虹色の流れ星

藤沢なお

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ハシビロコウのねがいごと

*2

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家を出るとすぐに、

「コウタさん、おはよう」

小鳥のパティーが声をかけてきた。

「こんなに朝早くどこへ行くの?」

「森へ行くんだ。星のカケラが
  落ちていないかと思って」

「まあ、星のカケラ?  そういえば、
  うちのお母さんとおばさんが
  まだ子どもだったころ、二度もカケラを
  見つけたことがあるって言ってたわ」

「本当に!?」

コウタは驚いて聞き返した。

「本当よ。だけど二度とも湖の中に
  落としてなくしちゃったんですって」

「えー!」

「一度めは、家に持って帰る途中で、
  二度めは、遊びに行くのに
  持っていったときに。湖の上なんか
  飛ばなきゃよかったって嘆いたそうよ」

パティーはまるで自分がカケラを
なくしたかのように切なそうな顔をした。

「それは、残念だったね。それで……
  そのカケラは何色だったの?」

「青と水色だそうよ。お母さん、
  自分たちの羽と同じ色だったのにって、
  しょんぼりしてたわ。
  まあ気持ちはわかるけどね」

そう言ってパティーは自分の青い羽を
パタパタ広げた。

「ところでコウタさんは?
  何色のカケラを探しに行くの?」

「ぼくは、虹色のカケラを探しに行くんだ。
  それで、お母さんの病気が治るように
  お願いするんだよ」

虹色の流れ星のカケラの話は、
古くからある言い伝え。

昔は、虹色のカケラを見つけた子が
願いをかなえてもらったといううわさも
あったらしいが、ここ何年もそんな話は
聞いたことがない。それでも毎年、
この時期になると、子どもたちが
きらきら瞳をかがやかせ、
カケラを探しに森へ行く。

コウタの母のことを知っているパティーは、

「そうね……そうよね。虹色のカケラが
  見つかるといいわね」

とつぶやいた。

「うん。じゃあ、行ってくるね」

そうコウタが歩きだそうとしたとき、

「ちょっと待って!」

パティーが急いで呼び止めた。

「これ、あげるわ」

とコウタの前に差し出したのは青い羽。
自分の翼から一枚、抜いたようだ。

「カケラが見つかりますようにって、
  願をかけたわ。お守り代わりよ」

コウタは受け取った羽を
太陽に透かしてみせた。

つやつやと光沢があるきれいな青。

「ありがとう」

コウタはお礼を言うと、
森に向かって歩きだした。
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