150 / 154
第150話 パスタで爆死
しおりを挟む
「つうか、みんな、手が止まってね?」
「お~」
「ワリぃ、オレ、トイレ」
オレは立ち上がる。
用を足しながら考える。
あの杏子ちゃんが……。
それにしても中田のやつ、男前。
達観さ加減ときたらハンパねえな。
なんでだろう。
燃える?
まるで倦怠期の夫婦みたいな発想。
つうかオレ、告白したなんて言って良かったのか?
相手灰谷なのに。
中田辺りにすぐバレるんじゃね?
なんかついつい……。
トイレから出ると灰谷と鉢合わせた。
「どした?」
「あ、小腹空いて」
「そういえばオレも。母ちゃ~ん」
「あ、節子買い物行くって、今、出て行った」
「そっか。なんかあるかな」
「そうだ真島、あのパスタ、作ってやろうか」
「え?ホント?うん」
台所に立つ灰谷。
見るの久々。
いや、焼き肉の時以来か。
「灰谷、驚いたな中田の話」
「ああ」
灰谷が水を入れた鍋を火にかける。
「杏子ちゃんがな~」
「うん」
「倦怠期ってあるのかな」
「ん~そこまで付き合ったことねえからわかんねえな」
「うん」
オレもそうだった。
灰谷が冷蔵庫から野菜を取り出す。
「真島、トマト缶、どこにあるかわかるか」
「トマト缶。どこかな」
オレは戸棚を開けて探す。
「あ、ゴメンな」
「何が」
「オレ、好きなやつに告ったとか言っちゃって」
「別にオレは……」
「まあ、オマエの名前出したわけじゃねえけどな」
「ああ」
「なんか、中田のあんな事言われちゃうと、なんだかさ」
「ああ」
「まあでも灰谷も母ちゃんの事、あんな感じであいつらに話せて良かったじゃん」
「おう」
「あ、あった。一個でいい?」
「おう」
「ほい」
麺を茹でている間に灰谷が野菜を刻む。
料理ができない明日美ちゃんに灰谷がすんげえ優しく包丁の使い方を教えていた事を思い出した。
「オレも手伝う」
「は?そんなやることねえよ?」
「なんか切るわ」
「いや、そんなに切るもんねえし」
「なんかあるだろ」
オレは手を洗い包丁を出した。
「んじゃあ、切りやすいナスでも切るか?」
「おう」
「こんぐらいの厚さな」
灰谷が何枚か切ってくれた。
「包丁はこう握って」
「うん」
「指切るなよ」
「わかってるよ」
ナス……。
う~ん。
刃物ちょっと怖い。
厚さ揃えるのがムズイ。
オレが悪戦苦闘している間に灰谷は玉ねぎを薄くスライスしてベーコン切ってニンニクも細かく刻んだ。
「あとは大葉だな」
「大葉ってどうやって切るの」
「まず茎を切って横半分に切るだろ。で、こうやって端から丸めて、こう」
「お~なるほど~」
丸めて切るのか。知らなかった。
灰谷手際いいな。
「ナスできた」
「お、サンキュー」
自分でやったほうが早いだろうにオレに手伝わせてくれる灰谷。
フライパンで野菜を炒め始めた。
「皿用意しといて」
「ほ~い」
オレは大皿と取り皿、フォークを四人分、お盆の上に用意する。
タイマーが鳴った。
「真島、麺、ザルに上げて」
「おう」
「したら、こっち入れて」
「ほ~い。うおっ湯気が」
灰谷がジャッジャッとフライパンをふるう。
「ジャカジャーン」
ナスとベーコンのトマトパスタが出来上がった。
「うまそう!メッチャうまそう!つうかウマい」
「まだ食ってねえじゃん」
「いや、ウマイ。絶対ウマイ。先に一口一口」
オレはフォークに巻きつけて口に入れる。
「おい、フライイング」
「うま~い。なんだこれ。メッチャうま。止まんねえ~」
オレは夢中になってほおばった。
「真島」
「ん?」
「口元、ついてんぞ」
灰谷がオレの口元についたトマトソースを中指でぬぐうとその指をペロリと舐めた。
その目、その指、その舌、その口。
……エロい。
ズキューン。
オレ……死んだ……。
「オマエそれ持って先、上に上がって。オレ、飲み物持って行くわ」
「おう」
灰谷がいなくなった途端にオレは身悶えた。
なんなのあいつ。
なんなのあいつ。
あんな事した事今までなかったじゃん。
距離感距離感距離感~。
自分の事好きだって男にする事じゃねえから~。
なんなんだあいつ。
天然のたらしなの?
母ちゃんや女の子達の気持ちがわかった気がした。
つうかそれをオレに発動してどうするんだよ~。
しかも無意識で。
タチ悪いぞ。
乙女ちゃん爆死……。
フラフラになって二階に上がった。
「遅いよ真島、何してたの?無くなるよ」
え?皿の上のパスタはすでに残り少なかった。
「早いよオマエら。後はオレによこせ」
「なんだよ真島、オマエがモタモタしてっからだろ。何してたんだよ」
「あ~?なんもしてねえわ。もう~」
「まあまあ、今度はオマエだけに作ってやるから」
チュドーン。
助けて~。
乙女ちゃん、心臓が持たねえよ~。
「お~」
「ワリぃ、オレ、トイレ」
オレは立ち上がる。
用を足しながら考える。
あの杏子ちゃんが……。
それにしても中田のやつ、男前。
達観さ加減ときたらハンパねえな。
なんでだろう。
燃える?
まるで倦怠期の夫婦みたいな発想。
つうかオレ、告白したなんて言って良かったのか?
相手灰谷なのに。
中田辺りにすぐバレるんじゃね?
なんかついつい……。
トイレから出ると灰谷と鉢合わせた。
「どした?」
「あ、小腹空いて」
「そういえばオレも。母ちゃ~ん」
「あ、節子買い物行くって、今、出て行った」
「そっか。なんかあるかな」
「そうだ真島、あのパスタ、作ってやろうか」
「え?ホント?うん」
台所に立つ灰谷。
見るの久々。
いや、焼き肉の時以来か。
「灰谷、驚いたな中田の話」
「ああ」
灰谷が水を入れた鍋を火にかける。
「杏子ちゃんがな~」
「うん」
「倦怠期ってあるのかな」
「ん~そこまで付き合ったことねえからわかんねえな」
「うん」
オレもそうだった。
灰谷が冷蔵庫から野菜を取り出す。
「真島、トマト缶、どこにあるかわかるか」
「トマト缶。どこかな」
オレは戸棚を開けて探す。
「あ、ゴメンな」
「何が」
「オレ、好きなやつに告ったとか言っちゃって」
「別にオレは……」
「まあ、オマエの名前出したわけじゃねえけどな」
「ああ」
「なんか、中田のあんな事言われちゃうと、なんだかさ」
「ああ」
「まあでも灰谷も母ちゃんの事、あんな感じであいつらに話せて良かったじゃん」
「おう」
「あ、あった。一個でいい?」
「おう」
「ほい」
麺を茹でている間に灰谷が野菜を刻む。
料理ができない明日美ちゃんに灰谷がすんげえ優しく包丁の使い方を教えていた事を思い出した。
「オレも手伝う」
「は?そんなやることねえよ?」
「なんか切るわ」
「いや、そんなに切るもんねえし」
「なんかあるだろ」
オレは手を洗い包丁を出した。
「んじゃあ、切りやすいナスでも切るか?」
「おう」
「こんぐらいの厚さな」
灰谷が何枚か切ってくれた。
「包丁はこう握って」
「うん」
「指切るなよ」
「わかってるよ」
ナス……。
う~ん。
刃物ちょっと怖い。
厚さ揃えるのがムズイ。
オレが悪戦苦闘している間に灰谷は玉ねぎを薄くスライスしてベーコン切ってニンニクも細かく刻んだ。
「あとは大葉だな」
「大葉ってどうやって切るの」
「まず茎を切って横半分に切るだろ。で、こうやって端から丸めて、こう」
「お~なるほど~」
丸めて切るのか。知らなかった。
灰谷手際いいな。
「ナスできた」
「お、サンキュー」
自分でやったほうが早いだろうにオレに手伝わせてくれる灰谷。
フライパンで野菜を炒め始めた。
「皿用意しといて」
「ほ~い」
オレは大皿と取り皿、フォークを四人分、お盆の上に用意する。
タイマーが鳴った。
「真島、麺、ザルに上げて」
「おう」
「したら、こっち入れて」
「ほ~い。うおっ湯気が」
灰谷がジャッジャッとフライパンをふるう。
「ジャカジャーン」
ナスとベーコンのトマトパスタが出来上がった。
「うまそう!メッチャうまそう!つうかウマい」
「まだ食ってねえじゃん」
「いや、ウマイ。絶対ウマイ。先に一口一口」
オレはフォークに巻きつけて口に入れる。
「おい、フライイング」
「うま~い。なんだこれ。メッチャうま。止まんねえ~」
オレは夢中になってほおばった。
「真島」
「ん?」
「口元、ついてんぞ」
灰谷がオレの口元についたトマトソースを中指でぬぐうとその指をペロリと舐めた。
その目、その指、その舌、その口。
……エロい。
ズキューン。
オレ……死んだ……。
「オマエそれ持って先、上に上がって。オレ、飲み物持って行くわ」
「おう」
灰谷がいなくなった途端にオレは身悶えた。
なんなのあいつ。
なんなのあいつ。
あんな事した事今までなかったじゃん。
距離感距離感距離感~。
自分の事好きだって男にする事じゃねえから~。
なんなんだあいつ。
天然のたらしなの?
母ちゃんや女の子達の気持ちがわかった気がした。
つうかそれをオレに発動してどうするんだよ~。
しかも無意識で。
タチ悪いぞ。
乙女ちゃん爆死……。
フラフラになって二階に上がった。
「遅いよ真島、何してたの?無くなるよ」
え?皿の上のパスタはすでに残り少なかった。
「早いよオマエら。後はオレによこせ」
「なんだよ真島、オマエがモタモタしてっからだろ。何してたんだよ」
「あ~?なんもしてねえわ。もう~」
「まあまあ、今度はオマエだけに作ってやるから」
チュドーン。
助けて~。
乙女ちゃん、心臓が持たねえよ~。
0
あなたにおすすめの小説
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる