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第三章 灰色の対極
3-25 灰色の結末 前編
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◆
人格とは記憶だ。記憶を失うということは人格が死ぬ、ということにつながるだろう。だから、俺の人格は、本来の人格は死んだのだ。
実の父親と、姉に、俺は殺されたのだ。
◆
記憶とは経験だ。経験とは体験であり、体験では情緒が養われる。父親がいた過去、姉がいた過去、あらゆるすべての記憶。そんなものを消された俺には、きっと情緒が存在しない。どこまでも、情緒は存在しない。
父親は優しかった。たまに下品な言葉を使って、母にとがめられることがある。たまに旅行と称してどこかに出かけていき、帰ってきたときには少しばかりやつれた顔で笑いながら帰ってくる。そんなときに関わってくれる父親のことが俺は好きだった。
どんなに疲れていても、笑顔で遊びに答えてくれる。割とやんちゃだったはずの俺はどこまでも遊んでくれる大人の存在がうれしかった。
姉はそんな俺を叱りつけてくれる。どこまでも父親のことを特に省みることはなく、疲れを悟ることなく、父親に無理をさせる俺を引き留める役割だった。
「お父さんだって疲れてるんだからね?」
そんな台詞をいつも吐かれた記憶がある。俺にはそんな記憶しか残っていないからこそ、鮮明に思い出すことができる。
姉はそんな俺に話をしてくれる。世界にいる神様のこと、天使のこと、悪魔のこと。そこそこに娯楽にあふれていた世界だったはずなのに、俺はどこまでも姉の話に夢中になった。
神父という職業は、そこまで収入があるわけでもない。だから、貧乏な暮らしは今のアイツとはそこまで変わらない。そこそこの広さのアパートを間借りして、日常を謳歌する家族四人の暮らし。
平穏で、どこまでも平穏で、永遠に続くような、幸せな日々。俺は、その日常が好きだった。
でも、その日常は大きく変わることになる。
朱音に黒の紋章が刻まれた。思春期やそれ以降に刻まれることになる黒の紋章は、悪魔祓いの象徴である。正確な自我を持った悪魔祓いにはそれが刻まれる。本来であれば高校生の年代辺りで刻まれる紋章が、当時中学生であった朱音の左手に宿ってしまった。
父は困った。早期に黒の紋章が発現するというのは、明らかな悪魔祓いの才能である。それを見て見ぬふりをするほどに父は不真面目でもない。だが、その悪魔祓いの才能を育てるには、他国での学習・修行が大切になる。現実の裏にあることだからこそ、母親にはそれを伝えることはできない。そして、俺という存在が気がかりになってしまう。
そうして考えたこと。本来なら俺も悪魔祓いとして覚醒するはずだっただろう性質を、今のうちに封印をして、そうして俺には普遍的な日常を送ってもらうというプラン。
父と朱音は、そうして俺の悪魔祓いという性質を封印する。それだけならよかったのかもしれないが、父はそれで悪魔祓いという概念を思い出すことを危惧した。
──だから、俺の記憶も封印されることになった。
単純な結論だ。これからこの家に帰ることもないだろう、と父は悟っていたからこそ、俺の記憶を封印することに対しては抵抗がなかった。その本質を知ることもなく、そうして容易く父は、朱音は、俺の人格を殺したのだった。
『──さようなら、ごめんね』
朱音は、俺に別れを告げて、そうして俺を殺した。
俺を殺したのだ。俺を殺したのだ。実の父と姉に、俺は殺されたのだ。
──そして生まれたのが、今の在原 環なのだ。
記憶がないからこそ不安定。おぼつかない記憶しか持たないからこそ、人格も不安定。悪魔祓いという性質を封印されたことは関係ない。人として、アイツは不安定でしかないのだ。
──それでも、アイツは俺よりも生きている。
在原 環とは誰なのか。
──結局は、あいつなのだ。あいつ自身でしかないのだ。あいつは灰色の対極であると自称したが、それ以上にあいつは在原 環なのだ。
──そんなことにアイツが悩んでいるのが、苛立ちを生じさせて仕方がなかった。
本当の俺は殺されている。だからこそ、今のアイツが在原 環ということが許せなくてしようがない。
なんとしてでも俺を受け容れさせる。そうして、俺は”対極”として顕現した。
俺はアイツの裏の感情だ。だからこそ、対極なのだ。そして、俺はアイツだからこそ、受容しなければいけないのだ。
──ああ、これで終わることができる。
在原 環。
──お前は、お前だ。
だから、片隅に受容したこの劣等の存在を、どうか忘れないでいてくれないか。
それだけが、俺の願いだから。
◇◆◇◆◇
◇◆◇
◇
◇
がんがんと、頭に五月蠅い声が響いてくる。物理的に作用する音。どこまでも音が、──声が響いて仕方がない。
「──、───!!」
誰かが声をかけてくる。それに反応しなければいけない。だが、声を、言葉を、認識することに時間がかかる。
「───!」
反応、しなければいけない。
「……うる、さいよ」
唯一吐きだせた言葉、それをきっかけとして、ようやく状況が、音が理解できてくる。
「うるせぇ!!大丈夫かって聞いてんだよ!」
──ガサツな朱音の声が、空間に響いていた。
◇
「対極、受け容れることができたんだな」
「……受け容れることができたのかは、正直よくわからないけれど」
記憶がおぼつかないから、正直よくわからない。これは記憶が封印されているというわけでもなく、単純に大量に失血をしたから抜けた記憶、と言った方が正しいのかもしれない。雪冬と戦った後の感覚に近いから、きっとそうなのだろう。
「まあ、受け容れたんだろう。その髪色を見たら、なんとなくわかるさ」
「……髪色?」
そう思って髪を見てみたいけれど、手直に鏡はない。自身の頭髪について把握したいが、どうすればいいだろうか。
プツッ。
「痛ェ!」
髪を抜かれる感覚、そうして朱音の方を見れば、細い糸のように持つ頭髪が目に見える。
「……白髪?」
「うーん、どっちかっていうと煤色じゃね?」
朱音は苦笑する。
全体で見れば煤みたいな灰色なんだろうけれど、単体で見てしまえば白髪にしか見えない。
でも、朱音がそれを見て対極を受け容れた、と僕に伝えてくれるのなら、それが真実なのだろう。
──心に、確かに埋まっていなかった片隅の感情があることを確認する。
本当の自分のはずだった彼は、僕を受容したのだ。どうしようもない僕を受容したのだ。
『だから、片隅に受容したこの劣等の存在を、どうか忘れないでいてくれないか』
──忘れない。絶対に忘れない。きっと、忘れてはいけないのだ。
最後まで僕は対極を、……彼を受容できなかったけれど、彼は彼で僕を受容していたのだから、それに報いるために生きていかなければいけない。
僕は、──俺として。それが、灰色の対極の選択だ。
「──それでな、環。ここからは大事な話をしたいんだが……」
そうして、朱音は言葉を紡ぐ。
俺は、そうして朱音の言葉を受容した。
◇
記憶とは人格だ。記憶が消えれば、人格も変わる。それを身をもって俺は知っている。それによって死んだ人格を死んでいるからこそ──。
「本当にいいのか?」
朱音は俺に言葉を紡ぐ。
「……やるしか、ないんだろ?」
朱音は悪魔祓いの事情を語った。その事情に、俺は頷いた。
「……ごめんな」
彼女は申し訳なさそうに謝罪を紡いだ。
仕方のないことなのだ。きっと。
俺は、それを受容した。
人格とは記憶だ。記憶を失うということは人格が死ぬ、ということにつながるだろう。だから、俺の人格は、本来の人格は死んだのだ。
実の父親と、姉に、俺は殺されたのだ。
◆
記憶とは経験だ。経験とは体験であり、体験では情緒が養われる。父親がいた過去、姉がいた過去、あらゆるすべての記憶。そんなものを消された俺には、きっと情緒が存在しない。どこまでも、情緒は存在しない。
父親は優しかった。たまに下品な言葉を使って、母にとがめられることがある。たまに旅行と称してどこかに出かけていき、帰ってきたときには少しばかりやつれた顔で笑いながら帰ってくる。そんなときに関わってくれる父親のことが俺は好きだった。
どんなに疲れていても、笑顔で遊びに答えてくれる。割とやんちゃだったはずの俺はどこまでも遊んでくれる大人の存在がうれしかった。
姉はそんな俺を叱りつけてくれる。どこまでも父親のことを特に省みることはなく、疲れを悟ることなく、父親に無理をさせる俺を引き留める役割だった。
「お父さんだって疲れてるんだからね?」
そんな台詞をいつも吐かれた記憶がある。俺にはそんな記憶しか残っていないからこそ、鮮明に思い出すことができる。
姉はそんな俺に話をしてくれる。世界にいる神様のこと、天使のこと、悪魔のこと。そこそこに娯楽にあふれていた世界だったはずなのに、俺はどこまでも姉の話に夢中になった。
神父という職業は、そこまで収入があるわけでもない。だから、貧乏な暮らしは今のアイツとはそこまで変わらない。そこそこの広さのアパートを間借りして、日常を謳歌する家族四人の暮らし。
平穏で、どこまでも平穏で、永遠に続くような、幸せな日々。俺は、その日常が好きだった。
でも、その日常は大きく変わることになる。
朱音に黒の紋章が刻まれた。思春期やそれ以降に刻まれることになる黒の紋章は、悪魔祓いの象徴である。正確な自我を持った悪魔祓いにはそれが刻まれる。本来であれば高校生の年代辺りで刻まれる紋章が、当時中学生であった朱音の左手に宿ってしまった。
父は困った。早期に黒の紋章が発現するというのは、明らかな悪魔祓いの才能である。それを見て見ぬふりをするほどに父は不真面目でもない。だが、その悪魔祓いの才能を育てるには、他国での学習・修行が大切になる。現実の裏にあることだからこそ、母親にはそれを伝えることはできない。そして、俺という存在が気がかりになってしまう。
そうして考えたこと。本来なら俺も悪魔祓いとして覚醒するはずだっただろう性質を、今のうちに封印をして、そうして俺には普遍的な日常を送ってもらうというプラン。
父と朱音は、そうして俺の悪魔祓いという性質を封印する。それだけならよかったのかもしれないが、父はそれで悪魔祓いという概念を思い出すことを危惧した。
──だから、俺の記憶も封印されることになった。
単純な結論だ。これからこの家に帰ることもないだろう、と父は悟っていたからこそ、俺の記憶を封印することに対しては抵抗がなかった。その本質を知ることもなく、そうして容易く父は、朱音は、俺の人格を殺したのだった。
『──さようなら、ごめんね』
朱音は、俺に別れを告げて、そうして俺を殺した。
俺を殺したのだ。俺を殺したのだ。実の父と姉に、俺は殺されたのだ。
──そして生まれたのが、今の在原 環なのだ。
記憶がないからこそ不安定。おぼつかない記憶しか持たないからこそ、人格も不安定。悪魔祓いという性質を封印されたことは関係ない。人として、アイツは不安定でしかないのだ。
──それでも、アイツは俺よりも生きている。
在原 環とは誰なのか。
──結局は、あいつなのだ。あいつ自身でしかないのだ。あいつは灰色の対極であると自称したが、それ以上にあいつは在原 環なのだ。
──そんなことにアイツが悩んでいるのが、苛立ちを生じさせて仕方がなかった。
本当の俺は殺されている。だからこそ、今のアイツが在原 環ということが許せなくてしようがない。
なんとしてでも俺を受け容れさせる。そうして、俺は”対極”として顕現した。
俺はアイツの裏の感情だ。だからこそ、対極なのだ。そして、俺はアイツだからこそ、受容しなければいけないのだ。
──ああ、これで終わることができる。
在原 環。
──お前は、お前だ。
だから、片隅に受容したこの劣等の存在を、どうか忘れないでいてくれないか。
それだけが、俺の願いだから。
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がんがんと、頭に五月蠅い声が響いてくる。物理的に作用する音。どこまでも音が、──声が響いて仕方がない。
「──、───!!」
誰かが声をかけてくる。それに反応しなければいけない。だが、声を、言葉を、認識することに時間がかかる。
「───!」
反応、しなければいけない。
「……うる、さいよ」
唯一吐きだせた言葉、それをきっかけとして、ようやく状況が、音が理解できてくる。
「うるせぇ!!大丈夫かって聞いてんだよ!」
──ガサツな朱音の声が、空間に響いていた。
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「対極、受け容れることができたんだな」
「……受け容れることができたのかは、正直よくわからないけれど」
記憶がおぼつかないから、正直よくわからない。これは記憶が封印されているというわけでもなく、単純に大量に失血をしたから抜けた記憶、と言った方が正しいのかもしれない。雪冬と戦った後の感覚に近いから、きっとそうなのだろう。
「まあ、受け容れたんだろう。その髪色を見たら、なんとなくわかるさ」
「……髪色?」
そう思って髪を見てみたいけれど、手直に鏡はない。自身の頭髪について把握したいが、どうすればいいだろうか。
プツッ。
「痛ェ!」
髪を抜かれる感覚、そうして朱音の方を見れば、細い糸のように持つ頭髪が目に見える。
「……白髪?」
「うーん、どっちかっていうと煤色じゃね?」
朱音は苦笑する。
全体で見れば煤みたいな灰色なんだろうけれど、単体で見てしまえば白髪にしか見えない。
でも、朱音がそれを見て対極を受け容れた、と僕に伝えてくれるのなら、それが真実なのだろう。
──心に、確かに埋まっていなかった片隅の感情があることを確認する。
本当の自分のはずだった彼は、僕を受容したのだ。どうしようもない僕を受容したのだ。
『だから、片隅に受容したこの劣等の存在を、どうか忘れないでいてくれないか』
──忘れない。絶対に忘れない。きっと、忘れてはいけないのだ。
最後まで僕は対極を、……彼を受容できなかったけれど、彼は彼で僕を受容していたのだから、それに報いるために生きていかなければいけない。
僕は、──俺として。それが、灰色の対極の選択だ。
「──それでな、環。ここからは大事な話をしたいんだが……」
そうして、朱音は言葉を紡ぐ。
俺は、そうして朱音の言葉を受容した。
◇
記憶とは人格だ。記憶が消えれば、人格も変わる。それを身をもって俺は知っている。それによって死んだ人格を死んでいるからこそ──。
「本当にいいのか?」
朱音は俺に言葉を紡ぐ。
「……やるしか、ないんだろ?」
朱音は悪魔祓いの事情を語った。その事情に、俺は頷いた。
「……ごめんな」
彼女は申し訳なさそうに謝罪を紡いだ。
仕方のないことなのだ。きっと。
俺は、それを受容した。
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