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第46話 好きだから
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灰谷はモヤモヤしていた。
あの日、駅で真島とあの城島という男を見かけてからというもの、真島を見ると胸のあたりがモヤモヤする。
明日美との待ち合わせの駅に向かって灰谷は早足で歩いた。
昼だから大丈夫だと思うけど明日美をまた一人にしてはいけない。
「灰谷くん」
駅で明日美が待っていた。
灰谷を見つけると笑って手を振った。
明日美は今日もカワイかった。
女の子。カラダふんわり。長い髪。上目遣い。
付き合ってふた月。自分のことが好きな女。
「一人で大丈夫だった?」
「うん。昼間は大丈夫だよ。人いっぱいいるし」
「そっか。どこ行こっか」
明日美が灰谷を見つめた。
「何?」
「灰谷くん、なんかあった?」
「え?なんで」
「元気ないみたい」
明日美ちゃんはオレの気持ちに敏感だ、と灰谷は思う。
「なんで?そう見える?」
「見える」
「なんでわかる?」
「ん~好きだから?」
明日美は小首をかしげて言った。
「好きだからなんでわかる?」
「う~ん。好きだから見ちゃうし、好きだから気になるし、好きだから知りたいし?」
「ふうん」
「やっぱなんかあったの?」
「いや、なんにもないよ。行こう」
明日美が灰谷の腕に手を絡ませた。
「好きだから触れたいし」
灰谷の頭にあの日の光景がフラッシュバックした。
離れようとする城島の腕をつかむ真島の姿。
その切羽詰まった顔。
好きだから……。
真島があの男を?
……別にいいじゃねえか。
「明日美ちゃん」
「ん?」
灰谷は立ち止まり、明日美を抱きよせた。
突然抱きしめられて戸惑ったのだろう、明日美はじっと動かなかった。
灰谷が頭と背中をふわりと撫でてやると、安心したように、腕を回した。
ペタリ、露出した肌が汗でくっついた。
柔らかいカラダ。
腹のあたりに感じるマシュマロみたいなおっぱいの感触。
腕を解いて頬を両手ではさみこめば、明日美の顔は真っ赤だった。
カラダも熱い。
灰谷は明日美に口づけた。
口の中トロトロ。
あ~気持ちいい。
つうか突っこみてえ。
唇を離すと灰谷は明日美の顔を見つめた。
真島が誰を好きだって別にいいじゃねえか。
「オレはオマエがなんだって構わないよ。オマエがオレの一番の親友だってのは死ぬまで変わらねえから」。
あの時、灰谷が真島に言った言葉は本心だった。
あいつが親戚だって言うんだからそれでいいんだよ。
もし違ったとしてもオレにはそう思われたいならそれでいいんだよ。
どうかしてるな。
「灰谷くん?」
灰谷は明日美の手を取った。
「行こ」
「うん」
二人手をつないで歩き出した。
明日美の耳が赤い。
「なんか食おっか?腹減ってる?」
「うん」
「明日美ちゃんの好きなパスタにする?」
「うん」
その時だった。
「灰谷く~ん」
あの日、駅で真島とあの城島という男を見かけてからというもの、真島を見ると胸のあたりがモヤモヤする。
明日美との待ち合わせの駅に向かって灰谷は早足で歩いた。
昼だから大丈夫だと思うけど明日美をまた一人にしてはいけない。
「灰谷くん」
駅で明日美が待っていた。
灰谷を見つけると笑って手を振った。
明日美は今日もカワイかった。
女の子。カラダふんわり。長い髪。上目遣い。
付き合ってふた月。自分のことが好きな女。
「一人で大丈夫だった?」
「うん。昼間は大丈夫だよ。人いっぱいいるし」
「そっか。どこ行こっか」
明日美が灰谷を見つめた。
「何?」
「灰谷くん、なんかあった?」
「え?なんで」
「元気ないみたい」
明日美ちゃんはオレの気持ちに敏感だ、と灰谷は思う。
「なんで?そう見える?」
「見える」
「なんでわかる?」
「ん~好きだから?」
明日美は小首をかしげて言った。
「好きだからなんでわかる?」
「う~ん。好きだから見ちゃうし、好きだから気になるし、好きだから知りたいし?」
「ふうん」
「やっぱなんかあったの?」
「いや、なんにもないよ。行こう」
明日美が灰谷の腕に手を絡ませた。
「好きだから触れたいし」
灰谷の頭にあの日の光景がフラッシュバックした。
離れようとする城島の腕をつかむ真島の姿。
その切羽詰まった顔。
好きだから……。
真島があの男を?
……別にいいじゃねえか。
「明日美ちゃん」
「ん?」
灰谷は立ち止まり、明日美を抱きよせた。
突然抱きしめられて戸惑ったのだろう、明日美はじっと動かなかった。
灰谷が頭と背中をふわりと撫でてやると、安心したように、腕を回した。
ペタリ、露出した肌が汗でくっついた。
柔らかいカラダ。
腹のあたりに感じるマシュマロみたいなおっぱいの感触。
腕を解いて頬を両手ではさみこめば、明日美の顔は真っ赤だった。
カラダも熱い。
灰谷は明日美に口づけた。
口の中トロトロ。
あ~気持ちいい。
つうか突っこみてえ。
唇を離すと灰谷は明日美の顔を見つめた。
真島が誰を好きだって別にいいじゃねえか。
「オレはオマエがなんだって構わないよ。オマエがオレの一番の親友だってのは死ぬまで変わらねえから」。
あの時、灰谷が真島に言った言葉は本心だった。
あいつが親戚だって言うんだからそれでいいんだよ。
もし違ったとしてもオレにはそう思われたいならそれでいいんだよ。
どうかしてるな。
「灰谷くん?」
灰谷は明日美の手を取った。
「行こ」
「うん」
二人手をつないで歩き出した。
明日美の耳が赤い。
「なんか食おっか?腹減ってる?」
「うん」
「明日美ちゃんの好きなパスタにする?」
「うん」
その時だった。
「灰谷く~ん」
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