56 / 141
56.新しい宿屋
しおりを挟む
俺達はその後宿屋を探していると自分達の収入にあったところを見つけた。都市ガイアスにいた時よりは高級感がありお風呂が借りられるところだった。
もうあの心地良さを味わうと抜けられないのだ。
俺は宿屋の扉を開けるとなんと王都に一緒にきたルースが働いていた。
ルースは屋敷で執事達と一緒に働くかとロビンに聞かれていたが、その場で断り次の日には出て行ったきり会ってなかった。
まさかまた俺達が泊まろうとしている宿屋にいるとは思わなかったのだ。
俺達は部屋を案内されるとベットも大きく3人で寝るには良い大きさだった。
「にいちゃ、話があるんだ」
「私もなんだけど……」
何か嫌な予感がしたが俺の予想は的中した。
「今日から別の部屋で寝たい」
俺はその場で膝から崩れ落ちた。いつもモフモフしながら心地良い感触に包まれて寝ていたのがいけなかったのか。それとも朝全然起きられなかったのがダメなのか。
原因がたくさんあってどれが問題なのかわからなかった。
「今日からオラも一人前になろうと思う!」
「それでロンと話し合ったんだ」
宿屋に向かう時にこそこそと話していたのはこういうことだったのか。
俺は仕方なく案内しているルースに話しかけるとまだ部屋は空いていないため、部屋が空き次第別々に寝ることとなった。
俺はその間にしっかりモフモフして楽しめということなんだろう。すでに案内が終わった俺は移動しながら2人を抱きかかえてモフモフしていると後ろから声が聞こえてきた。
「お前ってどこでも兄妹と抱き合ってるんだな」
どこか誤解を招くような言い方をしてきたのはエヴァンだった。
「なぜお前がいる──」
「いや、それはこっちのセリフだろ!」
どうやらエヴァンとプリシラは以前からここの宿屋を借りているらしい。貴族街に自分の家があるのに宿屋で生活させるとは想像以上に厳しい親なんだろう。
「ウォーくんそういえば──」
俺に用があったのかルースが部屋まで上がってくると急にその場で悶えていた。相変わらず変わった人だ。
「あー、推しのカップリングがモブのウォーくんになるとは……」
「ルースさん何かあったんですか?」
「あー推しが……いや、この際モブが主人公でも良いじゃ……」
今日もルースは俺が知らないことをぶつぶつと言っていた。一緒に馬車で移動していた時も思ったがここまで考え込んでしまうとどうしようもないのだ。
「この姉ちゃん大丈夫なのか?」
「よくあることだから大丈夫だよ」
「おー、よくあるのか」
俺がエヴァンと話をするたびに彼女はこちらをチラチラとみては悶えるのを繰り返し壊れてしまいそうだ。
そんなルースを放置した俺達は荷物を整理し終えると食事に向かった。
エヴァンが言うにはこの宿屋は地球風の食事を出しているらしい。俺も全く聞いたことない食事だが人気の宿屋らしい。
席に座っているとルースが食事を持ってきた。
「オークのハンバーグです」
オークを細かく刻み形を整えて焼いたものに焼いた卵が上に乗っていた。ロンとニアも初めて見る料理にウキウキしていた。
俺達は早速食べようとしたがどうにも視線が気になっていた。
エヴァンが同じ席に座っているのが原因なのか、ルースが俺とエヴァンを交互にチラチラと見て来るのだ。
「よかったら一緒に食べますか?」
「いえ、私は壁になって……いや、天井でもいいわ」
一緒に食べたいからこちらを見ているのかと思ったがどうやら違ったらしい。最終的には天井になると言っていた。
その後も声をかけるが"私は天井なので無視してください"と返されてしまう。
「にいちゃ、まだダメ?」
「私もお腹減ったよ?」
俺がルースに声をかけたため2人はおあずけ状態になっていた。
俺達は手を合わせると食事を食べ始めた。初めて見るハンバーグはナイフとフォークを使って食べる変わった食べ物だ。
俺は一口食べるといつのまにか手が止まらなくなっていた。
「おい、お前本当に大丈夫か?」
「なにがだよ!」
エヴァンはまた俺をおかしな人扱いをしてきた。俺がハンバーグを食べているとプリシラやロン達も俺を見ていた。
「にいちゃ大丈夫?」
「ん? 何が?」
「だってお兄ちゃんがハンバーグを食べているとずっと涙が出てきているよ」
俺は目元を触ると少し濡れていた。涙が頬を伝って溢れ出ていたのだ。
「ああ、美味しいからだな」
俺は手で涙を拭い再び食べ始めた。ハンバーグはどこか懐かしい味がする変わった食べ物だった。
もうあの心地良さを味わうと抜けられないのだ。
俺は宿屋の扉を開けるとなんと王都に一緒にきたルースが働いていた。
ルースは屋敷で執事達と一緒に働くかとロビンに聞かれていたが、その場で断り次の日には出て行ったきり会ってなかった。
まさかまた俺達が泊まろうとしている宿屋にいるとは思わなかったのだ。
俺達は部屋を案内されるとベットも大きく3人で寝るには良い大きさだった。
「にいちゃ、話があるんだ」
「私もなんだけど……」
何か嫌な予感がしたが俺の予想は的中した。
「今日から別の部屋で寝たい」
俺はその場で膝から崩れ落ちた。いつもモフモフしながら心地良い感触に包まれて寝ていたのがいけなかったのか。それとも朝全然起きられなかったのがダメなのか。
原因がたくさんあってどれが問題なのかわからなかった。
「今日からオラも一人前になろうと思う!」
「それでロンと話し合ったんだ」
宿屋に向かう時にこそこそと話していたのはこういうことだったのか。
俺は仕方なく案内しているルースに話しかけるとまだ部屋は空いていないため、部屋が空き次第別々に寝ることとなった。
俺はその間にしっかりモフモフして楽しめということなんだろう。すでに案内が終わった俺は移動しながら2人を抱きかかえてモフモフしていると後ろから声が聞こえてきた。
「お前ってどこでも兄妹と抱き合ってるんだな」
どこか誤解を招くような言い方をしてきたのはエヴァンだった。
「なぜお前がいる──」
「いや、それはこっちのセリフだろ!」
どうやらエヴァンとプリシラは以前からここの宿屋を借りているらしい。貴族街に自分の家があるのに宿屋で生活させるとは想像以上に厳しい親なんだろう。
「ウォーくんそういえば──」
俺に用があったのかルースが部屋まで上がってくると急にその場で悶えていた。相変わらず変わった人だ。
「あー、推しのカップリングがモブのウォーくんになるとは……」
「ルースさん何かあったんですか?」
「あー推しが……いや、この際モブが主人公でも良いじゃ……」
今日もルースは俺が知らないことをぶつぶつと言っていた。一緒に馬車で移動していた時も思ったがここまで考え込んでしまうとどうしようもないのだ。
「この姉ちゃん大丈夫なのか?」
「よくあることだから大丈夫だよ」
「おー、よくあるのか」
俺がエヴァンと話をするたびに彼女はこちらをチラチラとみては悶えるのを繰り返し壊れてしまいそうだ。
そんなルースを放置した俺達は荷物を整理し終えると食事に向かった。
エヴァンが言うにはこの宿屋は地球風の食事を出しているらしい。俺も全く聞いたことない食事だが人気の宿屋らしい。
席に座っているとルースが食事を持ってきた。
「オークのハンバーグです」
オークを細かく刻み形を整えて焼いたものに焼いた卵が上に乗っていた。ロンとニアも初めて見る料理にウキウキしていた。
俺達は早速食べようとしたがどうにも視線が気になっていた。
エヴァンが同じ席に座っているのが原因なのか、ルースが俺とエヴァンを交互にチラチラと見て来るのだ。
「よかったら一緒に食べますか?」
「いえ、私は壁になって……いや、天井でもいいわ」
一緒に食べたいからこちらを見ているのかと思ったがどうやら違ったらしい。最終的には天井になると言っていた。
その後も声をかけるが"私は天井なので無視してください"と返されてしまう。
「にいちゃ、まだダメ?」
「私もお腹減ったよ?」
俺がルースに声をかけたため2人はおあずけ状態になっていた。
俺達は手を合わせると食事を食べ始めた。初めて見るハンバーグはナイフとフォークを使って食べる変わった食べ物だ。
俺は一口食べるといつのまにか手が止まらなくなっていた。
「おい、お前本当に大丈夫か?」
「なにがだよ!」
エヴァンはまた俺をおかしな人扱いをしてきた。俺がハンバーグを食べているとプリシラやロン達も俺を見ていた。
「にいちゃ大丈夫?」
「ん? 何が?」
「だってお兄ちゃんがハンバーグを食べているとずっと涙が出てきているよ」
俺は目元を触ると少し濡れていた。涙が頬を伝って溢れ出ていたのだ。
「ああ、美味しいからだな」
俺は手で涙を拭い再び食べ始めた。ハンバーグはどこか懐かしい味がする変わった食べ物だった。
11
あなたにおすすめの小説
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる