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138.ドラゴンから好かれるもの

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 俺達はドラゴンの上で空の旅を満喫……できなかった。

 都市ガイアスに着くと俺はすぐにドラゴンの背中から降りその場で吐いた。

「うえぇぇぇ」

「お兄ちゃん大丈夫?」

「なんでお前達は平気なんだよ」

 俺以外は何もないような顔で楽しそうに景色を楽しんでいた。俺は常に目を閉じてやっと乗れるぐらいなのに……。

「グオ?」

「あはは、ありがとう」

 そんな俺にドラゴンは心配そうに鼻で突いていた。

「トカゲに好かれるとはまるであの子のようだね」

「俺に似てる人がいたんだね」

「好かれすぎて一時期ドラゴン達を引き連れる姫になってたよ」

 流石にそこまでは俺はなれそうにもないしなる気もない。街に入るのも大変になるからな。

 休憩していると次第に体調も回復してきた。

 他の人達は都市ガイアスに入る準備していると街からメジストが歩いてきた。

「トカゲが見えたから荷物をまとめてきたぞ」

「呼ばなくても自分から来るなんて便利ね」

「ぐぅ!?」

「どうせ私達が来るのを前から待ってたんでしょうね」

「うっ……」

 どうやらメジストは一人で暇だったらしい。

「じいじ寂しかったの?」

「ちょっと離ればなれになってたもんね」

 ロンとニアの優しさにメジストはどこか目を潤ませていた。

「でもオラ達の服がボロボロだから服を買わないといけないよ?」

「じいじごめんけどもう一回ガイアスに戻るわ」

「ああ、そうか。それにしてもやけにウォーだけ顔が痩せこけてるな」

「ははは、ウォーレンはトカゲの上に乗るのが苦手らしいね」

 自分の顔を見ていないがそれだけドラゴンでの移動はハードだった。

「では一度ガイアスに戻るとするか」

 俺達はガイアスに入ると泊まる宿を探した。





 ガイアスに入ってからなぜか美女が後ろからついて来ていた。

 服を買うときも宿屋に泊まる時も後ろをくっついてきているのだ。

 それになぜかニアはその女性に警戒して、常に俺の手を握っている。

「ねぇ、ばあば?」

「どうしたの?」

「なんでさっきから知らない女の人が付いてきているの?」

 ロンも女性のことを気になっていたらしい。まぁ、綺麗な赤髪に黒い体のラインがしっかり見えるタイトなワンピースを着ているため街の中を歩いていると男達の視線は釘付けになっている。

「さっきまであやつの上に乗っておったではないか」

「ん?」

 俺は女性の上に乗った記憶はない。むしろ乗れるものなら早く乗りたいぐらいだ。

「俺乗った記憶ないん――」

「ひどいですわ!」

「うぇ!?」

 さっきまで話さなかった女性が急に話しかけてきた。

「我の上で散々楽しんだあげく知らないなんて」

「おいおい、俺はそんなことしてないぞ」

 大きな声でそんなことを言うから男達からは今にも襲われそうな気がした。視線だけでも殺される勢いだ。

「ははは、ウォーはからかわれているのう」

 メジストとモーリンは笑っているがそれどころではない。本当にこの女性が誰なのかわからないし、ニアが握りしめている右手からミシミシと音が鳴っている。

「さっきまでわあわあ言ってじゃないか」

「わあわあ?」

「あんなに喜んでいたのに我を忘れたのか?」

 ニアさんどんどん手を強く握りしめるのは止めてください。

「ちなみにどちら様ですか?」

「ひどいわ」

 女性はそのまましゃがみ込むと泣き出した。俺は知らぬ間に居た堪れない気持ちなってきた。

「すみません、俺あなたと会ったのも今日が初めてなので……」

 俺が必死に謝っているとあまりにも可哀想に思ったのかモーリンが話し出した。

「ウォーレン、こやつはさっきまで乗ってたドラゴンよ?」

「えっ?」

 驚いたのは俺だけではなかった。ロンとニアも彼女がドラゴンだとは思ってもなかったようだ。

「改めまして、我はドラゴン族の姫サユリです。BとLを広める愛好家会員No.3です」

「あっ、よろしくお願いします」

「ちなみに男の人は好きですか?」

「ん? ロンとエヴァンなら仲良いけど――」

「くぅー、痺れますね。是非ともはあはあさせてもらってもよろしいでしょうか」

「はあはあ? 二人がいいなら?」

「ぐふふふふふ、ありがとうございます」

 後半何を言っているのかわからないがドラゴンはサユリさんと言うらしい。どこか怪しげな笑みで垂れそうな涎を拭いていた。

 相変わらずモーリンとメジストの周りには変わった人ばかりが集まっているようだ。



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