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第76話 公園で会った人①
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気がつけば城島さんと酒を飲んだあの公園にきていた。
ベンチに誰かいる。
もしかして城島さん?
違った。
でも、城島さんとよく似た年格好の男だった。
スーツ姿。
サラリーマンかな?
タバコを吸っている。
ちょっとだけ迷ったけど、オレは少しだけ離れて男と同じベンチに腰を下ろす。
男は「ん?なんで他が空いてるのにこのベンチ?」って顔をしたが、この際どうでもいい。
城島さん、どこにいるのかな。
もう一度電話してみるか。
でもな……。
つうか、あちこち痛え。
「一本もらえませんか」
隣りの男に声をかける。
タバコでも吸えば気が紛れるかもしれない。
「そんなに堂々と」
オレを見ると男は人懐っこい顔でクスリと笑った。
「まあ、いっか。オレも吸ってたし。内緒で一本だけな。それ、ケンカ?」
「え?」
「唇の端のバンソーコ」
「ええ。まあ」
差し出したされたタバコのパッケージから一本引き抜く。
男がライターの火をつけてくれる。
くわえて火に突っこんでから出す。
あれ?火が点いてない。
「吸わないと」
「え?」
「吸わないと火、点かないよ」
そうなんだ。知らなかった。
オレ、タバコはニオイがダメで吸ってみたことなかった。
中田なんかはたまに隠れてスパスパ吸っててカッコいいんだけど。
「ゲフ……ゲフゲフゲフ。ツッ……」
思いっきり吸いこんだら、咳きこんでしまった。
それに切った唇の端が痛い。
「大丈夫か」
「だ、大丈夫です。ケフケフ」
あ、火、点いてる。
「もしかしてタバコ、初めて?」
「はい」
オレは正直に答えた。
「なんだよ。一本くれなんていうから。吸い慣れてんのかと思ったよ」
「すいません」
「いや、あやまらなくていいけどさ」
この間城島さんが吸わせてくれたタバコは甘くてうまかったんだけどな。
これはなんか紙の味。
マズイ。
「そんなにうまいもんじゃないだろ」
「はい」
「まあそれが、いつのまにかクセになっちゃうんだけどな」
男はうまそうに煙を吐き出した。
「あのな、思いっきり吸いこまないで、軽く吸ってから吐いてみ?」
言われた通りに軽く吸ってから吐く。
「うん。それが、ふかしタバコってやつだな」
「はあ」
「んでだ、タバコってのは肺まで煙をいれるんだ」
肺?
「軽く吸ったら、もう一回深呼吸するみたいにして吸いこむ。そんで静かにゆっくり吐く」
男はやってみせた。
見つめるオレに男は軽く微笑んだ。
「まあカラダにいいわけないよな」
軽く吸ったら深呼吸して肺に入れて……吐く。
オレはくり返した。
ん~。マズイ。
それにしても、見知らぬ未成年にタバコくれるし、吸い方も教えてくれるし、社会的にはあれかもしれないけど、いい人だな。
「この辺りの人ですか」
「いや、昔、五年くらい前に住んでたことあるんだこの近所に」
「そうっすか」
「高校生?」
「はい」
「そっか。十代。いいな」
男は目を細めた。
「いいですか」
「いいよ」
「戻りたいですか?」
オレの問いかけに男はふいをつかれたような顔をした。
「戻る?う~ん。いや、一回でいいや」
「いい思い出?」
「うん。楽しかったからね。あれ以上はないでしょ」
男の頬が緩んだ。
「友だち、いっぱいいそうですね」
「どうかな。そうでもないよ」
「高校の頃の友達と、今も会ったりしますか」
「どうだろう。会うヤツもいれば会わないヤツもいる、かな」
気さくに答えてくれる男に聞いてみたくなった。
「会いたいけど会ってない人は?」
ベンチに誰かいる。
もしかして城島さん?
違った。
でも、城島さんとよく似た年格好の男だった。
スーツ姿。
サラリーマンかな?
タバコを吸っている。
ちょっとだけ迷ったけど、オレは少しだけ離れて男と同じベンチに腰を下ろす。
男は「ん?なんで他が空いてるのにこのベンチ?」って顔をしたが、この際どうでもいい。
城島さん、どこにいるのかな。
もう一度電話してみるか。
でもな……。
つうか、あちこち痛え。
「一本もらえませんか」
隣りの男に声をかける。
タバコでも吸えば気が紛れるかもしれない。
「そんなに堂々と」
オレを見ると男は人懐っこい顔でクスリと笑った。
「まあ、いっか。オレも吸ってたし。内緒で一本だけな。それ、ケンカ?」
「え?」
「唇の端のバンソーコ」
「ええ。まあ」
差し出したされたタバコのパッケージから一本引き抜く。
男がライターの火をつけてくれる。
くわえて火に突っこんでから出す。
あれ?火が点いてない。
「吸わないと」
「え?」
「吸わないと火、点かないよ」
そうなんだ。知らなかった。
オレ、タバコはニオイがダメで吸ってみたことなかった。
中田なんかはたまに隠れてスパスパ吸っててカッコいいんだけど。
「ゲフ……ゲフゲフゲフ。ツッ……」
思いっきり吸いこんだら、咳きこんでしまった。
それに切った唇の端が痛い。
「大丈夫か」
「だ、大丈夫です。ケフケフ」
あ、火、点いてる。
「もしかしてタバコ、初めて?」
「はい」
オレは正直に答えた。
「なんだよ。一本くれなんていうから。吸い慣れてんのかと思ったよ」
「すいません」
「いや、あやまらなくていいけどさ」
この間城島さんが吸わせてくれたタバコは甘くてうまかったんだけどな。
これはなんか紙の味。
マズイ。
「そんなにうまいもんじゃないだろ」
「はい」
「まあそれが、いつのまにかクセになっちゃうんだけどな」
男はうまそうに煙を吐き出した。
「あのな、思いっきり吸いこまないで、軽く吸ってから吐いてみ?」
言われた通りに軽く吸ってから吐く。
「うん。それが、ふかしタバコってやつだな」
「はあ」
「んでだ、タバコってのは肺まで煙をいれるんだ」
肺?
「軽く吸ったら、もう一回深呼吸するみたいにして吸いこむ。そんで静かにゆっくり吐く」
男はやってみせた。
見つめるオレに男は軽く微笑んだ。
「まあカラダにいいわけないよな」
軽く吸ったら深呼吸して肺に入れて……吐く。
オレはくり返した。
ん~。マズイ。
それにしても、見知らぬ未成年にタバコくれるし、吸い方も教えてくれるし、社会的にはあれかもしれないけど、いい人だな。
「この辺りの人ですか」
「いや、昔、五年くらい前に住んでたことあるんだこの近所に」
「そうっすか」
「高校生?」
「はい」
「そっか。十代。いいな」
男は目を細めた。
「いいですか」
「いいよ」
「戻りたいですか?」
オレの問いかけに男はふいをつかれたような顔をした。
「戻る?う~ん。いや、一回でいいや」
「いい思い出?」
「うん。楽しかったからね。あれ以上はないでしょ」
男の頬が緩んだ。
「友だち、いっぱいいそうですね」
「どうかな。そうでもないよ」
「高校の頃の友達と、今も会ったりしますか」
「どうだろう。会うヤツもいれば会わないヤツもいる、かな」
気さくに答えてくれる男に聞いてみたくなった。
「会いたいけど会ってない人は?」
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