お気楽少女の異世界転移――チートな仲間と旅をする――

敬二 盤

文字の大きさ
171 / 188
第四章『不穏な空気! エグリゲイション聖国』

プロローグ ≮♯の♢物﹀₣₭り

しおりを挟む
二週間振りです!
ちょっと色々あって小説の更新ができませんでしたが、これから再開していきます!
でも二週間も休んだせいかはわかりませんが、少し書くのが難しくなっているので、更新頻度が下がるかもしれません!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「グルゥァァァァァァァッ!」

永遠に続く無の空間、光どころか闇すらもない虚無の中、巨大な怪物は暴れていた。

「ギリュルァァァァァァァ!」

自身をこんな所に閉じ込めた人間を殺す為に。

人のを形を失い、人の心も怪物へと堕とし、どんどんと人間性を失っていく。

そんな変貌を遂げてでも、"彼"は復讐がしたいのだ。

"彼"は無意味に吠える。

しかしその声も虚無に吸い込まれ、消えていく。

どれだけ走っても、だれだけ攻撃しても。

この空間はその全てを無にしてくる

どんなに激しく暴れようと、どんなに虚しく声を上げようと、ここでは全てが無意味で虚無と化す。

そんな空間の中で、怪物は今日も我が身を封印した者への恨みを高め、暴れ続けるのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「………来ない」

所変わって真っ白な空間。

そこには豪華なソファに腰かける青い衣を纏った可憐な女性が居た。

「いつもならもうとっくに来ている筈なのに………おかしいわねぇ」

ただ、その可憐な姿のままソファにダランともたれ掛かっている為、台無しである。

「帰っちゃ………駄目よねぇ、一応仕事なんだから」

女性はゆっくりとソファから立ち上がると、指先から水滴を一つ空中へと浮かばせた。

その水滴に優しく振れると、水滴は波紋となって広がり水鏡へと変化した。

「さて、どこに居るのかしら?」

水鏡には白く清潔な神殿の様な物が写っており、何かを探しているかの様に景色が目まぐるしく変わっていっている。

「………あっ、居たわね」

水鏡の景色が固定される。

そこは神殿内である事には変わりなかったが、どこか薄汚れていて、暗い雰囲気だった。

そこにある扉から白い司教の様な服を着た細身の男が姿を表し、スタスタと早歩きで歩いていった。

「………この様子ならすぐに来そうね………全く、あんな所で何をやっていたのかしら?」

女性は水鏡を消すと、座り方を女性らしい物に変え、目を瞑った。

そのまま静寂の時間が少し流れ………先程の司祭らしき細身の男が突如姿を表し、跪いた。

「………ソーベン、今回の報告はかなり遅れた様ですが、何をやっていらっしゃったのですか?」

女性はその事に全く驚いた様子は見せずに、少し強い口調で問いかけた。

「………」

「………言えない理由でもあるのですか?」

何も言わない男に少しの疑問を覚えながらも、業務を優先した女性は理由を尋ねた。

「………」

その問いかけには応じず、男はゆっくりと立ち上がった。

「ソーベン、私は温厚な方なので多少の無礼は問題ありませんが、他の」

グサッ!

そんなどこか生々しい音が白い空間に響き渡る。

女性が脇腹の痛みに目を開けると、そこには禍々しい模様で柄の後ろに空白のオーブが付いたナイフが突き刺さっている。

それを刺した犯人の男の顔を、女性は見た。

………まるでゾンビの様な、生気の無い顔を。

「………水神の力、貰い受ける」

男の口から、その男の物では無い若い男の声が聞こえる。

それと同時にナイフを押し込まれた為、女性は呻いた。

「ソー………ベン………」

「………」

ナイフに力を吸い取られ、力尽きた女性は青い光の粒子となり、空白のオーブが青く染まる。

男は静かに立ち上がり、そのナイフを逆手に持つ。

そして………地面に勢い良く、突き立てた。

白く存在するかもわからない床に、禍々しいナイフは深々と突き刺さり、ナイフが刺さった部分から白が汚れ、黒くなっていく。

汚れの侵食はゆっくりと、確実に拡がっていき、ナイフに付いているオーブもそれに伴って黒く染まっていく。

そしてそのオーブが完全に黒く染まった頃の白い空間は………醜く汚れ、所々生きているかの様に汚れが脈動する空間へと変貌を遂げていたのだった。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

アラフォー幼女は異世界で大魔女を目指します

梅丸みかん
ファンタジー
第一章:長期休暇をとったアラフォー独身のミカは、登山へ行くと別の世界へ紛れ込んでしまう。その場所は、森の中にそびえる不思議な塔の一室だった。元の世界には戻れないし、手にしたゼリーを口にすれば、身体はなんと6歳の子どもに――。 ミカが封印の箱を開けると、そこから出てきたのは呪いによって人形にされた大魔女だった。その人形に「大魔女の素質がある」と告げられたミカは、どうせ元の世界に戻れないなら、大魔女を目指すことを決心する。 だが、人形師匠はとんでもなく自由すぎる。ミカは師匠に翻弄されまくるのだった。 第二章:巷で流れる大魔女の遺産の噂。その裏にある帝國の侵略の懸念。ミカは次第にその渦に巻き込まれていく。 第三章:異世界で唯一の友人ルカが消えた。その裏には保護部屋の存在が関わっていることが示唆され、ミカは潜入捜査に挑むことになるのだった。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...