異世界に転移してサンドウィッチ屋を開いたら、騎士様の胃袋を掴んでしまった様です。

有永

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第122話 La Soirée D'anges 〜セイル達の夜会〜

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「夜会……ですか?」

​エリンジューム侯爵邸の広間。柔らかな光が差し込む中、セイルは義母となったシーラの言葉を反芻した。

​「ええ。領内にある大貴賓館で、エリトロ内の全貴族が集まる大掛かりな夜会があるの。だからね、セイル。三男お披露目も兼ねて、私達と一緒に夜会に出て欲しいの。不安なら、もちろんアッシュにも来させるわ」

​シーラは優しくセイルの手を包み込んだ。
セイルはリメインの店長として街の人々に溶け込んではいるが、社交界という場は未知の世界である。

​「アッシュが……。それなら、少し心強いです。でも、俺のような者がエリンジューム侯爵家の人間として、皆様の前に立ってもよろしいのでしょうか?」

​不安げに揺れるセイルの茶色の瞳。185センチという長身で、すらりと肉の落ちた体躯を持つ彼は、ただそこに立っているだけでも人の目を引く。ピンクベージュのボブウルフが揺れ、その独特の色香にシーラは微笑んだ。

​「何を言っているの。あなたはもう、私達の愛すべき息子なのよ。それに、ラルク陛下やクレア殿下も、あなたのことは高く評価してくださっているわ」

​「……ありがとうございます、母上」

​セイルがはにかむように微笑むと、ちょうど広間の扉が開いた。

​「母上。セイルに無理を言っていないでしょうか」

​低く落ち着いた声。入ってきたのは、セイルのパートナーであり、今や伴侶でもあるアッシュだ。192センチの恵まれた長身に、鍛え抜かれた水泳体型。漆黒の髪を短く整えた彼は、セイルの傍に寄ると、その細い腰を自然に抱き寄せた。

​「アッシュ、おかえり」

​「ああ、ただいま、セイル。……夜会の話か」

​アッシュの黒い瞳がセイルを見つめる。そこには騎士としての厳格さはなく、最愛の伴侶への甘い熱が籠もっていた。

​「俺も行くぞ。お前を手放しで海千山千の貴族どもの中に放り出すような真似はさせない。それに……正装したお前を独り占めしたいところだが、我が家の誇らしい三男を皆に見せびらかしたい気持ちもある」

​「もう、アッシュまで……」

​セイルは顔を赤らめた。

「それでね、セイル。お願いがあるの」

――――シーラの願いに、徐々にセイルの顔が翳っていく。

「母上…俺、女性用の華服はさすがに…」

セイルが領内で広めている和服改め「華服」は、シーラの手によって徐々に広まりつつある。

「女性用でなくていいわ。男性用に何かしらの花々さを演出してほしいの」

「……ユニセックスなら、まあ」

「ユニセックス?」

聞き慣れない単語にシーラが首を傾げる。

「性別に囚われない、という意味です。男性が着ても女性が着ても、その人の美しさを引き立てる……そんな装いを提案できればと」

​セイルの言葉に、シーラはぱあっと表情を輝かせた。

「まあ、素敵! 性別を超えた美しさ……それは今のあなたに一番相応しいわ、セイル。ねえアッシュ、そう思わない?」

​アッシュは腰に回した手に少しだけ力を込め、愛おしそうにセイルの横顔を見つめた。

「ああ。セイルの作るものは、いつも既存の概念を心地よく壊してくれる。……だが、あまりに美しくなりすぎて、他の男たちに見せびらかすのが惜しくなりそうだ」

​「アッシュ、大げさだよ」

セイルは苦笑いしながらも、頭の中ではすでに「夜会用の華服」の構想を練り始めていた。





夜会当日。エリトロ大貴賓館は、数多の魔導具が放つ柔らかな光と、最高級の香油の香りに満たされていた。集まった貴族たちは、互いの装いを競い合うように談笑していたが、その喧騒は、ある一団の登場によって一瞬にして凪いだ。

​「エリンジューム侯爵家モーリ侯爵、シーラ侯爵夫人。ならびに次男アッシュ・エリンジューム卿、三男セイル・エリンジューム卿、ご入場です!」

​扉が開かれた瞬間、場にいた全員が息を呑んだ。

先頭を行くモーリとシーラの背後、海軍を思わせるネイビーブルーの式典用の騎士礼服に身を包み、威風堂々と歩を進めるアッシュ。その腕にエスコートされ、一際異彩を放つ人物がいた。


彼が身に纏っていたのは、この世界の常識を遥かに超越した「華服」であった。

​漆黒の生地に、燃えるような朱色と高貴な紫の牡丹が大胆に咲き誇る。それは男性的な着流しの力強さと、女性的な小袖の華やかさを絶妙なバランスで融合させた、まさに「ユニセックス」の極致。細い腰には、金糸を贅沢に織り込んだ重厚な帯が締められ、スリムな体躯をより一層、天高くすらりと引き立てている。

​「……っ、あれが、噂の三男坊か……?」

「なんて、麗しい……」

​セイルが歩くたび、大きく振られた袖から、裏地の鮮やかな紅が蝶の羽ばたきのように覗く。
ピンクベージュのボブウルフは、精巧な花のかんざしと銀の歩揺ほようで飾られ、彼が動くたびに「チリ、」と硬質な音を立てた。

​その姿は、荘厳でありながらどこか危うい。
この世の者とは思えないほどに透き通った肌、茶色の瞳に宿る柔らかな光、そして鮮やかな淡紅色に塗られた唇の端に浮かぶ控えめな微笑み。それは神殿に祀られた美しい神格のようでもあり、夜の闇に人を惑わす妖花のようでもあった。

アッシュの大きな手が、エスコートするセイルの腰を力強く引き寄せる。

「セイル、前を見ろ。お前の美しさに、誰もが跪きたい衝動に駆られている」

「アッシュ……そんなに言わないでよ。心臓が口から出そうなんだ」

​セイルが困ったように眉を下げ、茶色の瞳を揺らすと、その場にいた貴族たちは、男女問わず一斉に胸を突かれた。
荘厳なまでの美貌を持ちながら、その奥に宿る無垢で穏やかな色気。それは、厳しい冬のあとに咲き誇る春の妖精のようでもあり、見る者を狂わせる毒を秘めた美しい蘭のようでもあった。

この世のものとは思えないほどに麗しいその姿は、クラミス王国の社交界の歴史に、決して消えない鮮烈な記憶を刻みつけようとしていた。

​二人が会場の中央へと進み出ると、そこにはすでに馴染みの顔ぶれが揃っていた。ソレントとティントレットだ。アッシュと一緒で二人とも侯爵家次男である。普段は夜会になど参加しないが、セイルが参加するのである。野次馬欲が勝ったのであった。

​「セイル……。言葉を失うとは、まさにこのことですね」

​スプルースグリーンの式典礼服を凛々しく着こなしたソレントが、着飾った友人に感嘆のため息をついた。その隣で、バーガンディの式典礼服から逞しい胸板を覗かせているティントレットも、セイルの姿をまじまじと見つめ、喉を鳴らす。ちなみに第三騎士団団長シェリルは子爵であるが、今回は参加していない。

​「アッシュ、お前……よくこんな『劇薬』を人前に出す気になったな。独占欲で狂いそうな顔をしてるぞ」

「言うなティントレット。これでも自分を抑えるのに必死なんだ」

​アッシュは苦々しく、だが誇らしげにセイルの腰を抱き寄せた。

「お兄様!セイルさん!ごきげんよう!」

スパティフィラム侯爵家に嫁入りしたアッシュの妹ランゼが、夫のジャンを連れていそいそと側に寄ってくる。

「ランゼ、落ち着きなさい。少しはしたないよ」

嗜めるように、ジャンがランゼに声を掛ける。

「だってジャン、今日という日を楽しみにしていたのよ。想像を遥かに超えた艶やかさだったけど」

興奮気味に、ランゼはセイルの手を握る。

「ふふ、ランゼちゃん。そう言ってもらえると、頑張って仕立てた甲斐があるよ」

​セイルがふわりと微笑むと、ランゼは「あぁっ!」と胸を押さえて後退した。

「だめですセイルさん、その微笑みは凶器です! お兄様、早くセイルさんをどこかへ隠さないと、今夜中に求婚者が列をなしますわよ!」

​「ああ、既にその気配を感じている。視線のすべてを斬り伏せたい気分だ」

​アッシュが冗談めかさず、本気で周囲を威圧するように鋭い視線を投げると、遠巻きに見ていた貴族たちが一斉に視線を逸らした。その独占欲の強さに、セイルは頬を染めてアッシュの腕をそっと突いた。

「ランゼも義兄上あにうえも落ち着いて下さい。確かに、見事ですねセイルくん。今日の主役は君だと言っても間違いじゃないよ。どこかの貴族が開催した夜会じゃなくて良かったよ」

その言葉に、セイルは少しだけ目を細めた。

「そうですね…、目立ち過ぎは反感も買いますが、今回は華服の広告も兼ねてますので、少し張り切りました。華やかに着飾りたい男性貴族も少なからずいらっしゃるはずです」

セイルが凛として言い放つと、周囲の視線は羨望と驚嘆が混じり合ったものへと変わっていった。

​「セイルくん、その心意気や良しだ。だが、その美しさは宣伝効果がありすぎて、注文が殺到するどころか、君自身を『注文』したい不埒な輩が現れないか心配だよ」

​ジャンが苦笑しながらも、その瞳には深い敬愛の情が宿っていた。



セイル達はモーリ達と共に挨拶に回る。何故か男性からファーストダンスを誘われる事案が多発し、セイルは苦笑いしながらも丁重にお断りしていった。ダンスの誘いを断るたび、会場の熱気は冷めるどころか、その「高嶺の花」への憧憬でさらに加熱していくようだった。

​「セイル、あまり愛想を振りまきすぎるな」

アッシュが独占欲を隠そうともせず、セイルの耳元で低く囁く。その吐息に肩を震わせ、セイルが困ったように微笑んだその時――。

​「――おやおや。これほど眩しい宝石が転がっているとは、我が国の社交界も捨てたものではないな」

​朗々と響く、地を這うような重厚な声。
人だかりが割れ、そこから現れた人物に、その場の空気が一変した。

​「陛下!」

​そこにいたのは、燃えるような金眼を爛々と輝かせた、クラミス王国現国王ラルク・エリトロ・クラミスだった。190センチのバルク体型を豪華な正装で包んだその威圧感は凄まじく、隣には、氷細工のように美しい白銀の髪をなびかせた宰相シュロが、やれやれと額を押さえながら控えている。

​「セイル、アッシュから話は聞いていたが……なるほど。これではアッシュが苦々しい顔を周囲に撒き散らすわけだ」

「陛下、あまりセイルを怖がらせないでいただけますか」

アッシュがセイルを庇うように一歩前に出るが、ラルクは豪快に笑い飛ばした。

​「硬いことを言うな。今日は祝いの席だ。……シュロ、こやつに用意した『贈り物』を」

「……はいはい。陛下、あまり身を乗り出しすぎです。セイル殿が困惑しているでしょう」

​シュロが手元の木箱を開けると、中には、セイルの「華服」の牡丹と同じ色をした、最高級の魔石をあしらったペンダントが収められていた。

​「我が国の新たな息子への、俺からの歓迎の印だ」

「……! 勿体なきお言葉です、陛下」

​セイルが深々と頭を下げると、簪の歩揺がシャラリと清らかな音を立てる。その洗練された所作に、ラルクは満足げに頷いたが、ふと悪戯っぽく瞳を細めた。

​「ところでセイル。先程からダンスの誘いを断り続けているようだが……王である俺の誘いも断るつもりか?」

​その言葉に、会場中が静まり返る。アッシュの眉間に深い皺が寄った。

「あの…陛下。ご存知かとは思いますが、私は男なので、女性側のダンスは踊れません」

「はっはっは! そんなことは百も承知だ。この俺が、お前のような美丈夫を女の枠に押し込めるような無粋な真似をすると思うか?」

​ラルクはそう言うと、セイルの手を力強く、だが紳士的に取った。

​「これは『男同士』のダンスだ。エリンジューム家の新たな息子を、この国の王が歓迎する……そのための儀式だと思えばいい。アッシュ、文句はないな?」

「……陛下のご指名とあらば。ですが、一曲だけでございますよ」

​アッシュは苦虫を噛み潰したような顔をしながらも、渋々セイルの手を離した。セイルは困ったようにアッシュを見つめたが、アッシュは小さく頷き、「大丈夫だ、見てる」と唇を動かした。

​オーケストラが奏でる旋律が、ゆったりとしたワルツに変わる。ラルクの大きな手がセイルの腰に添えられ、もう片方の手がセイルの手を包み込む。190センチのバルク体型と、185センチのスリムな体型。対照的な二人のシルエットが会場の中央で動き出した。

​「お前のその服……『華服』と言ったか。動くたびに牡丹が狂い咲くようだ。まるで、お前自身の魔力が服に宿っているように見えるぞ」

「光栄です、陛下。……ただ、少し緊張して足元が覚束なくて」

「案ずるな。俺に身を任せていればいい」

​ラルクのリードは強引なほどに完璧だった。セイルが翻るたび、花服の長い袖が宙を舞い、簪の銀鈴が「チリン、チリン」と、音楽に重なるように艶やかな音を奏でる。周りの貴族たちは、そのあまりの美しさと迫力に圧倒され、ただ見守ることしかできなかった。

​「……セイル。お前がこの国に来てくれたことに、感謝している。アッシュを、そしてこの国の食と装いを、お前は変えようとしているな。その『力』、これからも存分に振るうがいい」

「陛下……。はい、身に余る光栄です」

​セイルがそっと微笑むと、ラルクの金色の瞳が眩しそうに細められた。

​曲が終わり、ラルクが満足げにセイルをアッシュの元へ返すと、待ち構えていたアッシュは、即座に自分の上着をセイルの肩にかけるようにして引き寄せた。

​「陛下、ご満足いただけましたか」

「ああ、実に良いものを見せてもらった。シュロ、見たか? あの身のこなし」

「ええ、実に見事でしたよ。……おかげで、会場中の令息も令嬢も、セイル殿に釘付けですがね」

「セイル…俺とも踊って貰えるか?」

「アッシュなら大歓迎だよ。それにね」

セイルはアッシュに耳打ちする。

「さっきはあんな事いったけど、女性側も踊れるよ」

「……セイル、お前……」

​アッシュは絶句した。耳元に吹き込まれた吐息と、耳を疑うような言葉に、彼の自制心は音を立てて軋む。

「女性側のステップも踏めるという意味か? 日本という国では、そういう教育も受けるのか?」

「ううん、そういうわけじゃないんだけど。……魔法を応用して体の重心を少し変えれば、リードされるのも難しくないんだ。それに、アッシュが相手なら……俺、身も心も委ねてみたいから」

​セイルが潤んだ茶色の瞳で上目遣いに見つめると、アッシュの黒い瞳に一気に情欲の火が灯った。彼は無言でセイルの細い腰を引き寄せると、ラルク陛下へ短く一礼し、まだ熱狂の冷めやらぬフロアへと再びセイルを連れ出した。

​次に奏でられたのは、先程よりも甘く、情熱的な旋律だった。アッシュは大きな掌でセイルの手を包み込み、もう片方の手で、薄い「華服」越しにセイルの腰を強く抱き寄せる。

​「……っ」

セイルは小さく吐息を漏らし、アッシュの胸に身を預けた。
先程のラルクとのダンスが「王と臣下」の力強い儀式であったなら、アッシュとのそれは「つがい」が睦み合うような、濃密な空間だった。
​セイルが軽やかにステップを踏むたび、漆黒の生地に咲く牡丹がアッシュのネイビーブルーの礼服に絡みつく。185センチの長身がしなやかにしなり、アッシュのリードに従って華麗に旋回する。
その妖艶な姿は、まるで大輪の華が夜風に舞っているかのようだった。

​「セイル、お前は本当に……恐ろしい男だ」

アッシュがセイルの耳朶を掠めるように低く囁く。

「会場中の視線がお前を舐めるように見ていくのが分かる。……今すぐここから連れ去って、その華服を剥ぎ取ってしまいたい」

​「ふふ、アッシュ……顔に出てるよ。騎士団長様がそんなに怖い顔をしてちゃ、みんなに笑われちゃう」

「構わん。お前がこれほどまでに煽るのが悪いんだ」

​二人の距離は、もはや唇が触れ合いそうなほどに近かった。周りの貴族たちは、そのあまりにも絵になる、そしてあまりにも独占的な二人の世界に、もはや声をかける隙すら見出せないのだった。


夜会が終盤に差し掛かり、セイルとアッシュは一足先にエリンジューム邸へ戻る許可を得た。

馬車の中、領街の灯りが窓の外を流れていく。
セイルは安堵からか、簪と歩揺を外すとアッシュの肩に頭を預けた。

​「……疲れたか?」

「少しだけ。でも、アッシュと一緒に踊れて、本当にかっこいいところを見せてもらえて……倖せだったよ」

「俺の方こそ、お前の美しさに何度息が止まりそうになったか。……セイル、家に着いたら、覚悟しておけ」

​アッシュの大きな手が、セイルの項に手をかけ、ピンクベージュの髪を愛おしそうに撫でる。

「その華服を、じっくりと解かせてもらうからな」

​セイルは仄かに赤らめた顔をアッシュの胸に埋め、小さく「うん……」と答えた。



セイルが持つ簪の鈴が、ちり、と小さく甘く鳴った。





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