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第五章 氷狼神眼流編
EP140 照闇之雪刃
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300年に渡る因縁が、彼に牙を剥き始める――。
―――――――――――――――
「どうかされましたか?」
何も知らない清也。いや、今日からは"征夜"となる男は、不思議そうに資正を覗き込む。
今、この瞬間に判明した数奇な運命の巡り合わせに、微塵も気付いていないようだ。
「その名字・・・由来はあるか?」
あえて遠回しに聞いてみる。万が一にも違っていたなら、それはそれで良いだろう。しかし"征夜"の答えは、資正の考えた通りの物だった――。
「"吹雪の剣豪"って言うご先祖様が、殿様から貰ったんです!吹雪を利用して敵陣に入った姿が、凄かったからだそうです!」
資正は、思わず大きなため息を漏らす。様々な感情が現れては消え、取るべき反応が見当たらない。
「"剣豪"かぁ・・・。」
首を傾げながら否定も肯定も出来ないような、不思議な表情を浮かべている。
遥かな未来にまで伝わった古の出来事を、人は"伝説"と言う。しかし、資正にとっては"伝説ですら無い"のだ。
(・・・まぁ、良いか。)
結局、資正は征夜の話を受け流す事にした。"吹雪の剣豪"を如何に褒めようとも、征夜は実際に彼をみたわけでは無いのだ。
正確には、"若き日の彼を"である――。
少なくとも彼は、吹雪の中を切り込んで行く男が、どんな姿であったのか知らない。だからこそ、征夜の中にいる剣豪は"架空の人物"なのだ。
その偶像を否定し、今更になって"見知った男"の姿を嵌め直す必要も無いだろう。
(我が血脈は生きていた・・・それで良いとするか・・・。)
あらゆる感慨が脳裏を駆け巡り、どう反応すれば良いか分からない。
人の親として考えれば、目の前の居る男は"一人息子の子孫"でも有るのだから、別れた時には両手に収まる大きさだった赤ん坊が、子を成すまで成長出来た事を嬉しく思う。
そして、以前聞いた話によれば、自分が授かった土地は一族繁栄の礎となったらしい。それならば"異世界転移"後も、自分がした事は無駄では無いと信じられる。
剣道師範としては、正直言って感動した。
結果的に"一子相伝"となってしまった技は、他ならぬ"自らの末裔"に受け継がれたのだ。それほど嬉しい事もない。
だが同時に、落胆もする。他人として接して来たから、これまでの驚異的な出来事にも動揺出来た。
しかし血縁者となっただけで、運命と言う"軽はずみな決まり事"の関与を、疑わずにはいられない。
取り敢えず、一族は途絶えていない。それが判明した事だけを、感慨として受け止める事にした。
「では吹雪征夜よ。これからも精進するのだぞ。」
「はい!僕も、"ご先祖様や師匠"に近づけるように頑張ります!」
「お、おう・・・そうだな・・・。」
何とも言いようがない上に、何も言えない資正は、適当に相槌を打った――。
~~~~~~~~~
「ご馳走様です!やっぱり師匠のご飯は美味しいです!」
「そうかそうか、それは良かった。」
淡白な声で返事をするが、顔は笑っている。
資正は、素直になれない人なのだろう。征夜にもそれは分かっていた。
箸を置いた征夜は、いつも通り食器と盆を台所に持っていく。
この家でこの動作をするのも、今回で最後だろう。その実感が、征夜の心を寂しくさせる。
「これで・・・最後ですね・・・。」
「・・・あぁ。」
しみじみと、四ヶ月半の日々を想起する。激動の日々ではあったが、なんだかんだで楽しかった。
それはひとえに資正が、厳しくも優しい心持ちで支え続けてくれたから。
(あぁ・・・こんな感じなのか・・・。)
卒業式で泣いていた同級生の気持ちが、やっと理解できた。
過ごした期間は違えども、感じる思いは同じなのだ。別れるのは惜しいし、慣れた環境を巣立つのは寂しい。
(・・・でも、僕がやらなきゃダメなんだ!世界を救わないと!)
無言で拳を握りしめ、決意を固める。たとえ寂しくとも、名残惜しくとも、止まっているわけには行かないのだ。
世界は"救世主・勇者"の登場を求めているのだから。征夜には、その想いに応える義務がある。
「師匠!」
「どうした?」
「この恩は、これからの活躍を以って報いらせて頂きます!伝承者としての責務も、必ず果たす覚悟です!
四ヶ月半に渡るご指導ご鞭撻、本当にありがとうございました!!!!!」
長々と感謝の言葉を述べる。それを見た資正は、完全に呆気に取られているようだ。
「それでは、行って参ります!!!」
勢いよく宣言し、台所から連なる戸口を開け放つ。そして資正に大きく頭を下げると、玄関に置かれた草履に片足を突っ込む。
「ちょっと待てい!一体どこ行く気だ!?」
いつになく慌てた様子で征夜を静止するが、彼の意志は止まらない。
「待っている人々がいます!・・・では!」
もう片方の草履も履き、完全に出発する気配を出しつつある。しかし彼の装備には、何かが足りない――。
「刀!刀を忘れとるぞ!」
「え?刀・・・?刀って・・・・・・・・・ああぁぁぁッッッ!!!!!僕の剣!」
完全に忘れていた。四ヶ月前に、半ば強奪される形で没収された彼の愛剣は、記憶の中からも消えていた。
「帯刀を忘れる剣士など、聞いた事ないぞ・・・。」
「す、すいません・・・。」
腰に重みが足りないとは思っていたが、まさか武器そのものを忘れていたとは思えなかった。自分の間抜けっぷりに、自然と笑みが溢れてしまう。
「これがお前の剣だ。預かった日より、ずっと保管しておいた。」
資正はそう言うと、背後に置いた細長い箱を取り出した。
目には見えないが、直感と気配で分かる。その箱の中に、征夜の愛刀が仕舞われている。
だが、一つだけ困った事がある。それは他でもない、剣の形についてだ。
「師匠・・・申し訳ないのですが、その剣は使えません・・・。」
「・・・何故だ?」
「僕はずっと、片刃の木刀で鍛錬を重ねてきました。
だからこそ、今になって両刃の剣を振るっても、力が出せない気がするんです。」
「・・・確かに、某も初めてコイツを握った時は戸惑った。人生で初めて見る形状の刃だったのでな。何度も、自らの剣で足を斬りそうになったものよ・・・。」
そんな様子、今の資正からは全く想像出来ない。しかし彼の表情を見るに、嘘ではなさそうである。
征夜はゲームや漫画などで、西洋剣を何度も目にしてきた。
しかし彼は違う。全く未知の形状の剣を突然渡されて、世界を救えと言われたのだ。戸惑いもする。
「慣れれば氷狼神眼流の技自体は、西洋剣でも十分に使える。
それはそれとして、早く握ってみるが良い。もし本当に日本刀を使いたいなら、剣はお前に答えてくれる。」
「・・・はい?分かりました・・・。」
どうにも腑に落ちないが、握れと言われればそうする他にない。差し出された箱を開け、剣を包む布を剥ぎ取る。
(僕の剣・・・!)
形状に関して不安があったが、やはり目の前に現れると嬉しくなる。
自分の力で手に入れた剣。もっと言えば、花と共に手に入れた剣。それは眩いほどに輝きながら、征夜の手に収まる瞬間を待っている。
「久しぶりだね!相棒!」
銀色の柄を握り締め、勢いよく箱から取り出した。そして、天に向かって掲げてみる。
窓から降り注ぐ太陽の光が、白い刀身に反射してキラリと輝く。そして、その輝きは段々と強くなる――。
「な、なんだっ!?震えて・・・眩しいっ!」
輝きだけでは無い。剣そのものが振動し、刀身に秘めた煌めきを部屋全体に拡散する。
ダイヤモンドダストのように美しい光の粒が、刀全体を覆い隠し、その輪郭を包み込む――。
目を開けた征夜は、手にかかる重みが増しているのを感じた。
恐る恐る目線を上げると、そこに有るのは見知った剣では無かった――。
「・・・"日本刀"だ!!!」
あまりの美しさに、一瞬だけ反応が遅れた。
そして直後に訪れたのは、歓喜と興奮の叫びだ。
80センチほどの、巨大な日本刀。しかし、一般的な長さでは征夜の背丈に合わないので、このくらいが丁度良い。
持ち手は小さいが、銀色の鉄で出来ており、かなり頑丈な造りである。
刃はそこまで反っておらず、征夜のような駆け出しの剣士でも、扱いやすそうな形状である。
そして何より目を引くのは、より輝きを増した純白な刀身である。
以前より、心を引き込むような"怪しい魅力を持った剣"ではあったが、その美しさにも磨きが掛かっていた――。
~~~~~~~~~~
「某はこう呼んでいる。"白夜の太刀"と・・・。
これは持ち主によって特徴のある刀だ。お前の好む名を付けるが良い。その方が、より大きな力を出せる。」
資正の言いたい事を捕捉すると、"白夜の太刀"は総称なのである。鉄の剣や、神秘の剣と変わらない。いわば、一般的な通り名である。
しかしそこに、固有の名前を刻む事で、刀はより大きな力を発揮する。
世に多くある名刀にも、それぞれに名前がある。"鉄の剣"と言う名の刀は、今日に伝わっていないだろう――。
「・・・勇者の剣!だと、流石に合わないなぁ・・・。日本刀の名前・・・何があるかな・・・?」
自問自答し、様々な名前を出してみる。しかし、考えてもあまり出てこない。
「"天野叢雲"とか・・・どうでしょう?それか・・・"草薙の剣"?」
どこからツッコミを入れれば良いのか。これが分からない。資正は取り敢えず、初歩的な点から解きほぐす事にした。
「・・・まさか知らんのか?その二つは"同一の剣"だぞ?」
「えぇっ!?そうなんですか!?」
あまりの無知さに、思わず笑いそうになってしまう。しかしここで笑っては、2個目のツッコミを入れる事が出来ない。
「自分が皇族だと本気で思うなら、その名前でも良いと思うが・・・。」
「えぇっ!?草薙の剣って皇族の剣なんですか!?」
「・・・そうだ。」
日本三種の神器。それでいて、日本人なら知らぬ者は居ない、名実ともに"伝説の剣"であるはずのそれを、征夜は殆ど知らないようだ。
その無知さには、笑いを通り越して絶望すら感じてしまう。
(コイツに伝承者を任せて・・・本当に良いのだろうか・・・あぁ、不安だぁ・・・。)
心の中に、普段は決して吐かない弱音が溢れてくる。それほどまでに、流派を託したはずの男が頼りないのだ。
(まぁ、心優しいコイツなら、大丈夫だと信じよう・・・。)
強引に納得する事にした。自らが編み出し、作り上げた"殺人剣"の伝承者は、間違った使い道をしてはならない。
今の征夜なら、少なくともその心配がないと信じれる。流派の存続は、二の次である。
皮肉な話である。僅か10年後に勃発する世界大戦の中で、最も多くの人間を殺すのは、他ならぬ"氷狼神眼流一派"なのだから。
そして、大戦の火蓋は既に切られている。
他ならぬ資正が、アランと結託し"ユニオンフリーダム"に参加した時点で、大戦は始まっているのだ――。
征夜も資正も、その事を知らない。
手塩に掛けて育てた弟子が、同じ屋根の下で鍛錬した弟子と殺し合うのだ。
征夜はその時、深く後悔する。
幅広く弟子をとった事を、殺人剣を世に広めた罪を。自らの無責任さに、血反吐を吐くほどに苦悩する。
責務に蝕まれた道の果てに、彼は全てに絶望する。そして、その救いを"一人の女性"に求めるだろう。
誰も居なくなった荒野の果てに、"彼女"だけが彼を待っているのだから――。
~~~~~~~~~~
「貞宗!」
「いい加減に、他人の名前を盗用するのはやめろ!」
痺れを切らした資正が、少々強い口調で征夜を諌める。
埒が開かないのだ。何十も名前を挙げたが、そのどれもが歴史に名を刻んだ名刀の物である。
「もう良い!先に指針を示す!・・・〇〇之〇〇と言う名前にしろ!」
「え?丸々之丸々ですか?・・・師匠、流石にダサいんじゃ・・・。」
「違うわぁっ!!!」
「ひぃっ!」
流石にブチギレ寸前である。ここまで30分近く、刀の名前だけで悩まれているのだ。たとえ短気な男でなくとも、十分に怒って良い時間だろう。
結論から言えば、指針を示した事は正解だった。いや、もっと早くに示すべきだった。
これまでの迷走が嘘のように、征夜の中で考えが纏まっていく。
「夜の闇を征する・・・闇を・・・征する・・・照らす・・・?氷の刃・・・雪みたいに白い・・・・・・・・・あっ!!!思い付きました!」
どうせなら、愛刀も自らの名前に沿った物にしたい。
そう考え始めると、すぐに自然な名前が完成した。
「"照闇之雪刃"にします!!!僕の愛刀は、照闇之雪刃です!!!」
「うむ。捻りは無いが、良い名前だ。勇者の剣に相応しい名だと思うぞ。」
確かに、捻りは無いだろう。
しかしこれ以上に、勇者の剣に相応しい名も無いだろう。
闇を照らす、雪のように白い刃。読んで字の如く、退魔の刀である。
「取り敢えず、お前の身長に合わせて鞘を作っておいたが・・・入りそうか?」
「あっ!そうか、鞘が使えませんもんね・・・。」
アイスクリスト製の剣は、所有者に応じて変幻自在に進化する。それは、征夜がこれまでの旅路でも実感してきた事だ。
しかし、鉄製の鞘は違う。事実、資正に渡す直前でも、剣は鞘に収まり切って居なかった。
「ここに合わせて・・・。」
チャキンッ!
金属の束が、鞘の入り口にぶつかる軽快な音が響く。サイズは完璧で、刃は過不足なく完全に収まっている。
「おぉ、良かった。もし合わなければ、鍛冶屋に寄らせる必要があるからな。」
「はい!ありがとうございます!!!」
資正は、征夜が握れば日本刀に変化する事を知っていた。
いや、信じていたからこそ鞘を用意していたのだ。
(日本刀に変化した・・・それ即ち、我が流派を完全に会得したと言う事・・・見事だ。征夜!)
心の中で、密かに称賛の言葉を送る。彼自身には伝えていなかったが、これは"最終試験"も兼ねていたのだ。
もしこれで日本刀に変わらなければ、資正も落胆するところだった。
資正自身も、初めてフローズンエッジを持った日の事を、今でも色鮮やかに思い出せる。
そしてその姿が、ある日を境に完全な日本刀へと進化した事も、鮮明に思い出せた。
今にして思えば、彼はあの日。剣の道に、新たな悟りを開いたのだろう。そして、その悟りを以って異世界の邪神と渡り合った。
どんな悟りだったか、それを思い出す事も難しいほどに、遠い過去の記憶。そんな日々も、かけがえの無い思い出だ。
しかし、何かが引っ掛かる。
何か、とんでもない事を思い出しそうな気配がある。
目を瞑れば、そこは戦乱の世界。世界を救った後、再び召喚された地。
握り締めた刀は折れ、手には血が付いている。そして足元には、"一人の女"が転がっている――。
征夜は再び礼を述べると戸棚を開け放ち、今度こそ出立の姿勢を取る。そこで資正は、遂に肝心な事を思い出した。
「・・・あれから300年・・・まさか!おい!其方に聞きたい事がある!」
ボソボソと呟いてから、引き攣った表情で征夜に迫る。その顔には、確かな焦りが感じられる。
「・・・?そんなに慌てて、どうされたんですか?」
「其方・・・"吹雪の剣豪"から数えて、何代目の吹雪家長男だ!」
突拍子もない事を突然聞く。当然、征夜は面食らってしまうが、師の質問に答えない訳には行かない。
以前見せられた家系図を思い描き、名前の塗りつぶされた"初代当主"までの線を遡る。そしてその本数は、13本だったと思われる。
「えぇと・・・確か"13代目"ですね。それがどうしました?」
ケロッとした表情で聞き返すが、資正の顔色が明らかに悪化している。
唇は青くなり、まるで"亡霊"を見たかのような表情となったまま、固定されてしまう。
「・・・・・・最悪だ・・・。」
「え?何がですか?」
言葉が短くて、意味が伝わらない。しかし、何か悪い事であるのは察する事が出来る。
「長くなる上に、詳しくは言えない・・・。
しかし、これだけは言える。お前は強い!どんな困難にも屈するな!そして幸福に生きろ!
掴み取った幸福を、誰にも奪われるな!守り、そして墓まで持って行け!・・・分かったな!」
肩を揺さぶりながら、大声で喝を入れられる。脳を揺さぶられる、頭が痛くなってくる。
「わ、分かりましたぁ・・・お心遣い・・・感謝いたしますぅ・・・目が・・・回るぅ・・・。」
「少し待っておけ!すぐに戻ってくる!」
資正は目を回している征夜を留め置くと、凄まじい速さで蔵へと向かった。そして、言った通りすぐに戻って来た。
その手には、細長い棒状の何かが握られている。長さは掌より少し大きいくらいだ。
「コイツを持っていけ!片時も放さずに持っていろ!お前と、"お前が守りたい物"を守ってくれる!」
「分かりました!ありがとうございます!これは・・・ナイフですか?」
渡された物をよく見ると、それは刃物である。持ち手は木製で、刃は錆びているようだ。
「"ないふ"が何なのかは知らん。だが、"短刀"と言う意味なら合っている。
これは、我が家に伝わる"秘宝"のような物だ。大切に使う必要はない。使い潰して構わない。
ただ、何があっても捨てるな!肌身離さず持っておけ!分かったな?」
「わ、分かりました!」
勢いに押されて返事する。そこに判断など必要ない。
征夜は渡された短刀を、左胸にある内ポケットに入れた。
「それでは!今度こそ!行って参ります!!!」
「お、おぉ・・・気を付けてな・・・。」
見送る声に、何故か力が篭っていないのを感じながら、征夜は道場の門をくぐり、太陽に照らされた草原に駆け出して行った――。
征夜の姿が完全に見えなくなったから、資正は頭を抱えて座り込んでしまった。大きく取り乱し、泣きそうな声を上げている。
「なんて事だ・・・!アイツは、"呪われた星の元"に生まれている!」
孫のように可愛がっていた、"自らの末裔"を待つ運命が、彼には見えているようだ――。
―――――――――――――――
「どうかされましたか?」
何も知らない清也。いや、今日からは"征夜"となる男は、不思議そうに資正を覗き込む。
今、この瞬間に判明した数奇な運命の巡り合わせに、微塵も気付いていないようだ。
「その名字・・・由来はあるか?」
あえて遠回しに聞いてみる。万が一にも違っていたなら、それはそれで良いだろう。しかし"征夜"の答えは、資正の考えた通りの物だった――。
「"吹雪の剣豪"って言うご先祖様が、殿様から貰ったんです!吹雪を利用して敵陣に入った姿が、凄かったからだそうです!」
資正は、思わず大きなため息を漏らす。様々な感情が現れては消え、取るべき反応が見当たらない。
「"剣豪"かぁ・・・。」
首を傾げながら否定も肯定も出来ないような、不思議な表情を浮かべている。
遥かな未来にまで伝わった古の出来事を、人は"伝説"と言う。しかし、資正にとっては"伝説ですら無い"のだ。
(・・・まぁ、良いか。)
結局、資正は征夜の話を受け流す事にした。"吹雪の剣豪"を如何に褒めようとも、征夜は実際に彼をみたわけでは無いのだ。
正確には、"若き日の彼を"である――。
少なくとも彼は、吹雪の中を切り込んで行く男が、どんな姿であったのか知らない。だからこそ、征夜の中にいる剣豪は"架空の人物"なのだ。
その偶像を否定し、今更になって"見知った男"の姿を嵌め直す必要も無いだろう。
(我が血脈は生きていた・・・それで良いとするか・・・。)
あらゆる感慨が脳裏を駆け巡り、どう反応すれば良いか分からない。
人の親として考えれば、目の前の居る男は"一人息子の子孫"でも有るのだから、別れた時には両手に収まる大きさだった赤ん坊が、子を成すまで成長出来た事を嬉しく思う。
そして、以前聞いた話によれば、自分が授かった土地は一族繁栄の礎となったらしい。それならば"異世界転移"後も、自分がした事は無駄では無いと信じられる。
剣道師範としては、正直言って感動した。
結果的に"一子相伝"となってしまった技は、他ならぬ"自らの末裔"に受け継がれたのだ。それほど嬉しい事もない。
だが同時に、落胆もする。他人として接して来たから、これまでの驚異的な出来事にも動揺出来た。
しかし血縁者となっただけで、運命と言う"軽はずみな決まり事"の関与を、疑わずにはいられない。
取り敢えず、一族は途絶えていない。それが判明した事だけを、感慨として受け止める事にした。
「では吹雪征夜よ。これからも精進するのだぞ。」
「はい!僕も、"ご先祖様や師匠"に近づけるように頑張ります!」
「お、おう・・・そうだな・・・。」
何とも言いようがない上に、何も言えない資正は、適当に相槌を打った――。
~~~~~~~~~
「ご馳走様です!やっぱり師匠のご飯は美味しいです!」
「そうかそうか、それは良かった。」
淡白な声で返事をするが、顔は笑っている。
資正は、素直になれない人なのだろう。征夜にもそれは分かっていた。
箸を置いた征夜は、いつも通り食器と盆を台所に持っていく。
この家でこの動作をするのも、今回で最後だろう。その実感が、征夜の心を寂しくさせる。
「これで・・・最後ですね・・・。」
「・・・あぁ。」
しみじみと、四ヶ月半の日々を想起する。激動の日々ではあったが、なんだかんだで楽しかった。
それはひとえに資正が、厳しくも優しい心持ちで支え続けてくれたから。
(あぁ・・・こんな感じなのか・・・。)
卒業式で泣いていた同級生の気持ちが、やっと理解できた。
過ごした期間は違えども、感じる思いは同じなのだ。別れるのは惜しいし、慣れた環境を巣立つのは寂しい。
(・・・でも、僕がやらなきゃダメなんだ!世界を救わないと!)
無言で拳を握りしめ、決意を固める。たとえ寂しくとも、名残惜しくとも、止まっているわけには行かないのだ。
世界は"救世主・勇者"の登場を求めているのだから。征夜には、その想いに応える義務がある。
「師匠!」
「どうした?」
「この恩は、これからの活躍を以って報いらせて頂きます!伝承者としての責務も、必ず果たす覚悟です!
四ヶ月半に渡るご指導ご鞭撻、本当にありがとうございました!!!!!」
長々と感謝の言葉を述べる。それを見た資正は、完全に呆気に取られているようだ。
「それでは、行って参ります!!!」
勢いよく宣言し、台所から連なる戸口を開け放つ。そして資正に大きく頭を下げると、玄関に置かれた草履に片足を突っ込む。
「ちょっと待てい!一体どこ行く気だ!?」
いつになく慌てた様子で征夜を静止するが、彼の意志は止まらない。
「待っている人々がいます!・・・では!」
もう片方の草履も履き、完全に出発する気配を出しつつある。しかし彼の装備には、何かが足りない――。
「刀!刀を忘れとるぞ!」
「え?刀・・・?刀って・・・・・・・・・ああぁぁぁッッッ!!!!!僕の剣!」
完全に忘れていた。四ヶ月前に、半ば強奪される形で没収された彼の愛剣は、記憶の中からも消えていた。
「帯刀を忘れる剣士など、聞いた事ないぞ・・・。」
「す、すいません・・・。」
腰に重みが足りないとは思っていたが、まさか武器そのものを忘れていたとは思えなかった。自分の間抜けっぷりに、自然と笑みが溢れてしまう。
「これがお前の剣だ。預かった日より、ずっと保管しておいた。」
資正はそう言うと、背後に置いた細長い箱を取り出した。
目には見えないが、直感と気配で分かる。その箱の中に、征夜の愛刀が仕舞われている。
だが、一つだけ困った事がある。それは他でもない、剣の形についてだ。
「師匠・・・申し訳ないのですが、その剣は使えません・・・。」
「・・・何故だ?」
「僕はずっと、片刃の木刀で鍛錬を重ねてきました。
だからこそ、今になって両刃の剣を振るっても、力が出せない気がするんです。」
「・・・確かに、某も初めてコイツを握った時は戸惑った。人生で初めて見る形状の刃だったのでな。何度も、自らの剣で足を斬りそうになったものよ・・・。」
そんな様子、今の資正からは全く想像出来ない。しかし彼の表情を見るに、嘘ではなさそうである。
征夜はゲームや漫画などで、西洋剣を何度も目にしてきた。
しかし彼は違う。全く未知の形状の剣を突然渡されて、世界を救えと言われたのだ。戸惑いもする。
「慣れれば氷狼神眼流の技自体は、西洋剣でも十分に使える。
それはそれとして、早く握ってみるが良い。もし本当に日本刀を使いたいなら、剣はお前に答えてくれる。」
「・・・はい?分かりました・・・。」
どうにも腑に落ちないが、握れと言われればそうする他にない。差し出された箱を開け、剣を包む布を剥ぎ取る。
(僕の剣・・・!)
形状に関して不安があったが、やはり目の前に現れると嬉しくなる。
自分の力で手に入れた剣。もっと言えば、花と共に手に入れた剣。それは眩いほどに輝きながら、征夜の手に収まる瞬間を待っている。
「久しぶりだね!相棒!」
銀色の柄を握り締め、勢いよく箱から取り出した。そして、天に向かって掲げてみる。
窓から降り注ぐ太陽の光が、白い刀身に反射してキラリと輝く。そして、その輝きは段々と強くなる――。
「な、なんだっ!?震えて・・・眩しいっ!」
輝きだけでは無い。剣そのものが振動し、刀身に秘めた煌めきを部屋全体に拡散する。
ダイヤモンドダストのように美しい光の粒が、刀全体を覆い隠し、その輪郭を包み込む――。
目を開けた征夜は、手にかかる重みが増しているのを感じた。
恐る恐る目線を上げると、そこに有るのは見知った剣では無かった――。
「・・・"日本刀"だ!!!」
あまりの美しさに、一瞬だけ反応が遅れた。
そして直後に訪れたのは、歓喜と興奮の叫びだ。
80センチほどの、巨大な日本刀。しかし、一般的な長さでは征夜の背丈に合わないので、このくらいが丁度良い。
持ち手は小さいが、銀色の鉄で出来ており、かなり頑丈な造りである。
刃はそこまで反っておらず、征夜のような駆け出しの剣士でも、扱いやすそうな形状である。
そして何より目を引くのは、より輝きを増した純白な刀身である。
以前より、心を引き込むような"怪しい魅力を持った剣"ではあったが、その美しさにも磨きが掛かっていた――。
~~~~~~~~~~
「某はこう呼んでいる。"白夜の太刀"と・・・。
これは持ち主によって特徴のある刀だ。お前の好む名を付けるが良い。その方が、より大きな力を出せる。」
資正の言いたい事を捕捉すると、"白夜の太刀"は総称なのである。鉄の剣や、神秘の剣と変わらない。いわば、一般的な通り名である。
しかしそこに、固有の名前を刻む事で、刀はより大きな力を発揮する。
世に多くある名刀にも、それぞれに名前がある。"鉄の剣"と言う名の刀は、今日に伝わっていないだろう――。
「・・・勇者の剣!だと、流石に合わないなぁ・・・。日本刀の名前・・・何があるかな・・・?」
自問自答し、様々な名前を出してみる。しかし、考えてもあまり出てこない。
「"天野叢雲"とか・・・どうでしょう?それか・・・"草薙の剣"?」
どこからツッコミを入れれば良いのか。これが分からない。資正は取り敢えず、初歩的な点から解きほぐす事にした。
「・・・まさか知らんのか?その二つは"同一の剣"だぞ?」
「えぇっ!?そうなんですか!?」
あまりの無知さに、思わず笑いそうになってしまう。しかしここで笑っては、2個目のツッコミを入れる事が出来ない。
「自分が皇族だと本気で思うなら、その名前でも良いと思うが・・・。」
「えぇっ!?草薙の剣って皇族の剣なんですか!?」
「・・・そうだ。」
日本三種の神器。それでいて、日本人なら知らぬ者は居ない、名実ともに"伝説の剣"であるはずのそれを、征夜は殆ど知らないようだ。
その無知さには、笑いを通り越して絶望すら感じてしまう。
(コイツに伝承者を任せて・・・本当に良いのだろうか・・・あぁ、不安だぁ・・・。)
心の中に、普段は決して吐かない弱音が溢れてくる。それほどまでに、流派を託したはずの男が頼りないのだ。
(まぁ、心優しいコイツなら、大丈夫だと信じよう・・・。)
強引に納得する事にした。自らが編み出し、作り上げた"殺人剣"の伝承者は、間違った使い道をしてはならない。
今の征夜なら、少なくともその心配がないと信じれる。流派の存続は、二の次である。
皮肉な話である。僅か10年後に勃発する世界大戦の中で、最も多くの人間を殺すのは、他ならぬ"氷狼神眼流一派"なのだから。
そして、大戦の火蓋は既に切られている。
他ならぬ資正が、アランと結託し"ユニオンフリーダム"に参加した時点で、大戦は始まっているのだ――。
征夜も資正も、その事を知らない。
手塩に掛けて育てた弟子が、同じ屋根の下で鍛錬した弟子と殺し合うのだ。
征夜はその時、深く後悔する。
幅広く弟子をとった事を、殺人剣を世に広めた罪を。自らの無責任さに、血反吐を吐くほどに苦悩する。
責務に蝕まれた道の果てに、彼は全てに絶望する。そして、その救いを"一人の女性"に求めるだろう。
誰も居なくなった荒野の果てに、"彼女"だけが彼を待っているのだから――。
~~~~~~~~~~
「貞宗!」
「いい加減に、他人の名前を盗用するのはやめろ!」
痺れを切らした資正が、少々強い口調で征夜を諌める。
埒が開かないのだ。何十も名前を挙げたが、そのどれもが歴史に名を刻んだ名刀の物である。
「もう良い!先に指針を示す!・・・〇〇之〇〇と言う名前にしろ!」
「え?丸々之丸々ですか?・・・師匠、流石にダサいんじゃ・・・。」
「違うわぁっ!!!」
「ひぃっ!」
流石にブチギレ寸前である。ここまで30分近く、刀の名前だけで悩まれているのだ。たとえ短気な男でなくとも、十分に怒って良い時間だろう。
結論から言えば、指針を示した事は正解だった。いや、もっと早くに示すべきだった。
これまでの迷走が嘘のように、征夜の中で考えが纏まっていく。
「夜の闇を征する・・・闇を・・・征する・・・照らす・・・?氷の刃・・・雪みたいに白い・・・・・・・・・あっ!!!思い付きました!」
どうせなら、愛刀も自らの名前に沿った物にしたい。
そう考え始めると、すぐに自然な名前が完成した。
「"照闇之雪刃"にします!!!僕の愛刀は、照闇之雪刃です!!!」
「うむ。捻りは無いが、良い名前だ。勇者の剣に相応しい名だと思うぞ。」
確かに、捻りは無いだろう。
しかしこれ以上に、勇者の剣に相応しい名も無いだろう。
闇を照らす、雪のように白い刃。読んで字の如く、退魔の刀である。
「取り敢えず、お前の身長に合わせて鞘を作っておいたが・・・入りそうか?」
「あっ!そうか、鞘が使えませんもんね・・・。」
アイスクリスト製の剣は、所有者に応じて変幻自在に進化する。それは、征夜がこれまでの旅路でも実感してきた事だ。
しかし、鉄製の鞘は違う。事実、資正に渡す直前でも、剣は鞘に収まり切って居なかった。
「ここに合わせて・・・。」
チャキンッ!
金属の束が、鞘の入り口にぶつかる軽快な音が響く。サイズは完璧で、刃は過不足なく完全に収まっている。
「おぉ、良かった。もし合わなければ、鍛冶屋に寄らせる必要があるからな。」
「はい!ありがとうございます!!!」
資正は、征夜が握れば日本刀に変化する事を知っていた。
いや、信じていたからこそ鞘を用意していたのだ。
(日本刀に変化した・・・それ即ち、我が流派を完全に会得したと言う事・・・見事だ。征夜!)
心の中で、密かに称賛の言葉を送る。彼自身には伝えていなかったが、これは"最終試験"も兼ねていたのだ。
もしこれで日本刀に変わらなければ、資正も落胆するところだった。
資正自身も、初めてフローズンエッジを持った日の事を、今でも色鮮やかに思い出せる。
そしてその姿が、ある日を境に完全な日本刀へと進化した事も、鮮明に思い出せた。
今にして思えば、彼はあの日。剣の道に、新たな悟りを開いたのだろう。そして、その悟りを以って異世界の邪神と渡り合った。
どんな悟りだったか、それを思い出す事も難しいほどに、遠い過去の記憶。そんな日々も、かけがえの無い思い出だ。
しかし、何かが引っ掛かる。
何か、とんでもない事を思い出しそうな気配がある。
目を瞑れば、そこは戦乱の世界。世界を救った後、再び召喚された地。
握り締めた刀は折れ、手には血が付いている。そして足元には、"一人の女"が転がっている――。
征夜は再び礼を述べると戸棚を開け放ち、今度こそ出立の姿勢を取る。そこで資正は、遂に肝心な事を思い出した。
「・・・あれから300年・・・まさか!おい!其方に聞きたい事がある!」
ボソボソと呟いてから、引き攣った表情で征夜に迫る。その顔には、確かな焦りが感じられる。
「・・・?そんなに慌てて、どうされたんですか?」
「其方・・・"吹雪の剣豪"から数えて、何代目の吹雪家長男だ!」
突拍子もない事を突然聞く。当然、征夜は面食らってしまうが、師の質問に答えない訳には行かない。
以前見せられた家系図を思い描き、名前の塗りつぶされた"初代当主"までの線を遡る。そしてその本数は、13本だったと思われる。
「えぇと・・・確か"13代目"ですね。それがどうしました?」
ケロッとした表情で聞き返すが、資正の顔色が明らかに悪化している。
唇は青くなり、まるで"亡霊"を見たかのような表情となったまま、固定されてしまう。
「・・・・・・最悪だ・・・。」
「え?何がですか?」
言葉が短くて、意味が伝わらない。しかし、何か悪い事であるのは察する事が出来る。
「長くなる上に、詳しくは言えない・・・。
しかし、これだけは言える。お前は強い!どんな困難にも屈するな!そして幸福に生きろ!
掴み取った幸福を、誰にも奪われるな!守り、そして墓まで持って行け!・・・分かったな!」
肩を揺さぶりながら、大声で喝を入れられる。脳を揺さぶられる、頭が痛くなってくる。
「わ、分かりましたぁ・・・お心遣い・・・感謝いたしますぅ・・・目が・・・回るぅ・・・。」
「少し待っておけ!すぐに戻ってくる!」
資正は目を回している征夜を留め置くと、凄まじい速さで蔵へと向かった。そして、言った通りすぐに戻って来た。
その手には、細長い棒状の何かが握られている。長さは掌より少し大きいくらいだ。
「コイツを持っていけ!片時も放さずに持っていろ!お前と、"お前が守りたい物"を守ってくれる!」
「分かりました!ありがとうございます!これは・・・ナイフですか?」
渡された物をよく見ると、それは刃物である。持ち手は木製で、刃は錆びているようだ。
「"ないふ"が何なのかは知らん。だが、"短刀"と言う意味なら合っている。
これは、我が家に伝わる"秘宝"のような物だ。大切に使う必要はない。使い潰して構わない。
ただ、何があっても捨てるな!肌身離さず持っておけ!分かったな?」
「わ、分かりました!」
勢いに押されて返事する。そこに判断など必要ない。
征夜は渡された短刀を、左胸にある内ポケットに入れた。
「それでは!今度こそ!行って参ります!!!」
「お、おぉ・・・気を付けてな・・・。」
見送る声に、何故か力が篭っていないのを感じながら、征夜は道場の門をくぐり、太陽に照らされた草原に駆け出して行った――。
征夜の姿が完全に見えなくなったから、資正は頭を抱えて座り込んでしまった。大きく取り乱し、泣きそうな声を上げている。
「なんて事だ・・・!アイツは、"呪われた星の元"に生まれている!」
孫のように可愛がっていた、"自らの末裔"を待つ運命が、彼には見えているようだ――。
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