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第15話 君を重ねる、ためらいも捨てて
しおりを挟むアッシュはセイルを抱きかかえると露天風呂から上がった。広縁の真ん中には、大きなソファーの様な寝台がしつらえられている。アッシュは優しくセイルをそこへ運び、そっと横たわらせた。
あらためて、アッシュの前にセイルの全裸が晒された。しなやかに引き締まった肢体は、濡れた艶を帯びて妖しい。アッシュの喉仏がゴクリと上下した。
セイルは濡れた瞳で、月影に縁取られたアッシュを見上げている。両手を伸ばすと躊躇うことなく、アッシュをふわりと抱き寄せた。
セイルの引き締まった体が触れると、アッシュの全身が強張る。先程の湯船での激情とは打って変わって、普段の真面目な彼からは想像もつかないほど、その表情は強張っていた。
「…アッシュ?」
不思議そうに、セイルはアッシュを見つめた。セイルの瞳と濡れた肌が、アッシュの心と全身を更に強張らせる。
「す、すみません…。俺、どうしたら…」
アッシュはか細い声でセイルに謝る。その声は、不安と、そして抑えきれない欲望に震えていた。
学生時代も、宮廷騎士団に入隊してからも、絵に描いたような真面目一本道で過ごして来たアッシュ。色恋経験は片手で数えても余る程だ。しかも同性相手など、それこそ夢にも思わなかった。
セイルは強張ったアッシュの両頬に優しく触れる。
「緊張しなくていいよ。俺は相手の好きな様に抱かれるのが好きなんだ。だから、甘くてもいい、激しくてもいい、アッシュのやりたいように…抱いて。種を注いで……」
セイルはそう言うと、アッシュの唇に、自分の唇をそっと重ねた。
先程の、嵐の様な、貪る様なキスとは違い、啄む様な、優しいキス。
アッシュは驚きに目を見開くが、セイルは構わず、彼の唇を優しく啄む。
二人は瞳を閉じることなく、やがて妖しく舌を貪り合った。セイルは舌を絡め、アッシュの口内に深く差し入れる。その濡れた感触と熱い吐息が、アッシュの緊張を溶かしていく。
アッシュはセイルの腰に手を回し、その引き締まった臀部を掴んだ。セイルは快感に悶え、アッシュの舌を貪った。
やがて、セイルはアッシュから唇を離し、潤んだ瞳で彼を見つめた。
「アッシュ…俺をベッドへ連れて行って…」
セイルの言葉にアッシュは頷き、彼を抱き上げた。セイルはアッシュの首に腕を回し、その逞しい体に身を預ける。室内に戻るとアッシュはセイルをベッドに運び、ゆっくりと横たえた。
アッシュはセイルの滑らかな肌に口づけを落とし、鎖骨から胸元へと吸い付いた。セイルは快感に喘ぎ、指先でアッシュの黒髪をなぞる。
アッシュはセイルの唇、首、そして胸を丹念に貪った。その優しい愛撫は、セイルの心を蕩けさせる。
「あぁ……アッシュ、もっと……」
セイルの甘い声にアッシュは応えるように、セイルの細い腰に手を回し、臀部の奥に咲く、妖しく縦に割れた後孔にゆっくりと指を挿入した。一本、また一本と、指の数を増やしていく。セイルは甘い悲鳴を上げながら、その指を受け入れた。
アッシュの指がセイルの奥を抉ると、セイルは大きく喘いだ。その腰が震え、全身が快感に悶える。
「……っ、アッシュ、気持ちいい…。もっと太いの、挿れて…」
セイルの懇願に、アッシュはゆっくりと指を抜き、その代わりに自身の剛直な屹立を、入り口に押し当てた。セイルは自ら腰を上げ、アッシュの熱い塊を受け入れた。
「んんっ……あぁ…!」
セイルの声が部屋に響く。アッシュはゆっくりと腰を動かし、セイルの奥を突き上げる。
二人の体が、妖しく、そして激しく絡み合った。
アッシュにゆっくりと突き上げられ、セイルは快感に喘いだ。背中を反らせ、アッシュの首に抱きつく。
「あああ……!アッシュ、アッシュ、気持ちいい……っ!」
蕩けた声で名前を呼ぶセイルに、アッシュは更に深く、熱く、突き上げる。その動きは決して荒々しくはないが、確実で執拗だった。
「くっ……!、入口は締まるのに、中はとろとろで、たまらない……っ!」
アッシュはセイルの耳元でそう囁き、腰を更に深く、そして強く突き上げた。セイルの腰がベッドの上で跳ね、全身が小刻みに震える。
「アッシュ…!、アッシュ!」
セイルが叫ぶとアッシュの唇を貪る。舌と舌が熱く絡み合い、妖艶な音を響かせる。アッシュの腰の動きが、さっきよりも熱を帯び、力強くなった。セイルは甘い悲鳴を上げながら、アッシュの動きを受け入れる。アッシュの突き上げが、セイルの快感をさらに高めていく。
「あああ……!アッシュ、もっと……もっと深く、早く……っ!」
セイルの懇願に、アッシュは応えるように腰を動かす。ベッドが軋む音が、二人の激しい愛を物語っていた。
アッシュの突き上げが最高潮に達し、セイルは腰を大きく震わせた。
「……っ、んんんっ!、いく、ぅ……!」
セイルが絶頂を迎え、白濁を自身の腹筋に撒き散らすと、
「あああ…っ!出るっ…!」
アッシュも全身を振るわせ、セイルの奥深くに熱い種を注ぎ込んだ。セイルは快感のあまり、アッシュの背中に爪を立て、甘い悲鳴を上げた。
「……セイル……っ」
アッシュはセイルの首筋に顔を埋め、大きく息を吐いた。セイルの身体は、まだ小刻みに震えている。
「アッシュ…気持ち良かった…」
セイルの言葉に、アッシュはセイルを優しく抱き締めた。その瞳には、先ほどまでの緊張はなく、満足感と愛しさが満ちていた。
極上の快楽を知った騎士は、尽きる事無く相手を貪った。その激情は夜半を越え、未明まで続いた。
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