4 / 19
何か形を残したくて
しおりを挟む
シルヴィオと婚約した踊り子のルアは、国中の注目の的となっていた。
アダルはルアとしてシルヴィオに愛される幸福な日々を送っていたのだが、複雑な気持ちも抱いている。
と、いうのも。
「あいつはな、欲望の塊のような男だ」
「は、はあ」
「初めて見たあの日から、目付きが気に食わん!」
ドスッ!
フォークで肉を突き刺すシルヴィオの瞳は、するどい眼光を放つ。
いつも昼食は庭園の中心の卓で、一緒に食べているのだが、話の成り行きでアダルが話題に出ると、シルヴィオは不機嫌になってしまったのだ。
――私のことをどう思っているのか気になってつい……好奇心が仇になってしまったな。
ルアとしてアダルはどんな人間なのか聞いたら、不穏な空気にしてしまい後悔していた。
恐る恐るシルヴィオを改めて見ると、ほぼ生の肉の切れ端を、雑に口の中に放り込み、怒り顔で租借している。
「あいつはな、俺に惚れてるんだ」
「ほっ!? 惚れてる!?」
「ああ。だから、鬱陶しくてな」
――やはり、ば、ばれていたのか!
普段、熱い視線を送っているし、気持ちを知られている節はあったのだが、こうしてはっきり言われると恥ずかしいやら虚しいやら。
「どれだけぞんざいに扱っても、視線の熱さが変わらん」
「あ、あの」
唾を飲み込んで質問を口にした。
「なぜアダル様を、側近にされているのですか?」
――これだけ嫌っている相手を傍に置く理由がわからない。
前々からずっと疑問ではあったのだ。
十年前なら知らないが、今であれば、アダルと同等でなくとも代わりは見つかる筈だ。
――まあ、代わりなどいないように努めてきたのだがな。
問いかけにシルヴィオは苦い顔をする。
グラスの中のワインを飲み干すと重苦しい息を吐いた。
「はぁ……結局はな、あいつが俺を一番理解している」
「え」
「話した覚えがない俺の好み、趣味嗜好を調べあげているようで、いちいち細かく言わなくても伝わるのが楽っていうわけだ」
「……っ」
アダルは内心で納得した。
なるほど、確かに陛下の事ならば誰よりも理解しつくしていると自負している。
「だが、気に食わん」
「!」
グイッと肩を引き寄せられ、額をくっつけられて心臓がとまりそうになり、息を飲む。
「ひっ?」
「お前と結婚したら、あいつを追い出してやる」
「ええっ!?」
突然の事態に狼狽えた。
――私を追い出す!?
――で、ではもうシルヴィオ様の傍にいられなくなるのか!?
「だ、ダメです!」
思わず椅子から立ち上がって声を張り上げた。
「ん? なぜだ?」
「あ」
目を丸くしたシルヴィオに見つめられ、確かに不自然だなと我に返る。
アダルは顔をぷるぷると振って思考を整理した。
――しっかりしろ!
――今の私はルアだ!
「ルア?」
「シルヴィオさまあっ」
焦っているような声が、庭園の入り口から聞こえてくる。
こちらに向かって駆けてくる"自分"の姿に、アダルは空笑いをしてしまう。
切れの悪い走り方だ。
「ハアハアハアッ」
「なんだ騒々しい」
偽アダルを睨み付けるシルヴィオの瞳がギロリと光る。
気弱な者なら失神しそうな迫力だ。
偽アダルは肩で息をしながら勢いよく顔をあげて叫んだ。
「ふ、不審者が城内に!」
「何!?」
「……っ」
――まさか、また奴等か?
シルヴィオにここで待つように指示をされ、大人しくしている間に考えを巡らせる。
――陛下の命を狙う輩か、けしからん!
アダルの脳裏にシルヴィオについてのある情報が過る。
陛下は人ではない――魔の血族なのである。
魔族が、人間の国の王となっている事実を認めない人々は当然存在した。
百年前にシルヴィオがこの国の王として君臨した際は、内戦が勃発していた程だ。
――ここ最近は動きがなかったが、油断していたな。
結局侵入者には逃げられてしまったようだ。
シルヴィオの怒声が聞こえてきて、城内に戻って見ると、通路の壁に背を押しつけて偽アダルが青ざめて震えていた。
「貴様、奴らの侵入についての情報収集を怠ったな!」
「も、もうしわけありませんっ」
「城内に術がしかけられていないかくまなく確認しろ!」
「は、ははっ」
偽アダルが深々と頭を下げるが、シルヴィオの怒りは収まらない様子だ。
舌打ちをすると顔をこちらへ向ける――その瞬間、憑きものがおちたように柔和な笑みへと変わった。
アダルの心臓が切なくしめつけられるようにきゅうううっとなる。
――そ、そんな顔をしてくださるなんてっ♡
奇跡ばかりの日々に神に感謝した。
「騒がしくて悪かったな、気晴らしに買い物にでも行くか」
「え! 買い物ですか?」
「ああ。お前の衣服を一緒に選びたいと思っていたからな」
「は、はい!」
護衛は要らないと偽アダルに強く言い捨てて、シルヴィオが腰に腕を回して来て強引に城の外へと連れ出された。
――シルヴィオ様と二人きりで買い物おおっっ
まるで初めての逢瀬に心をときめかす乙女のような気持ちで、アダルは浮かれた。
床入りは別として、城内ではどうしても人の目が気になるし、兵士や臣下の視線が気になる。
二人だけならば、ぴったりくっついていちゃいちゃしながら歩ける!
「ふふ、ふふふっ」
「ルア?」
「はっはいっ」
「大分歩いたが疲れていないか」
「だい、大丈夫です!」
「ならいいが。着いたらひとまず休もう」
目的の城下街へようやくたどり着く。
思ったよりも時間がかかってしまったのは、アダルの足取りがふらふらしていた為だ。
脳内で妄想を繰り広げた結果である。
――申し訳ありません、シルヴィオ様!
入り口付近の店で一休みした後、シルヴィオに案内されるまま、様々な店を回っていく。
「あ、シルヴィオ様!」
「久しいな、彼の衣服を見繕いたいのだが」
「承知いたしました! 彼が、婚約者の?」
「ルアだ」
「こ、こんにちは」
「これはこれは、可愛らしい」
店主はシルヴィオから希望の服の形や、大きさを聞き出すと、奥に引っ込んでガタガタと音を立てた。
別の店員に中でお待ちくださいと案内された店内で、ある代物が目に入って驚いた。
硝子の箱に閉じ込められている首飾り。
間違いない、災いから身を守る強力な宝石だ。
アダルは店主を呼びに行った。
シルヴィオに声をかけられるが、今はこの宝石を手にいれるのが優先だ。
――金を持ち歩いていて良かったな。
無事に宝石を買い取り、それをシルヴィオに差し出す。
「これは?」
「贈り物です」
「俺にか」
「はい。いつか何かあった時、必ず貴方をお守り致します、だから……」
「だから?」
「この先、何があっても……捨てないで下さい」
ルアがアダルだと万が一にもバレてしまったら、シルヴィオは宝石を破棄してしまうかも知れない。
――私からの贈り物なんて、シルヴィオ様は受け取って下さらないからな。
「捨てるわけがないだろう!」
「あ」
宝石を持つ手をシルヴィオの大きくて厚い手のひらが包み込む。
――あたたかい。
アダルは胸の内が満たされていくのを感じて頬が緩んだ。
目頭が熱くなる。
「泣いているのか?」
「すみません、嬉しくて」
「大袈裟な奴だ」
「んう……」
抱き寄せられて、あやされるように背中をさすられた。
――陛下……。
――このままずっと、ずっとこうして傍にいられたら……。
アダルはシルヴィオの背中に腕を回し、その胸に頬を擦り寄せて、涙を止められなかった。
アダルはルアとしてシルヴィオに愛される幸福な日々を送っていたのだが、複雑な気持ちも抱いている。
と、いうのも。
「あいつはな、欲望の塊のような男だ」
「は、はあ」
「初めて見たあの日から、目付きが気に食わん!」
ドスッ!
フォークで肉を突き刺すシルヴィオの瞳は、するどい眼光を放つ。
いつも昼食は庭園の中心の卓で、一緒に食べているのだが、話の成り行きでアダルが話題に出ると、シルヴィオは不機嫌になってしまったのだ。
――私のことをどう思っているのか気になってつい……好奇心が仇になってしまったな。
ルアとしてアダルはどんな人間なのか聞いたら、不穏な空気にしてしまい後悔していた。
恐る恐るシルヴィオを改めて見ると、ほぼ生の肉の切れ端を、雑に口の中に放り込み、怒り顔で租借している。
「あいつはな、俺に惚れてるんだ」
「ほっ!? 惚れてる!?」
「ああ。だから、鬱陶しくてな」
――やはり、ば、ばれていたのか!
普段、熱い視線を送っているし、気持ちを知られている節はあったのだが、こうしてはっきり言われると恥ずかしいやら虚しいやら。
「どれだけぞんざいに扱っても、視線の熱さが変わらん」
「あ、あの」
唾を飲み込んで質問を口にした。
「なぜアダル様を、側近にされているのですか?」
――これだけ嫌っている相手を傍に置く理由がわからない。
前々からずっと疑問ではあったのだ。
十年前なら知らないが、今であれば、アダルと同等でなくとも代わりは見つかる筈だ。
――まあ、代わりなどいないように努めてきたのだがな。
問いかけにシルヴィオは苦い顔をする。
グラスの中のワインを飲み干すと重苦しい息を吐いた。
「はぁ……結局はな、あいつが俺を一番理解している」
「え」
「話した覚えがない俺の好み、趣味嗜好を調べあげているようで、いちいち細かく言わなくても伝わるのが楽っていうわけだ」
「……っ」
アダルは内心で納得した。
なるほど、確かに陛下の事ならば誰よりも理解しつくしていると自負している。
「だが、気に食わん」
「!」
グイッと肩を引き寄せられ、額をくっつけられて心臓がとまりそうになり、息を飲む。
「ひっ?」
「お前と結婚したら、あいつを追い出してやる」
「ええっ!?」
突然の事態に狼狽えた。
――私を追い出す!?
――で、ではもうシルヴィオ様の傍にいられなくなるのか!?
「だ、ダメです!」
思わず椅子から立ち上がって声を張り上げた。
「ん? なぜだ?」
「あ」
目を丸くしたシルヴィオに見つめられ、確かに不自然だなと我に返る。
アダルは顔をぷるぷると振って思考を整理した。
――しっかりしろ!
――今の私はルアだ!
「ルア?」
「シルヴィオさまあっ」
焦っているような声が、庭園の入り口から聞こえてくる。
こちらに向かって駆けてくる"自分"の姿に、アダルは空笑いをしてしまう。
切れの悪い走り方だ。
「ハアハアハアッ」
「なんだ騒々しい」
偽アダルを睨み付けるシルヴィオの瞳がギロリと光る。
気弱な者なら失神しそうな迫力だ。
偽アダルは肩で息をしながら勢いよく顔をあげて叫んだ。
「ふ、不審者が城内に!」
「何!?」
「……っ」
――まさか、また奴等か?
シルヴィオにここで待つように指示をされ、大人しくしている間に考えを巡らせる。
――陛下の命を狙う輩か、けしからん!
アダルの脳裏にシルヴィオについてのある情報が過る。
陛下は人ではない――魔の血族なのである。
魔族が、人間の国の王となっている事実を認めない人々は当然存在した。
百年前にシルヴィオがこの国の王として君臨した際は、内戦が勃発していた程だ。
――ここ最近は動きがなかったが、油断していたな。
結局侵入者には逃げられてしまったようだ。
シルヴィオの怒声が聞こえてきて、城内に戻って見ると、通路の壁に背を押しつけて偽アダルが青ざめて震えていた。
「貴様、奴らの侵入についての情報収集を怠ったな!」
「も、もうしわけありませんっ」
「城内に術がしかけられていないかくまなく確認しろ!」
「は、ははっ」
偽アダルが深々と頭を下げるが、シルヴィオの怒りは収まらない様子だ。
舌打ちをすると顔をこちらへ向ける――その瞬間、憑きものがおちたように柔和な笑みへと変わった。
アダルの心臓が切なくしめつけられるようにきゅうううっとなる。
――そ、そんな顔をしてくださるなんてっ♡
奇跡ばかりの日々に神に感謝した。
「騒がしくて悪かったな、気晴らしに買い物にでも行くか」
「え! 買い物ですか?」
「ああ。お前の衣服を一緒に選びたいと思っていたからな」
「は、はい!」
護衛は要らないと偽アダルに強く言い捨てて、シルヴィオが腰に腕を回して来て強引に城の外へと連れ出された。
――シルヴィオ様と二人きりで買い物おおっっ
まるで初めての逢瀬に心をときめかす乙女のような気持ちで、アダルは浮かれた。
床入りは別として、城内ではどうしても人の目が気になるし、兵士や臣下の視線が気になる。
二人だけならば、ぴったりくっついていちゃいちゃしながら歩ける!
「ふふ、ふふふっ」
「ルア?」
「はっはいっ」
「大分歩いたが疲れていないか」
「だい、大丈夫です!」
「ならいいが。着いたらひとまず休もう」
目的の城下街へようやくたどり着く。
思ったよりも時間がかかってしまったのは、アダルの足取りがふらふらしていた為だ。
脳内で妄想を繰り広げた結果である。
――申し訳ありません、シルヴィオ様!
入り口付近の店で一休みした後、シルヴィオに案内されるまま、様々な店を回っていく。
「あ、シルヴィオ様!」
「久しいな、彼の衣服を見繕いたいのだが」
「承知いたしました! 彼が、婚約者の?」
「ルアだ」
「こ、こんにちは」
「これはこれは、可愛らしい」
店主はシルヴィオから希望の服の形や、大きさを聞き出すと、奥に引っ込んでガタガタと音を立てた。
別の店員に中でお待ちくださいと案内された店内で、ある代物が目に入って驚いた。
硝子の箱に閉じ込められている首飾り。
間違いない、災いから身を守る強力な宝石だ。
アダルは店主を呼びに行った。
シルヴィオに声をかけられるが、今はこの宝石を手にいれるのが優先だ。
――金を持ち歩いていて良かったな。
無事に宝石を買い取り、それをシルヴィオに差し出す。
「これは?」
「贈り物です」
「俺にか」
「はい。いつか何かあった時、必ず貴方をお守り致します、だから……」
「だから?」
「この先、何があっても……捨てないで下さい」
ルアがアダルだと万が一にもバレてしまったら、シルヴィオは宝石を破棄してしまうかも知れない。
――私からの贈り物なんて、シルヴィオ様は受け取って下さらないからな。
「捨てるわけがないだろう!」
「あ」
宝石を持つ手をシルヴィオの大きくて厚い手のひらが包み込む。
――あたたかい。
アダルは胸の内が満たされていくのを感じて頬が緩んだ。
目頭が熱くなる。
「泣いているのか?」
「すみません、嬉しくて」
「大袈裟な奴だ」
「んう……」
抱き寄せられて、あやされるように背中をさすられた。
――陛下……。
――このままずっと、ずっとこうして傍にいられたら……。
アダルはシルヴィオの背中に腕を回し、その胸に頬を擦り寄せて、涙を止められなかった。
11
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
11月にアンダルシュノベルズ様から出版されます!
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる