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第二章
混戦脱走!?罠か救助か
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――う……うん。
きらきらと明かり取りから朝の光が差し込んでくる。
ほっぺのあたりがざらざらしてて、でも、なんかあったかい。
そしてふわっと安心感のあるいい匂い。……なにこれ。
目をうっすら開けると、目の前は鉄格子。
あれ、牢屋? てことは、昨日のあれは夢じゃなくて──。
視線を動かすと、レイがアーマーを脱いだまま、壁に寄りかかって座っていた。
寝息を立ててる。ちょっとだけ口が開いてる。……っていうか。
あたし、レイの膝の上に頭乗っけて寝てたんだけど!?
「ほわっ!?」
自分でもびっくりする変な声が出た。
「そっか……昨日、あのまま泣き疲れて寝ちゃったんだ……」
昨日の号泣シーンが脳内フラッシュバックして、顔が一気に真っ赤になる。
なにあの泣き虫ムーブ!? 黒歴史確定じゃん!
慌てて飛び起きたけど、昨日みたいな激痛はもうない。
まだ節々痛いけど、立てる。生きてる。よかった……。
「……うーん、おはよう、サキ」
レイがあくび混じりに体を伸ばす。
Tシャツ姿で、肩とか腕とか、ちょっと見えすぎてる気がする。
昨日は分からなかったけど右肩にりんごのマークみたいな小さい痣がある。生まれつきかな?
その筋肉のラインに、思わず目がいってしまって――
「あ、お、おはようレイ」
慌ててそっぽを向く。
だめだ、平常心、平常心……。 昨日の涙は水に流す方向で!!
ガチャ……キィ。
鉄格子の向こう、奥のドアが開いた。そこからひょっこり顔を出したのは──
「おはよ、よく寝れた?」
――ソウマ。
昨日あたしたちを罠にはめた、裏切りショーター野郎である。
「ソウマ、てめぇ……!」
「文句はあとで聞くから、逃げる準備してアニキ! 状況が変わったんだ!」
ソウマは懐から鍵を取り出して、カチャリと錠前を開けた。
なんで鍵持ってんのよ!?
「早く出て!」
「レイ……また罠じゃないの?」
「さあな。でもここに一生いるよりはマシだ」
そう言ってレイは素早くアーマーを着こみ、立ち上がった。
その姿勢の切り替え、完全にプロ戦士モード。
「ついてきて」
ソウマが先頭に立つ。あたしたちは足音を殺して後を追った。
右、左、右、右、左、右……
なんだこの迷路。ダンジョン構造にもほどがある。
「よくこんなとこ覚えてんな……」
「ここ、俺が毎日掃除してる」
「いやどういう立場で働いてたのアンタ」
しばらくして、石造りの廊下の向こうに光が見えた。
「もうすぐ外だ」
裏口を抜けると、まぶしい朝日が差し込んでいた。
あの不気味な神殿が、光の中でやけに禍々しく見える。
――と思ったその瞬間。
ジリリリリリリリリリ
耳障りな警報ベルが鳴り響く。
「脱走者が出たぞー!!」
「まだ遠くに行ってないはずだ、捕まえろ!!」
「やっば!バレた!!」
「チャート魔法陣展開、 チャートブレード、オン」
ヴィンッ
レイの足元に赤い魔法陣が浮かび上がり、剣が光を放つ。
空気がピリピリする。戦場の匂いだ。
「チャート魔法陣展開、チャートブレード、オン!」
ほわん……。
あたしの足元にも、やる気なさそうな光の魔法陣が広がる。
手に現れたのは、おもちゃみたいなミニ剣。
「……それ、意味あるの?」
ソウマの冷たい視線。
「ないよりマシでしょ!」
裏口の扉がバンッと開き、信者たちがぞろぞろと雪崩れ込んでくる。
「いたぞ!」「捕らえろ!」
「ベア魔獣、召喚」
ソウマがデバイスを掲げると、地面に光の魔法陣が浮かび上がった。
眩しい閃光とともに、地鳴りが走る!
――ドオオオオオンッ!!
現れたのは、漆黒の毛並みを持つ中型ベア魔獣!
昨日のよりちょっと可愛いサイズ。でも牙は十分エグい!
「うわっ、また出た。」
ベア魔獣が吠える。
がああああああああああっっ!!
鼓膜がビリビリするほどの咆哮に、全員が耳をふさいだ。
「乗って!」
「は?」
気づけばソウマは、もうベア魔獣の背中に乗っていた。
「ええええええ!? それ乗れるの!?」
「むしろ乗れてからが一人前だろ!? これだから初心者は!」
「ちょ、なにマウント取ってんのよ!!」
「いいから早く! 置いてくぞ!」
促されるまま、あたしはベア魔獣の背中の毛にしがみついた。
ふわふわ。意外とあったかい。……クマのくせに癒やし系じゃん。
「レイも! 早く!!」
「俺はここで信者どもを足止めする」
レイがチャートブレードを構え、信者たちの群れに立ちはだかる。
ああもう、こういうときだけカッコつけるんだから!
「レイ!、また捕まっちゃうよ! 早く!!」
「サキ、ソウマ、まっすぐギルドへ行け! リンが保護してくれるはずだ!」
「レイ!」
「じゃあ、お言葉に甘えて――先行かせてもらいますねー!」
まるでピクニックにでも行くような軽い調子でソウマが言いやがった。
「はぁ!? ちょっとアンタ、簡単にレイ見捨てないでよ!!」
あたしが怒鳴ると、ソウマは肩をすくめて笑う。
「見捨てるわけないでしょ。アニキはそんな簡単にやられないですもんね!」
「そういうことだ」
レイがニッと笑った。その笑みは、いつもの余裕たっぷりのトレーダースマイル。
……けど、目の奥は違った。
真剣そのもの――たぶん、覚悟してる顔だ。
「レイ……」
あたしが何か言おうとした瞬間、レイが短く手を上げて止めた。
「サキ、心配すんな。こっから先は俺の戦場だ」
「なにそれ、カッコつけすぎ!」
「アニキ、ちゃんと後で追いついてきてくださいよー」
ぴゅうぃ
ソウマが指笛をふく。
ベア魔獣が地面を蹴り、爆発的な勢いで駆け出した。
「レイィィィィィィィィ!!」
あたしの叫びが空にこだまする。
レイの姿がどんどん小さくなっていく。
最後に、何か言ってた気がする。
「サキ!……な……」
でも、風の音にかき消されて聞こえなかった。
あたしはただ、必死にベア魔獣の毛を掴んでいた。
涙で視界がにじむ。
それでも、振り落とされないように、ただしがみついて――。
朝の光が、眩しく滲んでいた。
負けない、絶対にレイを助けに行く。
きらきらと明かり取りから朝の光が差し込んでくる。
ほっぺのあたりがざらざらしてて、でも、なんかあったかい。
そしてふわっと安心感のあるいい匂い。……なにこれ。
目をうっすら開けると、目の前は鉄格子。
あれ、牢屋? てことは、昨日のあれは夢じゃなくて──。
視線を動かすと、レイがアーマーを脱いだまま、壁に寄りかかって座っていた。
寝息を立ててる。ちょっとだけ口が開いてる。……っていうか。
あたし、レイの膝の上に頭乗っけて寝てたんだけど!?
「ほわっ!?」
自分でもびっくりする変な声が出た。
「そっか……昨日、あのまま泣き疲れて寝ちゃったんだ……」
昨日の号泣シーンが脳内フラッシュバックして、顔が一気に真っ赤になる。
なにあの泣き虫ムーブ!? 黒歴史確定じゃん!
慌てて飛び起きたけど、昨日みたいな激痛はもうない。
まだ節々痛いけど、立てる。生きてる。よかった……。
「……うーん、おはよう、サキ」
レイがあくび混じりに体を伸ばす。
Tシャツ姿で、肩とか腕とか、ちょっと見えすぎてる気がする。
昨日は分からなかったけど右肩にりんごのマークみたいな小さい痣がある。生まれつきかな?
その筋肉のラインに、思わず目がいってしまって――
「あ、お、おはようレイ」
慌ててそっぽを向く。
だめだ、平常心、平常心……。 昨日の涙は水に流す方向で!!
ガチャ……キィ。
鉄格子の向こう、奥のドアが開いた。そこからひょっこり顔を出したのは──
「おはよ、よく寝れた?」
――ソウマ。
昨日あたしたちを罠にはめた、裏切りショーター野郎である。
「ソウマ、てめぇ……!」
「文句はあとで聞くから、逃げる準備してアニキ! 状況が変わったんだ!」
ソウマは懐から鍵を取り出して、カチャリと錠前を開けた。
なんで鍵持ってんのよ!?
「早く出て!」
「レイ……また罠じゃないの?」
「さあな。でもここに一生いるよりはマシだ」
そう言ってレイは素早くアーマーを着こみ、立ち上がった。
その姿勢の切り替え、完全にプロ戦士モード。
「ついてきて」
ソウマが先頭に立つ。あたしたちは足音を殺して後を追った。
右、左、右、右、左、右……
なんだこの迷路。ダンジョン構造にもほどがある。
「よくこんなとこ覚えてんな……」
「ここ、俺が毎日掃除してる」
「いやどういう立場で働いてたのアンタ」
しばらくして、石造りの廊下の向こうに光が見えた。
「もうすぐ外だ」
裏口を抜けると、まぶしい朝日が差し込んでいた。
あの不気味な神殿が、光の中でやけに禍々しく見える。
――と思ったその瞬間。
ジリリリリリリリリリ
耳障りな警報ベルが鳴り響く。
「脱走者が出たぞー!!」
「まだ遠くに行ってないはずだ、捕まえろ!!」
「やっば!バレた!!」
「チャート魔法陣展開、 チャートブレード、オン」
ヴィンッ
レイの足元に赤い魔法陣が浮かび上がり、剣が光を放つ。
空気がピリピリする。戦場の匂いだ。
「チャート魔法陣展開、チャートブレード、オン!」
ほわん……。
あたしの足元にも、やる気なさそうな光の魔法陣が広がる。
手に現れたのは、おもちゃみたいなミニ剣。
「……それ、意味あるの?」
ソウマの冷たい視線。
「ないよりマシでしょ!」
裏口の扉がバンッと開き、信者たちがぞろぞろと雪崩れ込んでくる。
「いたぞ!」「捕らえろ!」
「ベア魔獣、召喚」
ソウマがデバイスを掲げると、地面に光の魔法陣が浮かび上がった。
眩しい閃光とともに、地鳴りが走る!
――ドオオオオオンッ!!
現れたのは、漆黒の毛並みを持つ中型ベア魔獣!
昨日のよりちょっと可愛いサイズ。でも牙は十分エグい!
「うわっ、また出た。」
ベア魔獣が吠える。
がああああああああああっっ!!
鼓膜がビリビリするほどの咆哮に、全員が耳をふさいだ。
「乗って!」
「は?」
気づけばソウマは、もうベア魔獣の背中に乗っていた。
「ええええええ!? それ乗れるの!?」
「むしろ乗れてからが一人前だろ!? これだから初心者は!」
「ちょ、なにマウント取ってんのよ!!」
「いいから早く! 置いてくぞ!」
促されるまま、あたしはベア魔獣の背中の毛にしがみついた。
ふわふわ。意外とあったかい。……クマのくせに癒やし系じゃん。
「レイも! 早く!!」
「俺はここで信者どもを足止めする」
レイがチャートブレードを構え、信者たちの群れに立ちはだかる。
ああもう、こういうときだけカッコつけるんだから!
「レイ!、また捕まっちゃうよ! 早く!!」
「サキ、ソウマ、まっすぐギルドへ行け! リンが保護してくれるはずだ!」
「レイ!」
「じゃあ、お言葉に甘えて――先行かせてもらいますねー!」
まるでピクニックにでも行くような軽い調子でソウマが言いやがった。
「はぁ!? ちょっとアンタ、簡単にレイ見捨てないでよ!!」
あたしが怒鳴ると、ソウマは肩をすくめて笑う。
「見捨てるわけないでしょ。アニキはそんな簡単にやられないですもんね!」
「そういうことだ」
レイがニッと笑った。その笑みは、いつもの余裕たっぷりのトレーダースマイル。
……けど、目の奥は違った。
真剣そのもの――たぶん、覚悟してる顔だ。
「レイ……」
あたしが何か言おうとした瞬間、レイが短く手を上げて止めた。
「サキ、心配すんな。こっから先は俺の戦場だ」
「なにそれ、カッコつけすぎ!」
「アニキ、ちゃんと後で追いついてきてくださいよー」
ぴゅうぃ
ソウマが指笛をふく。
ベア魔獣が地面を蹴り、爆発的な勢いで駆け出した。
「レイィィィィィィィィ!!」
あたしの叫びが空にこだまする。
レイの姿がどんどん小さくなっていく。
最後に、何か言ってた気がする。
「サキ!……な……」
でも、風の音にかき消されて聞こえなかった。
あたしはただ、必死にベア魔獣の毛を掴んでいた。
涙で視界がにじむ。
それでも、振り落とされないように、ただしがみついて――。
朝の光が、眩しく滲んでいた。
負けない、絶対にレイを助けに行く。
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