107 / 143
第四章 異質殺し
4-22 ゼロの魔法
しおりを挟む
◇
「……それで? なんとなくリンクしているとかなんとかはわかったような気がしないでもないけれど、それでどうやってイギリスに転移するのさ」
理解できないことは理解できないこと、ということに分類することによって、とりあえず俺は原理についてを聞くことにする。
とりあえず、転移でこの空間の座標とやらを使用することはよくわかった気がしないでもないけれど、それはそれとしてだ。座標というものがあったところで、悪魔祓いは魔法を反発してしまうのだから、転移をするための魔法を天音が使ったとしても、結局無駄家に終わってしまう。
「……というか、座標云々とかの前に、普通に葵が座標とか使わないで転送しているの、見たことあるんだけど」
「ああ、あれは危険だよなぁ」
朱音は少しばかり眉をしかめながら言う。俺はその言葉の意味合いがよく理解できず、首を傾げることしかできない。そんな俺を見て、注釈をするように朱音は言葉を続ける。
「割と魔法の力っていうのは出鱈目なんだよ。出力については血液量で調整できるけれど、その結果については血液で保証できるわけじゃない。
これは天音の受け売りでしかないけれど、水の魔法を使うときとかだったら、血液量が多ければ多いほどに水の量については増加するが、その結果となる形については確定しない。まあ、だからこそ形の指定とかを行って、詠唱で補完をするらしいんだが、転移も同様らしいんだよ。転移の場合は血液を使えば使うほど遠い場所に行けるけれど、その目的地については補足できない。一応詠唱で補足をすることで場所を限定することはできるけれど、ちょっとした問題がある。
転移魔法は何もないアリクトエアルにおいては弊害も何もないだろうが、適当に『家』とか『学校』とかに設定して転移したら『いしのなかにいる』みたいな状態になりかねないんだよ。ほら、家具だったり、置物だったり、いろんな障害物があるからな」
「……へぇ」
……いしのなかにいる、というのがよくわからないところではあるけれど、なんとなくのニュアンスで伝わるところはある。
「とまあ、今回このアリクトエアルを使うのは、詳細に魔法へと情報を伝えるっていうのが主ではある。座標を詠唱に加えることで一ミリの寸分の狂いもなく転移をすることができる。それがアリクトエアルに来た理由ってわけだな。わかったか?」
「……まあ、原理についてはわかったけれど」
転移魔法については、まあ、なんとなくでしかないけれどわかったような気がする。だが、俺が聞きたいのはそういうことではなく、そもそも悪魔祓いに転移の魔法が効くのかどうか、という話であり──。
「──悪魔祓いに魔法なんて効かねぇ、ってか?」
「──……まあ、うん」
一瞬、頭の中を探られたのではないか、という気持ちになって息を呑み込んでしまう。けれど、朱音が言う通りのことしか思ってなかったから、俺は彼女の言葉に頷いた。
「実際、悪魔祓いは魔法を反発するけどな。……でも、ここには最終兵器と言ってもいい天音がいるから!」
最終兵器? と俺がオウム返しをすると、天音が途端に、ふふん、と鼻で声を鳴らしながら、大きな胸を張るように誇りだす。
「さて、ここで問題だ。天音には他の魔法使いとは違うところがある。その違う点とは?」
「違う点? ……そうだなぁ──」
「──はい残念、時間切れだ。正解は──」
考える暇もくれないのかよ、とツッコミを入れそうになったところで、今度は朱音が格好をつけるように言葉を吐く。
「天音が対極を受け容れた魔法使い、ってことだ!」
◇
対極。
対極とは、あらゆる存在に対する絶対値のようなものであり、正であれば負、陰であれば陽、白であれば黒、というような相対するもののことを言う。
それは悪魔祓いのひとつの試練として用意されているものとも言われており、負の自分と見つめあい、受容するものだと言われている。俺の場合は自分の中に巣食っていた劣等感、……もとい過去に記憶を封印された自分自身と敵対し、それが自分自身だと受け容れたことで受容した。
「……まあ、天音も受容しているわな」
直接的に天音から話を聞いたわけではないけれど、彼女の非現実的な銀色っぽい白髪を見れば察するところはある。どういう仕組みなのかはわからないけれど、対極を受容した者は髪色が変わっている。俺の場合であれば灰色に、朱音であれば水色という具合に。そして天音についても同様なのだろう。
「それで? 対極を受容している魔法使い……、というか魔法使いにも対極ってくるもんなの?」
「それは今度追々説明するわ」と朱音はさらっと俺の質問を流して、言葉を続ける。
「ともかく、ここにいる天音は対極を受容しているんだよ。存在の対義である対極を受容しているんだ」
「……はあ」
「……だから? とでも言いたそうな顔をしてるな。でもすごいんだぞ、よく聞いておけよ」
わくわくした顔とでも言わんばかりに、溌溂とした表情で朱音は歩きながら続ける。
「あらゆる存在には対義がある。それはもちろん魔法に関しても同様だ。そして天音は、その魔法の対極を見極めることができるし、扱うことだってできるんだよ」
「……魔法の対極を? ──あっ」
そこで思い出したのは、天使時間の吸血鬼事件の、その頃合いで起きた出来事。というか日常。
確か、天音と魔法の反発の練習をしていた時だ。炎の魔法を俺が悪魔祓いの体質で反発すると、同様に炎の魔法を発動して、炎同士で相殺をしていた。そんなことがあったはずだ。
『属性相性っていうのは確かにあるんだよ。例えば炎には水をやったり、水には氷をあてて流動性を止めたりね。そうして魔法の相殺をすることはまだある。瞬時に魔法の展開をできるのはなかなか難しいけれどね。
でも、天音ちゃんの場合は違う。炎なら炎でそれを相殺する。氷なら氷、水なら水、風なら風と、そのままの属性ですべてを打ち消す。そもそも相殺なんて言うレベルじゃない。確実に対消滅する。
だからこそ、僕は彼女に対しての称号は『化け物』がふさわしい。これはすごくいい言葉としてね』
天音のことを、立花先生はそう評価していたはずだ。そんなことをなんとなく思い出した。
「なるほどね」と俺は言葉を吐いた。
「けれど、対極を見極められて、それを扱うことができたとしてもさ、結局反発するんだから意味なくない?」
「チッチッチッ!」
朱音は指を立てて振りながら、揶揄うみたいにそう言う。
「悪魔祓いが魔法を反発してしまうのは、単純に対極があるから反発してしまう、っていうのがあるんだよ。まあ、それだけでなくとも、世界から異質に認定されている非現実的事象の魔法は本来反発して当然なんだけどさ」
「……」
また対極かよ、と思ったけれど口には出さない。
「単に悪魔祓いは絶対値があるものに関して、……対極があるものに関しては確実に反発する。プラス1だとか、マイナス4だとか、そういった絶対値があるものは必ず反発する。
つまり、絶対値がなければいい」
朱音は、そうして結論を呟く。
「簡単に言ってしまえば、ゼロの魔法を使えばいいってだけの話だな」
「……それで? なんとなくリンクしているとかなんとかはわかったような気がしないでもないけれど、それでどうやってイギリスに転移するのさ」
理解できないことは理解できないこと、ということに分類することによって、とりあえず俺は原理についてを聞くことにする。
とりあえず、転移でこの空間の座標とやらを使用することはよくわかった気がしないでもないけれど、それはそれとしてだ。座標というものがあったところで、悪魔祓いは魔法を反発してしまうのだから、転移をするための魔法を天音が使ったとしても、結局無駄家に終わってしまう。
「……というか、座標云々とかの前に、普通に葵が座標とか使わないで転送しているの、見たことあるんだけど」
「ああ、あれは危険だよなぁ」
朱音は少しばかり眉をしかめながら言う。俺はその言葉の意味合いがよく理解できず、首を傾げることしかできない。そんな俺を見て、注釈をするように朱音は言葉を続ける。
「割と魔法の力っていうのは出鱈目なんだよ。出力については血液量で調整できるけれど、その結果については血液で保証できるわけじゃない。
これは天音の受け売りでしかないけれど、水の魔法を使うときとかだったら、血液量が多ければ多いほどに水の量については増加するが、その結果となる形については確定しない。まあ、だからこそ形の指定とかを行って、詠唱で補完をするらしいんだが、転移も同様らしいんだよ。転移の場合は血液を使えば使うほど遠い場所に行けるけれど、その目的地については補足できない。一応詠唱で補足をすることで場所を限定することはできるけれど、ちょっとした問題がある。
転移魔法は何もないアリクトエアルにおいては弊害も何もないだろうが、適当に『家』とか『学校』とかに設定して転移したら『いしのなかにいる』みたいな状態になりかねないんだよ。ほら、家具だったり、置物だったり、いろんな障害物があるからな」
「……へぇ」
……いしのなかにいる、というのがよくわからないところではあるけれど、なんとなくのニュアンスで伝わるところはある。
「とまあ、今回このアリクトエアルを使うのは、詳細に魔法へと情報を伝えるっていうのが主ではある。座標を詠唱に加えることで一ミリの寸分の狂いもなく転移をすることができる。それがアリクトエアルに来た理由ってわけだな。わかったか?」
「……まあ、原理についてはわかったけれど」
転移魔法については、まあ、なんとなくでしかないけれどわかったような気がする。だが、俺が聞きたいのはそういうことではなく、そもそも悪魔祓いに転移の魔法が効くのかどうか、という話であり──。
「──悪魔祓いに魔法なんて効かねぇ、ってか?」
「──……まあ、うん」
一瞬、頭の中を探られたのではないか、という気持ちになって息を呑み込んでしまう。けれど、朱音が言う通りのことしか思ってなかったから、俺は彼女の言葉に頷いた。
「実際、悪魔祓いは魔法を反発するけどな。……でも、ここには最終兵器と言ってもいい天音がいるから!」
最終兵器? と俺がオウム返しをすると、天音が途端に、ふふん、と鼻で声を鳴らしながら、大きな胸を張るように誇りだす。
「さて、ここで問題だ。天音には他の魔法使いとは違うところがある。その違う点とは?」
「違う点? ……そうだなぁ──」
「──はい残念、時間切れだ。正解は──」
考える暇もくれないのかよ、とツッコミを入れそうになったところで、今度は朱音が格好をつけるように言葉を吐く。
「天音が対極を受け容れた魔法使い、ってことだ!」
◇
対極。
対極とは、あらゆる存在に対する絶対値のようなものであり、正であれば負、陰であれば陽、白であれば黒、というような相対するもののことを言う。
それは悪魔祓いのひとつの試練として用意されているものとも言われており、負の自分と見つめあい、受容するものだと言われている。俺の場合は自分の中に巣食っていた劣等感、……もとい過去に記憶を封印された自分自身と敵対し、それが自分自身だと受け容れたことで受容した。
「……まあ、天音も受容しているわな」
直接的に天音から話を聞いたわけではないけれど、彼女の非現実的な銀色っぽい白髪を見れば察するところはある。どういう仕組みなのかはわからないけれど、対極を受容した者は髪色が変わっている。俺の場合であれば灰色に、朱音であれば水色という具合に。そして天音についても同様なのだろう。
「それで? 対極を受容している魔法使い……、というか魔法使いにも対極ってくるもんなの?」
「それは今度追々説明するわ」と朱音はさらっと俺の質問を流して、言葉を続ける。
「ともかく、ここにいる天音は対極を受容しているんだよ。存在の対義である対極を受容しているんだ」
「……はあ」
「……だから? とでも言いたそうな顔をしてるな。でもすごいんだぞ、よく聞いておけよ」
わくわくした顔とでも言わんばかりに、溌溂とした表情で朱音は歩きながら続ける。
「あらゆる存在には対義がある。それはもちろん魔法に関しても同様だ。そして天音は、その魔法の対極を見極めることができるし、扱うことだってできるんだよ」
「……魔法の対極を? ──あっ」
そこで思い出したのは、天使時間の吸血鬼事件の、その頃合いで起きた出来事。というか日常。
確か、天音と魔法の反発の練習をしていた時だ。炎の魔法を俺が悪魔祓いの体質で反発すると、同様に炎の魔法を発動して、炎同士で相殺をしていた。そんなことがあったはずだ。
『属性相性っていうのは確かにあるんだよ。例えば炎には水をやったり、水には氷をあてて流動性を止めたりね。そうして魔法の相殺をすることはまだある。瞬時に魔法の展開をできるのはなかなか難しいけれどね。
でも、天音ちゃんの場合は違う。炎なら炎でそれを相殺する。氷なら氷、水なら水、風なら風と、そのままの属性ですべてを打ち消す。そもそも相殺なんて言うレベルじゃない。確実に対消滅する。
だからこそ、僕は彼女に対しての称号は『化け物』がふさわしい。これはすごくいい言葉としてね』
天音のことを、立花先生はそう評価していたはずだ。そんなことをなんとなく思い出した。
「なるほどね」と俺は言葉を吐いた。
「けれど、対極を見極められて、それを扱うことができたとしてもさ、結局反発するんだから意味なくない?」
「チッチッチッ!」
朱音は指を立てて振りながら、揶揄うみたいにそう言う。
「悪魔祓いが魔法を反発してしまうのは、単純に対極があるから反発してしまう、っていうのがあるんだよ。まあ、それだけでなくとも、世界から異質に認定されている非現実的事象の魔法は本来反発して当然なんだけどさ」
「……」
また対極かよ、と思ったけれど口には出さない。
「単に悪魔祓いは絶対値があるものに関して、……対極があるものに関しては確実に反発する。プラス1だとか、マイナス4だとか、そういった絶対値があるものは必ず反発する。
つまり、絶対値がなければいい」
朱音は、そうして結論を呟く。
「簡単に言ってしまえば、ゼロの魔法を使えばいいってだけの話だな」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる