暴君へ捧げる騎士の愛

彩月野生

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第二章<王を支える者>

騎士団長の苦悩2

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 裸体にされて壁から鎖で繋がれているアルノルトは、地に膝をつき、口の中にランドルフのイチモツを突っこまれ、喉奥をどづかれながら快感を覚えて、自らの性器を硬くしていた。

 どぢゅっ!! ごぢゅっ!! ごづっ!! ごづっ!!

「はははははっ!! 無様だなあっ!! アルノルト!!」

 その様子をランドルフに嗤われる度に四肢が甘く痺れている。

「はははははっ!! どうだ俺の剛直は!? お前に俺の味をたっぷりと味わわせて他の男の事など忘れさせてやろう!!」
「むごおおおっ!! んぶぼおおおっ!!」

 ――わたしは、らんどるふしゃまといがいにだかれてなどっ!!

 大臣との件は完全に誤解だ。あれは脅されて無理矢理されたのだから。
 いくら説明してもランドルフはアルノルトの話を理解してくれず、こうして毎日のようにアルノルトの肉体をその男根で貫くばかりだった。

 こんな事をしている場合ではないのに……地下部屋にこもっている間にも、他国がバステオを攻め入る準備を整えている可能性があるというのに……!!

 喉奥にザーメンをたっぷりと注がれて勢いで胃に飲み下したアルノルトは、がぼっとイチモツを口の中から抜かれてその刺激で射精した。

 白濁溜まりの中でうつ伏せに倒れたアルノルトの頭を掴んだランドルフは、顔を近づけると耳元で囁く。

「お前は逃げられんぞ」
「……っ」

 何か言葉にして発したかったが、体力が限界でそっと瞳を閉じた。

 物音に目が覚めた。
 どこからともなく鳴き声がるすのだ。この地下部屋にはアルノルト以外にも何かがいる。
 人なのか獣なのかは分からないが、呻くような声がしていた。

 鎖で繋がれたアルノルトは確かめる術はないが、どうにか声をかけられないかとも思い、何度か暗闇の先になげかけるが返答はない。

 そっと起き上がると、今日も身体は綺麗にされていると裸体を視認しつつ、声を発した。

「誰かいるのか!?」

 思った以上に力強い声がでて我ながら驚く。
 もう一度と口を開いた時、靴音が暗闇から響いて目を見開いた。

「え……」

 現れた人物に一瞬息をするのを忘れて咽せてしまう。
 
「大丈夫か、アルノルト」
「ド、ドレアス様何故」

 ゼログ王太子ドレアスが、何故このような場所にいるのだろうか。
 ドレアスは薄く笑むと、屈んでアルノルトの顔を覗き込んでくる。
 赤い目が爛々と輝き、油断すると引きずり込まれそうだと錯覚してしまう。

「お前を逃がしてやろう」
「なっ」
「今日の訪問はあいつに内密だったんだ。全ては奴の甘さが招いた事」
「しかし」
「お前、魔術師を探しているのだろう? お前の姿が消えていよいよ各国の王達が動き始めている」
「――っ」

 アルノルトは息を飲むとドアレスをジッと見つめた。
 一体どこまで事態を把握しているのだろうか、この王太子は。
 ドレアスはアルノルトにそっと耳打ちすると、鎖を剣で斬って解放してくれた。

 おまけにどこからか衣服を持ってきて渡してくる。
 アルノルトはドレアスに礼を述べると、着替えて借りた剣を手にすると、地下部屋を後にした。

 ――躊躇している場合ではない。

 目指すは、碧の森!! 
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