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■第1章 突然の異世界サバイバル!
021 異世界の洗礼(2)※
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※ お知らせ ※ このページには一部において暴力描写があります。気になる方や読みたくない方は、スルーして次のページへお進みください。このお話はフィクション(創作)です。現実の社会では、どのような場合であっても、暴力や犯罪行為は許されません。それをご理解いただける場合のみご覧ください。このお知らせの意味が分からない場合は、周りにいる頼れる大人に相談してみて下さい。
穏やかな夜が過ぎ――。
次の朝もいつものように迎えられると思っていた銀河と美怜だったが、突然の騒々しい音に目を覚ました。
――ドカッ、ドグッ!
「ぐはっ!」
明らかにもみ合うような音と、なにかの打撃を受けた声。声の主はジルドに違いなかった。
「ピッカランテッカラン、コール!」
慌てて叫んだとき、隣で寝ていたはずの美怜が悲鳴を上げた。ピッカランテッカランが興奮して順番どおりに並んでくれない。灯りがついたり消えたりしている。
「ピッカランテッカラン、ちゃんと整列しろ!」
そのとき、ネルの声が甲高く響いた。
「だめぇっ、おねえちゃんの鞄はなしてぇっ!」
「離れろっ、ガキ!」
――ガスッ、ドサッ!
その音と振動に、銀河と美怜は一瞬で背筋が寒くなった。銀河はさらに鋭く声を上げた。
「ピッカランテッカラン、いますぐ早く整列しろ!」
複数の何者かがかけ去っていく音。ようやくピッカランテッカランが整列して明かりがともったとき、ジルドとネルが血を流してそこに倒れていた。
「ジ、ジルドッ! ネル!」
「なっ、なにが、なにがあったんだい!?」
ナラが叫び、ムナが手探りで事態を把握しようと必死になっている。ジルドは殴られ、蹴られたらしい腹を抱えてうめいている。ネルは意識すらない。
「ぎ、銀ちゃん……!」
「みれちゃん、無事!? リュックは?」
「と、盗られたみたい……」
「ああっ、ジルド! ネル!」
「怪我かいっ? 誰からやられたんだね!?」
ムナとナラ、そして美怜が必死にふたりを介抱し始めていた。それを見て、銀河の頭が、かあっと熱くなった。
(どうして、こんな……っ、許せない……!)
ジルドが忠告してくれたのに、もっと慎重にするべきだったのかもしれない。でも、彼らと仲良くなれたことがうれしくて、自分のつくったものを喜んで使ってもらえる、そのことに喜んでいる美怜を見ている自分も幸せで、すっかりこの街に溶け込めたような気がしてしまっていた。油断した。町に着いたことで、人がたくさんいることで、楽観視をしすぎたのだ。こんなの、森にいたほうがまだ安全じゃないか。モンスターよりも人のほうがはるかに凶悪だ。銀河は腹の底がぐらぐらと燃えるような気がした。
「銀ちゃん、どうしよう……! マロカゲ……ッ」
銀河は素早く治療系ブーンズをコールした。光りと共に突然現れたカタサマ、マロカゲ、マチドリに、ナラが驚き、銀河と交互に見つめる。
「こ、これは……?」
説明するほどの冷静さもなく、銀河はただ目を走らせていた。ジルドは大量の血を吐きながら、お腹を抱えてジタバタと蠢いている。どう見ても、口が切れた程度の出血量じゃない。多分内臓から血が出ている。マロカゲで外傷だけ直したとしても意味がない。
ネルは呼吸と脈はあるが、ひどく殴られたらしい頭はわずかに陥没していて、血が流れるとともに完全に気を失っている。こんな小さな体でよく悪漢に逆らってリュックをまもろうとしてくれたものだ。無謀を通り越して、もはや尊敬の念すら感じる。
「銀ちゃん、お願い、助けてあげて……っ!」
美怜がポロポロ涙を流してネルの手を握っている。
「できる限りのことをやってみるよ、みれちゃん! マチドリ、まずはふたりに麻酔だ!」
「ミーッ!」
「な、なに、なにをしているの?」
「なにがおこってるんだね?」
「ナラさん、ムナさん、できる限り、今手当てを、銀ちゃんがしてくれるって!」
マチドリがお尻の針をそれぞれに注射した。ネルは変わりなかったが、ジルドはすぐに大人しくなり、すうっと眠りについた。
「ジッ、ジルド!?」
「大丈夫、眠っただけだよ……!」
美怜の説明でナラとムナが開きかけた口を閉じる。
穏やかな夜が過ぎ――。
次の朝もいつものように迎えられると思っていた銀河と美怜だったが、突然の騒々しい音に目を覚ました。
――ドカッ、ドグッ!
「ぐはっ!」
明らかにもみ合うような音と、なにかの打撃を受けた声。声の主はジルドに違いなかった。
「ピッカランテッカラン、コール!」
慌てて叫んだとき、隣で寝ていたはずの美怜が悲鳴を上げた。ピッカランテッカランが興奮して順番どおりに並んでくれない。灯りがついたり消えたりしている。
「ピッカランテッカラン、ちゃんと整列しろ!」
そのとき、ネルの声が甲高く響いた。
「だめぇっ、おねえちゃんの鞄はなしてぇっ!」
「離れろっ、ガキ!」
――ガスッ、ドサッ!
その音と振動に、銀河と美怜は一瞬で背筋が寒くなった。銀河はさらに鋭く声を上げた。
「ピッカランテッカラン、いますぐ早く整列しろ!」
複数の何者かがかけ去っていく音。ようやくピッカランテッカランが整列して明かりがともったとき、ジルドとネルが血を流してそこに倒れていた。
「ジ、ジルドッ! ネル!」
「なっ、なにが、なにがあったんだい!?」
ナラが叫び、ムナが手探りで事態を把握しようと必死になっている。ジルドは殴られ、蹴られたらしい腹を抱えてうめいている。ネルは意識すらない。
「ぎ、銀ちゃん……!」
「みれちゃん、無事!? リュックは?」
「と、盗られたみたい……」
「ああっ、ジルド! ネル!」
「怪我かいっ? 誰からやられたんだね!?」
ムナとナラ、そして美怜が必死にふたりを介抱し始めていた。それを見て、銀河の頭が、かあっと熱くなった。
(どうして、こんな……っ、許せない……!)
ジルドが忠告してくれたのに、もっと慎重にするべきだったのかもしれない。でも、彼らと仲良くなれたことがうれしくて、自分のつくったものを喜んで使ってもらえる、そのことに喜んでいる美怜を見ている自分も幸せで、すっかりこの街に溶け込めたような気がしてしまっていた。油断した。町に着いたことで、人がたくさんいることで、楽観視をしすぎたのだ。こんなの、森にいたほうがまだ安全じゃないか。モンスターよりも人のほうがはるかに凶悪だ。銀河は腹の底がぐらぐらと燃えるような気がした。
「銀ちゃん、どうしよう……! マロカゲ……ッ」
銀河は素早く治療系ブーンズをコールした。光りと共に突然現れたカタサマ、マロカゲ、マチドリに、ナラが驚き、銀河と交互に見つめる。
「こ、これは……?」
説明するほどの冷静さもなく、銀河はただ目を走らせていた。ジルドは大量の血を吐きながら、お腹を抱えてジタバタと蠢いている。どう見ても、口が切れた程度の出血量じゃない。多分内臓から血が出ている。マロカゲで外傷だけ直したとしても意味がない。
ネルは呼吸と脈はあるが、ひどく殴られたらしい頭はわずかに陥没していて、血が流れるとともに完全に気を失っている。こんな小さな体でよく悪漢に逆らってリュックをまもろうとしてくれたものだ。無謀を通り越して、もはや尊敬の念すら感じる。
「銀ちゃん、お願い、助けてあげて……っ!」
美怜がポロポロ涙を流してネルの手を握っている。
「できる限りのことをやってみるよ、みれちゃん! マチドリ、まずはふたりに麻酔だ!」
「ミーッ!」
「な、なに、なにをしているの?」
「なにがおこってるんだね?」
「ナラさん、ムナさん、できる限り、今手当てを、銀ちゃんがしてくれるって!」
マチドリがお尻の針をそれぞれに注射した。ネルは変わりなかったが、ジルドはすぐに大人しくなり、すうっと眠りについた。
「ジッ、ジルド!?」
「大丈夫、眠っただけだよ……!」
美怜の説明でナラとムナが開きかけた口を閉じる。
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