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第二章
子熊降臨!?ナンピン使用は控えめに
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「ふぅ~~、食った食ったぁ!」
アーマーの上から腹をさすりながら、レイが満足げに息をつく。
まるで冬眠前の熊が栄養をため込んでるみたいな顔してるんだけど。
「よし! 午後もがんばるか!」
「うぅ……お腹いっぱいで動くのつらいです……」
あたしはテーブルに突っ伏して呻いた。
だって、あの料理が悪いんだもん! 美味しすぎるんだよ!!
炊き込みご飯はふわっと立ちのぼる出汁の香りが絶妙で、
チョコレートケーキなんてもう――
トロリ濃厚で、ザクザクのナッツが噛むたびに幸せ広がる天界の味。
口の中が祝福されたんだもん! そりゃ食べすぎるに決まってる!
「あたし、今ならベア魔獣じゃなくて、睡魔と戦える気がする……」
「動けば目が覚めるし夕飯までに腹減る! 戦いはエネルギー消耗するからな!」
「……ひぃぃぃつらいぃぃぃ……」
そう言いかけた瞬間――
――ちゅどぉぉぉぉぉぉん!!!
腹の底に響く爆発音!
しかも結構な近距離だ!!
「おっ、そろそろ始まったか! よっしゃ、行くぞ!」
立ち上がるレイ。
やる気満タン。胃袋も満タン。
……つまり、戦闘力はカロリー依存ってことか。
「うっぷ……は、はいぃ……」
あたしは半分昇天しながらも後に続く。
ああ、胃が……胃がまだ稼働中……!
外に出ると、遠くの闘技場から黒煙が立ち上っていた。
どうやら爆発音の正体はそこらしい。
「やってるな! サキ、急げ!」
「走るのはやめてぇぇぇ……! 胃が揺れるぅぅ……!」
半泣きで駆けつけた先――
闘技場の中央では、子熊サイズの“ミニ・ベア魔獣”と、小柄な戦士が戦っていた!
「おおっ! やってるやってる! こりゃ見物だ!」
どこか楽しそうなレイ。
……完全に観戦モードだよ、この人。
「がああああああ!!!」
小型とはいえ、ベア魔獣の咆哮は空気を震わせる。
毛並みはもふもふで、丸っこいフォルムが……なんか、ちょっとかわいい。
けど、かわいい顔で地面砕くのやめて。
「ねぇ、なんかこのベア魔獣、小さくない?」
「午後だからな。市場の“絶望”が薄い。
地合いが楽観ムードのときは、奴らも小型化するんだ。
逆に地獄のような暴落日には……あれの十倍サイズだな」
「十倍ぃぃ!? 怖すぎるんだけど!」
戦士の方が呪文を叫んだ!
「――ナンピン・アベレージングスペル!!」
眩い光が弾け、戦士の姿が二つに分裂した!
「ちょ、なにあれ!? 分身した!? ずるっ!」
「“ナンピン・アベレージングスペル”だな。
自分の命を代償に分身し、攻撃力を一時的に倍化する。
ただし持続時間が短く、術が解けた時の反動もデカい。
……ベア魔獣相手に使うのは素人のやることだな」
レイが淡々と解説。まるで実況者。
案の定、分身した戦士はすぐに息が荒くなる。
双子みたいに動きがズレて、呼吸が乱れた。
「はぁっ、はぁっ、ぜぇっ……!」
「ほら言わんこっちゃない」
その瞬間――!
ズシャァァァァァァァッ!!
ベア魔獣の爪が閃光のようにうなった!
大気を切り裂く轟音とともに、闘技場の床がえぐり飛ぶ!
どががががががががん!!!
衝撃波が地面を走り、破片が四方に散る!
分身戦士は間一髪でジャンプし、衝撃波を回避――
と思いきや、反動で片方が後方に吹き飛ぶ!
「ぎゃあっ!!」
ドゴォォォン!
壁に激突した瞬間、分身が光の粒となって消滅!
残された本体はよろめきながらも立ち上がる。
「だ、大丈夫かなあ……あの人」
「まぁ、大丈夫だろ。あれくらいの暴落で退場してたら、この世界じゃ生き残れん」
ひぃぃ!厳しい……
「痛そうなんだけどぉ……!」
「戦場は痛みで学ぶもんだ」
「がああああああ!!」
再び吠えるベア魔獣!
空気が震え、砂埃が舞い上がる!
目の奥が赤く光ってる――怒ってる!?
「サキ、よく見てろ。お手本を見せてやる」
レイが静かにデバイスを構えた。
その目が一瞬で“相場の目”に変わる。冷静で、残酷で、正確な――。
「チャート魔法陣・展開!」
ピロンッ!
光の魔法陣が空中に展開され、螺旋を描くグラフ線がうねり始めた。
緑と赤のローソクが次々と立ち上がり、空間がまるで株価チャートのように変貌していく!
「すっご……これ、まるで市場の波が見えるみたい……!」
「見るだけじゃダメだ。掴むんだ、流れをな!」
「チャートブレード、オンッ!!」
ギュイイイイイイイイイン!!
デバイスが動き、魔力が金属の音を奏でる!
光が奔り、巨大な赤い光の大剣が姿を現した!
「うわぁ……カッコいい! 私のおもちゃみたいな剣と全然違う!」
「経験値積めばそのうち持てるさ。焦るな。焦ると損切りだ」
どや顔。くそぅ、いちいち上手いこと言う!
「いくぞ、ベア魔獣ッ! 市場の荒波で鍛えられた大人の戦いを見せてやる!!」
レイが踏み込んだ瞬間――地面が爆ぜた!
「があああっ!」
ベア魔獣が咆哮、爪を振り下ろす!
衝撃波が真っ直ぐレイを襲う!
ザシュッ!
レイはステップで紙一重に回避!
飛び散る砂煙の中をすり抜け、ベアの懐に飛び込む!
「足元ガラ空きだぞ、熊さんよぉ!!」
ドンッ!
閃光が走る!
剣の刃がベア魔獣の足を薙ぎ払った瞬間、電撃のようなトレンドエネルギーが炸裂!
ズガァァァァァァァァァァァァァァン!!
地面ごと爆ぜ、ベア魔獣の体が空中に舞い上がる!
「が、がふぅっ!!?」
くるくると宙で回転し、ひっくり返った体が地面に落下!
ドゴォォォォォンッ!!
土煙と共に衝撃波が広がり、観客席の旗がばたばたとはためく。
「よっしゃ、チャンスだ!」
レイが空中で剣を構える。
一瞬の値動きを逃さぬ者の集中。
「――テイクプロフィット・スパーク!!」
剣が真紅に輝く!
チャート模様が光り、ローソク足が一斉に上昇線を描いた!
天へ向かう“利確の光”!
ズバァァァァァァァァァン!!
ベア魔獣の胸に剣が突き立ち、光の波が炸裂!
緑の光が剣に吸い込まれていく。
地面のチャートが脈動し、上昇トレンドのラインが輝いた。
「ギャアアアアアアアアアアアアア!!」
断末魔の叫び。
空気が震え、砂が舞い上がる。
まるで暴落後の反発チャートみたいに、光が逆流して消えていく。
「ふぅ……利確完了、っと!」
レイがにやりと笑い、剣をデバイスに戻す。
その瞬間、赤い光がスッと消え、ベア魔獣も霧のように消滅した。
「すごい……本当に強いんだね、レイ!」
「慣れりゃ誰でもできるさ。ベア魔獣は足元が弱点だ。ローエントリーってやつだな」
「ロー……エントリー?」
「なるべく低い位置で入って高い位置で決済する。値高値掴みは禁物ってことだ」
わかったようなよくわからないような
「剣に緑の光が吸い込まれてたけど、あれ何?」
「お、よく見てるな。あれはベア魔獣の“構成分子”だ。
デバイスに吸収しておいて再構成すれば、素材として利用できる。
俺のアーマーもそうやって作った。エコだろ?」
「ちゃっかりしてるなぁ……!」
「利益の再投資は相場の基本だ!」
どや顔で親指を立てるレイ。
うん、この人、たぶん暴落しても楽しむタイプだわ。
闘技場に風が吹く。
緊張が少し緩んだその時――
アーマーの上から腹をさすりながら、レイが満足げに息をつく。
まるで冬眠前の熊が栄養をため込んでるみたいな顔してるんだけど。
「よし! 午後もがんばるか!」
「うぅ……お腹いっぱいで動くのつらいです……」
あたしはテーブルに突っ伏して呻いた。
だって、あの料理が悪いんだもん! 美味しすぎるんだよ!!
炊き込みご飯はふわっと立ちのぼる出汁の香りが絶妙で、
チョコレートケーキなんてもう――
トロリ濃厚で、ザクザクのナッツが噛むたびに幸せ広がる天界の味。
口の中が祝福されたんだもん! そりゃ食べすぎるに決まってる!
「あたし、今ならベア魔獣じゃなくて、睡魔と戦える気がする……」
「動けば目が覚めるし夕飯までに腹減る! 戦いはエネルギー消耗するからな!」
「……ひぃぃぃつらいぃぃぃ……」
そう言いかけた瞬間――
――ちゅどぉぉぉぉぉぉん!!!
腹の底に響く爆発音!
しかも結構な近距離だ!!
「おっ、そろそろ始まったか! よっしゃ、行くぞ!」
立ち上がるレイ。
やる気満タン。胃袋も満タン。
……つまり、戦闘力はカロリー依存ってことか。
「うっぷ……は、はいぃ……」
あたしは半分昇天しながらも後に続く。
ああ、胃が……胃がまだ稼働中……!
外に出ると、遠くの闘技場から黒煙が立ち上っていた。
どうやら爆発音の正体はそこらしい。
「やってるな! サキ、急げ!」
「走るのはやめてぇぇぇ……! 胃が揺れるぅぅ……!」
半泣きで駆けつけた先――
闘技場の中央では、子熊サイズの“ミニ・ベア魔獣”と、小柄な戦士が戦っていた!
「おおっ! やってるやってる! こりゃ見物だ!」
どこか楽しそうなレイ。
……完全に観戦モードだよ、この人。
「がああああああ!!!」
小型とはいえ、ベア魔獣の咆哮は空気を震わせる。
毛並みはもふもふで、丸っこいフォルムが……なんか、ちょっとかわいい。
けど、かわいい顔で地面砕くのやめて。
「ねぇ、なんかこのベア魔獣、小さくない?」
「午後だからな。市場の“絶望”が薄い。
地合いが楽観ムードのときは、奴らも小型化するんだ。
逆に地獄のような暴落日には……あれの十倍サイズだな」
「十倍ぃぃ!? 怖すぎるんだけど!」
戦士の方が呪文を叫んだ!
「――ナンピン・アベレージングスペル!!」
眩い光が弾け、戦士の姿が二つに分裂した!
「ちょ、なにあれ!? 分身した!? ずるっ!」
「“ナンピン・アベレージングスペル”だな。
自分の命を代償に分身し、攻撃力を一時的に倍化する。
ただし持続時間が短く、術が解けた時の反動もデカい。
……ベア魔獣相手に使うのは素人のやることだな」
レイが淡々と解説。まるで実況者。
案の定、分身した戦士はすぐに息が荒くなる。
双子みたいに動きがズレて、呼吸が乱れた。
「はぁっ、はぁっ、ぜぇっ……!」
「ほら言わんこっちゃない」
その瞬間――!
ズシャァァァァァァァッ!!
ベア魔獣の爪が閃光のようにうなった!
大気を切り裂く轟音とともに、闘技場の床がえぐり飛ぶ!
どががががががががん!!!
衝撃波が地面を走り、破片が四方に散る!
分身戦士は間一髪でジャンプし、衝撃波を回避――
と思いきや、反動で片方が後方に吹き飛ぶ!
「ぎゃあっ!!」
ドゴォォォン!
壁に激突した瞬間、分身が光の粒となって消滅!
残された本体はよろめきながらも立ち上がる。
「だ、大丈夫かなあ……あの人」
「まぁ、大丈夫だろ。あれくらいの暴落で退場してたら、この世界じゃ生き残れん」
ひぃぃ!厳しい……
「痛そうなんだけどぉ……!」
「戦場は痛みで学ぶもんだ」
「がああああああ!!」
再び吠えるベア魔獣!
空気が震え、砂埃が舞い上がる!
目の奥が赤く光ってる――怒ってる!?
「サキ、よく見てろ。お手本を見せてやる」
レイが静かにデバイスを構えた。
その目が一瞬で“相場の目”に変わる。冷静で、残酷で、正確な――。
「チャート魔法陣・展開!」
ピロンッ!
光の魔法陣が空中に展開され、螺旋を描くグラフ線がうねり始めた。
緑と赤のローソクが次々と立ち上がり、空間がまるで株価チャートのように変貌していく!
「すっご……これ、まるで市場の波が見えるみたい……!」
「見るだけじゃダメだ。掴むんだ、流れをな!」
「チャートブレード、オンッ!!」
ギュイイイイイイイイイン!!
デバイスが動き、魔力が金属の音を奏でる!
光が奔り、巨大な赤い光の大剣が姿を現した!
「うわぁ……カッコいい! 私のおもちゃみたいな剣と全然違う!」
「経験値積めばそのうち持てるさ。焦るな。焦ると損切りだ」
どや顔。くそぅ、いちいち上手いこと言う!
「いくぞ、ベア魔獣ッ! 市場の荒波で鍛えられた大人の戦いを見せてやる!!」
レイが踏み込んだ瞬間――地面が爆ぜた!
「があああっ!」
ベア魔獣が咆哮、爪を振り下ろす!
衝撃波が真っ直ぐレイを襲う!
ザシュッ!
レイはステップで紙一重に回避!
飛び散る砂煙の中をすり抜け、ベアの懐に飛び込む!
「足元ガラ空きだぞ、熊さんよぉ!!」
ドンッ!
閃光が走る!
剣の刃がベア魔獣の足を薙ぎ払った瞬間、電撃のようなトレンドエネルギーが炸裂!
ズガァァァァァァァァァァァァァァン!!
地面ごと爆ぜ、ベア魔獣の体が空中に舞い上がる!
「が、がふぅっ!!?」
くるくると宙で回転し、ひっくり返った体が地面に落下!
ドゴォォォォォンッ!!
土煙と共に衝撃波が広がり、観客席の旗がばたばたとはためく。
「よっしゃ、チャンスだ!」
レイが空中で剣を構える。
一瞬の値動きを逃さぬ者の集中。
「――テイクプロフィット・スパーク!!」
剣が真紅に輝く!
チャート模様が光り、ローソク足が一斉に上昇線を描いた!
天へ向かう“利確の光”!
ズバァァァァァァァァァン!!
ベア魔獣の胸に剣が突き立ち、光の波が炸裂!
緑の光が剣に吸い込まれていく。
地面のチャートが脈動し、上昇トレンドのラインが輝いた。
「ギャアアアアアアアアアアアアア!!」
断末魔の叫び。
空気が震え、砂が舞い上がる。
まるで暴落後の反発チャートみたいに、光が逆流して消えていく。
「ふぅ……利確完了、っと!」
レイがにやりと笑い、剣をデバイスに戻す。
その瞬間、赤い光がスッと消え、ベア魔獣も霧のように消滅した。
「すごい……本当に強いんだね、レイ!」
「慣れりゃ誰でもできるさ。ベア魔獣は足元が弱点だ。ローエントリーってやつだな」
「ロー……エントリー?」
「なるべく低い位置で入って高い位置で決済する。値高値掴みは禁物ってことだ」
わかったようなよくわからないような
「剣に緑の光が吸い込まれてたけど、あれ何?」
「お、よく見てるな。あれはベア魔獣の“構成分子”だ。
デバイスに吸収しておいて再構成すれば、素材として利用できる。
俺のアーマーもそうやって作った。エコだろ?」
「ちゃっかりしてるなぁ……!」
「利益の再投資は相場の基本だ!」
どや顔で親指を立てるレイ。
うん、この人、たぶん暴落しても楽しむタイプだわ。
闘技場に風が吹く。
緊張が少し緩んだその時――
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