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■第1章 突然の異世界サバイバル!
0031 美怜の特技
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そのとき美怜が、ぱっとひらめいたようにタブレットの値を指さした。
「銀ちゃん! これ、BPってブーンズポイントじゃない?」
「え?」
「ブーンズ! だって、この切れの悪い数値、なんかすでになにかに使った感じがしない?」
「そういわれれば、確かに……」
「それに、銀ちゃんはイコとタンズとカラコマを生み出したから、もう経験値が貯まってるんじゃないかなぁ」
「そ、そうか……! つまりブーンズを生み出すと消費されるポイント、それがBP!」
「あとは……このDPっていうのがまだわからないね……。あっ、この下にもまだあるよ? SPとUSPっていうのはなにかなぁ?」
「それは……多分」
銀河がポップアップにタップすると、詳しい情報の画面に切り替わった。
「見て、みれちゃん。僕たち、Reincarnated person:転生者ってなってる」
「転生者?」
「やっぱりノラべみたいな世界なのかもしれない。ほら、見て。SPはなにも書かれていないけど、USPの値が転生者に付随してる」
「えっと……、つまり?」
「つまり、ユニークスキルポイント。職業選択できるゲームではよくスキルっていう言葉が使われるんだ。ユニークスキルはいわば特殊な能力や技術を持っているってことなんだと思うよ」
「ふぅん……。昔銀ちゃんがゲームをやってるところを私は見ていただけで、あんまり詳しいことがよくわからないんだけど、これから私たちは仕事に就けばいいっていうこと?」
「うん、きっと、この世界のどこかに町や国があって、ギルドとかもあるんじゃないかな……!」
「ギルド……。えっと、大工さんとかパン屋さんとか、あの中世ヨーロッパの同業者組合のことだよね?」
「うん、ゲームではよく冒険者ギルドっていうのがあるんだよ」
「冒険者……っていうのは、ちょっとイメージ湧かないけど、この先ここで生きていくなら町を見つけて仕事を見つけるっていうことだね。仕事で思い出したけど……、私達の元のいたところって今どうなってるんだろ……」
「そ、そうだね……」
あの停電はなんだったのか? 新宿は、いや、日本は無事なのか……? まさか、地球ごとなにかに巻き込まれたなんてことは……? 話題にしてみたものの、ふたりとも全く予想がつかない。
とにかく、今考えてわからないことにいくら頭を悩ませても、答えは出ない。わかることに気持ちを注力するほうが健全だ。それについてはふたりとも考えは同じだった。
「……私たち、とにかく今は」
「うん、生きてこの森を出ることをひとまずの目標にしよう。僕はこのスキャンを使いながらもう少し検証してみたいんだけど」
「私はあたりで使えそうなものを集めてみるね」
「あっ、あまり遠くに行かないで」
「うん、わかった」
銀河はタブレットと眼鏡を使って、これまでの情報の整理と検証を始めた。美怜はイコとヒトエタンと共に、近くを巡って野営に役立ちそうなものを収集する。
「えっと……クラウンタンとユリタンが食べるものを持ってきてくれたとして、そう、食器がいるよね……。あ、でも、その前に火おこしできる枝を集めよう。あと、雨除けになるような……大きい葉っぱと蔓、かなぁ~……。どう思う? ヒトエタン」
「む~」
「あっ、そっか、水を飲むためのコップもいるよね。竹とか生えてればなぁ……、あ、でもハンドッゴの小さいナイフと小型の鋸刃だけじゃ伐採はさすがに無理かなぁ。刃が欠けちゃったら替え刃がないし……」
「む~」
「だよねぇ」
イコとヒトエタンを従えて話しながら、美怜は木々を集め、ロープがわりになりそうな蔓性の植物を集めた。素手だとつらいものがあるが、ヒトエタンが触手で一緒に手伝ってくれた。
子どもの体ながらLPがそこそこあるおかげだろうか、活動量はかなりのものだったが、美怜はまったくの疲れ知らず。ある程度目当てのものが集まると、目星をつけていた木ぎれを掴んで、ハンドッゴを取り出した。
「ひとまずこれでお箸……よりも、先に串のほうがいいかな。これで作ってみようと思うんだ~」
「む~。むっ、む~っ!」
「ん? あっ、ユリタン、おかえり!」
美怜の予想は当たって、ユリタンの花の中には、4匹の魚が泳いでいた。
「ユリタ~ンッ! 君はできる子だねぇ!」
「む~!」
ヒトエタンにしたようによしよしすると、ユリタンはうれしそうに触手を揺らした。
「よぉ~し、これで串ができれば、今日はみんなで魚の串焼きだよ~」
「む~!」
「む~!」
早速枝をナイフで削り、作業に取り掛かった。
美怜の材料選びの目がいい。最小限の細工で充分使えそうな串がすぐに4本出来上がった。同じ要領で、箸も二膳作った。【※10】
なにを隠そう、美怜はDIYやハンドクラフトをはじめとするものづくりが大得意。
職場では細かな建築模型から複雑で手間のかかるジオラマづくりも任されており、その丁寧で細かい仕事が認められているのだ。そればかりか、料理も得意だし、ちょっとした編み物や服作りもお手のもの。木工や陶芸なんかも一通り趣味の範囲ではあるが経験済み。
「ん~、丁度いいサイズの木片があればなぁ。ハンドッゴにカスタムで付けた彫刻刀があるからお皿やコップも作れるんだけど……。ひとまず、カラコマの残りの瓢箪を干しておこう。お皿の代わりに使えそう」
「む~」
「む~。むっ、む~っ!」
「ん? あっ、クラウンタン、おかえり~! うわぁ、すごいいろいろ採れたねぇ! ありがとう!」
クラウンタンの頭の中には、みずみずしい赤や青のベリーがはいっていた。美怜はクラウンタンにももれなくよしよしをたっぷりしてあげた。ブーンズのおかげで、どうやら飢え死にはしなくて済みそうだ!
【※8】サバイバルの水 …… 情報600
【※9】進化したメガネ …… アイテム006
【※10】串の作り方 …… 情報601
本作に登場した各種情報がイラスト付きでお楽しみただけます! ブラウザ表示のフリースペースにある【※ 脚注 ※】からご覧いただけます。スマホをご利用の場合は、作者プロフィールページに戻って「GREATEST BOONS+」からお楽しみください。
便利な「しおり」機能を使うと読みやすいのでおすすめです。さらに「お気に入り登録」をすると最新更新のお知らせが届きます。便利にご活用していただき、快適に続きをお楽しみください!
「銀ちゃん! これ、BPってブーンズポイントじゃない?」
「え?」
「ブーンズ! だって、この切れの悪い数値、なんかすでになにかに使った感じがしない?」
「そういわれれば、確かに……」
「それに、銀ちゃんはイコとタンズとカラコマを生み出したから、もう経験値が貯まってるんじゃないかなぁ」
「そ、そうか……! つまりブーンズを生み出すと消費されるポイント、それがBP!」
「あとは……このDPっていうのがまだわからないね……。あっ、この下にもまだあるよ? SPとUSPっていうのはなにかなぁ?」
「それは……多分」
銀河がポップアップにタップすると、詳しい情報の画面に切り替わった。
「見て、みれちゃん。僕たち、Reincarnated person:転生者ってなってる」
「転生者?」
「やっぱりノラべみたいな世界なのかもしれない。ほら、見て。SPはなにも書かれていないけど、USPの値が転生者に付随してる」
「えっと……、つまり?」
「つまり、ユニークスキルポイント。職業選択できるゲームではよくスキルっていう言葉が使われるんだ。ユニークスキルはいわば特殊な能力や技術を持っているってことなんだと思うよ」
「ふぅん……。昔銀ちゃんがゲームをやってるところを私は見ていただけで、あんまり詳しいことがよくわからないんだけど、これから私たちは仕事に就けばいいっていうこと?」
「うん、きっと、この世界のどこかに町や国があって、ギルドとかもあるんじゃないかな……!」
「ギルド……。えっと、大工さんとかパン屋さんとか、あの中世ヨーロッパの同業者組合のことだよね?」
「うん、ゲームではよく冒険者ギルドっていうのがあるんだよ」
「冒険者……っていうのは、ちょっとイメージ湧かないけど、この先ここで生きていくなら町を見つけて仕事を見つけるっていうことだね。仕事で思い出したけど……、私達の元のいたところって今どうなってるんだろ……」
「そ、そうだね……」
あの停電はなんだったのか? 新宿は、いや、日本は無事なのか……? まさか、地球ごとなにかに巻き込まれたなんてことは……? 話題にしてみたものの、ふたりとも全く予想がつかない。
とにかく、今考えてわからないことにいくら頭を悩ませても、答えは出ない。わかることに気持ちを注力するほうが健全だ。それについてはふたりとも考えは同じだった。
「……私たち、とにかく今は」
「うん、生きてこの森を出ることをひとまずの目標にしよう。僕はこのスキャンを使いながらもう少し検証してみたいんだけど」
「私はあたりで使えそうなものを集めてみるね」
「あっ、あまり遠くに行かないで」
「うん、わかった」
銀河はタブレットと眼鏡を使って、これまでの情報の整理と検証を始めた。美怜はイコとヒトエタンと共に、近くを巡って野営に役立ちそうなものを収集する。
「えっと……クラウンタンとユリタンが食べるものを持ってきてくれたとして、そう、食器がいるよね……。あ、でも、その前に火おこしできる枝を集めよう。あと、雨除けになるような……大きい葉っぱと蔓、かなぁ~……。どう思う? ヒトエタン」
「む~」
「あっ、そっか、水を飲むためのコップもいるよね。竹とか生えてればなぁ……、あ、でもハンドッゴの小さいナイフと小型の鋸刃だけじゃ伐採はさすがに無理かなぁ。刃が欠けちゃったら替え刃がないし……」
「む~」
「だよねぇ」
イコとヒトエタンを従えて話しながら、美怜は木々を集め、ロープがわりになりそうな蔓性の植物を集めた。素手だとつらいものがあるが、ヒトエタンが触手で一緒に手伝ってくれた。
子どもの体ながらLPがそこそこあるおかげだろうか、活動量はかなりのものだったが、美怜はまったくの疲れ知らず。ある程度目当てのものが集まると、目星をつけていた木ぎれを掴んで、ハンドッゴを取り出した。
「ひとまずこれでお箸……よりも、先に串のほうがいいかな。これで作ってみようと思うんだ~」
「む~。むっ、む~っ!」
「ん? あっ、ユリタン、おかえり!」
美怜の予想は当たって、ユリタンの花の中には、4匹の魚が泳いでいた。
「ユリタ~ンッ! 君はできる子だねぇ!」
「む~!」
ヒトエタンにしたようによしよしすると、ユリタンはうれしそうに触手を揺らした。
「よぉ~し、これで串ができれば、今日はみんなで魚の串焼きだよ~」
「む~!」
「む~!」
早速枝をナイフで削り、作業に取り掛かった。
美怜の材料選びの目がいい。最小限の細工で充分使えそうな串がすぐに4本出来上がった。同じ要領で、箸も二膳作った。【※10】
なにを隠そう、美怜はDIYやハンドクラフトをはじめとするものづくりが大得意。
職場では細かな建築模型から複雑で手間のかかるジオラマづくりも任されており、その丁寧で細かい仕事が認められているのだ。そればかりか、料理も得意だし、ちょっとした編み物や服作りもお手のもの。木工や陶芸なんかも一通り趣味の範囲ではあるが経験済み。
「ん~、丁度いいサイズの木片があればなぁ。ハンドッゴにカスタムで付けた彫刻刀があるからお皿やコップも作れるんだけど……。ひとまず、カラコマの残りの瓢箪を干しておこう。お皿の代わりに使えそう」
「む~」
「む~。むっ、む~っ!」
「ん? あっ、クラウンタン、おかえり~! うわぁ、すごいいろいろ採れたねぇ! ありがとう!」
クラウンタンの頭の中には、みずみずしい赤や青のベリーがはいっていた。美怜はクラウンタンにももれなくよしよしをたっぷりしてあげた。ブーンズのおかげで、どうやら飢え死にはしなくて済みそうだ!
【※8】サバイバルの水 …… 情報600
【※9】進化したメガネ …… アイテム006
【※10】串の作り方 …… 情報601
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