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47話
しおりを挟む肉の皿が次々と空になり、テーブルの上は戦場のように散らばった皿とソーマの骨の山で埋まっていく。
「おかみさーん! 肉盛り追加ぁー!!」
「まだ食うか!?」
アレクが椅子を蹴り上げかける勢いで叫ぶ。
「食うよ? 今日俺めっちゃ働いたもん」
「お前、働いてない日でも食うだろ」
アレクが冷静に突っ込む。
「いやいやいや、今日は特別!俺は頑張った!」
ソーマが胸を張る。
そんな中。
レンがスプーンを差し出す。
「リーナ、これ食べて」
「自分で食べれるよ!!」
私が慌てて止めると、マリアがすかさず笑う。
「過保護発動~」
「いや、これは違う。リーナがあまり食べてないから……」
「“間接キス”がしたいだけだろ?」
アレクが即死級の直球を投げる。
レン固まる。
私、吹く。
カイル、こぼす。
ソーマ、爆笑。
「か、間接ではない。俺は別にそんな――」
「いやいやいやいや、資料室で散々イチャついてたくせに今さら照れんなよ!」
ソーマが追撃する。
私「ちょ、ソーマ!?あれは、その……!!」
レンはというと、
スプーンを持つ手がピタッと止まり、
耳がほんのり赤くなっている。
「……お前ら、マジで黙れ」
低音すぎて皿が震えた。
「レン、こわっ!!」
マリアが後ろにのけぞる。
そして極めつけ――
「リーナさん、なんか……今日すごく顔が赤くないですか?」
カイルが素朴に訊いてきた。
「そ、それは……みんなが変なこと言うからで!!」
「えっ、変?
あの…資料室での話って、なにしてたんですか?」
店中の時間が止まった。
ソーマとレンが揃って叫ぶ。
「お前ぇぇぇぇぇーーー!!!!!」
「聞き回るなぁぁぁぁぁ!!」
「い、いや、違うんです!!
深い意味じゃなくて!ただ…ソーマが言うから気になって…!」
カイルは両手ぶんぶん。
私は、フォークを落とした。
レンは――
ゆっくり立ち上がり、
無言でカイルの方へ歩き出す。
「お、おいレン!?待て待て待て!!」
アレクが飛びつく。
ソーマはカイルの前に盾のように立つ。
「落ち着け!レン!殺意が漏れてる!!」
「殺さない。でも説教はする」
「その説教が一番怖ぇんだよ!!」
店のおかみさんもニヤニヤして見ている。
居た堪れなくなってレンの袖を掴む
「れ、れん……もう怒らないで。ね?」
レンは一瞬だけ表情を緩め、
そのまま私の手を包む。
「……怒ってない。リーナが言うなら⋯⋯」
レンは椅子に座り直しグラスを口に運ぶ。
「隊長って、恋人の前だとほんと変わりますよね……。冷酷冷静なイメージが……」
「もうお前余計なこというな」
呟くカイルに窘めるアレク。
「リーナがいると“溶ける”んでしょ。レンは」
ワイン片手に笑うマリア。
「溶けない」
仏頂面のレン
「溶けてるよ!!」
ツッコミをいれるソーマ。
らくだ亭の夜は笑い声が遅くまで響いた。
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