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第一区画
35. 新しい仲間
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俺達は小屋に戻る前にゴブリンの死体を回収する。急に死体が目の前で消えるため桃乃は驚いて目をぱちぱちとしていた。
さすがにこんなことができたら、異世界にいると認識するしかないだろう。触れるだけで回収できるこの世界は本当に便利だ。
その後、小屋の中で桃乃にこの異世界について説明することにした。
「まずここは現実の世界と別の次元の世界になっている。俺の家にあった庭の穴とこの世界は繋がっているんだ」
俺の話に桃乃は何も言わず頷いている。自身の中で整理をしているのだろう。
「穴を通るとこの世界に繋がるが、その時に脳内に直接アナウンスされたと思う。それがこの異世界で行うクエストになっている。視線を一度ズラす縁の方に文字やマークが見えるか? 見えたら一度押してみるといい」
「えっ、なにこれ!?」
桃乃は見つけることができたのか、空中を指でタップしていた。
周りから見たら何もないところを指で突いているため、変わったやつにしか見えないだろう。
俺も誰かに見られていないか気をつけよう。
「それで時間がカウントダウンしていると思うが、後どれくらいになってる?」
「1時間半ぐらいですね」
俺も確認してみるが、どうやら同じ時間経過のため同じクエストを受けているらしい。
「桃乃もポイズンスネークの討伐か?」
俺は確認すると桃乃は少し震えていた。さっきまでポイズンスネークの毒に命の危機まで感じていたのだ。
「ももちゃん大丈夫?」
俺はあえて桃乃の愛称で呼ぶ。愛称で呼ばれた桃乃は俺の顔を見るとくすりと笑った。
「先輩流石にここで、ももちゃんはないです。さっきまで真剣な顔で桃乃って言ってたじゃないですか」
「桃乃……。こんな感じだったか?」
「あはは、先輩それは真顔ですよ」
桃乃は笑いが止まらなくなっていた。どうやら少しは緊張が解れたようだ。
「ふぅ、まずは助けてくれてありがとうございます。ここがどんな世界なのかは理解できて来ました。 先輩も命懸けで私を助けてくれたんですよね?」
「……」
「えっ? 先輩ちょっと……なんで泣いてるんですか!!」
俺は元気な桃乃の声を聞けて自然と涙が溢れていた。
自身のせいで桃乃を異世界に連れてきてしまった罪悪感に押しつぶされそうになっていた。しかし、桃乃は自分の心配よりも俺への感謝の気持ちを伝えてきた。
俺はその気持ちに涙が止まらない。
「ははは、なんで先輩が泣いてるんですか……」
そんな俺の姿を見て桃乃も泣いていた。やっぱり辛かったのだろう、痛かったのだろう。
だんだん自分の体が動かなくなって、死を覚悟することは今まで生きていた中で経験することはないだろう。
「あー、これは嬉し涙だ! ももちゃんが本当に無事でよかった!」
俺達はお互いが生きてることを喜んだ。
こういう時には泣けるだけ泣いたほうがいい。っと思う部分もあるが今は討伐クエストの時間も大事だ。
「さあ、泣き止め! ポイズンスネークを狩りに行くぞ」
俺はポイズンスネークを倒すように気を引き締める。
「えっ? さっきまでの感動の涙は?」
突然のことに桃乃の涙は止まっていた。ある意味うまくいったってことだろう。
「ももちゃんはポイズンスネークに噛まれたのか?」
桃乃に確認すると顔を横に振った。どうやら噛まれたわけではないらしい。
「あいつらは毒を吐くから、噛まれなくても気をつけないとダメです」
どうやら毒液を吐いて毒状態にすることもできるらしい。思ったよりも強敵な相手だろう。
「俺もその魔物を討伐しないといけない。それで提案だが、桃乃が良ければそいつがどこに生息していたか教えてもらえるか?」
俺が桃乃に尋ねると彼女は悩んでいた。
再び命の危険を脅かしたやつのところにまた行くことになるが、本人もどうしたらいいのかわからないのだろう。
「ここから抜け出すには敵を倒してクエストを終えるか失敗するしかない。ただ、俺もまだ失敗したことがないからどうなるかわからない」
まだ討伐失敗した時に何が起こるのかわからなかった。
ひょっとしたらこのまま異世界に取り残される可能性もある。これだけ大金を稼げるということはリスクも相当高いはずだ。ノーリスク、ハイリターンってそんなものは存在しない。
ましてや投資で強くなる世界だ。
決心がついたのか桃乃は立ち上がった。
「今から案内します」
その顔はさっきまでの表情とは違い、勇気にあふれていた。
俺は桃乃の手を取り立ち上がると、今まで見たことなかったウィンドウが表示される。
"パーティーを結成しますか?"
本当にゲームのような世界に驚いたが、パーティー機能も存在していた。
俺はウィンドウをタッチすると、視線の端に桃乃の名前と棒グラフが表示されていた。
「なんかゲームみたいですね」
どうやら桃乃も同じように表示されているのだろう。
「よし、お前達もよろしくな」
俺はコボルトの頭を撫でると尻尾を振っていた。魔物だけどいつ見ても可愛い。戦う時以外は見た目は普通の犬だから異世界の癒しだ。
俺は初めて異世界で人間の仲間を手に入れた。
さすがにこんなことができたら、異世界にいると認識するしかないだろう。触れるだけで回収できるこの世界は本当に便利だ。
その後、小屋の中で桃乃にこの異世界について説明することにした。
「まずここは現実の世界と別の次元の世界になっている。俺の家にあった庭の穴とこの世界は繋がっているんだ」
俺の話に桃乃は何も言わず頷いている。自身の中で整理をしているのだろう。
「穴を通るとこの世界に繋がるが、その時に脳内に直接アナウンスされたと思う。それがこの異世界で行うクエストになっている。視線を一度ズラす縁の方に文字やマークが見えるか? 見えたら一度押してみるといい」
「えっ、なにこれ!?」
桃乃は見つけることができたのか、空中を指でタップしていた。
周りから見たら何もないところを指で突いているため、変わったやつにしか見えないだろう。
俺も誰かに見られていないか気をつけよう。
「それで時間がカウントダウンしていると思うが、後どれくらいになってる?」
「1時間半ぐらいですね」
俺も確認してみるが、どうやら同じ時間経過のため同じクエストを受けているらしい。
「桃乃もポイズンスネークの討伐か?」
俺は確認すると桃乃は少し震えていた。さっきまでポイズンスネークの毒に命の危機まで感じていたのだ。
「ももちゃん大丈夫?」
俺はあえて桃乃の愛称で呼ぶ。愛称で呼ばれた桃乃は俺の顔を見るとくすりと笑った。
「先輩流石にここで、ももちゃんはないです。さっきまで真剣な顔で桃乃って言ってたじゃないですか」
「桃乃……。こんな感じだったか?」
「あはは、先輩それは真顔ですよ」
桃乃は笑いが止まらなくなっていた。どうやら少しは緊張が解れたようだ。
「ふぅ、まずは助けてくれてありがとうございます。ここがどんな世界なのかは理解できて来ました。 先輩も命懸けで私を助けてくれたんですよね?」
「……」
「えっ? 先輩ちょっと……なんで泣いてるんですか!!」
俺は元気な桃乃の声を聞けて自然と涙が溢れていた。
自身のせいで桃乃を異世界に連れてきてしまった罪悪感に押しつぶされそうになっていた。しかし、桃乃は自分の心配よりも俺への感謝の気持ちを伝えてきた。
俺はその気持ちに涙が止まらない。
「ははは、なんで先輩が泣いてるんですか……」
そんな俺の姿を見て桃乃も泣いていた。やっぱり辛かったのだろう、痛かったのだろう。
だんだん自分の体が動かなくなって、死を覚悟することは今まで生きていた中で経験することはないだろう。
「あー、これは嬉し涙だ! ももちゃんが本当に無事でよかった!」
俺達はお互いが生きてることを喜んだ。
こういう時には泣けるだけ泣いたほうがいい。っと思う部分もあるが今は討伐クエストの時間も大事だ。
「さあ、泣き止め! ポイズンスネークを狩りに行くぞ」
俺はポイズンスネークを倒すように気を引き締める。
「えっ? さっきまでの感動の涙は?」
突然のことに桃乃の涙は止まっていた。ある意味うまくいったってことだろう。
「ももちゃんはポイズンスネークに噛まれたのか?」
桃乃に確認すると顔を横に振った。どうやら噛まれたわけではないらしい。
「あいつらは毒を吐くから、噛まれなくても気をつけないとダメです」
どうやら毒液を吐いて毒状態にすることもできるらしい。思ったよりも強敵な相手だろう。
「俺もその魔物を討伐しないといけない。それで提案だが、桃乃が良ければそいつがどこに生息していたか教えてもらえるか?」
俺が桃乃に尋ねると彼女は悩んでいた。
再び命の危険を脅かしたやつのところにまた行くことになるが、本人もどうしたらいいのかわからないのだろう。
「ここから抜け出すには敵を倒してクエストを終えるか失敗するしかない。ただ、俺もまだ失敗したことがないからどうなるかわからない」
まだ討伐失敗した時に何が起こるのかわからなかった。
ひょっとしたらこのまま異世界に取り残される可能性もある。これだけ大金を稼げるということはリスクも相当高いはずだ。ノーリスク、ハイリターンってそんなものは存在しない。
ましてや投資で強くなる世界だ。
決心がついたのか桃乃は立ち上がった。
「今から案内します」
その顔はさっきまでの表情とは違い、勇気にあふれていた。
俺は桃乃の手を取り立ち上がると、今まで見たことなかったウィンドウが表示される。
"パーティーを結成しますか?"
本当にゲームのような世界に驚いたが、パーティー機能も存在していた。
俺はウィンドウをタッチすると、視線の端に桃乃の名前と棒グラフが表示されていた。
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どうやら桃乃も同じように表示されているのだろう。
「よし、お前達もよろしくな」
俺はコボルトの頭を撫でると尻尾を振っていた。魔物だけどいつ見ても可愛い。戦う時以外は見た目は普通の犬だから異世界の癒しだ。
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