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1章 アンジェラス1は転生する
27話 桜舞楼閣
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ーー夜の街がガヤガヤ開き出した頃。
「お嬢さん、頼むよ。」
「任せてください!」
どん!と胸を張ると同時に大きな胸が揺れる。ついでにフェンリルも。
ガヤガヤと、灯りのついた酒場に大勢の客が一気に入ってきた。
「酒をくれ!」
彼方此方から、酒を求める声が響く。
接客は、私と店長しか居ない様で今までは一人で店を回していたらしい。
「どーそ。」
そっとこぼさない様に置く。
そして、手を掴んでフェンリルに手を置かせる。
「頼んでくれたお礼です。」
ボッ!と顔の赤くなる客に手を振って、次の客の元へ行く。
「お、オレも触らせてくれ!」
「順番ですよ~」
因みに今は、桃色のワンピース型の寝巻きではなく接着用の着物を着ている。
どうやらこの国は、着物を主に着ている様で若い子は動きやすい様に短いスカート型の着物で、大人になると長い物は変わるらしい。
「ねぇ、お客さん知ってました?」
「なにが?」
「このスカートって、魔法がかかって見えないんですって。」
「絶対領域ってな!」
「流石お客さん!わかってますね!」
ハハッ!と互いに笑い合って、次の客へ行く。
中には、先ほどの様にフェンリルを撫でるよりも話を好む客も居て、人それぞれだ。
「ふふふ、この子も喜んでますね。」
「可愛いなぁ。」
「貴方の撫で方が良いからですよ。」
「ははっ、嬢ちゃんは良い嫁になるぜ!」
「またまた~」
冗談には冗談で返す。フェンリルが男の凌ぎ方を色々教えてくれたから、結構簡単だった。
「ありがとうございましたー。」
時は過ぎ、閉店時刻になると誰も居なくなっていた。
「お嬢さん、もし良かったから此処で働かないかい?」
「いいんですか?」
「あぁ、是非とも来てほしい。」
「ありがとうございます!」
どっさりとした給料をもらい、作業着を脱いで胸ルンルン気分で宿を取る。
結構高め楼閣"桜舞楼閣"を取った。
それなりに給料も良いため、余裕とまではいかないが、フェンリルがいる事もあり安宿を取るわけにはいかなかった。
「やっぱり、楼閣は高いねー。」
『楼閣以外ハ、絶対ニナラン。』
「まぁ、フェンリルってバレたらダメだもんね。」
『ソレダケデハ無イガ……』
頭からピョンッと飛び降りて、既に引いてある動物用の布団に包まるフェンリル。
「その前にお風呂に入るよ。」
『ハ?』
フェンリルを抱き抱えて、温泉に行く。
この時間は誰も人がおらず、お風呂を独占できそうだ。
「フェンリルも綺麗にしてあげるからね。お風呂場では一旦大きくなったほうがいいよ。」
誰かが来たら、直ぐに小さくなれば問題ないだろう。
ワンピースを脱いで、どうせ一人なのだしタオルで前を隠したりもせずにシャワーを浴びる。
髪と体を洗い、綺麗に流す。
その間、何故か大きくならずに後ろを向いているフェンリルは、ずっと震えていた。
何か怖いものでもあるのか聞いてみても『ナンデモナイ!!』と、少し強めな一点張りだった。
「体洗うから、大きくなって。あ、でも巨大だと危ないから私より少し高いくらいだよ。」
『ヒ、一人デ洗エル。』
「私が洗いたいの。ほら、早く座って。」
急かせば渋々コチラに目は向けずに、少し私よりも大きいくらいの身長になった。
獣は四足歩行のため、必然的に私の方が高くなって洗いやすい。
「じゃあ、洗うよ。」
スポンジを持って、背中に跨ると何故か毛並みが逆立った。
「大丈夫?」
『心配ナイ。』
「ならいいけど……」
少し様子が気になるが、大丈夫という言葉を信じてみよう。
「じゃあ、始めるね。」
一旦水で全身を濡らす。すると、思った通りめちゃくちゃ細かった。
「本当に犬みたい。」
『言ウナ……。』
ちょっとプライドが傷ついたのか、声が弱々しい。
「次は石鹸ねー。」
今度こそスポンジの出番だ。
先ずは、背中をぺちゃぺちゃ洗うよ。
やっぱり濡れていても毛並みは極上だった。
「気持ちい~」
ちょっと洗うのをやめて、上半身を背中に下ろす。
するとやっぱり、気持ちがいい。
『ハヤク、洗ワンカ』
急かす様な声が聞こえ、スポンジを持ってまた洗い出す。
「次は表を洗うよ。」
ゴロン、と転がる姿はまさに犬そのもの。
「ちょっとごめんね。」
下の方を洗う時は気が引けたが、もう死んだ様な顔をしていたから全て洗った。
『モウ、オ婿ニ行ケナイ。』
「大丈夫、私の神獣になるんだから。」
『ソウイウ問題デハナイ……。』
覇気のない声で言い返してくるフェンリルに、小さくなる様に告げる。
「お風呂に入ろうか。」
溺れない様に、風呂桶にフェンリルを入れてくるくる回る様子を見る。
一思ってきていたタオルは、頭に乗せている。
『胸の浮く者ヲ見ルノハ、初メテダ。』
胸に釘付けになっているフェンリルを引き寄せ、浮いている部分に乗せる。
「世界の意志様に、賜った身体だからね。申し分ないよ。」
胸に関しては、大きくなる様にお願いした結果だけどね。
「それより、さっきから顔赤いけど大丈夫?」
『問題ナイ。』
「ならいいけど。」
おっぱいの上で、蹲っているフェンリルを見ながら、綺麗な満月を見上げ明日からの仕事も頑張ろうと、風呂から上がって気持ちよく寝た。
「お嬢さん、頼むよ。」
「任せてください!」
どん!と胸を張ると同時に大きな胸が揺れる。ついでにフェンリルも。
ガヤガヤと、灯りのついた酒場に大勢の客が一気に入ってきた。
「酒をくれ!」
彼方此方から、酒を求める声が響く。
接客は、私と店長しか居ない様で今までは一人で店を回していたらしい。
「どーそ。」
そっとこぼさない様に置く。
そして、手を掴んでフェンリルに手を置かせる。
「頼んでくれたお礼です。」
ボッ!と顔の赤くなる客に手を振って、次の客の元へ行く。
「お、オレも触らせてくれ!」
「順番ですよ~」
因みに今は、桃色のワンピース型の寝巻きではなく接着用の着物を着ている。
どうやらこの国は、着物を主に着ている様で若い子は動きやすい様に短いスカート型の着物で、大人になると長い物は変わるらしい。
「ねぇ、お客さん知ってました?」
「なにが?」
「このスカートって、魔法がかかって見えないんですって。」
「絶対領域ってな!」
「流石お客さん!わかってますね!」
ハハッ!と互いに笑い合って、次の客へ行く。
中には、先ほどの様にフェンリルを撫でるよりも話を好む客も居て、人それぞれだ。
「ふふふ、この子も喜んでますね。」
「可愛いなぁ。」
「貴方の撫で方が良いからですよ。」
「ははっ、嬢ちゃんは良い嫁になるぜ!」
「またまた~」
冗談には冗談で返す。フェンリルが男の凌ぎ方を色々教えてくれたから、結構簡単だった。
「ありがとうございましたー。」
時は過ぎ、閉店時刻になると誰も居なくなっていた。
「お嬢さん、もし良かったから此処で働かないかい?」
「いいんですか?」
「あぁ、是非とも来てほしい。」
「ありがとうございます!」
どっさりとした給料をもらい、作業着を脱いで胸ルンルン気分で宿を取る。
結構高め楼閣"桜舞楼閣"を取った。
それなりに給料も良いため、余裕とまではいかないが、フェンリルがいる事もあり安宿を取るわけにはいかなかった。
「やっぱり、楼閣は高いねー。」
『楼閣以外ハ、絶対ニナラン。』
「まぁ、フェンリルってバレたらダメだもんね。」
『ソレダケデハ無イガ……』
頭からピョンッと飛び降りて、既に引いてある動物用の布団に包まるフェンリル。
「その前にお風呂に入るよ。」
『ハ?』
フェンリルを抱き抱えて、温泉に行く。
この時間は誰も人がおらず、お風呂を独占できそうだ。
「フェンリルも綺麗にしてあげるからね。お風呂場では一旦大きくなったほうがいいよ。」
誰かが来たら、直ぐに小さくなれば問題ないだろう。
ワンピースを脱いで、どうせ一人なのだしタオルで前を隠したりもせずにシャワーを浴びる。
髪と体を洗い、綺麗に流す。
その間、何故か大きくならずに後ろを向いているフェンリルは、ずっと震えていた。
何か怖いものでもあるのか聞いてみても『ナンデモナイ!!』と、少し強めな一点張りだった。
「体洗うから、大きくなって。あ、でも巨大だと危ないから私より少し高いくらいだよ。」
『ヒ、一人デ洗エル。』
「私が洗いたいの。ほら、早く座って。」
急かせば渋々コチラに目は向けずに、少し私よりも大きいくらいの身長になった。
獣は四足歩行のため、必然的に私の方が高くなって洗いやすい。
「じゃあ、洗うよ。」
スポンジを持って、背中に跨ると何故か毛並みが逆立った。
「大丈夫?」
『心配ナイ。』
「ならいいけど……」
少し様子が気になるが、大丈夫という言葉を信じてみよう。
「じゃあ、始めるね。」
一旦水で全身を濡らす。すると、思った通りめちゃくちゃ細かった。
「本当に犬みたい。」
『言ウナ……。』
ちょっとプライドが傷ついたのか、声が弱々しい。
「次は石鹸ねー。」
今度こそスポンジの出番だ。
先ずは、背中をぺちゃぺちゃ洗うよ。
やっぱり濡れていても毛並みは極上だった。
「気持ちい~」
ちょっと洗うのをやめて、上半身を背中に下ろす。
するとやっぱり、気持ちがいい。
『ハヤク、洗ワンカ』
急かす様な声が聞こえ、スポンジを持ってまた洗い出す。
「次は表を洗うよ。」
ゴロン、と転がる姿はまさに犬そのもの。
「ちょっとごめんね。」
下の方を洗う時は気が引けたが、もう死んだ様な顔をしていたから全て洗った。
『モウ、オ婿ニ行ケナイ。』
「大丈夫、私の神獣になるんだから。」
『ソウイウ問題デハナイ……。』
覇気のない声で言い返してくるフェンリルに、小さくなる様に告げる。
「お風呂に入ろうか。」
溺れない様に、風呂桶にフェンリルを入れてくるくる回る様子を見る。
一思ってきていたタオルは、頭に乗せている。
『胸の浮く者ヲ見ルノハ、初メテダ。』
胸に釘付けになっているフェンリルを引き寄せ、浮いている部分に乗せる。
「世界の意志様に、賜った身体だからね。申し分ないよ。」
胸に関しては、大きくなる様にお願いした結果だけどね。
「それより、さっきから顔赤いけど大丈夫?」
『問題ナイ。』
「ならいいけど。」
おっぱいの上で、蹲っているフェンリルを見ながら、綺麗な満月を見上げ明日からの仕事も頑張ろうと、風呂から上がって気持ちよく寝た。
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