ナツノヒカリ ~親友への片思いをこじらせるDK真島くんのひと夏の物語~

カノカヤオ

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第151話 中田兄

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……課題が終わった。

夏休み最終日の明け方に。

最後の方はサトナカハイに手伝ってもらって、どうにかこうにか無理矢理のやりで。

そのまま寝オチて、目覚めれば午後。
お昼もとっくに過ぎていた。


「さーこれで自由だぞ真島」

中田がオレの肩を叩く。

「おう。サンキュー。みなさんのお陰です」
「良かったな真島くん。サトナカハイに、特に佐藤によ~くタカユキするようにな」
「ウッス!」
「今日、これからどうしよっか?」

灰谷が言う。

「プール。プール行こうぜ。で、カラオケ。カラオケ行こうよ」

佐藤が提案する。

「つうか腹減らね、その前に何か食わない?」

なんて話していたら中田のスマホが鳴った。

「もしもし……ああ……いるけど……終わったよ……何?……ホント?聞いてみるわ」
「どした中田」
「兄貴からでさ、みんなに焼き肉オゴってくれるって言ってるけど」
「焼き肉!」

腹ペコのオレたちは色めきだった。

「どうする?」
「行く行く。焼き肉焼き肉~」
「プールとカラオケは?みんなでガツンと遊ぶんじゃねえの?」
「いいよな灰谷。ガツンは焼き肉食べてからで」
「おう。いいんじゃね?」
「焼き肉~」
「焼き肉~」

オレと佐藤はハイタッチした。


中田の兄貴が車で迎えに来てくれた。

久しぶりに会った中田の兄貴は相変わらず迫力満点でカッコよかった。
背の高い灰谷、中田(弟)よりも背が高く、バキバキに鍛えたカラダ。
中田(弟)と同じ細マッチョ。
現役じゃないのににじみ出るヤンキー感。
さすが伝説の不良。

兄貴は見送りに出て来た母ちゃんに「息子さんたちをお借りします」なんてきちんと挨拶をした。

「信、中田くんのお兄さんカッコいい~」

なんて母ちゃんは目をハートマークにさせていた。
母ちゃんの世代はヤンキー弱いよね。
知らないけど。


「ほいじゃみんな、お疲れ」
「お疲れ様でーす」

中田(兄)は車なんでノンアルビール、未成年のオレたちはジュースで乾杯した。

「オラ、ガキども食え食え」

腹ペコのオレたちは肉に食らいつく。

「兄貴~最高!」
「ウマイ。ウマイっす」
「ごちそうさまです」
「っす」
「たっぷり食え。何せ食べ放題だからな」

オレ達は腹がはちきれんばかりに食べて食べまくった。


焼肉の後、腹ごなしも兼ねてみんなでバイクを見に行くことになった。
中田(兄)が勤める工場の倉庫へ。

「うお~ジョーカー。本物だ~」
「え~カッコいいじゃん真島」
「おう」

写真じゃなくて実際に見て触ったホンダジョーカーはカッコ良かった。

ブラックとシルバー。
オレと灰谷の。
これに乗って灰谷とツーリング。
想像するだけでウキウキする。

「灰谷、ありがとな」
「おう」
「それ見つけるの大変だったぞ。一日も早くとか言うからさ」
「すいません。ありがとうございます」

灰谷が中田(兄)に頭を下げた。

「ありがとうございました」

オレも頭を下げる。

「いいって。それよりそこら走ってみるか?」

灰谷と二人、練習がてら工場の駐車場をぶんぶん走ってみた。

初めはこわごわだったけど、そのうちに慣れてガンガン飛ばしまくった。

カーたまんねえ~。
このスピード感。
チャリとは違う。
楽しい~。

さんざん乗り回して、そろそろ中田(兄)と別れてプールに行かないと時間がなくなるなと思っていた。
みんな同じ事を思っているらしく、別れを告げるタイミングを探してると、中田(兄)が宣言した。


「ウーイ。それじゃあみんな、第二回長渕ナイトこれより開催」

オレ達は固まった。

え?え?

「オマエら、タダメシ食ってそのまんま帰れるとは思ってねえだろうな」

よりによって今日?今から?みんなでガツンと遊ぶためにオレ達、必死で課題終わらせたのに?とも言えず、マジハイサトの視線は中田(弟)に集まった。

こうなることを予想していたのか中田(弟)は菩薩のように微笑んだ。
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