異変の時

のの(まゆたん)

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影たちとの戦い

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アーシュの影に攻撃されて 動けずに目を開くセルト

「・・覚悟するがいい 守護者よ
我が名は最後の黒の王 火焔と黄金の力を併せ持つ者
黄金の力よ
この者の動きをしばし止めよ」

地上近くの空中で 左手で大剣を振り下ろしかけたままの姿で
人形のように 動けなくなるセルト 目を見開き 震えて動こうと少しだけ左右に揺れる

そこにアーシュの影がまた呪文を唱える
「炎!」
「うおおおつ!」セルトが声を上げる セルトの身体中が炎に包まれる

アーシュが剣を自分の影の剣と重ねあわせたまま
慌てて魔法の呪文を唱える
「我が名は 火竜王 最後の竜の王アーシュラン! 我が命ず!
時よ 時の呪縛を解け! 炎よ 火竜王が命令する! 消え去れ!」

炎は消え去り 時の呪縛から解放されたセルトは地面に着地する
ぶるんと身体を振り 息を吐く

竜の鱗で覆われたセルトは 
炎に包まれた時間はわずかだったので ほとんど火傷は負ってない
ところどころ 小さな火傷があるのみ

再び アーシュの影に襲い掛かる

アーシュの影はまず 重ね合っていた剣を素早く一旦引き戻し
左手首をひねり 剣を下に向ける

ひねった左手で剣を握ったまま アーシュの顎に向けて
パンチ! もろに剣の柄がアーシュの顎に直撃!

「あうつ!!」そのまま吹っ飛ぶアーシュ

そのまま アーシュの影は襲いかかて来たセルトに攻撃!
剣でセルトの大剣をぶつけて セルトの大剣が手から離れて 飛んで落ちる
セルトの身体に後ろ回しの横周りに後ろ蹴り!
大きな体のセルトが打ち倒されて倒れる

セルトにとどめを刺そうと 剣を持ちかえ 剣を下に向ける 両手に握り
その剣を振り下ろし セルトを刺し殺そうとする!

その直前 アーシュが立ち上がり ジャンプして影に剣を
斜め下に振り下ろす
「消えろ! 俺の影ええ!!」アーシュが叫ぶ
アーシュの影は身体を後ろの方に少し下がりアーシュの剣の攻撃をかわす
が・・しかし 少しよけきれずに 首筋横から斜めに血が滴る

着地して 片足の膝を曲げ膝をつく もう片方の足は膝をまげ
膝をまげた足の上にお尻を乗せている 少し座った状態

はあはあと 荒い息を吐くアーシュ 

一方 アーシュの影は 静止している・・表情には余裕の笑み
口元の片方が少し上がっている にっと笑う

空いている右手をかざすと 淡く光りを放ち 首筋の傷は消える
再び後ろを振り返り 立ち上がろうとしているセルトに

また 剣を下に向けて 
今度は左手のみで セルトの身体を刺し貫こうと
剣を振るうアーシュの影

「!!」 目を見開くセルト
「セルト!!」アーシュが叫ぶ!
剣の先がセルトの身体に突き刺さろうとした危うい寸前

暗黒の女王アシャアシャの魔法解き放たれる
「大地の力! 暗黒の女王アシャアシャと火竜王 最後の竜の王の名のもとに
我 暗黒の女王が命ず 現れよ!大地の槍!!」

アーシュの影のすぐ足元に 土と岩の塊が集まり 無数の槍の形に姿を変え
次々とアーシュの影を貫く

アーシュの影の口元から 黒い血が流れ落ち滴る・・呻き声が小さくもれる

今度はアーシュが立ち上がり 後ろから 「消えろ!!影!」
そう叫び 後ろ越しに自分の影に剣を突き刺す
胸元近くにアーシュの剣先が見える 黒い血が流れる・・
アーシュの顔や服にも黒い血が飛び散る

セルトも落ちた大剣を左手に持ち 「うおおお!」雄叫びを上げて
立ち上がりながら 大剣をアーシュの影に突き刺し貫く 背中からセルトの剣先が見える
セルトの顔と服や鎧にも黒い血飛沫が・・ 
セルトもまた アーシュ同様 顔や鎧を染める・・

下からはアシャアシャの魔法

無数の大きな大地の槍が突き刺さり

後ろと前からアーシュとセルトの剣が突き刺し貫かれている・・
アーシュランの影の身体

一瞬 ビクンビクンと震えた後 顔を上に上げて
大きく口を開ける 黒い血が口から流れ出る

ゆっくりと影は消える・・

一方 こちらはもう一人の火竜王テインタル

テインタルの影は 剣を振るいながら
攻撃の炎の魔法の呪文を唱える
「炎! 我の名は 火竜王テインタル!
炎の海よ!! 敵を焼き尽くせ!」

辺り一面 炎の海が広がる 炎がテインタルを取り囲み 包み込む!
「くっ!・・我は火竜王にして 先の竜の王の娘!
我が命ず! 消えよ! 炎の海!」

ゆつくりと消え去る炎の海・・テインタルの顔にも身体にも 複数の火傷の跡
テインタルの肩が上下して 息を吐きだす
「はあはあ・・先の竜の王の娘が祈り命じる 光の癒しと癒し水」
水の小さな丸い玉が複数現れて 
それぞれ一つ残らず テインタルの身体の火傷を覆い 消し去る
ほぼ同時に 淡い光の塊が これも無数に表れて 火傷の痛みを消し去る

テインタルの影が今度は 剣を振るう

キイイーン 互いの剣がぶつかり合う
危ういところで テインタルがその剣の攻撃を剣で打ちとめる

再び今度は横からテインタルの影が斬りかける
カキイイーン! こちらも辛うじて テインタルの剣が
受け止めて食い止める

はあはあ・・息をつくテインタル・・
どうする・・そろそろ限界・・

テインタルの影が上から剣を振り落す
だめ!間に合わない 目を閉じるテインタル!

その時である
「テイ! 水竜の女王アルテイシアが命ず! 水の刃(やいば)」
後ろからテインタルの影の背中に水の大きな刃は切り裂く!

「!!」硬直するテインタルの影 口元から黒い血が滴る

傷だらけになったアルテイシアが加勢に来た! 

どうにか無数の歴代の王達の影を消し去り
残りの王達は レグルス達が引き受けた・・

「風よ! 最後の白の宗主が命ず! 無数のかまいたちとなり
敵を切り裂け! その命を奪え!」
こちらも傷だらけのリアン 

無数の風のかまいたちが振り返ったテインタルの影を切り裂く

「今 とどめを刺す!消えて 私の影!」剣を両手に握りしめて
駆け寄り 後ろから自分の影に剣を突き刺すテインタル

テインタルの影の胸中心部分から テインタルの剣先が出ている・・
テインタルの服に黒い血が飛び散る

ぴくんと動き 顔を下に落とすテインタルの影 口からも黒い血が流れ落ちる

ゆっくりと姿が消えて 赤い大きな水晶の塊となり 砕け散る
レグルス達と 魔法使いが対峙していた

まだ 数人の歴代の魔法の王の影がいる
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