アメイジングノービス ~異世界でチートツールが使えたけど物理法則さんが邪魔をする~

逢須 かた丸

文字の大きさ
55 / 250
2章 冒険者としての生活

魔晶石に対する温度差がすごい

しおりを挟む
可能な限り毎日更新頑張りますが
時間は不定期とさせてください。
------------------------------------------------------------------



 内心ドキドキしながら、魔晶石を1つ取り出してコトリとテーブルに乗せる。


「ほう、これは想像以上に高品質な魔晶石だな」


 魔晶石は鑑定と解析で温度差のあるアイテムでもある。

 結果はこうだ。


《高純度の魔晶石》

:純粋な魔力を内包した鉱石。 不純物が無いため抵抗なく魔力を取り出すことが出来る。

 魔道具の動力源や魔法行使の際に自身の魔力の代わりに使用できる。神に奉納することでアーティファクトが得られる場合がある。


---------------------------------------

魔晶石

魔晶石×1   120円

魔晶石×6   480円

魔晶石×14  1000円

魔晶石×30  2000円

魔晶石×80  5000円

魔晶石×200 10000円


特定商取引法についての表記▽


コード

……

---------------------------------------


 この世界に来てしまって、どうやって購入しろというのかわからないが、ゲームでの魔晶石は一字一句間違い無しにこうであったことは確かだ。

 もう少しなんとかならんかったのか……。


「入街審査の際に、これを9つも出したという報告を受けているが相違ないな?」


「あ、はい間違いありません」


「コレだけのものを所持していて取扱いを憶えていないというのは問題か……。 イオリ、今後この魔晶石はここのように結界の施された場所以外で取り出してはならん」


「それはなぜでしょうか?」


 なんとなく想像が出来るけど、知ったかぶりしても仕方がない聞いておいた方が確実だろう。

 話しによると、魔晶石は極稀にダンジョンから発見される貴石で、内包する魔力は様々な用途がある事も確かだが、実際に出くわしたドラゴンを始めこの世ならざるものを呼び寄せてしまう性質があるのだそうだ。

 なぜ、そういった存在が引き寄せられるのかは解っていないそうだが、アイテムボックスに入っていればとりあえず大丈夫なようだが良いものも悪いものも等しく呼び寄せてしまうので、取扱には注意が必要だということだった。


「さらに言えば、王家として城などに保管されている数と比べればそう多くはない数かもしれんが、過去の大規模な戦争であっても5個以上使用したという記録はない。 同時に9個もの魔晶石を個人が所持しているというのは通常ではあり得ないのだ」


 想像以上にやっかいなものだな、まあ現状使いみちといったら、神に奉納とかいうガチャっぽいものに使うしかないから死蔵させておけば良いとして、ドラゴンが魔晶石に釣られて出てきたことについては認めてしまおう。


「そこまでのものだという認識はありませんでした。 であれば、ドラゴンも私が呼び寄せてしまったということだったのですね、憶えていないこととはいえ惨事になったかもしれない軽率な行動をしていたことを謝罪いたします」


「よい、それについては自ら始末をつけたのであろう、貴重なドラゴンの素材によって我が領も潤おったのだ、結果だけ見れば悪いことにはなっておらん、今後気をつけてくれれば良い」


「しかし、このまま個人で所持してるということが問題であるということも認識できましたし、領主であるジークフリード様にすべてお渡ししようかと思うのですが、いかがでしょう?」


 そうすれば、建前上1個も持ってませんよーということで通せるからな。


「それは出来ない。 国交の内遥か遠方の国のことなので意図や仕組みまではわからないが、魔晶石の性質までは変わるまい。 そうであるならば魔晶石は国家所有のものでイオリは何処かの国家と関わりが深い可能性が非常に高いと判断をせねばならん。 あるいは政変があった可能性も考えられるな。 いずれにせよ他国の所有物を、それも強力な兵器として使えるものを奪っとあらば、最悪戦争の理由足り得てしまうだろう」


 そんなことは全く無いので引き取ってくれませんかね。

 なんというか、元の世界のICBM的な扱いなのか? いや、そうだったらむしろ確保する方になるか……。

 とすると、見なかったことにして知らぬ存ぜぬということにするのか?

 家庭教師というのは建前で、監視の意味合いがあった……とか?

 考え出すとキリがないな。 


「でしたら、家庭教師の対価を金銭ではなく結界石でいただけないでしょうか? あいにく一つも持ち合わせが無いので」


 ゲームに無かったものだし、あれば便利そうだ。


「ふむ、結界石か……」


「もしかして、非常に高価なものですか?」


 対価以上に高価なものなら、買い取るのもありだな。


「いや、そこまででは無いのだが、対価として適当なのかで悩んでな」


「ジークフリード様、魔晶石を所持する上で結界石は必須なものかと思われます。 一般には流通しない物ですし、イオリ殿がご所望であるのならば対価としてよろしいかと」


「よかろう、ヴァルター1番質の良い結界石を渡してやれ、先渡しだ」


 ヴァルターさんが一礼をして一旦下がると、部屋の隅にある鍵の付いた戸棚を開け、小さな金属製の箱を持って戻ってきた。


「どうぞお収め下さい」


 ヴァルターさんは小さな布張りのトレイにうっすらと青白い光を放つ結界石を3つ置いて、こちらに差し出してきた。


「3つもですか?」


「記憶の障害と言うのは、なかなかに難儀であろうな、これ程の魔晶石を所持していながら結界石についての事柄を一切忘れてしまっているとはな」


 すみません、実際全く知りません。


「結界石は、結界石同士で囲った内側に結界を生じるモノでございます。 ですので最低でも3つの結界石が必要となるのです」


 なるほど、まあ1つでもあれば増やせるから1つで良いんだけど3つとも受け取って置くか。


 

-----------------------------------------------------------------------------
ファンタジー大賞参加中です。投票していただけたらとても嬉しいです。

お気に入り登録、ご感想や挿絵のリクエストなどもいただけると咽び泣いて喜びます
 


しおりを挟む
感想 139

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...