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しおりを挟む私は、バイオリンができるまでの時間で屋敷の使用人の雇用をすることにした。
使用人の雇用をすれば、今いる使用人達に「自分たちの代えはいくらでもいる」と思わせることができる。それに、新しく雇用した使用人達の教育をわたしが行えば、セリアが教育をして、サラに嫌がらせをしてきた使用人達と対立することができる。
「ハーベル、屋敷の使用人の募集を出してくれる?数はだいたい15人くらいでお願い」
"ハーベル"とは、ポートマン家の執事長で、サラへの嫌がらせに対しては中立的な立場を示していた。
ハーベルは、サラへの嫌がらせ自体は知っていたと思うけど、特に口を出すこともなかった。
「分かりました。平民出身の者も含めますか?」
「そうね……平民出身も含めてくれるかしら?応募人数が500人になったら締め切りにしてくれる」
「分かりました。では、選抜の方は私が……」
「まって、選抜は全員私が行うわ」
「大丈夫ですか?500人ともなればかなり大変ですよ」
「大丈夫よ」
「分かりました。何かありましたらすぐに言ってください。くれぐれも無理をなさらないように」
私が転生する前のサラは公爵夫人としての仕事を何一つこなせていなかったからハーベルが心配するのも無理ないのでしょう。
「奥様、使用人の雇用の件ですが、応募人数が500人になりました。こちらが、応募者に関する資料です」
「もう⁉︎まだ募集を出してから2日も経ってないわよ」
「ポートマン家は、公爵家の中でもかなり権力が強く、何より領地民から慕われていますからすぐ集まるのだと思います」
ハーベルは応募者の資料500枚を私の机に置くと、もう一度心配そうに私の方を見てきた。
「心配しなくて大丈夫よ。それに、分からないことが会ったらすぐにあなたを呼ぶから」
「そうですか……」
彼はまだ不安そうだったが、私の部屋から出て行った。
「さてと、始めようかしら」
私は書類を1枚目から順番に目を通し始めた。
応募してる人のほとんどは男爵家や子爵家の者がほとんどで中には伯爵家のものもいたが平民の数はかなり少なかった。おそらく平民のほとんどが礼儀作法の教育を受けられていないからだと思う。
私はその中から噂をするのが好きそうな人たちを選んだ。なぜなら、すでに貴族の間に広がった"サラは出来損ないの公爵夫人である"というような噂に上書きするように今の私の噂を流してもらうため。
「ハーベル、この人たちに書類選考合格の手紙と面接の日程を送っておいてくれる?」
ハーベルはその人たちの資料をパラパラと眺めると一度頷いた。
「承知しました。面接も夫人が行いますか?」
「ええ、そのつもりよ」
面接の日までは時間があるから本を読むことにした私は書斎に行った。
本を途中まで読んでいるとある違和感に気づいた。
(この先の内容が分かる……)
サラの記憶を辿るとすぐにその答えが分かった。仕事も取られ、社交界にも出なくなったサラは毎日のように本を読んでいた。
そのおかげで、私はこの世界に関する知識が多くあった。
「この知識はこの先の人生で役に立ちそう」
サラが生かしきれなかった知識量を私は生かすことができると思った。
私は、すでに内容を知ってる本を読む気にはなれなくて私は本を読むのをやめて、特にすることも無く時間が過ぎていき、ついに面接の日になった。
その日の面接は特に問題もなく終わったが、一つあるとすれば皆、面接官が"あの"公爵夫人であることに驚いていたが、最終的に私に対して好印象を持ってくれたと思う。
問題はそれから……
「面接は以上になります。今日の結果は後日手紙でお伝えします」
面接の初日が終了して、5人の応募者の面接が終わった。
「あと3日か……」
私が部屋で休んでいると、突然大きな足音と共に部屋のドアが開いた。
「奥様!」
そこにいたのは、顔を真っ赤にして怒っているセリアがいた。
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