異世界に転移してサンドウィッチ屋を開いたら、騎士様の胃袋を掴んでしまった様です。

有永

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第120話 里(?)帰り

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​1の月の終わりから、サンドウィッチ専門店『リメイン』は二ヶ月ほどの改装休業に入った。
一ヶ月半をかけて専門職人たちが店舗の拡張と内装の刷新を行い、残りの半月でセイルが錬金魔法を駆使し、導線や厨房の細部を使いやすく改良する計画だ。
現在の二十名というキャパシティを三十五名まで引き上げ、一階には客や友人が泊まれる客室を二部屋新設する。二階はアッシュの念願だった書斎を作り、残りは開放感のあるルーフバルコニーにする予定だ。

​店舗兼自宅の改装中、セイルとアッシュの二人はエリンジューム侯爵邸に身を寄せることになった。



​「父上、母上。暫くの間、お世話になります」

​エリンジューム侯爵邸の重厚な玄関ホールで、セイルは深々と頭を下げた。

​「顔を上げなさい、セイル。今日からはここがお前の家でもあるのだから」

​当主のモーリが豪快に笑い、隣で妻のシーラが優しく微笑む。

「ええ、今日という日をを楽しみにしていたのよ」

​アッシュは宮廷に出仕中だ。彼と「養子縁組」という名の同性婚を果たし、正式にエリンジューム侯爵家の三男として入籍したセイルだったが、こうして義両親と向き合うと、異世界から来た自分が得た「家族」という絆の重さを改めて実感する。

​​「ありがとうございます。滞在中は少しでもこの家のお役に立ちたいと思います。父上のお仕事もお手伝いさせてください」

​セイルが凛とした表情でそう告げると、モーリは少し意外そうに目を丸くし、そのまま慈愛の眼差しを向けるとセイルの頬に片手で触れた。

​「それは心強い。だがセイル、あまり根を詰めすぎないようにな。お前は我が家の宝なのだから」

​セイルは肩の力を抜くと、頬に触れるモーリの手に掌を重ねて瞳を閉じた。その仕草はどこか子猫のようで、同時に見る者を惹きつける可憐さを孕んでいた。

入籍に際して新設された、アッシュとセイルのための広い私室で荷解きを終えると、セイルはさっそくモーリの執務室を訪ねた。

​「父上、お忙しいところ失礼します。少し帳簿作業を拝見してもよろしいでしょうか?」

​「ああ、構わんよ。だが、あまりに数字が並んでいて嫌気がさすかもしれんぞ」

​苦笑するモーリのデスクの隣に椅子を引き、セイルは無限収納から「ある物」を取り出した。それは先日ラルク陛下とシュロ宰相に一晩掛けて教示した際に使用したものである。

​「これは『算盤(そろばん)』といいまして、私の故郷の道具です。これを使えば、複雑な計算もかなり楽になります」

​「ほう……? 珠を弾くだけで計算ができるというのか?」

​セイルの指先が、ピアノを奏でるような滑らかさで算盤の珠を弾き始める。パチパチという小気味よい音が室内に響くたびに、膨大な領地の収支報告が魔法のように処理されていく。

​「……信じられん。私と事務官が三日がかりでやる計算を、数分で終わらせてしまうのか」

​驚愕するモーリに、セイルはさらに微笑みかけた。

​「そしてこちらは『複式簿記』といいます。金銭の流れを『原因』と『結果』の二側面から記録することで、帳簿のミスを防ぎ、より正確に財政状態を把握できる手法です。これを使えば、無駄な支出も一目で分かりますよ」

​セイルが魔法で生成した紙にスラスラと図解を書き加えると、モーリは身を乗り出してその美しく整った数式と表に見入った。

「素晴らしい……。セイル、お前は商売の天才なだけでなく、統治の才まであるのか」

「いえ、これも故郷の先人たちの知恵ですから」

​謙遜しながらも、セイルの切れ長の瞳が知的な光を宿す。その横顔は、普段『リメイン』でサンドウィッチを振る舞う穏やかな店主のそれではなく、一国の経済を左右しかねない賢者の風格を漂わせていた。

「先日もお話しましたが、俺は前の世界で早くに両親を亡くし孤児として育ちました。早く自立したかったので、料理を中心に、学びたいと思ったものは全て学んだんです」

​「……そうか。苦労を、したのだな」

​モーリは重みのある声で呟き、セイルの細い肩に大きな手を置いた。異世界から一人でこの地に辿り着き、自らの腕一本で店を構え、今や王家からも信頼を得るまでになった義理の息子。その背景にある努力の凄まじさに、モーリは改めて尊敬の念を抱く。

​「ですが、そのおかげで今、こうして父上やみんなのお役に立てています。だから、後悔はしていません」

「セイル、お前という子は……」

​モーリは感極まったように、セイルを力強く抱きしめた。その腕の逞しさは、実の息子であるアッシュに通じるものがあり、セイルはどこか懐かしく、温かい心地になった。

​「これほどの知恵を惜しみなく分かち合ってくれるとは。エリンジューム家だけでなく、この国にとっても至宝だ。アッシュが必死に口説き落とした理由が、今さらながらによく分かるよ」

​「ふふ、父上、少し苦しいです……」

​セイルが苦笑混じりに言うと、モーリは「すまんすまん」と照れくさそうに腕を解いた。しかし、その距離が離れる間際、セイルは上目遣いにモーリを見つめ、艶やかに微笑んで言葉を継いだ。

​「……父上。親子とはいえ血は繋がっていないんですよ? 同性にこうも強く抱き締められると……俺、昂ってしまいます。少し……勃ってしまいました」

​「な……っ!?」

​耳元で囁かれたあまりに直球な言葉に、モーリは弾かれたように後退した。

目の前の義息子は、桃色のボブウルフの髪を揺らし、蕩けるような茶色の瞳で自分を見つめている。その表情は聖母のように穏やかでありながら、滲み出る色気は猛毒のように致死量を超えていた。

​「セ、セイル……お前、何を……」

「冗談ですよ、父上。困ったお顔も素敵ですね。アッシュにそっくりだ」

​セイルは悪戯っぽく微笑むとモーリの胸に体を預けた。

「父親ってこんな感じなんですね。……凄く安心します」

モーリは、胸に預けられたセイルの細い肩越しに、ドクドクと高鳴る自分の鼓動を聞いていた。
「冗談」と言いながらも、セイルの体から立ち上る甘く芳醇な香りと、先ほどの淫靡な囁きの残響が頭から離れない。この義理の息子は、聖者のような知性と、男を狂わせる魔性の色気を同居させている。

​「……セイル、お前というやつは。アッシュが独占欲を募らせる理由が、身に染みてわかったよ」

​モーリは今度こそ、下心ではなく純粋な親愛を込めて、セイルの頭を優しく撫でた。セイルはその大きな掌に、満足げに目を細めた。



​夕刻になり、公務を終えたアッシュが帰宅した。
玄関ホールに響く軍靴の音を聞きつけるなり、セイルは「お帰りなさい、アッシュ」と弾んだ声で駆け寄り飛び付いた。

「おっと、セイル。…ただいま」

くるり、と2人の体が舞い、ひし、と抱き合う。

アッシュを子供の頃から知る古い家令や執事たちは、その光景に目を細めた。鉄面皮で通っているあの次男坊が、これほどまでに慈愛に満ちた表情で誰かを抱き留める姿など、かつて想像もできなかったからだ。

​「セイル、父上を困らせてはいなかったか?」

​アッシュが腕の中の愛しい伴侶に問いかける。

​「少しだけ帳簿のお手伝いを。父上に『算盤』と『簿記』を教えてあげたんだよ。この前陛下と宰相に叩き込んだやつ」

​「……セイル、お前は本当に……」

​アッシュは感嘆のため息をつき、セイルの額に優しく口づけを落とした。

​夕食の席には、エリンジューム侯爵家の面々が顔を揃えた。

エリンジューム家はモーリがまだ56歳ということもあり、まだまだ現役で職務に励んでいる。そのため、長男のアロン一家は現在別邸に住んでおり、将来的にモーリが隠居する際に入れ替わりで本邸へ戻る予定だ。
アロンはいくつかの事業を成功させつつ、侯爵として父と共に軍事関連の公務に奔走している。

今日の夕食はアロン一家も揃っていた。

​「お初にお目にかかります、セイル叔父上。カルロと申します。新年と結婚式の際は生徒会の仕事があり、どうしても寮を離れることができませんでした。本日、こうしてお会いできて光栄です」

​そう言って深々と頭を下げたのは、アロンの長男であり、アッシュの甥にあたるカルロだった。14歳とは思えないほど落ち着いた物腰で、その立ち姿には未来の侯爵家を背負う品格が漂っている。

​「丁寧な挨拶をありがとう、カルロ。アッシュから君の優秀さは聞いていたよ。会えて嬉しい」

​セイルが穏やかに微笑みかけると、カルロは一瞬、言葉を失ったようにその顔を見つめた。
ピンクベージュの髪を揺らし、蕩けるような茶色の瞳で自分を見つめる「叔父」。同性とは思えないその麗しさに、思春期の少年は耳の先まで赤く染めた。

​「……っ、ありがとうございます。これ、つまらないものですが……僕からです」

​カルロが差し出したのは、学校の領地で採れたハーブを使ったポプリだった。セイルがそれを受け取ろうと指先を触れさせると、カルロはびくりと肩を揺らす。

​「ふふ、ありがとう。大切にするね」

​セイルはカルロの反応を愉しむように、わざと少しだけ長くその手に触れた。

「副会長をしてるんだって?凄いね。こんな優秀な甥が出来て、俺も嬉しいよ」

セイルは甥の可愛さに思わず抱き締めた。

「あうぅ…」

カルロの喉から、情けないほどに甘い吐息が漏れた。新しい「叔父」から抱き締められ、その細い腕に包まれると、鼻腔をくすぐるのは清廉なオードトワレの香りと、それを裏切るような抗いがたい雄のフェロモンだ。
セイルの胸板は薄いながらも、その奥に秘められた熱い体温がカルロの幼い理性を激しく揺さぶる。

​「……セイル。あまりカルロをからかってやるな。彼はまだ純情なんだ」

​苦笑しながら割って入ったのは、カルロの父でありアッシュの兄のアロンだ。
アロンはアッシュほど大柄ではないが、洗練された貴族の風格を漂わせている。彼は弟の伴侶――いや、今や「弟」となったセイルの腰を軽く叩き、カルロを救い出した。

​「申し訳ありません、アロン兄様。あまりに可愛らしい甥っ子なもので、つい」

​セイルはアロンに向けて、潤んだ瞳で茶目っ気たっぷりにウインクをしてみせる。その無自覚な(あるいは計算された)毒気に、アロンすら一瞬言葉を詰まらせた。

​「……アッシュ。お前の苦労が分かったよ。これほど目を離すのが恐ろしい男はいないな」

​「兄上まで、そんなことを……」

​アッシュは溜息をつきつつも、どこか誇らしげにセイルの肩を引き寄せた。


「さて、今日の夕食は俺が用意しました。『握り寿司』と『茶碗蒸し』、『野菜の天ぷら』と『豚の角煮』です。アッシュ以外、魚を生で食べるのは初めてだと思いますが、俺が転移魔法で朝イチでエルステイン領の市場で購入したものなので鮮度はバッチリです。味は厨房長さんのお墨付きですよ!」

セイルが厨房長と共に運び込んできた料理は、エリンジューム家の食卓に並ぶこれまでの料理の概念を根底から覆すものだった。
​特に、白木の下駄に整然と並べられた『握り寿司』は、宝石のように輝く魚介が白米の上に鎮座しており、その美しさに一同は息を呑む。

​「……セイル、これが魚を『生』で食べる料理なのか? 非常に美しいが……」

​父モーリが恐る恐る手を伸ばす。セイルは「この醤油という調味料を少し付けて召し上がってください」と、優雅な手つきで手本を見せた。
​モーリが脂の乗った大トロを口に運んだ瞬間、その場が静まり返った。
咀嚼するたびに口の中でとろける魚の脂と、絶妙な酸味の酢飯。鼻に抜ける「わさび」の刺激に、モーリの目が見開かれる。

​「……美味い。なんだこれは、今まで食べてきた魚料理は何だったんだ!?」

「本当ですわ、この黄色い蒸し物……『ちゃわんむし』? プリンのように滑らかなのに、中から海老や銀杏が出てくるなんて、なんて贅沢な楽しみでしょう」

​母シーラも、出汁の効いた温かな茶碗蒸しに頬を緩ませている。

そんな中、先ほどセイルに抱きしめられたカルロは、顔を赤くしたまま必死に天ぷらを口に運んでいた。サクッとした衣の中から溢れる野菜の甘みと、時折隣に座るセイルから漂う甘い香りに、彼の心臓は休まる暇がない。

​「カルロ、天ぷらはお塩で食べても美味しいよ。はい、あーん」

​セイルが箸でカボチャの天ぷらを差し出す。

​「ひゃ、ひゃいっ!」

​カルロは反射的に口を開け、セイルの箸から直接それを受け取った。サクサクの食感と共に、セイルの指先がわずかに唇に触れたような気がして、カルロの頭は真っ白になった。

「……アッシュ叔父上、席を変わって下さい。せっかくの食事が…味がしないのです」

カルロはセイルとアッシュに挟まれた席に居る。カルロは反対の隣に座るアッシュに助けを求めた。

「ははは!カルロ、それは贅沢な悩みだな」

​アロンが豪快に笑いながら、固まっている息子を宥める。アッシュは溜息をつきつつも、どこか諦めたような顔でカルロの頭をぽん、と叩き腰を上げる。

​「わかった。カルロ、俺と代わろう。セイル、お前もあまり甥をいじめるな。彼は将来有望な、未来の我が当主なんだ。こんなところで再起不能になられては困る」

​「人聞きが悪いなぁ、いじめてなんていないよ。可愛がっているだけだよ」

​セイルはくすくすと喉を鳴らす。メイド達が料理を入れ替え、カルロは逃げるようにアッシュの座っていた席へ移動し、ようやく一息ついたように冷たいお茶を飲み干した。

​「……それにしても、セイル。この『角煮』という肉料理、溢れるように柔らかい。魔法か何かを使ったのか?」

​モーリが感銘を受けたように尋ねる。

​「いえ、これは弱火でじっくりと数時間煮込んで一晩寝かせて味を染み込ませたものです。今日の為に昨日一日かけて用意したんですよ」

「一日かけて……。我々のために、そこまで手間をかけてくれたのか」

​モーリは感慨深そうに、琥珀色の煮汁が染みた肉を再び口に運んだ。口の中で繊維がほどけ、濃厚な脂の甘みが広がっていく。それはセイルの、家族に対する深い慈愛そのものの味に思えた。

​「はい。暫くお世話になる皆様に、感謝の気持ちを伝えたくて」

​セイルが伏せ目で微笑むと、その長い睫毛が影を落とし、食卓の明かりに照らされた横顔は神々しいほどに美しい。

夕食後のひととき、シーラとアロンの妻サリは、セイルが魔法で淹れた香りの良いお茶と、デザートの『水羊羹』に舌鼓を打っていた。

​「セイルさん、このお菓子……冷たくてつるんとしていて、お食事の後にぴったりだわ。貴方の魔法は、人を幸せにするためにあるのね」

​サリがうっとりと目を細める。

​「そう言っていただけると嬉しいです、サリ義姉様。改装が終わったら、『リメイン』でもデザートメニューを増やそうと思っているんです」

夕食後の和やかな空気の中、モーリは満足げに背もたれに体を預けた。

​「ふぅ……。セイル、素晴らしい夕食だった。まさか我が家でこれほどの美食を味わえるとはな」

​「お口に合って良かったです、父上。明日はエリンジューム領の特産品を使ったメニューを考えてみますね」

​セイルがにこやかに応じると、隣に座るアッシュがそっとその手を握り込んだ。人前での接触をあまり好まない実直な彼にしては珍しい行動だが、家族に受け入れられ、輝いている伴侶が誇らしくてたまらないのだろう。

​その時、ずっと黙って水羊羹を口に運んでいたカルロが、意を決したように顔を上げた。

​「……セイル叔父上。僕に、その……魔法の扱い方や、さっきの『算盤』について、明日教えていただけないでしょうか。学園でも、新しい知識を柔軟に取り入れることが推奨されているんです」

​頬を少し赤くしながらも、真っ直ぐに自分を見つめる甥の瞳に、セイルは目を細めた。

​「もちろん、喜んで。カルロは真面目だね。アッシュの小さい頃にそっくりかな?」

​「いや……。俺は彼ほど要領は良くなかった。剣のことばかり考えていたからな」

​アッシュの言葉に、兄のアロンが「全くだ」と笑いながら加勢する。

​「お前は昔から猪突猛進だったからな。まあ、その一途さがあったからこそ、これほどの至宝を射止められたのだろうが」

​「兄上、それ以上は……」

​耳を赤くするアッシュと、それを見て楽しそうに笑う家族たち。セイルは、温かいお茶の湯気の向こうに広がる光景を、胸の奥深くへ刻み込むように見つめていた。





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