?」
「師匠のゴーレムとミハエルの風魔法を使ってすでに街中にばら撒いている!今、街全体を取り囲むように埋め込んでるところだ。エリックとセバスは、住民を街の中心に誘導している。こうなれば、結界の中心が一番安全だからな」
ジャイルの言葉に強く頷くティアラ。
「準備はできたわね。全力でいくわっ!」
言うなり、高速で結界を展開していく。
「凄えな……」
ティアラの展開する防御結界を見て、ジャイルが思わず感嘆の言葉を漏らす。
幾重にも張り巡らされた虹色の結界は、まるで宝石のような輝きを持って煌めいていた。
「急いで結界を張るけど、街全体に張るには時間がかかるわ。皆お願い。この魔石を手分けして街中に置いてきて欲しいの」
「分かった」
「私は街の中央に向かう」
「一人で大丈夫なのか」
「魔石を使った結界が完成するまでの間ぐらいなら耐えてみせる!」
「無茶は、するなよ……」
ティアラはジャイルの言葉には答えず、にっこり微笑んでみせる。パーティーの仲間たちは魔石を持つと一斉に駆け出していった。
♢♢♢
街の中央にある時計台の上に立つと、強固な結界を作るための準備を始める。まずは街全体を覆う薄い結界を張り、それを次々と重ねることでより強固な結界にしていくのだ。
「あの影がどれほどの攻撃力を持つかわからないけど……ドラゴンのブレス並みの威力があれば、街は簡単に壊滅するわ。お願い皆。信じてるわよ……」
ドラゴンのブレスをも防ぐ結界。より、強く、硬く、熱をも通さない結界か。あるいはしなやかで柔らかく、全てのダメージを吸収してしまうような結界か。作りたいと思うイメージによって結界の効果も変わってくる。
(ううん。どっちかじゃ駄目。いくつもの効果を何層にも重ねる。物理攻撃にも魔法攻撃にも耐えうるように!)
そのとき、上空で不気味に蠢いていたドラゴンの影から、次々と衝撃波が放たれる。慌てて張った二層の結界のうち、硬い結界が壊れ、柔らかい結界が吸収する。
(イケる!このまま重ねるっ!)
前世と変わらぬ魔力量になったとしても、所詮人の身。人ならざる女神の器とは比べるべくもない。魔力を十分に取り込むことの叶わない環境で膨大な魔力を使い続ければ、やがて空になる。
それを、補うための魔石。これが、今回ティアラにとってただひとつの切り札だ。
だが……神竜は違う。その強靭な体には、女神と同等の神力が宿る。無尽蔵とも言える神力。神力は、魔力の素となる凝縮したエネルギーそのもの。いまのフィリップにどれほどの神力が宿るのかは分からない。まして、あの影にどのくらいの魔力が注がれているのかも。
(けれど、あの影に意志はない。与えられたエネルギーを使って、ただただ、破壊を繰り返すだけだとしたら、魔力が尽きるまで耐えるしかないっ!)
意志のないエネルギー体である以上、下手に手を出すと大爆発を引き起こす可能性がある。防御一択を選ぶと、体に宿るありったけの魔力を、結界に注ぎ込む。
(お願い。足りて!)
「ティアラっ!大丈夫かっ!」
「ジャイル?魔石はっ!?」
「師匠のゴーレムとミハエルの風魔法を使ってすでに街中にばら撒いている!今、街全体を取り囲むように埋め込んでるところだ。エリックとセバスは、住民を街の中心に誘導している。こうなれば、結界の中心が一番安全だからな」
ジャイルの言葉に強く頷くティアラ。
「準備はできたわね。全力でいくわっ!」
言うなり、高速で結界を展開していく。
「凄えな……」
ティアラの展開する防御結界を見て、ジャイルが思わず感嘆の言葉を漏らす。
幾重にも張り巡らされた虹色の結界は、まるで宝石のような輝きを持って煌めいていた。
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