異変の時

のの(まゆたん)

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暗き欲望

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「最終世代 火焔の王女テインタル あの死に顔も良かった あの美貌
やはり本当に一度 抱いておけばよかった ククッ」

「巨人族の王は 一度 手籠めにしようとしたが」
「無意識に発動した炎の魔法で 大火傷を負い
以来 一度も触れなった」

「逆らった あの時にナーリンを閉じ込めた水晶を
私の手から取り上げて アルテイシアに返した」

「その罰として
魔法を封じて 巨人族の王に抱かせると脅したら」
「青い顔をして 舌を噛み切る 剣で喉を突くと
言い返された・・・ふふ・・」

「テインタルの心は いつも悲しみと緊張の連続だった
その心を支え 守っていたのは・・」

「幸せだった黒の王宮の幼い子供時代」
 
「運命の一対の 本来なら結ばれる運命の相手
異母兄 火竜王アーシュランへの愛」

「彼と幾度か 対峙いた時は 呪いの入れ墨により 
生まれた心の中のもう一人の自分が
その最愛の兄アーシュを殺したくてたまらない
という気持ちで自分を抑えきれずに いっぱいになった・・・あの苦悩」

「巨人族にいた 
しばらくの間生きていたエリンシア姫やアーサー達との交流」

「あの魔法画の幻影達 特に赤い子竜
 よくテインタルに甘えていた」 

「赤い子竜のモデルは 当時 まだ幼い黒の王子だった
火竜王アーシュランその本質を描いたものだから」

「ああ、そうだ 目の前で 魔法画を燃やしても良かったか・・」

「自殺でも良かった・・死体でも良かったから」

「死ぬ寸前の瀕死の火竜王アーシュランの顔も
良かった・・あの8年間は 痛快だった」

「無数の水晶に貫かれ もがき・・苦しみ・・
エルトニア姫の死を知った時の絶叫に 涙
気を失うまで 泣き叫び続けた あの絶叫と涙
あれは 最高だった・・あれが一番いい」

「意識が朦朧として あがき 痛いで 時々 悲鳴をもらし
気を失って倒れる・・早く あのひどい痛みで目を覚まさないかと
いつも楽しみに待っていた」

「あがき悶え苦しみながら」 

「幾度もあのエルトニアやアルテイシアの名を呼んだり 呟いていた
他の者達の名も・・気を失い・・眠っていた時も・・小さな声で呟いていた」

「意識が朦朧として また激しい痛みで飛び上がり 」

「あの美しい 二つの色 金と赤 オッドアイの瞳を見開く
その時も良かった 朦朧とした顔も
あと少しだったのに 死体も取り込めたというのに 残念だ」

「白の王族は 特に 見目 麗しく美しいが
黒の王族もまた美しい・・
特に テインタルは母親譲りの類まれなる極上の美貌の持ち主
死に顔は一枚の絵のようだった やはり 一度 抱いてみても良かった」

もう一人の自分 影と闘いながらアーシュも聞いている
手を休めず 自分の影相手に
剣を振るい何度も剣を重ねて 鋭い音を鳴らせながら 
顔を向ける事は出来ないが

「魔法使い・・貴様・・必ず焼き尽くし 灰塵にしてやる・・」
怒りに震えるアーシュ
 
テインタルも同様・・自分の影との激しく戦いを繰り広げて
余裕がなく 言葉も視線は向ける事は出来ないが
怒りで震え 自分の影を睨みつけて 涙を流している

リアンやアルテイシア姫たちもレグルス達やセルトも聞いている
剣を振るい 魔法の技で反撃しながら

リアンは 固い表情をしている 目は吊り上っている

アルテイシアは 怒りに震え 涙を流しながら闘っている

セルトも・・彼の瞳にも涙が浮かび 怒り狂う

「うおおお!」雄叫びを上げて 岩のゴーレムと水晶郡を
数々と 大剣で 叩き壊している

レグルス達は 水晶の竜と闘っている

セルトも どうにか 岩のゴーレム達が突然動きを止めたので
振り返り 走って 水晶の竜に立ち向かう

「出来るものならね 先程わかったでしょう貴方達
炎の魔法は通じない・・」

「リアン殿や姫たちは 王の影や水晶の竜との闘いで
貴方は自分自身の影達と闘いで こちらを見る余裕もない」

「さあ、早く攻撃しなさい もっと・・しますよ・・ふふ」
無言で暗黒の女王は宙に浮かび 魔法使いを睨みつける

恐ろしい形相で左から剣を振り下ろそうとした王の影に
一瞬振り返り くるんと回転して 攻撃をかわす

王の影は呪文を唱える
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