姫君は幾度も死ぬ

雨咲まどか

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2.純白と赤色

純白の花畑

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 クリフは小屋の中へ案内してくれ、スープをごちそうしてくれた。デイジーたちもアンゼリカが持たせてくれたサンドイッチを広げて、一緒に昼食を取る。
 昨日からのアンゼリカとの話をデイジーが語り終えると、クリフは笑顔に憂いを混ぜ込んだ。

「アンゼリカが元気そうで安心したよ」

 サンドイッチを噛みしめて、じっくりと嚥下する。デイジーはそんな彼の面持ちに、ほっとしていた。よかった。クリフは、アンゼリカを嫌いになった訳ではなかったのだ。

「クリフさんはどうしてこの小屋に? アンゼリカさんのお話では城下町へ行かれていたとのことでしたが」

 サンザシが問いかけるとクリフはばつが悪そうに髭に覆われた頬を引っ掻いた。

「頑固に研究を続ける彼女と、言い合いになってそのまま城下町へ行ったんだ。といっても、僕に出来ることなんて農作業くらいだから城下町でも畑の手伝いが主な仕事だった。街の中で育つ作物を見ていて、やっとアンゼリカがずっと言っていたことがわかった気がした。僕たちは白龍様だけじゃ無くて、もっと育てていた植物や僕たち自身のことも信じるべきだったんだ」

 クリフはサンドイッチを見つめて、まるで呟くように続ける。

「それで、白龍様が本当に彼女にお怒りなのなら僕が謝りに行こうと思ったんだ。ここに拠点を置いて探し始めて、もうすぐ一月になるかな。せめて天候だけでも回復すれば、アンゼリカは必ず白龍草をまた咲かせられるはずなんだ。……まさか、卵が生まれているとは思っていなかったけど」

 デイジーの横で布に包まれたまま置かれている卵を一瞥すると、クリフはサンドイッチにかぶりついた。

「じゃあクリフも白龍の巣を探してるんだね」

 デイジーの質問にクリフが首肯する。

「もう目星は付いているんだ。だけどどうしても辿り着けない」

「難しい場所にあるってこと?」

「少し違うかな。この一ヶ月山中をくまなく歩き回ったんだ。なのに一カ所だけ、一度も足を踏み入れられていない場所がある。近付いても、気が付くと違う場所にいるんだ」

「……白龍が人間を拒んでいる、という事ですか」

 カップを置いて、サンザシは顎に手をあてた。デイジーも真似をして同じようにポーズを取ってみる。有力な情報が手に入ったが、辿り着けないのならどうしようもない。

「人間は駄目でも、この子が居れば大丈夫だったりしないかな」

 デイジーは卵へ視線をやった。白龍しか立ち入ることの出来ない場所ならば、卵は入ることが出来るはずだ。まだ白龍の卵だと決まった訳ではないが、もし拒まれたなら違う生き物の卵であることになるかもしれない。

――パキッ。

「ぱき?」

 不意に何かが割れるような音がして、デイジーは首を捻った。それから、はっとして卵の布をはぎ取る。

「あああああ! 割れてる! どうしよう、私の抱え方が悪かった?」

 艶やかな卵の殻に、大きなヒビが入っていた。慌てふためくデイジーの腕をサンザシが掴んだ。

「落ち着いて下さい。単純に、生まれる時期が迫ってるのだと思います。……巣につく前に生まれてしまう可能性も十分あるかもしれませんね」

「そっか。……いや、それはそれでどうしよう。私龍なんて育てたことない」

「ある人の方が珍しいですよ」

「……そのまま生まれるのを待つのもいいんじゃないかな」

 ぽつりと言ったクリフの言葉に、ヒビを指先で撫でるデイジーの動きが止った。デイジーとサンザシ、二人の目がクリフに揃って向けられる。

「さっき聞いた話だと、その卵の親はもう亡くなってるんだろ? じゃあ無理に巣へ連れて行かなくても、このまま孵化するのを見守って、孵ってから自分で巣に戻って貰えばいいんじゃないか」

「一理ありますね」

 納得したらしいサンザシが頷く。デイジーは思案して、やがて眉と眉を寄せた。

「でもそれじゃあ、この子には巣までの帰り道が分からなくない?」







 龍に帰り道などという概念があるのか。
 デイジーの発言は議論を呼んだが、一先ず一度、クリフが見つけた場所へ足を運んでみることになった。
 ヒビの入った卵を抱えて山道を歩く。小屋からさほど遠くない、山の中腹辺りにその場所はあった。
 白い布が枝に巻き付けられた木の前でクリフは立ち止まり、その先を指し示した。

「この先なんだ。何度進んでも、いつの間にかずれた場所に出てしまう」

「とりあえず行ってみよう!」

 大きな声でデイジーは言って、真っ先に歩き出した。

「危ないですから、一人で行かないで下さい」

 背後のサンザシが注意する。
 相変わらず心配性だなあ。いつもみたいに言い返そうとして振り返ると、そこには彼の姿は無かった。

「え? サンザシ? クリフ?」

 少し戻って見回してみても、どこにも姿が見えない。すぐそこにあったはずの、目印の白い布も無くなっていた。
 強い風が吹いて森がざわめく。いつの間にか太陽も雲に隠れてしまっていた。

「ど、どうしよう……」

 一人きりの山の中というのは、こんなにも心細いものなのか。初めて思い知って、デイジーは身震いをした。

「あ、ごめんね。大丈夫だよ」

 卵がパキパキと音を立てている。宥めるように撫でて、デイジーは歩き出した。こうなったら、一人でも巣へ辿り着くしかない。

「私一人でも頑張れるって事、サンザシに見せつけてやらな――え?」

 独りごちながら進めていた足が、急に空を切った。身体が前に傾く。ついさっきまで広がっていた森が、目の前から消え去っていた。代わりにあるのは、空と雲。

「いやあああああ」

 高い崖の上から、デイジーは真っ逆さまに落ちていた。頬を風が通り過ぎる。内臓が一気に冷えてゆくのがわかった。

 卵を守らなくては。デイジーは必死で身を捩った。せめて横向きに落ちて腕を卵の下敷きにすれば、少しは衝撃を和らげられるかもしれない。
 地面が迫ってくる。デイジーはぎゅっと目を閉じた。ごめんねサンザシ。言いつけを守らなかったからだ。悲しませたら、ごめんね。
 腕の力を強めると腕の中の卵が大きな音を立てた。
 その刹那、デイジーの身体が中に浮いた。予想外の衝撃に目を開けると、すぐそこに草に覆われた地面がある。

「わっ」

 驚いたのも束の間、デイジーの身体は地面にぶつかった。お腹の辺りに違和感がある。急いで身体を起こすと、デイジーが倒れた場所で白い塊が動いていた。

「白龍?」

 白い塊は起き上がり、身体を振るわせた。短い四肢に長い首、折り畳まれた両翼。その全てが純白をしている。丸い瞳だけが真っ赤な色をしていた。大きさこそデイジーの腕の中に収まりそうな小柄な体躯だが、いつか絵画でみた龍とよく似ている。
 小さな白龍は翼を羽ばたかせ、デイジーの方へ飛んできた。頬ずりをされると、つるりとした不思議な感触が頬に伝わってくる。

「もしかして、君が助けてくれたの?」

「キュウ」

 目を細めて白龍は鳴き声を上げた。デイジーは思わず抱き寄せて、額を指先で撫で上げる。
「ありがとう!」
 腕に力を入れると痛みが走った。顔を顰めるデイジーに白龍が首を傾げる。痛む所を見やると、服の袖が裂けて腕から血が出ていた。
「どこかに引っかけたのかな。大丈夫だよ」
 デイジーは白龍に微笑みかけた。すると白龍は腕の中から首を伸ばして、傷口に顔を寄せる。
 その瞬間、小さな口から白い息が放たれた。きらきらと輝く息が傷口にかかると、痛みが引いてゆく。最後に白龍が長い舌をだして腕を舐める。すると跡形もなく傷が消えていた。
「嘘、すごい! 君、こんなこと出来るんだね。ありがとう」
 デイジーの言葉が伝わるのか、白龍は嬉しそうに鳴いた。
 改めて辺りを見渡してみる。デイジーは息を飲んだ。そこは一面、真っ白な花畑だった。
「これ、もしかして全部白龍草?」
 アンゼリカがどうしても、もう一度見たかった景色。デイジーは彼女が見せた熱意のこもった眼差しを思い出して心底から納得した。
 白龍を抱いたまま立ち上がり、花畑の中を歩き出す。きっとこのどこかに、この子が生まれた巣があるはずだ。
 少し歩くと、崖に大きな洞穴が開いているのを見つけた。白龍が腕の中から飛び立って、穴の方へ飛んで行く。デイジーはそれを急いで追いかけた。

 洞穴の中を覗いたデイジーは言葉を失った。信じられないほどの大きな白龍が、身体を横たえている。これが親龍なのだと、すぐにわかった。小さな白龍がその顔の前で悲しそうに鳴いているからだ。
 デイジーは恐る恐る近付いて、大きな身体をよく観察した。洞穴はほの暗く、よく見えない。それでも僅かだが、お腹が上下しているのが見て取れた。

「息をしてる」

 アンゼリカの話では龍は出産を終えると命を終えるのだということだった。確かにずいぶんと衰弱しているが、間違いなくまだ呼吸をしている。
 デイジーは踵を返し、駆けだした。
 花畑を走り抜けて川を探す。すぐ近くに小さな川が流れていた。

「やっぱりあった」

 白龍が住処にしている場所。側に水辺があるだろうと推測できた。
 周囲を見回して丈夫そうな長い葉を何本か採ってくる。こんな所で幼い頃にした遊びが役に立つとは。
 葉を隙間なく編んで籠を作り、水を汲む。少し漏れるがどうにかなりそうだ。
 デイジーは服の袖を引っ張って破くと川に浸した。スカートに付いていたエプロンも外して同様に川へ浸す。どちらも軽く絞って、エプロンの方は水の入った籠を包むのに使った。

 洞穴に戻ると、白龍が親龍に向かってあの白い息を吐き続けていた。親龍は瞼を持ち上げてそれを見つめている。
 デイジーは親龍の鼻先に跪いて頭を垂れた。

「私、デイジー・シャーロット・クローチアと申します。そちらのお子様には命を救って頂きまして、誠に感謝しております。大変恐れ多いのですが、よければ少しだけ、お世話をさせて頂けませんか」

 親龍の赤い瞳がデイジーに向けられる。デイジーは不思議と落ち着いていた。

「失礼します。飲めそうでしたら、どうぞ」

 デイジーは親龍の口元に水の入った籠を置いた。それから、絞った布で巨大な身体を拭いて清めて行く。
 しばらくすると水音が聞こえてくる。どうやら飲んでくれているようだ。

「ひゃっ」

 翼を拭こうと洞穴の奥へ進むとデイジーは何かにぶつかった。暗闇の中で目を凝らし、手を伸ばす。手の平が触れたのはごつごつとした大きな塊だった。

「……岩?」

 どうしてこんな所に。指で辿ってゆくと、地面ではなく滑らかな皮膚がそこにはあった。デイジーはぎゅっと唇を噛んだ。大きな左翼の端に、岩が乗っているのだ。天井が崩れて落ちてきたのかもしれない。これくらいの岩、普段ならなんの造作もなくどけられるはずだ。痛ましさにデイジーは胸をつかれた。

「ねえ、ちょっと手伝って!」

 デイジーは幼い白龍に呼びかけた。するとすぐにこちらへ飛んできてくれたので頭を撫でる。親のこんな姿を見るのは辛いことだろう。少しでも、回復させられたらいいのだが。

「せーの、でこの岩、向こうに押して欲しいんだけど、出来る?」

 キュイ。白龍は頷いて岩に張り付くと大きく羽ばたいた。
 デイジーのかけ声に合わせて、同時に岩を押す。想像したよりもずっと重く、デイジーは歯を食いしばった。辛抱強く押し続けると、やっとのことで岩が翼の上から転がった。
 汗が噴き出る。尻餅をついて、デイジーは肩で浅く呼吸を繰り返した。

「そこの傷、治せる?」

 途切れ途切れに訊ねると、白龍は小さな口で親龍の翼に息を吹きかけた。岩に潰されていた翼から傷が消えてゆく。デイジーは立ち上がってその翼の先まで綺麗に拭いていった。
 最後にもう一度水を汲みなおして再び親龍の口元に置き、深々と礼をする。

「不躾にこの場に入り込んでしまったうえ、あまりお役に立てず申し訳ありません。白龍様が健やかに過ごされることお祈りしております。失礼致します」

 顔を上げると、親龍は片翼を持ち上げた。少しは回復したようだ。デイジーは胸をなで下ろして洞穴を出た。
 外はすでに日が傾いていた。白龍草の花畑が夕焼けを映している。
 さて、目的は果たしたがこれからどうしたものか。サンザシと合流できればいいのだけど。

「どうやったら帰れるんだろう」

 橙色に染まった花畑をのんびりと歩く。何故だか、不安はなかった。

「キュウ」

「きゅう?」

 耳元で聞き覚えのある鳴き声がして、デイジーは立ち止まった。声のした方を向くと、すぐ鼻先に白龍の顔がある。
 デイジーは目をぱちくりさせて首を傾けた。白龍も真似をして首を傾げる。

「どうしたの?」

 小さな白龍はデイジーの周りを旋回して、やがて胸の中に飛び込んできた。思わず抱くと満足気に目を閉じる。

「ほら、お母さん……であってるのかな。あの龍がいるところに戻りなよ。私はもう行かなくちゃ。ごめんね」

 デイジーが諭すと、白龍は首を横に振った。しがみついて離れようとしない。
 どうしたものだろうか。デイジーは一面の花畑を見回して思案した。アンゼリカと、巣に送り届けると約束、したのだけど。

「うーん。……もしよかったら、私と一緒に行く?」

 少し悩んでからデイジーが訊ねてみると白龍は嬉しそうに鳴いて両翼を羽ばたかせた。

「一応辿り着いたから、送り届けたことにはなるかなあ」

 呟いて、デイジーは空を見上げた。頬を撫でる風が心地よい。白龍はデイジーを誘うように、ゆっくりと空を飛んだ。
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