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4章 王都
アーティファクト
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「どうしても剣が駄目なら刀でも良いです!」
「通常の剣であるよりは幾分かではありますが、剣よりはマシなようですね。 わかりました、ではそれで作りましょう。 では自分がその刀を使用しているところを頭に思いうかべてください」
言われた通りに、もとの世界で動画で見ていた達人達の様に刀をかっこよく振り回している自分を想像する。
すると目の前の空間に光の粒子が集まり、徐々に刀が実体化していく。
「真名を神刀リーレイドとしました。 この名を知り認められた者が真の力を発揮させることが出来ます。 通常の刀としても比類無き刀ですが、不浄なる者へ絶大な効果を発揮します」
どういう原理なのか、空中に浮いている刀を受け取る。
この刀もリーラ様と同じように全体的に白い印象だ。
全てが象牙のような質感で、鍔と握りから刀身まで継ぎ目等がない構造の、3尺くらいの少し大きな刀だ。
装飾は一切無いが、刀身がほのかに光っており、軽く振ると光が軌跡を描いた。
「おお、なんかカッコイイ!」
「神槍ならば、コレよりも強い物が作れたのですが、使い手と相性の悪いアーティファクト作成としてはコレが限界です……」
アーティファクトの作成にも様々な法則や制限などがあり、想定している使用者に合わせて作成する必用があるのだそうで、俺に作る場合、剣は論外で斧とか鎚とかの方がまだマシだと言われた。
一応最初から剣のスキル持ってるんだけど、ドワーフだけでなく女神ですら剣が駄目だという……。
ちょっとイメージとは違うけど、刀が手に入ったからまあ良いか。
「真名をそのまま使用するわけにはいきません。 銘をあなたがつけてください」
「あ、はい」
命名か、マルのときになかなか決まらなかったから苦手意識があるな。
「通り名のようなものですからなんでも構いませんよ? それこそ動植物の名前や食物の名前でも良いのです」
うんうんと名前が決まらず悩んでいる俺にリーラ様がアドバイスをくれる。
とはいえ、神刀チューリップとか神刀アルパカとか神刀カツ丼ってわけにもいかない。
あ、そうだ折角刀なんだから日本風の名前にしよう。
「じゃあ、形は違うけどツムガリにしよう」
日本人ならだいたい知っている日本神話の草薙の剣の名前の由来と言われているやつだ。
天叢雲とかも良いかと思ったのだが俺の中の中学生が少しばかり顔を出してちょっとひねくれたのだ。
銘を付けたら刀身の光が無くなり、同時に白い鞘が現れた。
刀身を鞘に収め、うやうやしく神前に礼をする。
「……なんとなくですが今の礼は、私ではなく別の神へ行いませんでしたか?」
するどい……。 意識はしていなかったが、無意識で日本の神様に礼をしてしまっていたようだ。
神刀の名前的にも日本武尊あたりに祈ったんだと思う。
「いえいえ、大変感謝していますとも。 これって魔晶石を奉納すれば必ず何か頂けるのですか?」
「是です。 付け加えるならばアーティファクトの質は奉納された魔晶石の質や量と比例します」
「望みの品を貰う事は出来ますか?」
「否です。 あなたに対しての剣がそうであったように、相性というものがあるので望みに沿う物であるかはわかりません」
なるほど、なんかアーティファクト作成のルールのようなものがあるって事か。
「それじゃあ、レベルやステータスがあがったときの苦痛を無くすアーティファクトってありませんか?」
「否です。 成長した際の苦痛はこの世界に馴染ませるために必要なものなのです。 とはいえ、方法が無いと言うわけではありません」
「おお、その方法とは!?」
「ヒューマンである事を捨て……」
「すみません、もういいです」
ただでさえ(?)が付いていると言うのに、完全に謎生物になってしまうのは流石に抵抗がある。
あ、そうだ、とりあえずどんな物なのか神刀の鑑定と解析をしてみるか。
《アーティファクト神刀ツムガリ》
:女神より授かった至高の刀。比類無き破邪の力を秘めている。 封印状態。
---------------------------------------
【封印】神刀ツムガリ(真名リーレイド)
攻撃力 9999
強度 9999
耐久 9999/9999
品質 SS
追加ボーナス 不死者 悪魔 邪神 悪神
各種コード……
---------------------------------------
うおう、なんかカンストっぽい数字が並んでいる。
封印された状態でこのパラメーターなのか、封印を解いた時にこのパラメーターになるのかわからんな。
コードを確認してみると、カンストっぽく見えるが4桁よりもまだ桁数があるので、これでカンストというわけでは無いようだ。
「ふむ、興味深いスキルですね。 この世界のスキルとは違う系統のようです」
「え、そうなんですか?」
この世界用のチートスキルだと思っていたのだが。
何か違うらしい。
「試しにリーラ様を解析してみても良いですか?」
「構いませんが、そのスキルからは異質な力を感じます。 道具である神刀はともかくとして、私の持つ神としての力と反発を起こす事が予想されます。 その結果どのような事が起こるのかは私にもわかりません」
「うえいっ!?」
危なかった、軽い気持ちでターゲットウインドウを向けるとこだった。
反発とか、俺が吹っ飛ぶか俺が吹っ飛ぶか俺が吹っ飛ぶ未来しか見えないじゃないか!
「え、えーと、ちなみにもう一つスキルがあってですね、コードさえ判明すれば何でも自由に変更出来るのですが、これでツムガリを複製したり改造したりしても大丈夫ですかね?」
「詳細が不明なので、返答が出来ません。 しかし、聞いただけで、この世界の理から逸脱したスキルである事はわかります。 なんのリスクも無くそれが使えるというのですか?」
リスクかー、筋肉痛とか頭痛とかはリスクと言える言えるかもしれないけど、チートをした結果の弊害というだけで、使う為のリスクというものは無いな。
その旨と、チートツールについての詳細を説明し、元ゴブリンの剣だったミスリルの剣を見せて目の前で数値を変えて見せる。
「先ほどの解析を行うスキルと、そのスキルから、使用した瞬間に非常に邪な気を感じますね……」
ん? なんですとー?
「通常の剣であるよりは幾分かではありますが、剣よりはマシなようですね。 わかりました、ではそれで作りましょう。 では自分がその刀を使用しているところを頭に思いうかべてください」
言われた通りに、もとの世界で動画で見ていた達人達の様に刀をかっこよく振り回している自分を想像する。
すると目の前の空間に光の粒子が集まり、徐々に刀が実体化していく。
「真名を神刀リーレイドとしました。 この名を知り認められた者が真の力を発揮させることが出来ます。 通常の刀としても比類無き刀ですが、不浄なる者へ絶大な効果を発揮します」
どういう原理なのか、空中に浮いている刀を受け取る。
この刀もリーラ様と同じように全体的に白い印象だ。
全てが象牙のような質感で、鍔と握りから刀身まで継ぎ目等がない構造の、3尺くらいの少し大きな刀だ。
装飾は一切無いが、刀身がほのかに光っており、軽く振ると光が軌跡を描いた。
「おお、なんかカッコイイ!」
「神槍ならば、コレよりも強い物が作れたのですが、使い手と相性の悪いアーティファクト作成としてはコレが限界です……」
アーティファクトの作成にも様々な法則や制限などがあり、想定している使用者に合わせて作成する必用があるのだそうで、俺に作る場合、剣は論外で斧とか鎚とかの方がまだマシだと言われた。
一応最初から剣のスキル持ってるんだけど、ドワーフだけでなく女神ですら剣が駄目だという……。
ちょっとイメージとは違うけど、刀が手に入ったからまあ良いか。
「真名をそのまま使用するわけにはいきません。 銘をあなたがつけてください」
「あ、はい」
命名か、マルのときになかなか決まらなかったから苦手意識があるな。
「通り名のようなものですからなんでも構いませんよ? それこそ動植物の名前や食物の名前でも良いのです」
うんうんと名前が決まらず悩んでいる俺にリーラ様がアドバイスをくれる。
とはいえ、神刀チューリップとか神刀アルパカとか神刀カツ丼ってわけにもいかない。
あ、そうだ折角刀なんだから日本風の名前にしよう。
「じゃあ、形は違うけどツムガリにしよう」
日本人ならだいたい知っている日本神話の草薙の剣の名前の由来と言われているやつだ。
天叢雲とかも良いかと思ったのだが俺の中の中学生が少しばかり顔を出してちょっとひねくれたのだ。
銘を付けたら刀身の光が無くなり、同時に白い鞘が現れた。
刀身を鞘に収め、うやうやしく神前に礼をする。
「……なんとなくですが今の礼は、私ではなく別の神へ行いませんでしたか?」
するどい……。 意識はしていなかったが、無意識で日本の神様に礼をしてしまっていたようだ。
神刀の名前的にも日本武尊あたりに祈ったんだと思う。
「いえいえ、大変感謝していますとも。 これって魔晶石を奉納すれば必ず何か頂けるのですか?」
「是です。 付け加えるならばアーティファクトの質は奉納された魔晶石の質や量と比例します」
「望みの品を貰う事は出来ますか?」
「否です。 あなたに対しての剣がそうであったように、相性というものがあるので望みに沿う物であるかはわかりません」
なるほど、なんかアーティファクト作成のルールのようなものがあるって事か。
「それじゃあ、レベルやステータスがあがったときの苦痛を無くすアーティファクトってありませんか?」
「否です。 成長した際の苦痛はこの世界に馴染ませるために必要なものなのです。 とはいえ、方法が無いと言うわけではありません」
「おお、その方法とは!?」
「ヒューマンである事を捨て……」
「すみません、もういいです」
ただでさえ(?)が付いていると言うのに、完全に謎生物になってしまうのは流石に抵抗がある。
あ、そうだ、とりあえずどんな物なのか神刀の鑑定と解析をしてみるか。
《アーティファクト神刀ツムガリ》
:女神より授かった至高の刀。比類無き破邪の力を秘めている。 封印状態。
---------------------------------------
【封印】神刀ツムガリ(真名リーレイド)
攻撃力 9999
強度 9999
耐久 9999/9999
品質 SS
追加ボーナス 不死者 悪魔 邪神 悪神
各種コード……
---------------------------------------
うおう、なんかカンストっぽい数字が並んでいる。
封印された状態でこのパラメーターなのか、封印を解いた時にこのパラメーターになるのかわからんな。
コードを確認してみると、カンストっぽく見えるが4桁よりもまだ桁数があるので、これでカンストというわけでは無いようだ。
「ふむ、興味深いスキルですね。 この世界のスキルとは違う系統のようです」
「え、そうなんですか?」
この世界用のチートスキルだと思っていたのだが。
何か違うらしい。
「試しにリーラ様を解析してみても良いですか?」
「構いませんが、そのスキルからは異質な力を感じます。 道具である神刀はともかくとして、私の持つ神としての力と反発を起こす事が予想されます。 その結果どのような事が起こるのかは私にもわかりません」
「うえいっ!?」
危なかった、軽い気持ちでターゲットウインドウを向けるとこだった。
反発とか、俺が吹っ飛ぶか俺が吹っ飛ぶか俺が吹っ飛ぶ未来しか見えないじゃないか!
「え、えーと、ちなみにもう一つスキルがあってですね、コードさえ判明すれば何でも自由に変更出来るのですが、これでツムガリを複製したり改造したりしても大丈夫ですかね?」
「詳細が不明なので、返答が出来ません。 しかし、聞いただけで、この世界の理から逸脱したスキルである事はわかります。 なんのリスクも無くそれが使えるというのですか?」
リスクかー、筋肉痛とか頭痛とかはリスクと言える言えるかもしれないけど、チートをした結果の弊害というだけで、使う為のリスクというものは無いな。
その旨と、チートツールについての詳細を説明し、元ゴブリンの剣だったミスリルの剣を見せて目の前で数値を変えて見せる。
「先ほどの解析を行うスキルと、そのスキルから、使用した瞬間に非常に邪な気を感じますね……」
ん? なんですとー?
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