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第一区画
12. 恐るべしパッシブスキル
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俺は武器がなくなったことにショックを受けていた。あれだけ買って準備もしていたのに、武器なしで魔物を倒せとか難易度が跳ね上がる。
俺はその場にしゃがみ込むと、足元に何か物が置いてあることに気づく。
「スコップ……?」
足元には前回使ったスコップが地面に刺さった状態で置いてあった。そして、視界の縁に袋マークとその下に新しく剣と盾のマークが出現していた。
俺はそのマークをタップすると、自分自身にそっくりなマネキンが出てきた。
「これって装備画面ってことか?」
武器の項目にはスコップと記載されていた。その他の装備は表示されずに俺の唯一の装備品はスコップだけだった。
「これでゴブリンを倒せってことか」
俺はスコップを担ぎ、とりあえずゴブリンを見つけるために歩くことにした。
今回も以前と街の雰囲気は同じで、どことなく日本と似ている。異世界にするならもう少し違う環境にしてもらいたいものだ。
最近流行りの異世界転生ならヨーロッパの街並みだろう。それならプチ旅行に行った感じでテンションが上がる。
そんなことを考えながら歩いていた。
「ホブゴブリンってことは、ゴブリンの強いやつってことだよな?」
一般的にゲームやRPG作品に出てくるホブゴブリンはゴブリンの上位種として扱われている。ゲームで出てくるホブゴブリンは武器を持ったり、魔法を使ったりなどゴブリンの進化形のはずだ。
「異世界ってことは魔法も存在するのか?」
魔法の存在にウキウキしながらも、周りを警戒していた。するとゴブリンが単独で何かをしているところを発見した。
「3万円いただきます!」
俺は思いっきりスコップを振りかぶって後ろから攻撃した。
ゴブリンからすれば急に襲い掛かって来る頭のおかしいやつに見えているだろう。しかも、ゴブリンではなく、金として認識しているサイコパスの人だ。
しかし、実際のゴブリンはそんなことを考える暇もなく、ゴブリンの首は宙を舞っていた。
相変わらず殺傷性の高いスコップに驚きだ。
俺は慣れた手つきでゴブリンに触れ、袋に収納しながら周りを見渡していた。ゴブリンが何かを探しているということは人がいる可能性があるからだ。
前回も生殖活動や捕食目的でゴブリンが何かを探している場面が多かった。
「あまり人の存在は感じないな」
その後も歩いていても人には会うことはなかった。
いつのまにかこの異世界にも慣れてきているのか、思考の切り返しが早くなっているように感じた。
「情報技術セクターって思ったよりも使えるな」
実際はスキルの影響で、同時に物事を考えたり意識することがしやすくなっていた。
俺はパッシブスキルの凄さを改めて感じた。
恐るべしパッシブスキル!
「あっ、あっちにもゴブリンがいるな」
俺は物陰に隠れて確認するとそこにはゴブリンが3体居た。近くには女性のように見える死屍があった。いつになったら生きている人間に会えるのだろうか。
俺は相手の視線を逸らすために、近くにあった大きめの石を手に取り投げた。
「ゴフッ!?」
視線を逸らすつもりで投げた石はコントロールできず、そのままゴブリンに当たり頭半分を飛ばしていた。
あまりの衝撃に俺は固まっていた。まさか、石を投げたら頭が半分無くなるとは思ってもいなかった。
ゴブリンの頭が豆腐のように相当柔らかいのか、いつのまにか俺が怪物並みの力を入れたのかどちらかだろう。
「ゴフゴフ!」
一瞬驚いたことで思考は停止していたが、パッシブスキルの影響で思考が加速した。
ゴブリンが気づいた時には、すぐに体は反応できていた。
俺はスコップの柄を再び強く握り、ゴブリン達の方へ向かった。
そのままスコップを土を掬う方を上に向けたまま、鋭利になっている外側を首に刺すように振りかぶった。
それと同時に反対側のゴブリンが殴ってこようとしているのが見えた。
「おっと!」
俺は手を離し一歩後ろに下がった。ゴブリンの攻撃を避けると、そのままスコップを掴み振り抜いた。
掬う方を上に向けることでゴブリンの首が上に向き、切り取りやすいことに気づいた。なぜこう思ったのかわからないが、自然と今の方法が一番効率的だと脳内が判断していた。
「3万円頂きます」
俺はそのまま回転するように残りのゴブリンにスコップを突きつけた。体の途中でスコップは止まったが、そのまま地面に叩きつけた。
「俺って最強じゃない!?」
この時の俺の思考はスキルによる補助で安心していたのだろう。
後方から聞こえる甲高い声に耳を塞ぐ。振り返るとそこにはまた小さなゴブリンが叫んでいた。
女性のお腹は無惨にも破れており、胃や腸のような内臓が飛び出ていた。どうやら女性の死体から飛び出てきたのだろう。
女性はゴブリン達によって孕まされていた。
きっともう少し早ければ助けることができたのかもしれない。
いや、ゴブリンは死体に対しても繁殖行為を行っているのかもしれない。
考えるだけでも吐き気が止まらない。
「お前ら全員殺してやる」
俺の中にあった何かが湧き出るような気がした。
俺はその場にしゃがみ込むと、足元に何か物が置いてあることに気づく。
「スコップ……?」
足元には前回使ったスコップが地面に刺さった状態で置いてあった。そして、視界の縁に袋マークとその下に新しく剣と盾のマークが出現していた。
俺はそのマークをタップすると、自分自身にそっくりなマネキンが出てきた。
「これって装備画面ってことか?」
武器の項目にはスコップと記載されていた。その他の装備は表示されずに俺の唯一の装備品はスコップだけだった。
「これでゴブリンを倒せってことか」
俺はスコップを担ぎ、とりあえずゴブリンを見つけるために歩くことにした。
今回も以前と街の雰囲気は同じで、どことなく日本と似ている。異世界にするならもう少し違う環境にしてもらいたいものだ。
最近流行りの異世界転生ならヨーロッパの街並みだろう。それならプチ旅行に行った感じでテンションが上がる。
そんなことを考えながら歩いていた。
「ホブゴブリンってことは、ゴブリンの強いやつってことだよな?」
一般的にゲームやRPG作品に出てくるホブゴブリンはゴブリンの上位種として扱われている。ゲームで出てくるホブゴブリンは武器を持ったり、魔法を使ったりなどゴブリンの進化形のはずだ。
「異世界ってことは魔法も存在するのか?」
魔法の存在にウキウキしながらも、周りを警戒していた。するとゴブリンが単独で何かをしているところを発見した。
「3万円いただきます!」
俺は思いっきりスコップを振りかぶって後ろから攻撃した。
ゴブリンからすれば急に襲い掛かって来る頭のおかしいやつに見えているだろう。しかも、ゴブリンではなく、金として認識しているサイコパスの人だ。
しかし、実際のゴブリンはそんなことを考える暇もなく、ゴブリンの首は宙を舞っていた。
相変わらず殺傷性の高いスコップに驚きだ。
俺は慣れた手つきでゴブリンに触れ、袋に収納しながら周りを見渡していた。ゴブリンが何かを探しているということは人がいる可能性があるからだ。
前回も生殖活動や捕食目的でゴブリンが何かを探している場面が多かった。
「あまり人の存在は感じないな」
その後も歩いていても人には会うことはなかった。
いつのまにかこの異世界にも慣れてきているのか、思考の切り返しが早くなっているように感じた。
「情報技術セクターって思ったよりも使えるな」
実際はスキルの影響で、同時に物事を考えたり意識することがしやすくなっていた。
俺はパッシブスキルの凄さを改めて感じた。
恐るべしパッシブスキル!
「あっ、あっちにもゴブリンがいるな」
俺は物陰に隠れて確認するとそこにはゴブリンが3体居た。近くには女性のように見える死屍があった。いつになったら生きている人間に会えるのだろうか。
俺は相手の視線を逸らすために、近くにあった大きめの石を手に取り投げた。
「ゴフッ!?」
視線を逸らすつもりで投げた石はコントロールできず、そのままゴブリンに当たり頭半分を飛ばしていた。
あまりの衝撃に俺は固まっていた。まさか、石を投げたら頭が半分無くなるとは思ってもいなかった。
ゴブリンの頭が豆腐のように相当柔らかいのか、いつのまにか俺が怪物並みの力を入れたのかどちらかだろう。
「ゴフゴフ!」
一瞬驚いたことで思考は停止していたが、パッシブスキルの影響で思考が加速した。
ゴブリンが気づいた時には、すぐに体は反応できていた。
俺はスコップの柄を再び強く握り、ゴブリン達の方へ向かった。
そのままスコップを土を掬う方を上に向けたまま、鋭利になっている外側を首に刺すように振りかぶった。
それと同時に反対側のゴブリンが殴ってこようとしているのが見えた。
「おっと!」
俺は手を離し一歩後ろに下がった。ゴブリンの攻撃を避けると、そのままスコップを掴み振り抜いた。
掬う方を上に向けることでゴブリンの首が上に向き、切り取りやすいことに気づいた。なぜこう思ったのかわからないが、自然と今の方法が一番効率的だと脳内が判断していた。
「3万円頂きます」
俺はそのまま回転するように残りのゴブリンにスコップを突きつけた。体の途中でスコップは止まったが、そのまま地面に叩きつけた。
「俺って最強じゃない!?」
この時の俺の思考はスキルによる補助で安心していたのだろう。
後方から聞こえる甲高い声に耳を塞ぐ。振り返るとそこにはまた小さなゴブリンが叫んでいた。
女性のお腹は無惨にも破れており、胃や腸のような内臓が飛び出ていた。どうやら女性の死体から飛び出てきたのだろう。
女性はゴブリン達によって孕まされていた。
きっともう少し早ければ助けることができたのかもしれない。
いや、ゴブリンは死体に対しても繁殖行為を行っているのかもしれない。
考えるだけでも吐き気が止まらない。
「お前ら全員殺してやる」
俺の中にあった何かが湧き出るような気がした。
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