爺ちゃんとミノルの会話

マー坊

文字の大きさ
3 / 28

「爺ちゃんとミノル」の会話(1)~3

しおりを挟む
(11)
 
 
「友だちの中には給食費が払えない子がいるんだよ」
「そっか~。国が守ってくれるとは言え辛いの~」
「だからね、やりたい仕事よりお金に困らない仕事が良いと思ったんだ」
「そりゃあ辛いの~」
「だからね、楽をして簡単にお金が儲かる仕事を選ぶ子もいるよ」
「どんな仕事を考えているんじゃ?」
「それはね株で儲けるとか、ブログを作って広告を載せるの。売り上げの何パーセントか貰えるんだって」
 
 
「ほ~近ごろは株以外にもいろいろあるんじゃのう」
「テレビゲームを作ったり戦ったりして儲ける方法もあるよ」
「お金儲けっていろいろあるんじゃのう」
「だから僕は毎月キチンとお金がもらえる仕事をしたいんだ」
「社会に必要とされる会社じゃったら社会貢献にもなるからの~」
「でしょ?」
 
 
「ミノルは会社員以外にやりたい仕事は無いんか?」
「本当はね、宇宙飛行士なんだ」
「そりゃあまたでっかい話じゃのう(笑)」
「でも無理だと思うよ」
「何でじゃ?」
 
 
 
(12)
 
 
「高所恐怖症だから(笑)」
「そっか~、そうじゃろうの、お爺ちゃんも同じじゃ(笑)」
「お爺ちゃんもそうなの(笑)」
「そう言やあ星空が好きじゃったの~」
「うん、お爺ちゃんの撮った天体写真を見るのも好きだったよ」
「そっか~、嬉しいのう」
 
 
「ミノルこんなことを考えたことはないか?」
「こんなことって?」
「お金を稼がんでも好きな仕事をしたいって」
「それは趣味のことじゃないの?」
 
 
「趣味は仕事じゃないからの」
「好きなことは仕事にならないってお父さんが言ってたよ」
「仕事はお金を稼ぐこと好きなことは趣味でやること。それが普通じゃからの~」
「だから友だちは好きなことでお金を稼ぐ仕事を選ぶんだね」
「そうじゃの~。お金を稼がんでも生活できる社会なら誰もが好きな仕事を選ぶんじゃがの」
「そんな夢のような社会が出来たら良いな」
 
 
「それに近い社会は出来るぞ」
「ホント?」
「みんなが作ろうと思えばがじゃが(笑)」
「それってどんな社会なの?」
 
 
 
(13)
 
 
「パソコンで調べてみな」
「わかった、何を検索すればいいの?」
「ベーシックインカムと書いて検索してみろ」
「所得補償制度の一つですべての国民に一定額の生活費を支給する制度だって」
「簡単に言うとそういうことじゃのう」
「これってお爺ちゃんがもらっている年金のようなものだね」
「そうなんじゃ。すべての国民が生活できるお金を保障する制度なんじゃ」
 
 
「それなら安心して好きな仕事が出来るんだね」
「だから誰もが働くことが楽しくなるんじゃ」
 
 
「そんなに良いことならベーシックインカムをやれば良いのに」
「それがの~反対する者が多いんじゃ」
「どうして反対するの?」
「財源が無いだの、働く人が居なくなるだの、資源が無駄に使われるんじゃないかとかの」
「お爺ちゃんの話なら働くことが楽しくなるんじゃないの?」
「今の世の中は働くことは辛いことだと思い込んでいるからの~」
「だから遊んで暮らしたいって思っているんだね」
 
 
 
(14)
 
 
「宝くじが当たったら仕事を辞めて遊んで暮らしたいと思う人は多いじゃろうが」
「そんな話はよく聞くよね(笑)」
「日本には勤労の義務があることを忘れての(笑)」
「働くことは楽しいことだと思ってもらうにはどうすればいいんだろう?」
「そうじゃの~やっぱりベーシックインカムがええの~」
「さっき反対意見が多いって言ってたじゃないの」
 
 
「最初は金額を少なく支給して働いて生活費を稼ぐんじゃ」
「それなら残業もしなくて良いし好きな仕事を選べるね」
「そういうことじゃ」
 
 
「それから先どうなるの?」
「ベーシックインカムの支給額を増やしていくと本当に必要な仕事だけ残るんじゃ」
「本当に必要な仕事って?」
「お金儲けの仕事じゃのうてみんなが楽しゅう働ける仕事と生活に必要な仕事じゃな」
「そうすればストレスなんか無くなるかもしれないね」
「働く仕事が少のうなりゃあ一人当たりの労働時間も少のうなるじゃろう」
 
 
 
(15)
 
 
「どのくらい働けばいいんだろうね」
「一日4時間も働けば充分じゃろう」
「それなら遊ぶ時間も増えて働くのが辛くないね」
「お前もお父さんと遊ぶ時間が多いとええじゃろう(笑)」
「うん」
 
 
「ねえお爺ちゃんお爺ちゃんは誰の山の中にいるの?」
「ご先祖さんからの預かり物じゃ」
「預かり物って?」
「わしの物じゃないっちゅうことなんじゃ」
「じゃあ誰の物?」
「地球の物(爆笑)」
「そりゃあそうだろうけど(笑)」
「なんでそんなことを聞くんじゃ?」
「テレビで見たけどね自然を大切にしょうって大人は言うけど不法投棄が多いんだよ」
「そりゃあ昔からある問題じゃのう」
 
 
「だからね、山を持っている人の責任じゃないかって思ったの」
「昔から思ったことなんじゃがの。所有権という権利が邪魔をするんじゃ」
「所有権って?」
「わからんにゃあ検索してみ」
「え~とね、法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利だって」
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

処理中です...