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不幸だった少女、神になる!

第4話 フレンチトースト美味しい!………と、ドラゴンゲットだぜ!

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「おーい、起きなさーい! ………起ーきーて!」

むにゃむにゃ。

「………フレンチトーストいる?」

むにゃ………フレンチトォストォー?

「いるぅ」

「はいおはよう」

………あれ? ここどこ?

………はっ! そうだった! 私は今日から神様の仕事始めなきゃなんだった!

うわっ! どうしようどうしよう! 完全に遅刻じゃん!

ととと、とりあえず着替え着替「はい、落ち着こうね?」………あれ? 先輩?

「別に出勤時間とか無いから、というか良く寝てたね? もう十一時だよ?」

「えっ!?」

十一時!?…………本当だ………。

「とりあえず着替えはここに置いとくから着替えたら上に上がってきて、朝食作っとくから」

「作ってくれるの!?」

「イグザクトリー」

そう言い残して先輩は出ていった。

………何この職場、至れり尽くせりじゃん。

先輩が置いてった着替えも私が持ってたやつだし………もしかして取りに行ってくれたのかな?

そして凄いフワフワ、柔軟剤のレベルじゃないよね?

私はそう思いながら着替え、上へと向かった。

倉庫の扉は、中からは自動ドアになっていて、階段の出口が開くと、何だかとても良い香りがしてきた。

………この香りはシナモンかな?

そしてリビングまで行くと………

「来たね、はい、座って座って!」

あっという間に座らされた。

テーブルの上にはキラキラと輝く蜂蜜がいっぱい掛かったフワッフワのフレンチトーストが鎮座していた。

………先輩になぜ、私の好みが知られているんだろう?

普通ならたまたまと思うけど私は見逃さない。

蜂蜜にシナモンパウダーが混ぜてあるのは内だけだからね!

「………あれ? どうしたの? 食べないの?」

「あっ! いただきまーす!」

だけどそんな小さな疑いはフレンチトーストを一口食べた瞬間にトロリと消えていった。

あぁ! やっぱりフワフワの食パンに内蔵されている卵の甘さ、そしてその甘さを際立てる表面の焦げ、その焦げの苦味を洗い流す蜂蜜! まさに黄色のハーモニーだぁ♪


《メシテロ回避(遅い)》


あぁ、美味しかったぁぁ。

「………ご満足の様で何よりだね」

満足ぅぅ。

「………おーい、戻ってきて」

はっ! 私は何を………。

「………さて、じゃあ朝食も食べ終わった所で、仕事について話そうか」

仕事………何の仕事かな? まぁどんな仕事でも頑張るけどね!

「今回、君に預けたい仕事は………不正キャプチャーの捜査だよ」

「不正キャプチャー?」

「不正キャプチャーは………マスターボールみたいな感じの物だね、第9961世界で使われていて、魔物を無理矢理洗脳して捕まえる機械だよ」

洗脳………何かモンスターボールの都市伝説でそんな感じのがあったような………。

「ちなみにそれとは別にキャプチャーっていう機械もあってね? それはモンスターボールみたいな物だね、だけど捕まえてから信頼関係を作れるかは捕まえた人によるっていう感じのまったく洗脳なんて無いやつだよ」

モンスターボールというよりただの檻みたいな感じかな?

「そしてその調査をするために………その世界へ降りて欲しいの」

「降りる?………つまり潜入調査って事?」

「理解力が凄いね………正解! だけどわざと潜入とかしなくて良いんだよ? ただ普通にその世界で生活してたら嫌でも相手が接触してくるはずだから」

「わかった!」

「素直で宜しい………で、世界の説明だけど、第9961世界はファンタジー番ポケ○ンみたいな感じだね、キャプチャーでモンスターを捕まえて、信頼関係を築いて、他の人のモンスターとバトルする、そんな世界だよ」

………要するにリアルポ○モンって事だね?

「で、どうする? 見た所今すぐにでも行きたいって感じだけど」

「っ!? し、仕方ないじゃん、こんなに至れり尽くせりの職場だったら何かしらしないと不安になるんですよ」

「………ワーカーホリックにならない程度なら良し、と言う訳で君の旅立ちの準備をしようか………ちょっとこっちに来て」

先輩は椅子から立つと、青い穴を空中に作り出した。

その中からは一匹の二頭身の変な生き物が飛び出てきた。

「ネイドラ? あの子達は持ってきてる?」

「えぇ、ばっちりよ、あの子達も早く外の世界を見たくて仕方がないみたい」

シャ、シャベッタァ!

「さて、来葉、この子はネイチャードラゴン、この姿は普段の生活用の姿だから本当の姿はかなり大きいよ、そしてこの子が持っている三つの卵が君の旅の相棒となる子だよ」

先輩が言う通り、このドラゴンさんは三つの白い卵を持っていた。

「さて、どの子を連れていきたい?」

………先輩が何だかオー○ド博士に見えてきた。

………どの卵が一番良いかな?

左………真ん中………右……おっ!動いた!

「私、この子にするよ」

私が選んだのは………一番右の子。

だって私の目の前で動いたんだよ! これはもうこの子に決定するしかないじゃん!

「………わかった、その子で良いんだね?」

「うん!」

「オッケー、ネイドラ、ありがとね」

「良いのよ、その子が大きくなって立派な姿を見せてくれたらね?」

そう言ってドラゴンさんは穴の中へ戻っていった。

そして穴は閉じられた。

「さて、来葉? その卵に力を込めてみて? 手から何かを流すイメージで」

力? ………フググググッ!

そうして少し踏ん張ると、手から青色の光が飛び出てきて卵に吸い寄せられていく。

その光を卵が完全に吸った時、卵に………ヒビが入った。

そして卵はどんどん割れていき、中からは真っ白で小さな龍が出てきた。

その龍はパタパタと来葉に向かって飛び、頭の上に着地した。

「………可愛い」

「生まれてすぐに飛ぶって………魔力の質が良かったんだね………よし、後はこのバックの中に持ち物を全部入れてあるから向こうに行ったら確認しといてよ」

「わかった!」

「じゃ、飛ばすよ?」

「お願いします!」

私がそう言うと私の足元に青色の穴ができ、私を飲み込んでいった。

「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


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氷神「ドキドキ!解説コーナー!」

来葉「わー!パチパチ!」

ディメン「今回はキャプチャーの解説だな、氷神!」

氷神「オッケー! 『キャプチャー』とは少し縦長の六角形の線対称の形をした物体で、真ん中に大きな宝石が埋め込まれているよ、そしてその宝石の色は中に入ってるモンスターの属性を表していて、何も入ってない場合は透明だよ、この石を魂石と言います。そして外枠は八個のパネルがあり、上を二回、左と右の上側 を同時に二回押すと小さい状態で、何もせずに名前を呼ぶと大きい状態で呼び出せるよ、ちなみに小さい状態はバディ○ァイトの小さい状態、もしくはSDガンダムをイメージしてもらうと分かりやすいかもね」

来葉「私のドラゴンもあんな感じになれるのかな?」

氷神「無理だよ? あの姿はその魔物の幼い頃の姿に戻るだけだからね」

来葉「でも可愛いからそれでも良いや」

ディメン「早くも親バカの気配が出てきたぞ………じゃ!今回はこれで終わりだ! それじゃ!またな!」


何か凄い物語が急いでる気がする
早すぎると一作目のネタバレが先に出てしまう………
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