曲者が、曲者の常識で曲者と人を裁く非常識な少女の物語である 題名変えました

さや

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序章 アンジェラス1は、世界を救う

18話 エルフの王国

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少女は、起床後女の子らしく顔のケアをする。
普段ならば、しない魔王の身の手入れっぷりに驚く部下達だが、生憎とアンジェラスとして幾億年も活動している少女に気づけるものはいない。

たかが、数百年しか生きていない生物に気付けるわけがないのだ。
邪神も、少女が本気で隠そうとすれば、気付かなかっただろう。

『ふふふふふ~ん。』

上機嫌に、スキップしながら聖剣を片手に鍛錬場へ行く。

「今日はご機嫌ですね、魔王様!」

この全身真っ赤なのは、確か炎の魔将軍アーガイルだったはず。

『まぁな。』

見つかる一歩前で、スキップをやめている為、ぎりぎり誰も気づいていない。
やはり、将軍なだけあって魔王とは近い距離にいた様だ。

少女は頭の中に、水土の魔人ホワイトと馬鹿な風雷の魔人ファイストを最重要魔人として認識する。

『鍛錬の方はどうなのだ。』

「順調です、先日享受してくれた身体強化魔法があれば、大抵のことは習得できる様になりましたので。どれもコレも魔王様のお陰です。」

『そうか、ならばよかった。』

「はい!」

そう嬉しそうに返事をして、アーガイルは部下達の方へと戻っていく。
少女は本当の魔王ではないけれど、このやり直している世界では魔王として死ぬつもりな為、魔王らしく生きる所存でいる。

あくまでも、この世界の皆の認識はアンジェラスではなく魔王なのだ。

『邪神、エルフの里へ行く準備は整った?』

【整っております。】

ボソッと伝え、聖剣に手を添える。
まだまだ、協力者は増やす必要がある。光の神を倒すのは簡単だが、平和な世界とする事が一番難しい。

どの種族も争わない温和な世界だと思わせることが、一筋縄ではいかないだろう。
全ての種族の同意の元、認識を変えさせるのだから。

『なら、問題ないね。』

【移動しますか?】

『宜しく。』

邪神の魔法により、一瞬でエルフと里の城門の前へ移動できた。
一応、外套を被っているが王に会えば、一瞬で見抜かれることだろう。

因みに邪神は、いつ勇者が攻めてきてもいい様に、連絡係として魔王城に留めている。

『マーだ。エルフの王の元まで連れて行ってくれ。』

「畏まりました。」

あらかじめ作っておいた簡略な偽名で王の元まで通して貰う。
流石に拝見の間まで行けば、外套は脱がなければならない。

まぁ、周りが驚かない様にエルフの王が配慮してくれていたようだが。

「久しぶりだな、魔王よ。」

『それは、時間を巻き戻す間も含まるているのか?ソレとも純粋に久しぶりか?』

「前者だ。」

『ふむ……』

中々にエルフの王は、手強そうな相手だと少女は思う。
自身の実力を理解し、未来を見据える力を彼は持っている。

だからこそ、光の女神に従っている様だが……裏を返せば、操りやすくもある。

『貴様、我と共に光の神を今一度殺さないか?』

「以前も断ったはずだが。」

『我が、光の神などに負けるとでも?』

腕を組み悠然な態度をとる。やはり、エルフの王は分かっているのだろう。

明らかに、瞳が動揺している。

「魔王一人でも倒せるであろう相手を、何故エルフの王にまで頼むのだ。」

『もっともな疑問だな。』

魔王の正体に関しては、言えない。
少女もソレを承知でぎりぎりの橋を渡る。

『その後の世界で、認識を変える承認が必要だからだ。』

「具体的に頼む。」

『我は光の神を倒した後、勇者と魔王の存在自体をこの世界から消す。もちろん邪神もな。』

「邪神は、お前達の象徴では無かったのか。」

『だからこそだ。崇めるものが無い方が誰もが同じ土俵に立てる。』

エルフの王が、聡明であるが故に魔王が以前の魔王でないことに、そろそろ気づいてきた頃だろう。
その証拠に、表情が険しなってきている。

『我は、人間も魔族もエルフもドワーフも人狼も、全ての種族が同じ土俵に立てる様にしたい。その為に、神を殺してお前達の王には承諾人として認識上書き魔法に賛同してほしいのだ。賛同した瞬間から、貴様らの認識は変わる為、裏切られることはない。』

「貴様が、光の神だけを殺す可能性もあるだろう。」

『我が、そうするとでも?』

「っ……」

ニヤリと、威圧感のある表情を浮かべる少女。

「!?……しょ、承諾人にもなろう。」

『懸命な判断だ。貴様らの安全は保証しよう。』

もう、会うことはないだろうが少女は笑ってその場を後にした。

そして、残されたエルフの王といえばーー

「また、変なのが来たものだな……」

アレは、魔王などではない。
もっとタチの悪い強大な存在だ。

もし、気に食わない事を一度でも言えば、殺されていただろう。

かなり神経を擦り削る会話だった。

ホッと息を吐き、しばらく胃薬を飲む必要がありそうだと、甘い飴玉を口に入れた。















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