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第一区画
65. ダンジョン探索
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俺達はまず現状把握のために今置かれて居る状況を確認することにした。
「ここは豊満な殺戮で間違えないんだよな?」
「ええ、たしか異世界ダンジョンって言ってましたよ」
どうやら桃乃と聞こえてきたアナウンスは同じのようだ。
「それにしても異世界に来たのに、今度は異世界のダンジョンに来たんですね」
俺もそれは不思議に思ったが、きっと異世界の定番であるダンジョンも存在する世界だったということなんだろう。
異世界への副業が既に異世界ダンジョンに近いのにラノベとは全く違う世界のようだ。
もうここまで来るとひょっとしたらラノベの世界も現実のように思えてくる。
現に隣で魔法を使うやつが存在している。
きっと俺の目の前には胸の大きな可愛い女性が現れるのだろう。
「先輩だらしない顔してますよ?」
俺はキリッとイケメンな顔に戻した。これなら問題はないだろう。
「くくく、今度はドヤ顔ですか」
どうやら俺のイケメンだと思っていた表情はドヤ顔らしい。
「とりあえずクイーンキラーアントを倒さないといけないってことだよな」
「……」
急に話を戻すと桃乃は真顔でこちらを見ていた。俺のドヤ顔に対抗するようなその顔に拍手したいぐらいだ。
俺は近くにある松明を一つとり、異世界ダンジョン"豊満な殺戮"の奥に進んで行く。
「先輩って……天然なのかアホなのか謎――」
「おーい、ももちゃん先に行くぞー!」
何か言っていたが、俺の耳には聞こえていなかった。
♢
ダンジョンの中は本当にアリの巣のような構造になっている。
歩くたびにいくつか分岐点はあるものの部屋ごとに分かれていた。行き止まりがあれば、再び道を戻っての繰り返しだ。
「ももちゃんそっちよろしく」
「わかりました」
基本的には道中にキラーアントは存在しておらず、部屋の中にキラーアントが待機していた。
部屋に魔物がいること自体がダンジョンっぽい仕組みだと俺は感じていた。
部屋にいるキラーアントを倒しては回収を繰り返す。
方法は俺がまず部屋に入り、キラーアントを倒す。倒しきれない時や数が多い時は、桃乃がそのサポートをする方向性になっている。
MP量に限度があるため、いざとなった時に桃乃の魔法が必要になるかもしれない。それまでは温存しておく必要があった。
また、部屋が広くないため、魔法を放つのに距離が必要な桃乃には戦いにくい環境だった。近距離タイプの素早いキラーアントと狭い部屋で戦うのは桃乃には難しいだろう。
いざ桃乃が戦って火属性魔法で酸素が減っても困る。
それもあって俺が先に中に入って戦える環境を調整している。
俺に当たったら死ぬかもしれないという中で、桃乃はうまくキラーアントに当てるほどコントロールも抜群だ。
「これでこの部屋も最後か……な!」
「キィー!」
俺はキラーアントの首に魔刀の鋸を差し込むと、部屋にいたキラーアントを全て倒した。
俺と桃乃は死体を回収するとその場で座り込む。
「だんだん数が多くなってませんか?」
この部屋が5つ目だが、開けた時には10体程度存在していた。硬いだけで全く強くないキラーアントもいるが、部屋には数体は少し見た目が違うやつも存在している。
「気のせい……って言いたいけど、確かに数は増えているよな。なにかを守っているのか?」
初めは数匹しかいなかったキラーアントも数が多くなると、この先は何か重要な部屋になっているのかと思ってしまう。
奥に行けば行くほど危険なのは、ラノベのダンジョンと変わらないのだろう。
「私も蟻の習性はわからないので、何とも言えないですね」
「そうだよね。スキルでも蟻と同様の生態とぐらいしか説明されないしな」
どうやら桃乃も流石に蟻の生態までわからない。スキル神光智慧大天使を使っても詳しい情報は得られない。
このスキルも名前はかっこいいが万能ではないようだ。
「とりあえず、部屋の中を物色するか」
俺は桃乃とともに部屋の中に何かないか調べていると、桃乃が俺を呼びにきた。
「先輩、こっちにきてください」
「ああ、今行く!」
俺は桃乃の方に向かうと何かあるのか、桃乃は立ち止まってずっと見ている。
「これってなんだと思います?」
桃乃の手には何か握られていた。大きさとしては手のひらに乗る程度のため、そこまで小さくはない。
「食糧か……?」
桃乃の目線の先には桃乃が持っていた、小さな塊みたいな物が山のように積み上げられていた。
「とりあえず回収しておくか?」
「使えそうなものなら便利ですもんね」
俺と桃乃は半分ずつ袋に回収し、中を確認してみると表示がうまく反映されていない物だった。
――????の種
「????の種?」
どうやら桃乃も同じように表示されていたらしい。
なにかの種らしいが、ドリアードにあった時と同様に知らない物には基本的に"????"と表示されるのだろう。
俺はその場にある何かわからない種を全て回収することにした。
「ここは豊満な殺戮で間違えないんだよな?」
「ええ、たしか異世界ダンジョンって言ってましたよ」
どうやら桃乃と聞こえてきたアナウンスは同じのようだ。
「それにしても異世界に来たのに、今度は異世界のダンジョンに来たんですね」
俺もそれは不思議に思ったが、きっと異世界の定番であるダンジョンも存在する世界だったということなんだろう。
異世界への副業が既に異世界ダンジョンに近いのにラノベとは全く違う世界のようだ。
もうここまで来るとひょっとしたらラノベの世界も現実のように思えてくる。
現に隣で魔法を使うやつが存在している。
きっと俺の目の前には胸の大きな可愛い女性が現れるのだろう。
「先輩だらしない顔してますよ?」
俺はキリッとイケメンな顔に戻した。これなら問題はないだろう。
「くくく、今度はドヤ顔ですか」
どうやら俺のイケメンだと思っていた表情はドヤ顔らしい。
「とりあえずクイーンキラーアントを倒さないといけないってことだよな」
「……」
急に話を戻すと桃乃は真顔でこちらを見ていた。俺のドヤ顔に対抗するようなその顔に拍手したいぐらいだ。
俺は近くにある松明を一つとり、異世界ダンジョン"豊満な殺戮"の奥に進んで行く。
「先輩って……天然なのかアホなのか謎――」
「おーい、ももちゃん先に行くぞー!」
何か言っていたが、俺の耳には聞こえていなかった。
♢
ダンジョンの中は本当にアリの巣のような構造になっている。
歩くたびにいくつか分岐点はあるものの部屋ごとに分かれていた。行き止まりがあれば、再び道を戻っての繰り返しだ。
「ももちゃんそっちよろしく」
「わかりました」
基本的には道中にキラーアントは存在しておらず、部屋の中にキラーアントが待機していた。
部屋に魔物がいること自体がダンジョンっぽい仕組みだと俺は感じていた。
部屋にいるキラーアントを倒しては回収を繰り返す。
方法は俺がまず部屋に入り、キラーアントを倒す。倒しきれない時や数が多い時は、桃乃がそのサポートをする方向性になっている。
MP量に限度があるため、いざとなった時に桃乃の魔法が必要になるかもしれない。それまでは温存しておく必要があった。
また、部屋が広くないため、魔法を放つのに距離が必要な桃乃には戦いにくい環境だった。近距離タイプの素早いキラーアントと狭い部屋で戦うのは桃乃には難しいだろう。
いざ桃乃が戦って火属性魔法で酸素が減っても困る。
それもあって俺が先に中に入って戦える環境を調整している。
俺に当たったら死ぬかもしれないという中で、桃乃はうまくキラーアントに当てるほどコントロールも抜群だ。
「これでこの部屋も最後か……な!」
「キィー!」
俺はキラーアントの首に魔刀の鋸を差し込むと、部屋にいたキラーアントを全て倒した。
俺と桃乃は死体を回収するとその場で座り込む。
「だんだん数が多くなってませんか?」
この部屋が5つ目だが、開けた時には10体程度存在していた。硬いだけで全く強くないキラーアントもいるが、部屋には数体は少し見た目が違うやつも存在している。
「気のせい……って言いたいけど、確かに数は増えているよな。なにかを守っているのか?」
初めは数匹しかいなかったキラーアントも数が多くなると、この先は何か重要な部屋になっているのかと思ってしまう。
奥に行けば行くほど危険なのは、ラノベのダンジョンと変わらないのだろう。
「私も蟻の習性はわからないので、何とも言えないですね」
「そうだよね。スキルでも蟻と同様の生態とぐらいしか説明されないしな」
どうやら桃乃も流石に蟻の生態までわからない。スキル神光智慧大天使を使っても詳しい情報は得られない。
このスキルも名前はかっこいいが万能ではないようだ。
「とりあえず、部屋の中を物色するか」
俺は桃乃とともに部屋の中に何かないか調べていると、桃乃が俺を呼びにきた。
「先輩、こっちにきてください」
「ああ、今行く!」
俺は桃乃の方に向かうと何かあるのか、桃乃は立ち止まってずっと見ている。
「これってなんだと思います?」
桃乃の手には何か握られていた。大きさとしては手のひらに乗る程度のため、そこまで小さくはない。
「食糧か……?」
桃乃の目線の先には桃乃が持っていた、小さな塊みたいな物が山のように積み上げられていた。
「とりあえず回収しておくか?」
「使えそうなものなら便利ですもんね」
俺と桃乃は半分ずつ袋に回収し、中を確認してみると表示がうまく反映されていない物だった。
――????の種
「????の種?」
どうやら桃乃も同じように表示されていたらしい。
なにかの種らしいが、ドリアードにあった時と同様に知らない物には基本的に"????"と表示されるのだろう。
俺はその場にある何かわからない種を全て回収することにした。
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