86 / 91
第3章
79話 帰還
しおりを挟む
「え~と。急に体の拘束が解けたんで慌てて転移で逃げてきたんですよ~。あはは」
とにかくクリスに会いたくて、何も考えずにログインしてきてしまった。
よくよく考えてみれば、いきなり俺がここに現れたのはかなり不自然だ。
俺はオルガに捕らえられていたはずなのにいきなりタイミングよく、しかも一度行ったことのある場所じゃないと転移できないことになっているのになぜ転移できたのか、言い訳を全く考えていなかった。
こ、ここは笑って誤魔化すしかないな…。
「な、何かあったんですか?なんだか騒々しいですね…。でも、クリスさんが無事で良かったです!」
ちょっと白々しかったか?
クリスはずっと涙を目に浮かべながら、ニコニコとしている。
う~ん。やっぱり誤魔化せてない気がする。
あれこれ言い訳のBプランを考えている俺の手を引っ張って、クリスが目の前のテントに俺を連れて行こうとする。
なんか怖い。
「え、え~と!じ、実は近くで見てまして…」
「しー。タケル。わかっている。こっちで話そう。」
クリスの優しい眼差しに俺を押し黙るしかなかった。
困惑した俺の手を握ったまま、クリスはこの平原内で一際大きいテントの中に入った。
テントの中にはキーレンとジェレミアしかいない。確かここで各国の代表たちがいたんだったっけ。
さっき逃げ出したはずだから、それで2人しかいないんだと理解した。
「タケル殿、無事だったか。良かった!ではこちらに。」
そう言いながらキーレンは俺をテントの奥にいくよう勧められる。
奥に立たされると、クリスとキーレン、その後ろにいるジェレミアが俺の方に体を向けて、その場で俺に跪いた。
突然のことに動揺している俺を尻目にキーレンが口を開く。
「我らが神よ。我らを危機からお救いくださりありがとうございます。」
「えっ!おっ!はっ!?な、ななな、なんですか急に?」
我ながら素っ頓狂な変な声が出てしまうことが恥ずかしい。
想定外のことが起きると何も考えられなくなるんだな。
「貴方様のことは教会で妖精様とお会いして、神であると伺っておりました。もっとも教皇猊下はもっと前よりご存知のようでしたが…」
そうだった。あの動画、ナビーが撮ったんだ。その時に3人にあって俺のことを話していたとしてもなんらおかしくない。に、しても教皇はもっと前から知っていたとは?
「神の絵姿が歴代の教皇にだけは伝わっていたそうです。」
あ~やっぱり特例を作るべきではなかった…。
初めてこの世界に姿を出した時、あれはあくま創造者モードでのものだったけど…やたらと持ち上げられすぎて恥ずかしくなり、いつの間にか作られていた絵とか彫像は無くすようにお願いしたんだ。
ただその時の代表者にだけはどうか残させてほしいと縋りつかれて、渋々了承した。まさかそれが残っていたとは。
「じゃ、じゃあもう知ってるんだ?」
「私とクリス、ジェレミアと教皇猊下のみ、ですが。」
「そ、そう…ですか。」
「私どもは国をあげてタケル様のご意志に従います。どうか我らをこれからもお導きください。」
「ちょ、ちょっと待って!僕は確かにこの世界を作ったり、色々やってきたけど、そうやって注目されたり傅かれるの慣れていないんです!僕は元の世界では一般人です。どうか…やめてください。それと普通に立ってください。」
そういうとやっと3人とも立ってくれた。
もうほんと心臓に悪いからやめてくれ。
「ぼ、僕の望みは平和になった世界で普通に過ごすことです。だからどうか、このことは誰にも言わないでください。」
なんとか突っかからずに全部言えた。俺の望みは平和な世界でクリスさんと一般人として冒険に行くこと。
大勢の人に傅かれて…常に注目されて自由に行動できないのは俺の望むところじゃない。
「タケル。大丈夫だ。これからは俺がお前を守るから。」
そう言ってクリスが俺を背後から抱きしめる。
ああ、本当に守れて良かった。
「タケル殿がそう仰るなら、このことを広めるのはやめましょう。教皇猊下にもこのことは伝えておきますが、一度は顔をお見せになってあげてください。とにかく貴方のことを心配しておられました。ジェレミアもいいな?」
「殿下の仰せの通りに。」
これでとりあえずこの話は終わりだな。早く王都に戻ってクリスとゆっくり話したいところだし、早めに撤収してもらいたいので、俺の知っていることも話しておこう。情報の出どころをいちいち聞かれる心配も無くなったことだし。
立ち話もなんなので、俺たちはテーブルについて話をすることにした。
「じゃ、僕の正体もバレてしまったので色々知っていることを話しておきますね。まず宰相は身動きの取れない状態になっています。あの紫の物体…僕たちの世界ではバグと呼んでいますが、あのバグに深く関わっている人物は全て別の空間に隔離されています。なので、これ以上帝国が襲ってくることはないと思います。」
「帝国には宰相以外にも強硬派がいると聞いていますが…宰相の路線を継続する動きはないのでしょうか?」
「今帝国は魔王陛下が直接治めています。強硬派も魔王陛下が責任持って抑えると約束してくれました。」
「魔王ともお話されたのですか?噂では冷酷無比な武闘派と聞いていますが…」
「いやいや、魔王陛下はとても理性的で穏やかな方ですよ。何より魔族が平穏に過ごせることを願っているから、彼としても戦争が起きることは望んでいないのです。」
「そうなのですか…それなら会談することも可能なのかも…そういうことでしたら、軍は必要ありませんね。」
「はい。すぐにでも解散して国に帰っても大丈夫です。それにあのバグは完全に消えましたので、何かあっても僕がみんなを守ります!」
にこやかに俺はそう話した。
そしたらキーレンとジェレミアが俺の足元まで寄ってきてまた跪いてしまった。今度は手まで組んで祈りを捧げてくる。
「ちょ、本当にやめてください!僕は僕に出来ることをやっているだけですから!そんな崇高な存在じゃありませんから!」
「それでも感謝を伝えずにはおられないのです。神よ…ありがとうございます。」
「もう…これ以上僕の目の前でそういうことしたら、もう二度と姿を見せませんからね。」
「わかりました。タケル殿のいないところで祈ることにします。」
なんだか伝わっているんだか、いないんだか。でもまあ見えないところでやる分にはもう何もいうまい。
自分の席に2人が戻ったのを見て、俺はクリスの腕をとり立ち上がった。
「というわけで、平原に集まった人たちはすぐに解散して、お国に戻るよう指示しても大丈夫です!その後あらためて国の代表の方々で話し合ってください!それとクリスさんと僕は一足お先に王都に戻ります!」
もうこれで必要なことは伝えたし、早くクリスと2人になりたい。
キーレンとジェレミアは頭を下げて了承の意を示した。一方クリスは「え?俺?」という顔をしている。
俺はクリスの腕を取りながら、キーレンにまた明日会いにくることを伝えてそのまま、王都の自分の部屋に転移した。
「ここは…俺たちの家…か?」
「クリスさん!良かった!本当に間に合って良かった!」
クリスをぎゅっと抱きしめる。もっとも体格が違いすぎて側から見たら俺がクリスにしがみついているようにしか見えないかもしれない。
「タケル…俺も心配した。もし、タケルに何かあったらと思うと不安で仕方なかった。」
クリスも俺を抱きしめ、少し長めのキスをした。
ついさっきまで不安で不安で仕方なかったけれど、こうして会ってその愛しい存在に触れてようやく安心できる。
もうクリスには俺がこの世界の住人ではないことを知られてしまったけれど…それでも変わらずに俺を愛してくれる。もうきっとこんな人、元の世界にも現れることはないだろう。
俺たちはお互いが十分満足するまで、しばらく互いを抱き合った。
この時、まだライブ配信が続いていたことに俺は翌日になって気がついたのだった。
とにかくクリスに会いたくて、何も考えずにログインしてきてしまった。
よくよく考えてみれば、いきなり俺がここに現れたのはかなり不自然だ。
俺はオルガに捕らえられていたはずなのにいきなりタイミングよく、しかも一度行ったことのある場所じゃないと転移できないことになっているのになぜ転移できたのか、言い訳を全く考えていなかった。
こ、ここは笑って誤魔化すしかないな…。
「な、何かあったんですか?なんだか騒々しいですね…。でも、クリスさんが無事で良かったです!」
ちょっと白々しかったか?
クリスはずっと涙を目に浮かべながら、ニコニコとしている。
う~ん。やっぱり誤魔化せてない気がする。
あれこれ言い訳のBプランを考えている俺の手を引っ張って、クリスが目の前のテントに俺を連れて行こうとする。
なんか怖い。
「え、え~と!じ、実は近くで見てまして…」
「しー。タケル。わかっている。こっちで話そう。」
クリスの優しい眼差しに俺を押し黙るしかなかった。
困惑した俺の手を握ったまま、クリスはこの平原内で一際大きいテントの中に入った。
テントの中にはキーレンとジェレミアしかいない。確かここで各国の代表たちがいたんだったっけ。
さっき逃げ出したはずだから、それで2人しかいないんだと理解した。
「タケル殿、無事だったか。良かった!ではこちらに。」
そう言いながらキーレンは俺をテントの奥にいくよう勧められる。
奥に立たされると、クリスとキーレン、その後ろにいるジェレミアが俺の方に体を向けて、その場で俺に跪いた。
突然のことに動揺している俺を尻目にキーレンが口を開く。
「我らが神よ。我らを危機からお救いくださりありがとうございます。」
「えっ!おっ!はっ!?な、ななな、なんですか急に?」
我ながら素っ頓狂な変な声が出てしまうことが恥ずかしい。
想定外のことが起きると何も考えられなくなるんだな。
「貴方様のことは教会で妖精様とお会いして、神であると伺っておりました。もっとも教皇猊下はもっと前よりご存知のようでしたが…」
そうだった。あの動画、ナビーが撮ったんだ。その時に3人にあって俺のことを話していたとしてもなんらおかしくない。に、しても教皇はもっと前から知っていたとは?
「神の絵姿が歴代の教皇にだけは伝わっていたそうです。」
あ~やっぱり特例を作るべきではなかった…。
初めてこの世界に姿を出した時、あれはあくま創造者モードでのものだったけど…やたらと持ち上げられすぎて恥ずかしくなり、いつの間にか作られていた絵とか彫像は無くすようにお願いしたんだ。
ただその時の代表者にだけはどうか残させてほしいと縋りつかれて、渋々了承した。まさかそれが残っていたとは。
「じゃ、じゃあもう知ってるんだ?」
「私とクリス、ジェレミアと教皇猊下のみ、ですが。」
「そ、そう…ですか。」
「私どもは国をあげてタケル様のご意志に従います。どうか我らをこれからもお導きください。」
「ちょ、ちょっと待って!僕は確かにこの世界を作ったり、色々やってきたけど、そうやって注目されたり傅かれるの慣れていないんです!僕は元の世界では一般人です。どうか…やめてください。それと普通に立ってください。」
そういうとやっと3人とも立ってくれた。
もうほんと心臓に悪いからやめてくれ。
「ぼ、僕の望みは平和になった世界で普通に過ごすことです。だからどうか、このことは誰にも言わないでください。」
なんとか突っかからずに全部言えた。俺の望みは平和な世界でクリスさんと一般人として冒険に行くこと。
大勢の人に傅かれて…常に注目されて自由に行動できないのは俺の望むところじゃない。
「タケル。大丈夫だ。これからは俺がお前を守るから。」
そう言ってクリスが俺を背後から抱きしめる。
ああ、本当に守れて良かった。
「タケル殿がそう仰るなら、このことを広めるのはやめましょう。教皇猊下にもこのことは伝えておきますが、一度は顔をお見せになってあげてください。とにかく貴方のことを心配しておられました。ジェレミアもいいな?」
「殿下の仰せの通りに。」
これでとりあえずこの話は終わりだな。早く王都に戻ってクリスとゆっくり話したいところだし、早めに撤収してもらいたいので、俺の知っていることも話しておこう。情報の出どころをいちいち聞かれる心配も無くなったことだし。
立ち話もなんなので、俺たちはテーブルについて話をすることにした。
「じゃ、僕の正体もバレてしまったので色々知っていることを話しておきますね。まず宰相は身動きの取れない状態になっています。あの紫の物体…僕たちの世界ではバグと呼んでいますが、あのバグに深く関わっている人物は全て別の空間に隔離されています。なので、これ以上帝国が襲ってくることはないと思います。」
「帝国には宰相以外にも強硬派がいると聞いていますが…宰相の路線を継続する動きはないのでしょうか?」
「今帝国は魔王陛下が直接治めています。強硬派も魔王陛下が責任持って抑えると約束してくれました。」
「魔王ともお話されたのですか?噂では冷酷無比な武闘派と聞いていますが…」
「いやいや、魔王陛下はとても理性的で穏やかな方ですよ。何より魔族が平穏に過ごせることを願っているから、彼としても戦争が起きることは望んでいないのです。」
「そうなのですか…それなら会談することも可能なのかも…そういうことでしたら、軍は必要ありませんね。」
「はい。すぐにでも解散して国に帰っても大丈夫です。それにあのバグは完全に消えましたので、何かあっても僕がみんなを守ります!」
にこやかに俺はそう話した。
そしたらキーレンとジェレミアが俺の足元まで寄ってきてまた跪いてしまった。今度は手まで組んで祈りを捧げてくる。
「ちょ、本当にやめてください!僕は僕に出来ることをやっているだけですから!そんな崇高な存在じゃありませんから!」
「それでも感謝を伝えずにはおられないのです。神よ…ありがとうございます。」
「もう…これ以上僕の目の前でそういうことしたら、もう二度と姿を見せませんからね。」
「わかりました。タケル殿のいないところで祈ることにします。」
なんだか伝わっているんだか、いないんだか。でもまあ見えないところでやる分にはもう何もいうまい。
自分の席に2人が戻ったのを見て、俺はクリスの腕をとり立ち上がった。
「というわけで、平原に集まった人たちはすぐに解散して、お国に戻るよう指示しても大丈夫です!その後あらためて国の代表の方々で話し合ってください!それとクリスさんと僕は一足お先に王都に戻ります!」
もうこれで必要なことは伝えたし、早くクリスと2人になりたい。
キーレンとジェレミアは頭を下げて了承の意を示した。一方クリスは「え?俺?」という顔をしている。
俺はクリスの腕を取りながら、キーレンにまた明日会いにくることを伝えてそのまま、王都の自分の部屋に転移した。
「ここは…俺たちの家…か?」
「クリスさん!良かった!本当に間に合って良かった!」
クリスをぎゅっと抱きしめる。もっとも体格が違いすぎて側から見たら俺がクリスにしがみついているようにしか見えないかもしれない。
「タケル…俺も心配した。もし、タケルに何かあったらと思うと不安で仕方なかった。」
クリスも俺を抱きしめ、少し長めのキスをした。
ついさっきまで不安で不安で仕方なかったけれど、こうして会ってその愛しい存在に触れてようやく安心できる。
もうクリスには俺がこの世界の住人ではないことを知られてしまったけれど…それでも変わらずに俺を愛してくれる。もうきっとこんな人、元の世界にも現れることはないだろう。
俺たちはお互いが十分満足するまで、しばらく互いを抱き合った。
この時、まだライブ配信が続いていたことに俺は翌日になって気がついたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる