運命の時・・アリサ・・そしてアリシア姫とアジェンダ王の物語

のの(まゆたん)

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白の王宮・雪花祭り舞踏会事件・終幕

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サリューン様
先程はびっくりしましたわ

はい、すいません
俺も発情期に入ってますから
しばしシューツオンの術にはまりました…
にこやかに笑うサリューン

本当に?

ええ…間違いなく本当に

なんで、さり気に視線を
反らすですか?

気のせいです!
まあ…俺も男ですから

綺麗で愛らしいアリシア姫の事は好きですよ…ふふ

もしかしたら
どさくさ紛れて…

いや!!あの…勘違いです
姫様!!
冷や汗たらたらのサリューン

心の中でアリシアは思う

これは嘘…間違いなく
どさくさ紛れて…

女性も大丈夫なのね
サリューン様

慣れていたような気がする

それに扱いはソフトだった

案外、女の子の方が好きなのかも?

庇ってくれたし、沢山守ってくれて辛い事に大変な目にあったし未遂だし
あんな事されたけど
今回は見逃してあげよう…
アリシアはそう思った

が、しかし暗黒な黒猫アラシャは間違いなく気がつく事になる

猫だから

柱の影に隠れ
麻のチュニックを着るサリューン

白く短くふとももが顕で
胸の空いた扇情的な艶ぽい衣装を着せられたアリシアの為に
シーツをまとわせるサリューン
胸もだが…お尻も見えそう…

これからどうするのですか?
アリシアがサリューンに聞く

どうしたものかと正直思ってます
このまま、この白の王宮に隠れているか

厳しい見張りと魔法結界の中を
逃げ出すか…


ひとまず地下の倉庫に隠れますか
アリシアが聞く

そうですね
俺も道中の事に
白の王宮での出来事
先程の事で
正直、身体が少し辛いです

そこで休みましょう

しかし、雪花祭りのはずなのに
全く何もないですね
王宮の中は美しいですが

ええ、そう思います
街もそうでしたね

二人は倉庫で見つけた
飲み物や食べ物を飲んだり、食べた後で
肩を寄せあい
暫しの眠りについた


それから数時間後で

アリシアが目を覚ますと
黄金色に瞳を輝かせ
緊張した面持ちのサリューンがいた

サリューン様

アリシア姫様

アジェンダ王様達が来ますアラシャ達も…

国境の街に結界の塔に
攻撃をかけてます

まだシューツオンは気がついていません

あ!まずい!!探知された
逃げますアリシア姫様!!

サリューンの肩に手が
しっかりと掴まれる

油断したな
黒の騎士サリューン

シューツオンがにやりと笑う

他の者達がアリシアを
捕まえ、劒を向けてる

あ…サリューン様

アリシア姫を離せ
シューツオン

お前の魔法のせいで
この奴隷娘を手込めに出来ぬ

ならば、お前も一緒に
獣達に食い千切らせる

小娘は清い身体のままだ
満足か?

死体は首を取り残りの胴体と一緒に
晒しものにした後で
黒の国境の街に投石機で
投げ返してやる


まずは…魔力封じの首輪が効かぬなら
喉を焼くしかないな
サリューン

そう言うなり
サリューンの喉を握り
呪文をかける

白き聖なる光
この者の喉を焼け!!

あうう!
サリューンが悲鳴を上げる

サリューン様あ!

しばらくサリューンを
鞭打て!
その後で小娘と一緒に獣に
与える…くく



それからまもなく

背中を血まみれにして手首を鎖に繋がれたサリューンとアリシアが
鉄の檻に閉じ込められた

虎に似た大きな幻獣が
同じ檻にいる

大きな牙を見せつけながら
唸り声を上げる


姫、俺の後ろに…
闘いが始まったら向こうの隅に

潰れた声で言うサリューン

いきなり1頭が襲いかかる
姫、後ろへ

虎の幻獣の顎に
手の甲で攻撃を一つおみまいするサリューン

前足を掴み、横に自分の身体ごと凪ぎ倒す

お互いに上に下へと
取っ組み合いの後で

肘鉄(ひじてつ)で
首の骨を砕くサリューン

きやああ!

アリシアの悲鳴でハッとするサリューン

別の幻獣が今にも
アリシアに襲い掛かろうとしていた

背中の鞭の傷や先程の格闘の傷に顔をしかめながら
助けに走り出す

アリシアに襲いかかる幻獣の尻尾を掴み、そのまま自分の方に引っ張り
また取っ組み合い

幻獣の身体の上に乗り
自分の手首の鎖を
幻獣の首に巻き、そのまま
首を引きちぎる

はあはあと
長い黒髪をなびかせ
大きく息を吐くサリューン

あ…有難うございます
アリシアが涙ぐみながら声をかける

アリシアに微笑むサリューン

その時だった
シューツオンが椅子から立ち上がり
弓を引くポーズを取る

風の矢

見えない弓の絃を弾く

はう!
サリューンが声を上げる

足に肩に背中から
血が流れる

ああ!そんな!!

大丈夫…で…す

震えながら立ち上ろうとして
そのままよろけるサリューン

サリューン様!!

アリシアがサリューンの身体を
かろうじて抱き止めた

く…
立ち上ろうとするが
足の怪我、ダメージが大きく
身動きが取れない

姫、後ろに…

ダメです!獣に食われてしまいます

姫、このままでは
貴方まで食われます

いいえ!ダメです
ずっとサリューン様は
私の盾となり、惨い目にあってきました…死ぬ時は一緒です

アリシア姫
私は黒の国の騎士

黒の騎士です!
未来の王妃を助けるのは
当然です


あ…
アリシアの瞳が輝く

日本語で話し出す
あ…アシヤ…アシヤル兄ちゃん

え!

違う世界のもう一人の…
アーシュ様

ご免なさい…ご免なさい
貴方をこんなひどい目に合わせた


今度は私が助けるから…

え!アリシア姫
アリサ…
驚きサリューンはアリシアを見る

キッと幻獣を睨む
アリシア

下がりなさい!!
幻獣
私達に触れる事も
近ずく事も許さない!

アリシアの髪の毛がゆっくりと逆立つ

幻獣達が後ずさる

お前達、何をやっている
奴らを食い千切られ!!
シューツオンが叫ぶ

幻獣が飛びかかる

青く光る物が
幻獣を弾き飛ばす

アリシアが睨むと
飛びかかった幻獣が粉々になる

な…小娘
きさま!!

く…風の矢
アリシアやサリューンに
向かって弓を引くポーズを取る

他の者達も同じく弓を引くポーズを取る

殺してやる!
穢れた黒の小娘に
男娼が!

アリサ!
サリューンが庇うように
抱きしめる

炎の柱!

シューツオンの側近や家臣が炎に包まれる

な…!

きさま…シューツオン
妹のシルフニアだけで飽きたらず
私のアリシアにサリューンになんと言う事をした!

怒り狂うアジェンダがそこに立っている

おのれアジェンダ
我が王宮に足を踏み入れるとは…許さぬぞ!!

劍をかち合わせる
アジェンダとシューツオン

発情期で興奮気味だな
アジェンダ

良かったぞ
お前の男娼は
とても楽しませてもらった
良く労ってやる事だ
小娘を庇い続けて
自ら身を私達に捧げたぞ
あはは!

その言葉に唇を
噛み締め血が滲む
サリューン

彼の身体が小刻みに震えてる

アリシアが涙を流しながら抱き締める

この獣が!許さぬ!!
炎!!

あ!あう!!熱い
顔や右の腕、指先に大火傷を負うシューツオン

シューツオン様!!
白の騎士や兵士達が集まり
主であるシューツオンを庇い彼を逃がす

この場は逃れて下さい
シューツオン様!!

王都は黒の軍に制圧されました!
此処を捨て逃れて下さい
以前の王都なら安全です!
我々が盾となり食い止めます!!

く…わかった
顔や腕の火傷の痛みに耐え逃げ出すシューツオン

待て!シューツオン!!


今度は黒の兵士や騎士達がなだれ込んで来る


サリューン様!アリシア姫様!!
姿を突然表すアラシャ

アラシャは残りの幻獣を
一瞬で消しさる

アラシャ…
安心したのか泣きそうな笑みを浮かべるサリューン

アラシャさん
アリシア
トランス状態から元のアリシアに戻っている


すぐに廻りの敵の白の者達を全て皆殺しにした後で

アジェンダがアリシアやサリューンの元に駆けよって来る

大丈夫か?あ…

アリシアを見つめ
その後で少し視線を漂わせた後で
アリシアを抱き締め

自分の黒い羽を身体から出して
包み込む

チラリとアリシアの顔や服を見る

アリシアの胸は見えそう…形も生地の関係でよく解る  

お尻は半ば見えてる

自分のマントで
アリシアの身体を包み

アリシアの顔を見ながら
キスを交わす

大丈夫か?姫
心配そうに訊ねるアジェンダ

私は大丈夫です
ずっとサリューン様が私を守ってくれました

シューツオンが私の身体に
触れられない魔法も…

でも…その為にサリューン様が
サリューン様が…
アジェンダ様!!
ポロポロと泣き出すアリシア

落ち着きなさい姫
優しく慰めるアジェンダ

アラシャ…サリューンは大丈夫か?

怪我が酷いです
気を失いました

アラシャ!

今度はアシヤが現れた

アシヤ様
サリューン様をお願いします
僕はシューツオンを追い掛けます

そう言うなり
姿を消すアラシャ

サリューン様
こんなに…なんて事

アジェンダはアリシアの顔を見て
アリシアの涙を拭い
再び抱き締めた後で

アジェンダは今度はサリューンを
抱き締める

すまないサリューン
もっと早く助けてやれば…

参りましょう
アジェンダ王様

二人を治癒しなくては

それにアジェンダ王様もです
まだ治癒が必要です
少し前まで重体だった
お身体で顔色がとても良くない


シューツオンはアラシャが
追ってますから
アシヤ

奴の息の根を止めたかったが…わかったアシヤ
では行くか


その頃、シューツオンは
数人の警護に守られ敵に逐われながら
逃げていた…

そこにフードを被った少年が立ち塞がる


シューツオン以外の人間が氷ついたように動かなくなる

どうしたお前達!

私の前に立つ…何者だ?


俺の大事な双子の弟を
良くも

許さない

フードを脱ぐ
髪の短いアーシュ

サリューンと同じ顔
赤と青の瞳がシューツオンを睨む

き…貴様は…

双子の兄だと言った!

お前の顔の火傷と同じく火傷した指先二本に深く刻み込む

元の顔に戻しはしない

その醜い心と同じにする!

炎!!アジェンダ様の炎の跡を深く刻め!

癒す事は許さない!


シューツオンの火傷の傷に
また火がつく

ぎやああ!!

指先の方は黒い炭となり
消え去る

僕のサリューン様に
あれ程の酷い危害を加えたねシューツオン

それにサリューン様の赤い瞳を抉り、王宮に飾るとも言った!

許さないよ!!

後ろからローブを被った少年が現れ
そう言うなり

火傷でうずくまるシューツオンの顔を自分の方に向け
いきなり片目を抉り出した

うわああ!!

行くか…

ですね

アラシャともう一人髪の短いアーシュの姿が消え去り

ようやくシューツオンの警護の者達は呪縛から解放され

傷に苦しむシューツオンを連れて逃げ出した


白の王宮や王都は
黒い煙や悲鳴…惨劇が行われている

アジェンダが
晒し者にされアリシアやサリューンに石を投げて激しく罵った民衆の事を知り、
罰として一日の略奪と破壊と惨殺を命じた

辺りからは血の臭いが漂う…

こうして、雪花祭りの舞踏会で始まった事件は
血の惨劇で幕を閉じようとしていた…

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