イマジネーション

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『は……ぁ、町谷……町谷っ』
(くっそ、マジで動けねぇ……頼む早く終われっ!)

 入間は本格的に自慰に耽ってしまっている。
しかもオカズ俺。モウヤダ。
他人のしかも男の自慰を見せつけられるなんて居た堪れないにも程がある。
例え相手が自分に対し変態的妄想を繰り広げている奴だとしても罪悪感は湧く。
俺相手に欲情するような特殊性癖の持ち主であったとしても他人に、しかも妄想相手本人に自慰を見られていると知った日には死にたくなるのではないだろうか。

『あのカッサカサの唇でフェラしてくんねぇかな』

 同情なんてした俺が馬鹿だった。カッサカサで悪かったな。
なんて突っ込む余裕など一瞬で消えた。

(え……え?ちょ、おい、待て、なんで動く俺の体っ!!ちょっ!そっちには行きたくないっ……!)

 さっきまで全く動かなかった体が嘘のように勝手に動く。
そう、自身の意思ではなく強制的な力でもって俺の体は勝手に半透明の入間へと近付く。
しかも四つん這いで、このまま行けば嫌な予感が的中する。

(マジでっ!頼むからっ!!後生だからっ!!止まってくれっっっ!!!あ、)

 必死の願いも虚しく、俺の体は俺の意思を無視して入間の汁濡れのモノへと口を寄せる。
そしてカサカサの唇に生暖かい感触が当たる。当たってしまった。
俺は泣いた。泣かずにいられなかった。
今日まで清いままであった己の唇が野郎のブツに接触してしまった。

『うわ俺の妄想力すげぇ……めっちゃ生々しくね?』

 入間の言う通り実物と言っても触り無いほどに感触が生々しい。
何故半透明なのに温もりを感じるのだろう。こんなオプションいらねぇ。
しかし匂いは依然保健室特有の薬品と主に自身の汗の匂いだけ。
だがそんなもの何の慰めにもならない。
俺のファーストキスならぬファーストタッチを奪った入間はそれだけに飽き足らず妄想をエスカレートさせていく。

『俺の先走りで唇コーティングして亀頭から裏筋にかけてキスとかしてくれそう』
(してくれそう?お前はナニを言っているんだ?するわけがないんだが?)

 そうは思っても悲しいかな。
俺の体は従順に入間の妄想通りの動きをする。
 
『はは、エッロ』
(も、マジかよ……勘弁しろよ……)

 先程からずっと溢れてきている先走りをヌルヌルと唇で塗り拡げ、糸を引かせながら亀頭からちゅっちゅっ、と裏筋にかけて口付けていく。
俺の唇が触れるたびに入間のモノがビクビクと興奮に脈打つ。
匂いはないが、唇に感じる生温い他人の体温がこれは現実ではあるが、実物ではないのだと知らしめる。

『あぁヤりてぇ……なぁ、どうしよう町谷』
(俺がどうしようだよ)
『町谷ならフェラ顔でも絶対抜ける。奥まで咥えさせて喉奥に亀頭擦り付けて涙目になりながら睨み付けられたりしたら堪んねぇよな』
(んぶっ?!)

 とうとう口の中にデカブツを突っ込まれた。
カリの張った亀頭があっという間に喉奥に到達しグリグリと擦り付けられ堪らず嘔吐く。
あまりの衝撃に涙どころか鼻水も垂れる。
鏡を見なくても今の俺の顔は最高に気持ち悪いだろう。
そんなもので抜けるとしたら入間には“真性”の称号を贈ろう。
妄想通り酷い顔で入間のモノを咥えながら睨みつける。
勝手に動いてはいるが睨む行為だけは意思に反するものではない。

『最高、今日ほんとヤベェな……町谷と喋ったししかも触ったせいか?俺町谷好きすぎだろ』
(っ!!)

 俺の口にズコズコと無遠慮に突っ込み悦に入りながらの告白。
こんなシチュエーション最悪でしかないのに何故か俺の胸はドクドクと音を上げている。

『好き、好きだ町谷、もっと町谷と話したいもっと町谷のこと知りたい……』
(やめ、やめろよっ!)
『町谷っ……!』

 口の中のモノがドクンと大きく脈打ち入間が達した。
それと同時に半透明の入間は煙のように消えてしまった。
やっと開放された体は、妄想に縛られているわけでもないのに熱いままで、

「嘘だろ……」

 誤魔化しようのないほどズボンを押し上げていた。
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