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2. 近付く彼女
閑話 二人の逢瀬
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二人の小話を挟みます。
二人が王宮でダンスの練習をしていた頃のひと幕。
ーーーーー
「マーリーア! 今日もここですか? すっかりデートの定番になりましたね」
「私はデートをしに来たんじゃないわよ。今日貸してもらったドレスを返すのに通るだけだもの」
「わざわざ中庭を? でもちょうど良いですよね。逢瀬にはぴったりだ」
「だから、逢瀬なんかしないって」
いつものレッスンを終え、帰り支度をするべく歩いていたところを追い付かれる。足の長いルーファスならわけもないのだろう。結局、毎回捕まっている気もする。
「いいじゃないですか、予定変更で。今から逢瀬の時間にしましょう」
「さっきまで一緒に練習をしていたじゃない。もうルーファスには会ったのに……、っ」
中庭に面した回廊を付いてくる彼にくるりと振り返りざま、マリアの唇に彼の指が押し当てられた。
決して強くはない。人差し指がやんわりと触れるだけだ。だけど、マリアはそれ以上何も言えなくなった。
鼓動がやけに大きく聞こえるし、顔がのぼせたみたいに熱い。こくりと唾を飲み込む音が大きく響いたのは気のせいだろうか。
「たまには、その減らず口を止めてくれないといけませんよ?」
きらきらしい笑顔を浮かべると、ルーファスが不意に一歩踏み込んでマリアを抱き上げた。ちょうど肩の上にかつぐような形だ。彼の腕がちょうどマリアの太股辺りを支える。マリアは空中で足をバタつかせた。
「ちょっ、何!? やだ、下ろして」
「大丈夫ですよ、誰も見ていませんから」
「そういう問題じゃなくて、私がやなの!」
「なぜですか?」
「なぜって……」
マリアは絶句した。だって恥ずかしいではないか。それにいくら食生活が以前のようにはいかなくなったからといって、体重が劇的に軽くなったわけでもない。かついだせいで彼女の顔は見えないはずなのに、ルーファスはマリアの考えていることを察したらしい。彼女を抱えるのと逆の手で、ぽんぽんとマリアの背中を軽く叩いた。
「マリアは軽いですねえ。このまま屋敷までかついで送ってあげたくなります」
「そんな羞恥プレイは全力で遠慮するから!」
「横抱きの方がいいですか?」
「どっちもいやよ」
ふっとルーファスが笑う。「今日は暖かいですねえ」とまるで鼻歌でも歌いそうな陽気さで、ずんずんと中庭を歩き出す。もちろんマリアの抗議など聞き入れる気はないようで、肩にかついだままである。
マリアは呆れてされるがままになりながらふと気づいた。
──これじゃまるで私が荷物みたいじゃない?
「ルーファス」
とん、と拳で彼の背中を叩く。そろそろお腹の辺りが苦しくもなってきたことだし、と要らぬ言い訳を頭の中で並べ立てる。「下ろしませんよ?」と軽やかに拒否されるのを、マリアは辛うじて聞き取れるくらいの声で返した。頬が赤く染まっているのは、きっとかつがれて血の巡りが滞ったからに違いない。うん、きっとそうだ。
「やっぱり……横抱きの方がいい」
「マリア嬢の仰せの通りに」
天鵞絨のような声でルーファスが彼女を抱える位置をずらす。横抱きではなく、赤子を抱くような体勢だ。マリアの目の高さはちょうどルーファスのつむじ辺り。両手を彼の肩につくと、見上げたルーファスと目が合った。
この位置から彼を見つめるのは初めてではないだろうか。じわりと耳元まで熱を含み始める。ルーファスの髪からだろうか、微かに爽やかな香りが鼻をくすぐる。
誘われるように、ちょんちょん、とルーファスのつむじをつついてみる。くるりと渦巻きになっている流れに沿って、指を滑らせてみる。
ルーファスが小さく身じろぐのが妙に可愛らしくて、マリアはもう一度同じことを繰り返した。
「もぞもぞするんですが」
「じっとしてて。急に落とさないでね」
「そこは安心してください」
ルーファスの髪に指を潜らせる。薄い黄色の髪は柔らかで滑りが良い。軽く空気を含むように搔き上げると、ふわりと風に踊った。その度に、秋の始めの陽光を弾いてきらきらと光が溢れる。
「ルーファスの髪は触り心地が良いのね」
「お気に召しました?」
「もっと触ってもいい?」
「気の済むまでどうぞ」
許しが出たので、マリアは嬉々として手を伸ばす。つむじに沿って頭皮を撫で、彼の髪を摘んではさらりと落とす。
「羨ましいわ、この髪。私より綺麗なんだもの」
「そうですか? 僕はマリアの髪が好きですよ。ちょうど、この季節の葉の色に似ていて」
ヴェスティリアで良く見かける木は、冬が近づくと黄色に色付くものが多い。だがルーファスが指しているのはそちらではなく、街中では珍しいカエデの葉のことだろう。
それでも、何となく釈然としなくてマリアは口を尖らせた。
「枯れてるじゃない」
「花の少ない季節でも目を奪うでしょう? 赤みの混じった茶色……鮮やかですよ」
「それを言うなら、ルーファスの髪は刈り入れる前の麦の穂みたいだわ」
「そうですか、僕は見たことがないんです」
「たわわに実った麦の穂が一面に広がるさまは、眩しいくらいよ。風が吹くとね、黄金色の海みたいに波打つの」
マリアは目を細めて、ルーファスの髪を梳く。彼がその仕草を邪魔しないように配慮してか、ゆっくりと歩き始めた。
「この髪も、この目も……。忌まわしいと思ったことは数え切れませんが、マリアの言う景色のようなら悪くないですね」
そう呟いた彼の横顔はどことなく憂いを帯びたものに見えて、マリアは無意識のうちにそっと彼の頭を抱え込んだ。
「マリア、前が見えません」
「あっ、ごめんなさい! つい」
「感触は素晴らしかったのですが」
中庭の中程にある噴水を背にして設置されているベンチに、ルーファスが彼女を下ろす。ちなみにこのベンチにはクッションが敷かれているお陰で、さほど 寒さは感じない。
感触? とマリアが首を傾げると、隣に腰を下ろしたルーファスが目元を緩めて視線を下げた。
……ちょうどマリアの胸あたりに。
「ちょっ、どこ見てんの!」
「いや、柔らかかったなあと思いまして」
反射的に胸を隠す。そんなこと意識していなかったのに、この男は。
──やっぱりろくでもない!
へらへらと笑う様子からは反省の色も全く見られない。
珍しく彼の表情が翳っていたからつい、元の顔に戻したかっただけなのに。軽く睨みつけるけど、やっぱりルーファスはにこにこと笑みをたたえたまま。
そういえば、さっきはなぜあんな顔をしたのだろう。そう思ったら、憤慨していたのが嘘のように霧散した。
「私はその色、好きよ。髪も、目も。柔らかな色だもの」
へにゃりとルーファスが表情を崩す。その手が伸ばされて、マリアの腰を引き寄せる。
不意打ちにまた心臓が跳ねたけど、今だけは抗わずにいよう。
──それで彼が少しでも笑顔でいられるなら。
肩口にかかる、ルーファスの頭の重みが心地よい。
噴水の音だけが、二人だけの中庭にざあざあと響く。噴水をぐるりと囲む薔薇の芳香が秋風に揺れる。触れる温もりは自分よりも少し高い。
マリアもふと頬を緩めながら、そっと彼の背中に腕を回した。
二人が王宮でダンスの練習をしていた頃のひと幕。
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「マーリーア! 今日もここですか? すっかりデートの定番になりましたね」
「私はデートをしに来たんじゃないわよ。今日貸してもらったドレスを返すのに通るだけだもの」
「わざわざ中庭を? でもちょうど良いですよね。逢瀬にはぴったりだ」
「だから、逢瀬なんかしないって」
いつものレッスンを終え、帰り支度をするべく歩いていたところを追い付かれる。足の長いルーファスならわけもないのだろう。結局、毎回捕まっている気もする。
「いいじゃないですか、予定変更で。今から逢瀬の時間にしましょう」
「さっきまで一緒に練習をしていたじゃない。もうルーファスには会ったのに……、っ」
中庭に面した回廊を付いてくる彼にくるりと振り返りざま、マリアの唇に彼の指が押し当てられた。
決して強くはない。人差し指がやんわりと触れるだけだ。だけど、マリアはそれ以上何も言えなくなった。
鼓動がやけに大きく聞こえるし、顔がのぼせたみたいに熱い。こくりと唾を飲み込む音が大きく響いたのは気のせいだろうか。
「たまには、その減らず口を止めてくれないといけませんよ?」
きらきらしい笑顔を浮かべると、ルーファスが不意に一歩踏み込んでマリアを抱き上げた。ちょうど肩の上にかつぐような形だ。彼の腕がちょうどマリアの太股辺りを支える。マリアは空中で足をバタつかせた。
「ちょっ、何!? やだ、下ろして」
「大丈夫ですよ、誰も見ていませんから」
「そういう問題じゃなくて、私がやなの!」
「なぜですか?」
「なぜって……」
マリアは絶句した。だって恥ずかしいではないか。それにいくら食生活が以前のようにはいかなくなったからといって、体重が劇的に軽くなったわけでもない。かついだせいで彼女の顔は見えないはずなのに、ルーファスはマリアの考えていることを察したらしい。彼女を抱えるのと逆の手で、ぽんぽんとマリアの背中を軽く叩いた。
「マリアは軽いですねえ。このまま屋敷までかついで送ってあげたくなります」
「そんな羞恥プレイは全力で遠慮するから!」
「横抱きの方がいいですか?」
「どっちもいやよ」
ふっとルーファスが笑う。「今日は暖かいですねえ」とまるで鼻歌でも歌いそうな陽気さで、ずんずんと中庭を歩き出す。もちろんマリアの抗議など聞き入れる気はないようで、肩にかついだままである。
マリアは呆れてされるがままになりながらふと気づいた。
──これじゃまるで私が荷物みたいじゃない?
「ルーファス」
とん、と拳で彼の背中を叩く。そろそろお腹の辺りが苦しくもなってきたことだし、と要らぬ言い訳を頭の中で並べ立てる。「下ろしませんよ?」と軽やかに拒否されるのを、マリアは辛うじて聞き取れるくらいの声で返した。頬が赤く染まっているのは、きっとかつがれて血の巡りが滞ったからに違いない。うん、きっとそうだ。
「やっぱり……横抱きの方がいい」
「マリア嬢の仰せの通りに」
天鵞絨のような声でルーファスが彼女を抱える位置をずらす。横抱きではなく、赤子を抱くような体勢だ。マリアの目の高さはちょうどルーファスのつむじ辺り。両手を彼の肩につくと、見上げたルーファスと目が合った。
この位置から彼を見つめるのは初めてではないだろうか。じわりと耳元まで熱を含み始める。ルーファスの髪からだろうか、微かに爽やかな香りが鼻をくすぐる。
誘われるように、ちょんちょん、とルーファスのつむじをつついてみる。くるりと渦巻きになっている流れに沿って、指を滑らせてみる。
ルーファスが小さく身じろぐのが妙に可愛らしくて、マリアはもう一度同じことを繰り返した。
「もぞもぞするんですが」
「じっとしてて。急に落とさないでね」
「そこは安心してください」
ルーファスの髪に指を潜らせる。薄い黄色の髪は柔らかで滑りが良い。軽く空気を含むように搔き上げると、ふわりと風に踊った。その度に、秋の始めの陽光を弾いてきらきらと光が溢れる。
「ルーファスの髪は触り心地が良いのね」
「お気に召しました?」
「もっと触ってもいい?」
「気の済むまでどうぞ」
許しが出たので、マリアは嬉々として手を伸ばす。つむじに沿って頭皮を撫で、彼の髪を摘んではさらりと落とす。
「羨ましいわ、この髪。私より綺麗なんだもの」
「そうですか? 僕はマリアの髪が好きですよ。ちょうど、この季節の葉の色に似ていて」
ヴェスティリアで良く見かける木は、冬が近づくと黄色に色付くものが多い。だがルーファスが指しているのはそちらではなく、街中では珍しいカエデの葉のことだろう。
それでも、何となく釈然としなくてマリアは口を尖らせた。
「枯れてるじゃない」
「花の少ない季節でも目を奪うでしょう? 赤みの混じった茶色……鮮やかですよ」
「それを言うなら、ルーファスの髪は刈り入れる前の麦の穂みたいだわ」
「そうですか、僕は見たことがないんです」
「たわわに実った麦の穂が一面に広がるさまは、眩しいくらいよ。風が吹くとね、黄金色の海みたいに波打つの」
マリアは目を細めて、ルーファスの髪を梳く。彼がその仕草を邪魔しないように配慮してか、ゆっくりと歩き始めた。
「この髪も、この目も……。忌まわしいと思ったことは数え切れませんが、マリアの言う景色のようなら悪くないですね」
そう呟いた彼の横顔はどことなく憂いを帯びたものに見えて、マリアは無意識のうちにそっと彼の頭を抱え込んだ。
「マリア、前が見えません」
「あっ、ごめんなさい! つい」
「感触は素晴らしかったのですが」
中庭の中程にある噴水を背にして設置されているベンチに、ルーファスが彼女を下ろす。ちなみにこのベンチにはクッションが敷かれているお陰で、さほど 寒さは感じない。
感触? とマリアが首を傾げると、隣に腰を下ろしたルーファスが目元を緩めて視線を下げた。
……ちょうどマリアの胸あたりに。
「ちょっ、どこ見てんの!」
「いや、柔らかかったなあと思いまして」
反射的に胸を隠す。そんなこと意識していなかったのに、この男は。
──やっぱりろくでもない!
へらへらと笑う様子からは反省の色も全く見られない。
珍しく彼の表情が翳っていたからつい、元の顔に戻したかっただけなのに。軽く睨みつけるけど、やっぱりルーファスはにこにこと笑みをたたえたまま。
そういえば、さっきはなぜあんな顔をしたのだろう。そう思ったら、憤慨していたのが嘘のように霧散した。
「私はその色、好きよ。髪も、目も。柔らかな色だもの」
へにゃりとルーファスが表情を崩す。その手が伸ばされて、マリアの腰を引き寄せる。
不意打ちにまた心臓が跳ねたけど、今だけは抗わずにいよう。
──それで彼が少しでも笑顔でいられるなら。
肩口にかかる、ルーファスの頭の重みが心地よい。
噴水の音だけが、二人だけの中庭にざあざあと響く。噴水をぐるりと囲む薔薇の芳香が秋風に揺れる。触れる温もりは自分よりも少し高い。
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