え！？私が公爵令嬢なんですか！！（旧聖なる日のノック）

朝市

ん～～～よく寝た！！！

ピュリはサクサク朝支度を済ませて、庭に出て飛んで朝市に出掛けた。もちろんまだみんな夢の中！
美味しい新鮮なお魚で皆に朝食を作る予定なのである。


「な～～そこのうちの姫様」

ん？？なんか腹の底が冷えるような声色が…………

おそるおそる振り向くと……


「ダリアード！！！」
ピュリ

ダリアードが背中の羽を羽ばたかせ空で仁王立ち？？で立っていた。


「なぁ……。俺言ったよな？」
ダリアード



「？」
ピュリ

ピュリは首を曲げる。

この姫さん……わかってねーな。


「一人でふらふらするなと言っただろ！！！」
ダリアード


「えーーっ。だって空だし安全でしょ？」
ピュリ


「どうしてそう思う？？空にはワイバーンや……飛行種の魔物や、竜人、鳥族。空を飛ぶことが出来る種族は案外いるんだぞ。」
ダリアード



「でも……だって」
ピュリ


「「でも」も「だって」もいらん。いいかピュリは公爵家の姫で、愛し子で、俺の大切な番なんだ！！！！どこか行くときは必ず誰か連れていけ。空から俺が行くから」
ダリアード



「分かった……ごめんなさい」
ピュリ



ダリアードはニコッと微笑んでピュリの手を繋いだ。


「で？どこに行くんだ？」
ダリアード



「あのね、朝市に行きたいの！！新鮮なお魚で皆の朝食を作ろうかなって」
ピュリ


ガッツポーズで話すピュリの可愛さにダリアードはクラクラしそうだ。俺の番が可愛いすぎるんだが……。



「よし、なら朝市に行くか！！」
ダリアード



「うん！！！」
ピュリ


二人は手を繋いだまま朝市に着いた。

朝市は沢山の人でにぎわっていた。


「うわーーーっ！！！朝どりの魚が沢山！！」
ピュリ


「うまそうだなー」
ダリアード


ピュリは鮭に似た魚と、タコ、エビ、ホタテ、まぐろを購入した。


ついでに、二人で串にささった焼きサザエや貝を
食べた。匂いに負けたのだ


「朝からしあわせ～～」
ピュリ


「だな～」
ダリアード


綺麗な桜色の貝殻や傷が少しついたパールを貧しそうな服の女の子が一生懸命声を出して売っていたのでピュリは全て購入した。女の子は少し涙を滲ませて感謝をのべて家に帰っていった。

ん～どこの国にも貧困層はいるのね。


「どうした？ピュリ」
ダリアード


「ん？少し考え事」
ピュリ


貧困層の人達がせめて生活を苦しまなくていい何か仕事があればいいのよね。

女の子から買った桜貝と、パールはキラキラと
光っていた。これ何に使おうかな～ビーズみたいに使えないかしら。


「さ、みんな起きる前に帰るんだろ？」
ダリアード


ハッ！


「そうだった！！！急いで帰って朝食を作らないと」
ピュリ



「だよな～」
ダリアード

ダリアードはひょいっとピュリを横抱きにして凄いスピードで　帰宅。


「……はやっ」
ピュリ


「だろ？」
ダリアード


早すぎて横抱きの余韻もあったものではないな～と内心苦笑しながらもピュリはダリアードを連れてキッチンに向かった。


「さーーて作るぞー」
ピュリ