135 / 154
第135話 真島の笑顔
しおりを挟む
男だ!
ちょっとカワイイと思ったのもつかの間、やっぱオスだ。
仕掛けて来やがった。
思っても見なかった真島からのキスに灰谷は動揺した。
「……さっきまで泣いてたくせに」
「え~何それ?知らねえなあ。夢でも見たんじゃねえの~」
「オマエ……」
「つうか、腹減った。うち、帰ろう灰谷」
「オマエ、立ち直り早いな」
真島は大きく伸びをした。
「ああ~スッキリした。オマエに告白する以上に怖いものなんて、もうねえもん」
「オマエ……」
ねえもんって……真島、オマエ、乙女か?
灰谷は真島の顔を見つめた。
灰谷の視線に気づいた真島が灰谷を見てニッコリと微笑んだ。
解き放たれたような、これぞ真島というキラキラしたまぶしい笑顔だった。
またしても反則……。
「ブサイク」
思いとは裏腹な言葉が灰谷の口から飛び出した。
「なんだテメー、オマエが泣かせたんだろうが」
「はあ?逆ギレ。やっぱ泣いてたんじゃねえか」
「泣いてねえわ」
真島は電話を掛け始めた。
「ああ、母ちゃん。オレ。オレオレ……カフェオレじゃねえよ。今から帰るから。お腹すいた……うん、灰谷もいっしょだよ。灰谷が母ちゃんのオムライス食べたいって…うん…うん。ほいじゃあね」
「オムライス食べたいなんてオレ言ってねえぞ」
「好きじゃんオムライス」
「好きだけど」
「いよっと」
真島が勢いよく立ち上がった。
「コンビニ寄ってプリンと母ちゃんの好きなアイス買って帰ろうぜ」
「つうかオマエ、これ。アメリカンドッグは?」
「ワリぃ、当分いいや。一日二本を四日続けるとさすがにな」
「そりゃそうだろう」
「いちごオーレはありがたく頂くわ」
真島はストローを刺して飲みはじめた。
そんな食生活か。
そりゃあ節子の料理が恋しくなるわ。
「んでも(チューチュー)ありがとな灰谷(チューチュー)来てくれて(チュー)」
テレ隠しなのだろう。いちごオーレを盛大にチューチュー吸い上げながら灰谷の顔を見ずに礼を告げる真島に頬を緩ませながら灰谷は返した。
「おう」
*
「これでよしっ!」
部屋の荷物を元の場所に戻し終わると手についたホコリをパンパンと払いながら真島が言った。
「んじゃあ、帰るか」
「あ!……ワリぃ、忘れ物。ちょっと待ってて」
「おう」
真島は一人アパートに戻って行った。
――どうしてこの場所がわかったのか?
灰谷は思い出したのだ。
あの日、明日美との別れを告げた公園からの帰り道。
『灰谷……オレ……オレさ……』
このアパートの近くで真島が何か言いかけた事を。
でもすぐに言いやめて、その後しばらくこのアパートをじっと見つめていた事を。
ここは多分、あの城島ってやつの……そんな気がする。
灰谷の胸の中にモヤモヤとした気持ちが広がった。
ふう~。
やめよう。これ以上考えるの。
あいつが何か言うまでは。
見つかったんだから良しとしよう。
灰谷は思った。
ちょっとカワイイと思ったのもつかの間、やっぱオスだ。
仕掛けて来やがった。
思っても見なかった真島からのキスに灰谷は動揺した。
「……さっきまで泣いてたくせに」
「え~何それ?知らねえなあ。夢でも見たんじゃねえの~」
「オマエ……」
「つうか、腹減った。うち、帰ろう灰谷」
「オマエ、立ち直り早いな」
真島は大きく伸びをした。
「ああ~スッキリした。オマエに告白する以上に怖いものなんて、もうねえもん」
「オマエ……」
ねえもんって……真島、オマエ、乙女か?
灰谷は真島の顔を見つめた。
灰谷の視線に気づいた真島が灰谷を見てニッコリと微笑んだ。
解き放たれたような、これぞ真島というキラキラしたまぶしい笑顔だった。
またしても反則……。
「ブサイク」
思いとは裏腹な言葉が灰谷の口から飛び出した。
「なんだテメー、オマエが泣かせたんだろうが」
「はあ?逆ギレ。やっぱ泣いてたんじゃねえか」
「泣いてねえわ」
真島は電話を掛け始めた。
「ああ、母ちゃん。オレ。オレオレ……カフェオレじゃねえよ。今から帰るから。お腹すいた……うん、灰谷もいっしょだよ。灰谷が母ちゃんのオムライス食べたいって…うん…うん。ほいじゃあね」
「オムライス食べたいなんてオレ言ってねえぞ」
「好きじゃんオムライス」
「好きだけど」
「いよっと」
真島が勢いよく立ち上がった。
「コンビニ寄ってプリンと母ちゃんの好きなアイス買って帰ろうぜ」
「つうかオマエ、これ。アメリカンドッグは?」
「ワリぃ、当分いいや。一日二本を四日続けるとさすがにな」
「そりゃそうだろう」
「いちごオーレはありがたく頂くわ」
真島はストローを刺して飲みはじめた。
そんな食生活か。
そりゃあ節子の料理が恋しくなるわ。
「んでも(チューチュー)ありがとな灰谷(チューチュー)来てくれて(チュー)」
テレ隠しなのだろう。いちごオーレを盛大にチューチュー吸い上げながら灰谷の顔を見ずに礼を告げる真島に頬を緩ませながら灰谷は返した。
「おう」
*
「これでよしっ!」
部屋の荷物を元の場所に戻し終わると手についたホコリをパンパンと払いながら真島が言った。
「んじゃあ、帰るか」
「あ!……ワリぃ、忘れ物。ちょっと待ってて」
「おう」
真島は一人アパートに戻って行った。
――どうしてこの場所がわかったのか?
灰谷は思い出したのだ。
あの日、明日美との別れを告げた公園からの帰り道。
『灰谷……オレ……オレさ……』
このアパートの近くで真島が何か言いかけた事を。
でもすぐに言いやめて、その後しばらくこのアパートをじっと見つめていた事を。
ここは多分、あの城島ってやつの……そんな気がする。
灰谷の胸の中にモヤモヤとした気持ちが広がった。
ふう~。
やめよう。これ以上考えるの。
あいつが何か言うまでは。
見つかったんだから良しとしよう。
灰谷は思った。
0
あなたにおすすめの小説
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
消えることのない残像
万里
BL
最愛の兄・大貴の結婚式。高校生の志貴は、兄への想いが「家族愛」ではなく「恋」であったと、失恋と同時に自覚する。血の繋がりという境界線、そして「弟」という役割に縛られ、志貴は想いを封印して祝福の仮面を被る。
しかし数年後、大貴の息子が成長し、かつての兄と瓜二つの姿となったとき、止まっていた志貴の時間は歪な形で動き出す。
志貴(しき):兄・大貴に長年片思いしているが、告げることなく距離を置いていた。
大貴(だいき):志貴の兄。10歳年上。既婚者で律樹の父。無自覚に人を惹きつける性格。志貴の想いには気づいていない。
律樹(りつき):大貴の息子。明るく素直だが、志貴に対して複雑な感情を抱く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる