俺は、どうしても王様になりたい。

第１話 プロローグ

　俺こと神崎竜聖は何不自由なく生きてきた。


　どうしても叶えられない夢がある。





　


　　「王様になりたい」






　どうしても三歳の時に見た絵本に出てきた王様に憧れている。
　その王は人々に好かれ、世界最強の武勇を持ち、心優しい。
　そして、そんな王になりたっかた。



　でもなれるはずもない。

　なぜなら日本の一般家庭に生まれ、血筋もへったくれもないのだから。

　俺はでも諦めない。

　俺の憧れた強く、賢く、優しく誰からも好かれる王になるため必死に努力を積み重ねた。





　そして月日が流れ





　俺は中学２年生になった。




　この１１年の間賢くなるために必死に勉強を重ね、この前の模試では全国１位を取ることができた。
　武術の方も世界大会で活躍するぐらいにはなれた。


　そんなある日、稽古終わりにコンビニにより大好きな飲み物を買うために会計をしていると物凄い音がした。




「キィィィィィィィィィィーーーーー　　　ドッカーン」




　車が突っ込んできたのだ。
　
　しかし目の前には、妊婦がいるのだ。




　「危ない！！！」



　確実にこのままでは轢かれてしまう。


　そう考えているときには、勝手に体が動いていた。



　「ボンッ」


　妊婦を庇い車に衝突したのだ。


　段々意識が遠のいていく。



　「きゃぁぁぁぁぁ」

　あの妊婦さんが叫んでいる。
　助かってよかった。
　あ、他人の心配してる場合じゃなかった。


　「早く救急車を呼べ！」

　コンビニの店長さんが叫んでいる。



　あれ声が聞こえなくなってきた。










　このまま死んでしまうのかな.....
　結局王にはなれなかったな。
　でもどうしても諦められない。
　俺は王になるんだー
　この心の声は誰の耳にも届かないと思はれた。









　しかし届いていたのだ。