曲者が、曲者の常識で曲者と人を裁く非常識な少女の物語である 題名変えました

さや

文字の大きさ
50 / 61
2章 アンジェラス1は軍部で活躍します

49話 パーティー前日

しおりを挟む
ーーー獣人について学んだ事ーーー

意外と、アンジェラス1   と共通している点が多い。
仲間思いで、私も勇気づけられた。
世界の意志様だけが全てじゃない。
弱いけど、見下す様な存在じゃない
心は強い

***



『マダ日記ヲツケテタノカ。』

「うん、忘れないように。」

『世界ノ意志様ハ、学ベト言ワナカッタノダカラ、必要ナイダロウ。』

「確かにそうだけど……今回あった事で私が知りたいと思ったの。なんで、人はこんなにも温かいのか。汚い感情ばっかりなのに、温かいから不思議なの。」

ノートを引き出しの中に入れる。
そして、朝食を運んでくれる寮母に礼を言い、目玉焼きとトーストに牛乳を飲む。

「うん、今日も美味しい朝ごはんだったね。」

腹八分で、ちょうど良い分量だ。

そして、軍部の自由室ーーーーーではなく、城下の衣装店へ足を運んだ。

最近流行りの衣装店だとフェリックスから聞いている。たった一日で最高のドレスをオーダーメイドで作り上げてくれるらしい。
今夜開かれる模擬戦のパーティーで着ていくドレスを一着も持っていなかった為、今日急いで見繕ってもらうのだ。

「いらっしゃいませ。」

「なんでも良いから、今夜開かれるドレスを用意して欲しいの。」

そう言えば、ハッとした顔で店員が奥に入っていった。

そして、アーデリアと違って真っ赤なドレスでも、気品のある女性が現れた。

「こんにちは。フェリックス様から伺っておりますわ。」

この女性は、店のオーナーで名をユリアという。

「そう。なら話は早いね。」

「えぇ、あとは確認と寸法を取るだけですわ。」

ニコリと綺麗な笑みを浮かべている。
真っ赤な口紅に、金のピアスをつけた派手に見える装飾品も彼女がつけると何故か、上品にしか見えないのだから不思議なものだ。

「さ、奥へ入りましょうか。」

客室へ通され、早速用意されたドレスのリストを見せられる。

「こちらですわ。」

「きれい……」

第一声が、心なしに出てしまうほどには綺麗なドレスだった。

「ふふ、そう言っていただけると嬉しいですわ。」

青を基準としたドレスで、全体的にいうと質素な印象がある作りだった。
装飾品は最低限の体のラインに沿ったマーメイド型のドレス。

フリルは下の方にあるくらいで腰から上は一輪のバラがあるのみ。
光に反射してキラキラ光る生地が胸から下には使われており、肩や腕は丸見えである。

そして、下にいくにつれて濃い青から紺色へと変わっていく。

私の桃色の髪とは真逆のドレスだが、よくマッチしそうに思えた。

「これにする、とっても綺麗だね。」

ニコリと笑えば、ふふっと上品な微笑みが帰ってきた。
衣服で喜ぶことなんて、これまで一度もなかったけど、このドレスは早く着たいと思える。

頭の装飾品も用意してくれている様で、そっちのリストも貰って寸法を測り寮へ帰った。

「ねぇ、フェル。」

『ナンダ?』

「私の着付けをしてくれる人が居ないんだけど、どうしよう……」

ドレスなんて滅多に着ないから、分からない。
適当に着ると、皺ができそうだ。

『心配セズトモ、我ガ着替エサセテヤル。』

「ほんと?ありがとう!」

因みに、桃色のワンピー型の寝巻きは真っ白な救済者の槍、ソテルがキューブへと姿を変えた直後に復元された。

「今日のパーティーは、王家が開いてるらしいから、いつもより美味しいご飯が食べられるんだろうな~。」

『一応、確認ダガ礼儀作法ハ、知ッテイルノカ?』

「知らないけど、兎に角ダンスとか踊れば良いんでしょ?身分の高い人の申込みは断らない。」

『マァ、最低限分カッテ居ル様ダナ。』

「勿論だよ。この世界では知らないけど、大体の世界で、貴族の常識は変わらないからね。」

めんどくさい風習がある事だけは、変わらない。
もっと気楽に考えたら良いのにと思える事が、難しく考えなければならない雰囲気を作り出す場所が貴族の社交界という場所なのだ。

言葉の選び方や、気品がその貴族の存命や価値にが関わるのだから恐ろしい。

考え方によっては、戦よりも怖いところだ。
世界を救う過程で体を借りているときに、社交界がトラウマになっている令嬢や子息は沢山いた。
本当に山ほど、数え切れないほどいたのだ。

流石に、不憫だ思わずにはいられなかった。
基本的に無関係だったら人のことなんて気にしないのに、珍しく気に留めた事の一つだった。

「まぁ、そんなことはどうでも良いとして……」

今回のパーティーは、優勝した私たちを祝うための場なのだ。
国王と対面するときに、失礼の無い態度を示せば、何も問題ないはずである。

「美味しいご飯が楽しみすぎだよ!」

今回のドレスがマーメイド型でコルセットがない一番の理由は、満腹になるまで料理が食べれる様になのだ。
フェリックスは、苦笑いをしていたが此処だけは譲れない。

私の世界を救う理由の一つが、食事と言っても過言では無いのだから。

「料理は命の次に大事だから、一通り食べないとね。」

『ソウカ。』

なぜか呆れた様な声をフェンリルが出したが、今はご飯のほうが楽しみだから気にしない。

「早く夜が来ないかな~、私を宮殿の料理が待ってるよ!」

そして、私も待ってる!と迷惑にならないくらいの声で叫ぶ。

『貴様ニ恋人ハ、出来ソウニナイナ。』

「恋人なんていらないよ。アンジェラスに交尾をする必要性なんてないからね。それに私は世界の意志様が一番だから!」

そう笑えば、また呆れた様な声が帰ってきた。

そういえば、どこかのアンジェラスが以前好きな人ができたからと人間としての人生として暫く転生旅行に出かけていた同族が、不意に頭によぎった。










しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...