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第五章 スローライフに刺激を
40.王女、お兄様を追いかける ※メアリー視点
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大好きなアドル兄様が城からいなくなって、私は寝れなくなってしまった。いつもあの純粋無垢な寝顔を堪能してからじゃないと寝付けないのだ。
「ふふふ、これが成功しなければお父様を殺してやる」
睡眠不足からか言葉遣いも荒くなり、いつもの可愛い私はどこかへいってしまった。
アドル兄様は皆が認めるほど、この国の貴族に好かれていた。それは単に見た目が良いだけではない。
動きや表情、全てをとっても守りたいと思う保護欲を掻き立てるのだ。現に手出しすることはなく、見守りたいと思う人達が多い気がする。
「メアリーちゃん顔汚いけど大丈夫?」
そんな私に声をかけてきたのは、カンチーガイ伯爵令嬢だ。
彼女は大事な掟を破り、アドル兄様に婚約を申し込んだ不届き者だ。
アドル兄様から婚約を申し込まれたと聞いた時は、学園中が大パニックになったのを今でも覚えている。
学園長まで耳に届き、職権濫用で退学にする手前までいった。
その頃には直接アドル兄様から、令嬢のことは一切知らないし興味がないという言葉で、彼女の勘違いとして落ち着いた。
その時の兄様は自分の才能を開花させるために精一杯だった。
その才能に気づいていないのは当の本人だけだ。
そう思っていたが、糞親父が勘違いしてアドル兄様を城から追い出した。
「メアリーちゃん、顔がもっと汚いよ!」
「呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う」
「ヒイィィ!?」
何かを恐れたのかハエはどこかへいった。ハエといえば、私が作った"アドル兄様ストーカー魔法"が毎回同じ場所で信号がなくなる。
いつも辺境の島付近で情報が届かなくなるのだ。
周辺地域や他の国にも反応はなく、怪しいのはあそこしかない。
ひょっとしたらアドル兄様がいる可能性がある。
可能性が少しでもあるなら、私は準備を整えてその島に行くことにした。
♢
「お嬢ちゃん、本当にこの島で良いのか?」
「はい、多分ここで大丈夫です」
私は船乗りにお礼を伝えて船から降りた。やけに確認をしてくるが、そんなにこの辺境にある島は危ないところだろうか。
周囲を見渡して、アドル兄様の痕跡がないかアドル兄様ストーカー魔法を発動させる。
反応に引っ掛かるまでしばらく時間がかかるだろう。その間は環境の確認をしていく。
海岸の奥は森で、さらにその奥は山がなんとなく見える。
反対に海の向こう側に見えるのはなんだろうか……。
「えっ、ここって辺境の島じゃないの!?」
目の前には地図上に載っている島の姿があった。特徴的な銅像がそこには立っているのだ。
じゃあ、今私のいるところはどこの島なんだろうか。
考えすぎたのか、頭がどんどん重く感じてしまう。
急いで振り返るが、そこにはもう船乗りはいなかった。代わりにいたのは手足が生えた魚だった。
私は幻覚魔法でもかかっているのかと、解除を試みるが奇妙な魚は消えようとしない。
むしろ少しずつ近づいてくる。
ギョロとした目に、ぷっくりとした唇がパカパカと開き歩く姿は夢に出てきそうだ。
もはやその姿は恐怖でしかない。
『いつまでこっち見てるのよ!』
突然、話しかけてきた魚に私の脳は追いつかなくなった。
私はその場で気を失ってしまった。人は受け入れられないことがあると、意識を飛ばしてしまうようだ。
『ふん、急に倒れて気持ち悪い女だわ!』
魚は再び海の中に戻って行った。
「ふふふ、これが成功しなければお父様を殺してやる」
睡眠不足からか言葉遣いも荒くなり、いつもの可愛い私はどこかへいってしまった。
アドル兄様は皆が認めるほど、この国の貴族に好かれていた。それは単に見た目が良いだけではない。
動きや表情、全てをとっても守りたいと思う保護欲を掻き立てるのだ。現に手出しすることはなく、見守りたいと思う人達が多い気がする。
「メアリーちゃん顔汚いけど大丈夫?」
そんな私に声をかけてきたのは、カンチーガイ伯爵令嬢だ。
彼女は大事な掟を破り、アドル兄様に婚約を申し込んだ不届き者だ。
アドル兄様から婚約を申し込まれたと聞いた時は、学園中が大パニックになったのを今でも覚えている。
学園長まで耳に届き、職権濫用で退学にする手前までいった。
その頃には直接アドル兄様から、令嬢のことは一切知らないし興味がないという言葉で、彼女の勘違いとして落ち着いた。
その時の兄様は自分の才能を開花させるために精一杯だった。
その才能に気づいていないのは当の本人だけだ。
そう思っていたが、糞親父が勘違いしてアドル兄様を城から追い出した。
「メアリーちゃん、顔がもっと汚いよ!」
「呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う呪う」
「ヒイィィ!?」
何かを恐れたのかハエはどこかへいった。ハエといえば、私が作った"アドル兄様ストーカー魔法"が毎回同じ場所で信号がなくなる。
いつも辺境の島付近で情報が届かなくなるのだ。
周辺地域や他の国にも反応はなく、怪しいのはあそこしかない。
ひょっとしたらアドル兄様がいる可能性がある。
可能性が少しでもあるなら、私は準備を整えてその島に行くことにした。
♢
「お嬢ちゃん、本当にこの島で良いのか?」
「はい、多分ここで大丈夫です」
私は船乗りにお礼を伝えて船から降りた。やけに確認をしてくるが、そんなにこの辺境にある島は危ないところだろうか。
周囲を見渡して、アドル兄様の痕跡がないかアドル兄様ストーカー魔法を発動させる。
反応に引っ掛かるまでしばらく時間がかかるだろう。その間は環境の確認をしていく。
海岸の奥は森で、さらにその奥は山がなんとなく見える。
反対に海の向こう側に見えるのはなんだろうか……。
「えっ、ここって辺境の島じゃないの!?」
目の前には地図上に載っている島の姿があった。特徴的な銅像がそこには立っているのだ。
じゃあ、今私のいるところはどこの島なんだろうか。
考えすぎたのか、頭がどんどん重く感じてしまう。
急いで振り返るが、そこにはもう船乗りはいなかった。代わりにいたのは手足が生えた魚だった。
私は幻覚魔法でもかかっているのかと、解除を試みるが奇妙な魚は消えようとしない。
むしろ少しずつ近づいてくる。
ギョロとした目に、ぷっくりとした唇がパカパカと開き歩く姿は夢に出てきそうだ。
もはやその姿は恐怖でしかない。
『いつまでこっち見てるのよ!』
突然、話しかけてきた魚に私の脳は追いつかなくなった。
私はその場で気を失ってしまった。人は受け入れられないことがあると、意識を飛ばしてしまうようだ。
『ふん、急に倒れて気持ち悪い女だわ!』
魚は再び海の中に戻って行った。
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