男とか女とか

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 志帆が単身一組に乗り込み心強い協力者を得たといい笑顔で報告を受けた翌日、私の目の前にその協力者だという人物がいた。

「へぇーあなたがねぇ?ふーん?」
「水城さん……」
「あ、私のこと知ってるんだ」
(αだしね……)

 困惑する私などお構いなしにジロジロと見てくる水城はこの学校に限らず有名人だ。
学校という思春期の巣窟において、本人は望まなくとも嫌でも注目されるのがαというものだ。
しかもこの学校、羽宮はみや高等学校は難関校と言われている。
つまり成績優秀な者、αが多い高校としても有名だ。
彼女も例に漏れず勉強も運動もできるし容姿端麗の三拍子。
身近な話題以外に疎い私ですら耳に入るほどよく話題に上がる人物だ。
そんな水城と私は早朝の屋上にて対面している。
昨晩、話があるから早朝屋上に集合!とメールを送ってきた志帆はいない。
まんまと謀られ今に至るわけだ。
志帆から既に事情を聞いているらしい水城は終始ニコニコ、いや、ニヤニヤとした顔で私を見ている。

「未だに東が“そう”だって納得できてないんだけどさ、こんな面白そうなこと見逃すわけにはいかないでしょう?」
「面白いかどうかは置いといて……その、水城さんは東がそうだったらどうするの」
「どうするとは?」
「水城さんは特に何も思わないタイプ、なのかなと……」
「あー、Ωと進んで関わらろうとは思わないけどそれだけだよ。それに東のことは友達と思ってるし。向こうはどう思ってるか知らないけどね」
「そうなんだ」

 αはΩを毛嫌いする場合が多いらしいが、今では水城のような者も多数とは言えなくともいる。
志帆が水城を協力者に選んだ理由も何となくわかってきた。
水城がもしΩを毛嫌いするタイプであれば協力なんてしないだろうし当然か。

「それにしても高校最後の年に仲間が増えるなんてねぇ」
「仲間って言えるかどうか……後天性だし」
「いやいや仲間だよ!むしろ第二性別至上主義のαには羨まれるんじゃない?あ、崇められるのか?」
「ヤメテ……」
「嫌なんだ?そっか!理々子好き!」
(意味がわからない……)

 東ほどではないが水城もプチ異星人と私の中で認定された。
何が彼女の琴線に触れたのかは謎であるが私は気に入られたようだ。
何もかもが私にとって派手である水城だが、悪い人ではないのだろう。
協力する理由が面白そうとフザケてはいるが、私にとっても東にとってもフォローがしやすい立場なのは確かだ。
裏があるかもしれないが、とりあえずは協力してくれることに対しお礼を言ったら抱きつかれた。

「もっと早くにαに覚醒してくれれば良かったのになー!同級の女αいないから寂しかったんだよ?」
「水城さん友達多いってよく聞くけど」
「うーん、所詮は浅い付き合いだよ。βとαじゃ本当の友達ってちょっと難しいみたい。それに私が知ってる同級の女αって高飛車が過ぎて苦手なの」
「へぇ……」

 αでも悩みはあるようだ。
彼女はたまに見かけることもあったが、他のαと同じようにいつも沢山の人に囲まれていたように思う。
例え仲が良さそうに見えても実際どうかなんて気にしたことすらなかった。
だが水城の言葉を鑑みて納得もした。
私はそうではなかったけどβにとってαは憧れの的なのだ。
楽しそうに私に抱きついている水城からは人工的な甘い匂いがした。
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