お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――

敬二 盤

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第三章前編『おいでませ!竜人の世界!』

第十話 怪物の進撃と炎の天使

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視点変更 実穂→戦闘視点(三人称)


どす黒い結晶はライトの手の中で少し蠢くと、ライトが即座に仕舞ってしまった。

「………侵食が結構進んでるねぇ、早く元を倒さないと………」

「元って?」

難しい顔をしているライトに、実穂が首を傾げながら問いかける。

「あの人の体を暴走させてる邪聖杯だよ」

そう言って、ライトは村の方向へ走っていった。

実穂達も置いていかれない様に走った。

そして少しして村に着くとそこは………大量の竜人が転がっていた。

しかし、全員から呻き声が聞こえるので生きてはいるのだろう。

そしてその倒れている者達の中心にそれは居た。

黒く蠢きながら周りに嫌悪感を撒き散らし、足元からは無数の触手が生えており、そのどれもが緑色の毒らしき液体で濡れていた。

手は異様なまでに短く、もはや手の機能を果たしていなかった。

首は人間の原形が無いほど長くなっており、顔は四等分に裂けており、中から赤い触手が無数にウネウネとしていた。

触手の先は口の様になっており、小さな歯が気持ちが悪い程にびっしりと生えていた。

「光海! パトゥーンコール隊列呼び出しナインメンバー!」

「了解です」

「実穂達はあいつをどうにか押さえてくれる?! 僕は双子を引き抜くから!」

「え!? 双子を引き抜くって?」

「取り込まれてるの!」

「えっ!?」

実穂が驚きの声をあげる。

冗談であってほしい事だが、現実だった。

「………わかった! クルミ! 美堀! いつもの!」

二人はその声を聞いてすぐに行動に出た。

クルミは高速で怪物の周りを駆け回り、攪乱しながら麻痺ナイフを投げた。

美堀は実穂にリンクしてもらい、怪物の元へと走っていく。

しかし、麻痺ナイフは全く効いた様な感じはせず、実穂が調べて美堀に情報を送ろうとして調べた途端、実穂に激しい頭痛が襲ってきた。

「っぅ!?」

「実穂!?」

美堀は実穂に駆け寄ろうとする。

しかし、怪物はそれを許さずに口が生えた触手を伸ばして食い千切ろうとしてきた。

それを見たクルミは触手へと爆発ナイフを投げ、赤い触手が爆発した。

千切れた触手が空を飛び、怪物は痛いのか叫びだした。

「………っ!? もっと触手を千切って! 今、邪聖杯が少し弱まった!」

今度はラキトが籠手を着けずに殴り、十四本もの触手を消し飛ばした。

怪物は悲鳴をあげ、足の触手を無茶苦茶に振り、毒を飛ばしてきた。

その毒は実穂が《マジックウォール》を使い、空中で受け止めた。

そして毒はシューッ!と音をたてながら………壁を壊した。

「えっ!?」

それに気を取られたのがいけなかったのか、実穂は足元から忍び寄って来ていた赤い触手に気付くのが遅れ、避けきれずに弾き飛ばされてしまった。

「きゃあっ!」

「実穂!」

美堀が叫ぶび、近寄ろうとするが、緑色の触手が邪魔で近寄れない。

その背後から赤い触手が近寄ってくるが、美堀はそれに気付き、蹴り飛ばそうとした。

しかし、予想以上に触手は柔らかく、蹴りの衝撃を吸収してしまった。

「なっ!………ぐっあっ!」

そして足を捕まれ、投げられて地面へと衝突した。

クルミは爆発ナイフを投げようと構えたが、突如怪物の本体がグルリと回転し、クルミを凪ぎ払おうとしてきた。

それを見て避けれると判断したクルミは、爆風ナイフを分厚い緑色の触手に投げる。

しかし、それは柔らかい弾力に弾かれ、本体の回転の速度が一瞬の間だけ増した。

一瞬の間とはいえ、クルミの速度を越えた触手がクルミを吹き飛ばす。

「きゃっ!」

これでクルミと美堀は気絶した。

ラキトも二発目を打とうとした際に緑色の液体に触れてしまい、気絶してしまった。

しかし、実穂は《自衛術》の危険察知のお陰か地面との衝突直前に受け身を取る事ができた。

そして三人を見て《テレポート》で触手が届かない所まで転移させた。

「………《森羅万象》」

様々な情報が一気に実穂に流れ込んでくる。

それらは異常なまでの頭痛を引き起こしたが、何とか耐え、ライトへとリンク先を変えた。

『ライト! あれを倒すには神属性がいるんだって! それで倒せば双子もそのお母さんも助かるみたい!』

『神属性!?』

実穂はリンクを切ると、"自分自身”とリンクし、相手の行動を予測しながら魔法を行使している。

「《テレポート》《マジックウォール》《サイコキネシス》《パラライズクラウド》」

予測していた赤い触手の噛みつきを避け、上空で足場を作り、それを魔法で操り、動かしながら黄色い雲を放った。

しかし、触手には効果が無く、緑色の液体が実穂へと飛んできた。

実穂は魔力の壁を操作して避け、様々な魔法を試していった。

『実穂!? 何で無駄だってわかりながら色々と試してるの!?』

ライトが念話を繋いできた。

「そんなの! 試してみなきゃわからないからだよ! もしかしたら助けられるかも知れないでしょ!」

『………何…で?』

ライトの声が震えている。

その顔を見ると、どこか昔の事を思い出している様にも見える。

「そんなの簡単だよ! 『助けられるから助けるんだよ!』」

『………』

ライトは顔を覆って上を向いた。

その手からは涙がこぼれ落ちている。

その時、怪物はより一層大きな赤い触手を伸ばし、襲いかかってきた。

それは流石に大きすぎ、実穂の操作でも避けきれない。

転移して避けようとした実穂はそこで気付いた。

《テレポート》が使えなくなっている事に。

慌てる実穂とそれを喰おうとする怪物。

そして実穂は怪物に食べられる……………事は無かった。

怪物の触手は炎に包まれ、焼け爛れ、崩れ落ちていった。

そしてその炎が出てきた方向を見ると、炎の繭の様な物が宙に浮いていた。

「………はぁ、僕って何でこうなんだろうね?」

その繭の中から声が聞こえてくる。

「いつも変な事に巻き込まない様にして周りが別の事に巻き込まれる」

その声はどことなく自虐的に聞こえた。

「そしてたまに思うんだよ、『そんなんだからあの子達は死んだんだ』ってね?」

そして繭は炎の渦となりながら薄くなっていく。

「でもね? 実穂?」

その繭の中から現れたのは………

「僕はその言葉を信じるよ、君が心優しい人間だという事をね?」

………赤く、炎が燃えている様な色をした服を着て、赤い羽を生やした天使だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」

ライト「どうも皆さんこんにちは、この姿を実穂に見せるのは二回目、だけど今回は実穂が色々な事を感じ取れるので多分正体ばれてる、ライト スターダストです」

ディメン「いや、お前………ばらして良いのかよ」

ライト「………ま、良いんじゃない? 実穂は利用しようなんて思わなそうだし………まぁ最初は色々と精神崩壊しかけてたり、魔物や人の死体を見ても何も思ってなかったりで結構警戒してたけどね? でもさっき気付いたんだよね。 この子、精神が強くなってるんだってね?」

ディメン「成る程、だから死体を見ても吐かなかったのか」

ライト「普通は魔物を始めて殺した時、精神病にかかる人も居るんだけどなぁ………あっ、今回のステータスだよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・進和 実穂 
・性別 女 年齢 18歳
・種族 人間
・職業  ?
・LV 8  38/40
・握力 5
・HP 17/37
・MP 120
・AT  24
・DE 28
・IN 30
・MD 28
・AG 23
・EX 15

スキル
・支援魔法支配 Lv 2
・聞き耳 Lv 3
・合成魔法 Lv 5
・読み聞かせLv 4

パッシブスキル
・異世界言語
・?高?の?護
・自衛術
・幻影魔法耐性Lv 1
・森羅万象(一部封印中)

加護 呪い

称号
・異世界人
・?高?の?護
・助けられた者
・空を飛ばされし物
・トラブルメーカー
・弱者
・強者
・生者
・死者
・支援の支配者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディメン「さて、次回はどうなるのか………」

ライト「何か中途半端すぎるから明日か明後日までには続きを出すみたいだよ?」

ディメン「そうか………さて、今回はこの小説を読んでくれてありがとな」

ライト「誤字脱字やストーリー矛盾等がありましたらご報告の方をお願いします」

ディメン「それでは皆さん」

ディメン&ライト「「さようなら」」



言えない。
この戦闘が終わったら後の八話をどうやって埋めようかを全く考えていないなんて言えない(震え)
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