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第二区画
125. 俺って最強説!?
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ドワーフに俺達が持っている実を中心に渡すと、彼は勢いよく食べていた。それだけ今まで食事をすることがなかったのだろう。
「そういえば、ここの人達って何を食べてたんだ?」
この辺りはどこを見ても砂漠ばかりで食べられるものが存在しない。第一区画では自然豊かなため食べるものはトレントの実を中心に溢れていた。
現に今食べているものも、以前第一区画で取ってきたものだ。
「私達ですか? 基本的に魔物を食べることが多いですが、果物だとヤシの木から食べることが多いかな」
ヤシの木と聞いて俺はアイテム欄から殺人級の強さを持つトレントの実を出した。
「おー、これはまた珍しいものを――」
何個も出すとドワーフは驚いていた。確かに珍しいと思っていたものが、たくさん出てきたら驚くしかない。
トレントとの交友関係が広いだけで、この世界で生きていけるのかもしれない。
「あとは魔物だと何を食べるんだ?」
「基本的には虫系の魔物は食べます。あまり言いにくいのですがオークとかも食べていました」
ギザギザな歯が特徴のサンドワームや悪口にしか聞こえない薄馬鹿野郎、人にしか見えないオークを食べていたということだ。
想像をしたくない食生活をしている。食べる物がなければ人は似た人でも食べてしまうのだろう。
これからは現実世界で食事を食べてから、異世界に行くことにしよう。
「なぜ食べていたオークに捕食される側になったんだ?」
「彼女が来るまでは私達も普通に生活をしていました。オークもそこまで脅威に感じなかったですし……」
さっきから出てくる彼女とは、鞭を持ったSM嬢のことを言っているのだろうか。
「彼女の能力でオークを含む魔物達が以前よりも強くなりました。気づいた時には集落は襲われていました」
彼女がこの世界のバランスを崩した元の原因なんだろう。
今まで統率者がいなかった魔物達に統率者が現れた。
その結果、集団で行動するだけではなく、知恵も手に入れてしまったということだろう。
力がないものが自然と排除される。
ダーウィンの進化論に基づいた理論のことを言っている。
「その彼女はどこにいるのか知ってるか?」
「いえ……いつも突然現れるので私達もわからないんです」
オーク達を操ってる彼女は神出鬼没なのか、ドワーフも直接見たことはないらしい。ただ、オークが言っていた"お嬢様"という存在だけ耳にしていた。
どういう存在かもわからない中、今回の救出時には出会わないことを祈るばかりだ。
俺達は桃乃とベンも含めた、3人と1体で今後のことを話し合うことにした。
♢
「えっー!?」
桃乃とベンは頭を横に振っている。そんなに俺の提案が嫌なんだろうか。
「これはももちゃんとベンにしか頼めないんだ」
「わかりました……」
何度も頭を下げると渋々作戦を受け入れてくれた。この作戦がうまくいけば問題はないだろう。
それだけ桃乃とベンにかかっているのだ。
作戦の決行時間は今日の夜に行うことになった。
その間に俺はリョウタの元を訪れて、みんなと遊びながら作戦の話をするとリョウタも笑っていた。
彼も作戦に参加したそうではあったが、流石にリョウタの大きさではすぐに目立ってしまう。
アヌビス(獣人?)ってしっかり立ち上がると、めちゃくちゃでかいからな。
それだけで標的になってしまう。
部屋の都合上基本的にずっと座っているため、床ずれとか大丈夫なのか俺としては心配だ。
リョウタ達と話し終えるといつのまにか辺りは、暗くなっており星空がはっきりと見えるほどだった。
これからがドワーフ達を救出する1回きりの挑戦だ。
♢
今回は桃乃&ベンチームと俺&ドワーフチームの二手に分かれてオアシスの周囲に潜んでいる。
「はぁ、今日も良い女がいないのか?」
「お前はいつも女のことばかり考えているな」
「はやく子孫を作らないと俺の下半身が収まらないぜ!」
会話の内容は人間とさほど違いはないイメージだが、少し知能が足りないように感じるのはオークの特徴か。
入り口にはオーク達が見張りをしており、簡単には中に入ることはできない。
「制限時間はごくわずかだ。途中で無理だと思ったら諦めるからそれだけは覚悟しておいてくれ」
「わかった」
ドワーフも決心がついたのか、桃乃達の合図を俺達は待っていた。
空を目掛けて綺麗な花火が打ち上げられた。
「なっ……なんだ敵襲か!?」
音に釣られてどんどんオーク達は建物から出てきた。
オアシスには数えきれない程のオークが住んでいたのだろう。
あいつらは金だ……。
「あっ、えーっと、うっふーん……ぐすん」
その後、突如桃乃の声が聞こえて来た。拡声器を使うと遠いところからでもこんなに聞こえてくるのかと感動する。
俺は事前に桃乃に拡声器を桃乃に渡していた。
拡声器なんてどこで使うのかと思っていたが、まさかここで役立つとは思ってもいなかった。
「おい、なんだ……この匂いは……」
「はぁ……はぁ……」
どうやらやっとオーク達に効いてきたのだろう。
「アイツ……オレノコダネヲォォォ!!」
さっきまで見張りをしていたオークは鎧を脱ぎ外に向かって走って行く。それに続くように他のオーク達も我を忘れて外へ出て行った。
「よし、いきます……よ?」
「あの女は魔性の女か!?」
オークの変わりようにドワーフの彼も驚いていた。前も見ているから特に気にならないが、初めてだとびっくりするだろう。
そう、この作戦は桃野とスカベンナーが唯一できる"ももちゃんお色気作戦"だ!
「そういえば、ここの人達って何を食べてたんだ?」
この辺りはどこを見ても砂漠ばかりで食べられるものが存在しない。第一区画では自然豊かなため食べるものはトレントの実を中心に溢れていた。
現に今食べているものも、以前第一区画で取ってきたものだ。
「私達ですか? 基本的に魔物を食べることが多いですが、果物だとヤシの木から食べることが多いかな」
ヤシの木と聞いて俺はアイテム欄から殺人級の強さを持つトレントの実を出した。
「おー、これはまた珍しいものを――」
何個も出すとドワーフは驚いていた。確かに珍しいと思っていたものが、たくさん出てきたら驚くしかない。
トレントとの交友関係が広いだけで、この世界で生きていけるのかもしれない。
「あとは魔物だと何を食べるんだ?」
「基本的には虫系の魔物は食べます。あまり言いにくいのですがオークとかも食べていました」
ギザギザな歯が特徴のサンドワームや悪口にしか聞こえない薄馬鹿野郎、人にしか見えないオークを食べていたということだ。
想像をしたくない食生活をしている。食べる物がなければ人は似た人でも食べてしまうのだろう。
これからは現実世界で食事を食べてから、異世界に行くことにしよう。
「なぜ食べていたオークに捕食される側になったんだ?」
「彼女が来るまでは私達も普通に生活をしていました。オークもそこまで脅威に感じなかったですし……」
さっきから出てくる彼女とは、鞭を持ったSM嬢のことを言っているのだろうか。
「彼女の能力でオークを含む魔物達が以前よりも強くなりました。気づいた時には集落は襲われていました」
彼女がこの世界のバランスを崩した元の原因なんだろう。
今まで統率者がいなかった魔物達に統率者が現れた。
その結果、集団で行動するだけではなく、知恵も手に入れてしまったということだろう。
力がないものが自然と排除される。
ダーウィンの進化論に基づいた理論のことを言っている。
「その彼女はどこにいるのか知ってるか?」
「いえ……いつも突然現れるので私達もわからないんです」
オーク達を操ってる彼女は神出鬼没なのか、ドワーフも直接見たことはないらしい。ただ、オークが言っていた"お嬢様"という存在だけ耳にしていた。
どういう存在かもわからない中、今回の救出時には出会わないことを祈るばかりだ。
俺達は桃乃とベンも含めた、3人と1体で今後のことを話し合うことにした。
♢
「えっー!?」
桃乃とベンは頭を横に振っている。そんなに俺の提案が嫌なんだろうか。
「これはももちゃんとベンにしか頼めないんだ」
「わかりました……」
何度も頭を下げると渋々作戦を受け入れてくれた。この作戦がうまくいけば問題はないだろう。
それだけ桃乃とベンにかかっているのだ。
作戦の決行時間は今日の夜に行うことになった。
その間に俺はリョウタの元を訪れて、みんなと遊びながら作戦の話をするとリョウタも笑っていた。
彼も作戦に参加したそうではあったが、流石にリョウタの大きさではすぐに目立ってしまう。
アヌビス(獣人?)ってしっかり立ち上がると、めちゃくちゃでかいからな。
それだけで標的になってしまう。
部屋の都合上基本的にずっと座っているため、床ずれとか大丈夫なのか俺としては心配だ。
リョウタ達と話し終えるといつのまにか辺りは、暗くなっており星空がはっきりと見えるほどだった。
これからがドワーフ達を救出する1回きりの挑戦だ。
♢
今回は桃乃&ベンチームと俺&ドワーフチームの二手に分かれてオアシスの周囲に潜んでいる。
「はぁ、今日も良い女がいないのか?」
「お前はいつも女のことばかり考えているな」
「はやく子孫を作らないと俺の下半身が収まらないぜ!」
会話の内容は人間とさほど違いはないイメージだが、少し知能が足りないように感じるのはオークの特徴か。
入り口にはオーク達が見張りをしており、簡単には中に入ることはできない。
「制限時間はごくわずかだ。途中で無理だと思ったら諦めるからそれだけは覚悟しておいてくれ」
「わかった」
ドワーフも決心がついたのか、桃乃達の合図を俺達は待っていた。
空を目掛けて綺麗な花火が打ち上げられた。
「なっ……なんだ敵襲か!?」
音に釣られてどんどんオーク達は建物から出てきた。
オアシスには数えきれない程のオークが住んでいたのだろう。
あいつらは金だ……。
「あっ、えーっと、うっふーん……ぐすん」
その後、突如桃乃の声が聞こえて来た。拡声器を使うと遠いところからでもこんなに聞こえてくるのかと感動する。
俺は事前に桃乃に拡声器を桃乃に渡していた。
拡声器なんてどこで使うのかと思っていたが、まさかここで役立つとは思ってもいなかった。
「おい、なんだ……この匂いは……」
「はぁ……はぁ……」
どうやらやっとオーク達に効いてきたのだろう。
「アイツ……オレノコダネヲォォォ!!」
さっきまで見張りをしていたオークは鎧を脱ぎ外に向かって走って行く。それに続くように他のオーク達も我を忘れて外へ出て行った。
「よし、いきます……よ?」
「あの女は魔性の女か!?」
オークの変わりようにドワーフの彼も驚いていた。前も見ているから特に気にならないが、初めてだとびっくりするだろう。
そう、この作戦は桃野とスカベンナーが唯一できる"ももちゃんお色気作戦"だ!
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